身の周りの環境が更に悪化してしまい、執筆できるメンタルでなかったです。
しかし”完璧を目指すよりまず終わらせろ”……この格言聞いてある程度完成していたこちらをなんとか完成させました。残っている作品も完成させてなんとか次の目標に向かうように努力します。
少し時間を空けてから続きを執筆したので色々と粗があるかもしれませんがお許しください。
評価及びお気に入り登録ありがとうございます。
承認欲求から始めたためなのか評価バーの色が赤からまたオレンジになってしまったことで少し落ち込んでます。が、それも読者様からの正当な評価なので受け止め邁進していきます。
この場を借りて改めてお礼申し上げます。
そう俺と咲は恋人兼マネージャーだ。
咲との関係を改めて振り返ろう。咲とは中学2年生の時になんとなく声をかけてから関係が始まった。そこから友人のような関係になって、しばらくして高校1年生のインハイが終わった日の夜、俺は咲に呼び出された。その際に、
「京ちゃ・・・いや、須賀京太郎さん!結婚を前提に付き合ってください!!」
って、対局をしているとき以上に真剣な表情をしながらはっきりと言ってきたんだ。俺はそんな咲の今まで見たことのない真剣な表情に気圧されて「本当に俺で良いのか?俺よりも良いやつが現れるかもしれないぞ」と日和ったんだ。そしたら咲は近づいて
「私は京ちゃんがいい、京ちゃんとこれからの人生を一緒に過ごしたいの」
そう言い切った咲に俺は・・・。
「・・・俺にとって咲は手間の掛かる妹のような存在だった」
「・・・うん」
「咲のことをそんな風に考えたことはなかった」
「・・・・・・うん」
「今までは・・・な」
「!」
いつからだろうかコロコロ変わる咲の表情に見惚れるようになったのは。いや・・・今になって考えれば・・・
「俺が最初に咲に話しかけたときのことを憶えているか?」
「憶えているよ、あの時は素っ気ない態度で対応してごめんね」
「ああ、確かに少し態度が素っ気なかったな。それで、あの時なんで声をかけたか解るか?」
「え?・・・なんとなくじゃないの?京ちゃんも『なんとなく気になったんだ』って言ってたし」
「ああそう言っていたな」
「なら・・・」
「・・・もったいないって思ったんだ」
「え?」
「あの時なんで咲に声をかけたのか今まで考えたことがなかったんだ。けど、咲の告白で俺も解ったんだ。そんな暗い顔をしているのがもったいない・・・って」
「・・・・・・・・・」
「俺は・・・俺は咲の笑顔が好きだ。咲の花が咲いたような笑顔が大好きだ。だから咲・・・」
「うん・・・」
「咲の告白を受けるよ」
そうして大輪の花が咲いた。
話が少し脱線したが、周りの皆にからかわれながら日々を過ごして3年生の秋頃に咲もお姉さんと同じようにプロのチームにスカウトされた。咲は所属するチームが決まった日にその足で大きなトランクを持って俺の家に来てプロチームと契約したことを報告してきた。
「京ちゃん、無事契約できたよ」
「そうか、確か東京の咲のお姉さんとは違うチームにしたんだよな」
「うん。色々と迷ったけどお姉ちゃんとは違うチームにしたよ」
咲もその点はギリギリまで迷っていた。俺や和たちにも相談して迷いに迷って選択した結果が咲のお姉さんとは違うチームに所属することだ。
「そうか、俺は咲の選択を尊重するよ」
「ありがとう」
どんな心境でその選択したかは俺にはわからない。けれど咲の笑顔を見れば後悔は感じ取れなかった。これでいいのだろう。・・・それはそれとして。
「そういえばそのトランクはどうしたんだ?」
いつものように泊まるなら荷物はもっと小さいバッグで収まるだろうし、麻雀道具も大分前に買い揃えたから持ってくるのはおかしい。何が入っているのか見当がつかなかった俺は素直に聞いてみたんだ。そしたら咲はイタズラが成功したような笑みを浮かべて俺に告げたんだ。
「あれは契約料と契約書」
「契約料と契約書?」
思わずオウム返ししてしまったが、よく考えればプロチームと契約した後すぐに来たんだから持っていてもおかしくないものだ。事前に今日契約するって聞いていたからこそさっきまでのやりとりをしていたわけだし、・・・大分不用心だがそれだけ俺を信頼している証なのだろう。
「うん。京ちゃんに払う契約料と京ちゃんの契約書」
「は?」
「もう京ちゃんの両親に許可は取ってあるから、後は京ちゃんの返答次第だよ」
「は?」
え?俺に払う契約料と契約書?咲が俺に?え?
