Fate/Saver The fate~アルトリアが好きな少年が起こす人理修復の旅~   作:空色 輝羅李

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第11話

皆さんごきげんよう、わたくし、モルガンと申し...え、素性わかってるからいつも通りにしろ?

あっそ。まあ別にいいのだけどね。

さて、私今...ちょっと苛立っているの。理由はわかるかしら。

 

「...なんのつもりですか。」

「なんのつもりと言われても...」

「わが夫。こんなやつは放っておけば良い。それより、他のサーヴァントを全て解雇しなさい。」

 

...私が、いる。

正確には私ではない。そう。こいつが知らない()()()()()()の世界の私。本人もそれを理解しているのか、その情報を開示することはない。

 

それでも、それが更に状況を悪化させるのです。

あぁ...一体どうしたらこんなことになるのかしら?

 

「マゾエ。どう思う?」

「えぇ...よく似ておられ...いえ、なんでもありません。」

 

私こんな顔してたの!?

 

...こほん。

 

まぁ?私たちは?サーヴァントとして契約しているわけでもないし。人様の関係に口だすつもりもないですけど。

それでも、この苛立ちは収まる気配がない。理由はもちろんわかっているのだけど、まだ認めたくない。あぁ、自分ながら、なんと難儀な性格なのでしょう。

 

いっそ、世界そのものを幽閉しようかしら。

 

―――――――

 

変なこと企んでるなと思いながらモルガンを見る。今度ぜひともやめていただけるよう説得しておこう。

さて。

 

先ほど、レオナルドとマックスウェルから、特異点の観測を完了したと連絡があったため、立香とマシュを呼び、それから

 

「うむ!余の出番だな!」

「案ずるな、総て委ねよ。」

「えぇ、行きましょう。マスター。」

 

...ローマ皇帝のお二人と、アルトリアを呼んだ。

なぜあの二人を呼んだかって?とりあえずローマだしいっかなって。後悔はしていない。反省もしない。

 

でも、王様三人か...

 

「四人ですよ、わが夫。」

「...え、来るの?」

 

断りたい。しかし断れば他のサーヴァント全員消されそう。

そして、彼女に刺激されてか

 

「当然、私を置いていくことは...ないですよね?」

 

一人で動けるのか。驚きだな。ずっと九人でまとまってないと行動できないと思ったが...それもそうか。英霊でないなら、普通の人間...妖精だよな。

 

 

 

 

 

 

第二の特異点。場所は一世紀のヨーロッパ。

 

「具体的に言えば古代ローマ。イタリア半島から始まり、地中海を制した大帝国だ。」

「古代ローマ?ホントに?いいなー、行きたいなー!」

 

...カルデアに元からいたレオナルドは、うらやましそうにしているが、もちろんそれは叶わない。

大体この場で一番カルデアに残っておかなければならない人材なのに...それに、ローマの帝王とならいつでもお話できるからな。

まぁ、いつかは一緒に旅するのもいいかもしれないが。

 

ロマニからたくさんの説明がある。

初めに、今回の特異点は前回同様、どのような変化が与えられたのかも、どこに聖杯があるのかもわからない。まだ観測精度は足りないようだ。

こればかりは人材がいてもどうにもならない。

 

マシュは、「問題ありません、必ず先輩たちと見つけ出します。」と意気込んだ。

本当に後輩かぁ?ちょっと惚れちゃうぞ。

 

二つ目に、作戦の主旨。これもさっきと同じく、特異点の調査と修正。聖杯の捜索、そしてお持ち帰り。

正直、特異点の修正とやらは俺たちの手でした覚えがない。ほとんど世界の修復力に任せたようなものだ。だったらすることは一つ。聖杯の持ち主を見つけ出し、場合によっちゃ倒して、持ち帰る。そういうお仕事。

 

「ところで紅蓮君?なんでグランドサーヴァントのお方がそこに?」

「え、ネロってグランドなの?すげえ。」

「ふっふっふ。余を褒めるのは良いが、残念だな。それは余ではない。」

 

え、じゃあ...モルガン?

 

「違う!ロムルスだよ!!」

 

...信じられん。もう一人のロムルスは、ずっとローマっていうだけだし、こっちのロムルスも、差してかわらん。違いと言えば、こちらのロムルスの方が、人間らしい話し方をすることと、見た目が神々しいことか。

 

...そういえば、霊基が根本的に違う気もするな。なにかこう...体の底を震え上がらせるほどの気配と言うか...

 

「それは彼がグランドだからだ!!」

「訂正が必要だな。私は冠位を捨てた後の私だ。」

 

うーん。全くわからん。

グランドサーヴァントっていうのがまず、何なのか。

 

ロマニの説明を聞こうと思ったが、すでに資料に書かれているのを読んでしまったので、それを思い出そう。

グランド。つまり冠位のクラス。その座に就くのは、セイバーから始まる七つのクラスそれぞれの、逸話も能力も高い英霊。そして、優れた千里眼を持っている。

簡単に言えば、そのクラスの最強候補の中から選ばれる、最強のサーヴァント。

呼ばれる条件はほかにもあるらしい。それがビーストなる存在。

ただ、それがどんなものかはわからなかった。詳細が描かれていないから、創造のしようがない。なので、これに関してはホームズなんかに任せた方がよさそうだ。どうせ薬決めてるだろうけどね...

 

「そういえばロマニ、シバだかトリスメギストスだかで、他の生物が敵対かどうかわからないか?」

「...残念だが、その技術はいまだ不可能だ...せめて、アトラス院に関わることができればね。」

「...それなら心当たりがあるな。」

 

ロマニはいつも通り驚く。予想していても面白い顔をするなこの男。

 

アトラス院には確かに心当たりがある。夢けど、夢じゃなかった。みたいな思い出だ。

中学生の頃に、「ここから出ることができたら、この紙を上げます。」と、紫の髪の女性に言われた。しかし、それはいきなりのことだったので、何が何だかわからなかった。あたりを見渡す。エジプトだ。今まで訪れたことがなくとも、印象的な建造物であるピラミッドがそれを語る。時代はわからない。本当に俺の生きている時代なのか、それとも...と、考えていると、彼女は行くか行かないかを決めるよう催促してきたので、とりあえず入ることにした。

入り組んだ迷路のような場所ではなかった。そのおかげか、すんなりと奥へ進むことができた。それが建造者の思惑とも知らず。

奥へたどりつくと、ある人物がいたので、話しかける。

 

「...あの。」

「ご苦労。君が選ばれるのはもうわかっていたことだがね。しかし、君は確かに運がいい。あぁそうだ、これを持っておきなさい。それが正しい歴史に繋がるのだから。」

 

と、老人のような、若い女の子のような人物に、箱をもらった。

どれもがいきなりのことで、質問をしようとすると、目の前の人物がいないことに気づいた。おかしいなと思いつつも、奥にある演算装置の様なものからデータの複製をしようと試みた。しかし、情報量が膨大過ぎたので、一部の機能だけコピーさせてもらうことに。

仕方なく、来た道を戻ろうと思ったら、うん。アトラス院の本領である、「去る者逃がさない」的なトラップが発動。死に物狂いで戦闘することになった。

 

トラップに会いながら脱出しようと試みた時間はおそらく十分ほどか。そして外の少女は

 

「...全くあなたと言う人間は。必ず演算の想定