混乱して固まった俺の両腕から名残惜しそうな顔をしながら咲は離れていき、立ててあったトランクを床に置いて開いた。
札、札、札。およそ学生の身分では見ることのできない金額の札束がぎっちりと詰まった光景が目に入る。咲はトランクの蓋の裏側につけられていたポケットから封筒を取り出した。
「はい、京ちゃん」
咲は封筒から取り出した紙を俺に差し出してきた。思考がほとんど停止していた俺は反射的に受け取りその紙を眺めた。その紙には“雇用契約書”とでかでかと書かれていた。
「えぇ・・・」
「その紙に雇用条件がきちんと書かれているからよく目を通してね」
「俺の意思は・・・」
「もともと京ちゃんは京ちゃんのお父さんの会社に就職しようとしていたでしょ?」
「あ、ああ」
俺もそれなりに麻雀ができるようになったが咲や和のようにプロから声が掛かることもなかった、大学もしっくり来なかったからとりあえず親の会社に就職して跡を継ぐか継がないか考えようとしていた。親は“そんなこと考えなくていい”と言ってくれたが、何があるかわからないからとりあえず実際に経験してから判断したいと説得して3年生の始めから少しずつ仕事を学んでいた・・・それを咲も知っているはずだ。
「実は京ちゃんが学んでいたことって……私の仕事内容なんだ」
「うぇ!?」
「ここまで学んできたことを少し挙げてみてよ」
「礼儀作法や簿記の勉強、個人情報の取り扱い方に運転免許…。いやいや!ちょっとまて!確かにこの契約書に書かれている咲の仕事内容にも活用できるかもしれないけ・・・」
そう言いかけて俺はふと気がつく。これまで学んできたことはどんな仕事にも応用できる基礎中の基礎だ。口元をヒクつかせながら目の前の小悪魔に口を開く。
「・・・最近親にもっと具体的な内容を学びたいと言っても“今はとにかく基礎を大事にしろ。しっかりとした基礎があればすぐに応用は身につく”ってはぐらかされていたな・・・。いつから計画したんだ“これ”?」
「具体的に動き出したのは2年生の春頃くらいかな。そのあたりに京ちゃんのお母さんに相談したよ」
完全に俺の負けだ。将を射んとする者はまず馬を射よだったか?外堀はすでに埋められていたわけだ。
「…はぁ~。ここまで囲い込まれていたならする気はさらさらないけど抵抗も無駄だな」
「これで卒業してからも一緒に過ごせるね」
そう言って満面の笑みを浮かべる咲。
そうして、俺は咲の恋人と言う肩書きにマネージャーという肩書きが追加されたのだった。
**********
そんなことがあって俺は咲の恋人兼マネージャーになった。
そこからは多忙な毎日を過ごすことになった。
プロ雀士という職業の基本は公式大会に出場して対局をすることだ。しかし……ただ対局しているだけでは済まないのがプロ雀士だ。例を挙げると対局の解説、雑誌のインタビューや撮影、麻雀教室の講師、テレビ番組の出演や特殊な例だと歌ったり踊ったりもする。これら全てが世間の麻雀のイメージアップや競技人口獲得のためには欠かせないのだ。
じゃあ咲はどうだろうか?
本分である対局は心配ないが。他のことは大分危なっかしい。もちろん咲も改善するために努力しているがそれらをこなすためのコミュニケーション能力は一朝一夕で身につくものじゃないのだ。
それをフォローするために俺は取れる手段は全て取ってきた。仕事なのだからきちんとこなすのは当然なんだが……単純に咲を悪く思われるのが嫌だったから全力で頑張ってきた。そう全力で……だから少しだけ疲れてしまった。
(そうしてこの状況だ)
この本を開いたのはこの新居で生活をするようになってから初めてだった。それまではクローゼットの奥深くに丁寧に保管していたが、少しだけ昔に浸りたかったのとこれを作ったときの情熱を思い出すために封を開いたのだ。
それで改めてこの本の出来に感動しつつ、再度厳重にしまうのがめんどくさくなって本棚に少しだけ手を加えて保管したんだが……簡単に見破られてしまった。
「そう。恋人兼マネージャーだね」
そう言って咲は更に顔を近づけ俺の唇に自分の唇を軽く触れさせた。ほんの数秒の接触だったがそれでも咲の熱は十二分に感じた。
「京ちゃんは私のもので、私は京ちゃんのものなの。他の人に目移りするのは京ちゃんだから仕方ないけど……他の人を見た倍の時間、私を見て」
そうして咲は元の位置まで戻っていった。そんな言葉を聞いて俺は少し熱くなった頬をかいた。
「あ~ごめんな咲」
咲はおもちに嫉妬していたんじゃなかった。本自体に嫉妬していたんだ。
「それに今の京ちゃんなら熱のある私の生のおもちをいつでも好きに出来るんだよ?」
「おっ!お前なぁもっと慎みを持って…」
「こんなこと京ちゃんにしか言わないんだからいいでしょ?」
そうあっけらかんと言い切る咲に俺は一生勝てないんだなとなんとなく思った。
「じゃあそろそろはじめる?」
「そうだな、じゃあこれを戻してから始めようか」
そう言って秘蔵本を手に取り部屋に向かおうとしたが……
「別に奥にしまわないで本棚にそのまま入れておいて良いよ」
「え?」
「さっきも言ったでしょ、倍の時間私を見るならってね」
咲はウインクをしながらこちらに笑みを向ける。自分の方がこの本よりも大切にされているという自信からくる発言に俺も思わず笑ってしまう。
「そうだな、じゃあお姫様の言うように倍…いやもっと見つめさせてもらうよ」
「それなら、このパーティが終わったら早速ベッドでする?今日はそれなりに危ないからできるかもね」
蠱惑的な笑みを浮かべ咲は俺に近づきささやく
「京ちゃんと私の子・ど・も」
その発言を聞いて俺は本を落としそうになりながら、なんとか言葉を絞り出す。
「お、お手柔らかに」
咲は笑みを深めながら“考えとく”と言い、俺の誕生日のケーキをテーブルに並べ始めた。
もしかしたら恋人の肩書きは今日までになるかもしれない。この後に待っているであろう甘い苦痛に身を震わせながら部屋に向かっていった。
後日、無事肩書きが恋人兼マネージャーから夫婦兼マネージャーに昇格した
一番咲さんの話がすんなり書けるのですが、”咲”という作品には他にも素晴らしい子がたくさんいますのでその子達の話も書けるようになりたいです。
後、今PIXIVリクエストでキャンペーンを行っていますので、もし余裕があって私の作品が気に入っていたのならよろしくお願いします。
それと実験的にTwitter(X)を開設しました。ユーザーページにリンクを張っておくので気まぐれに更新ですが見てってください。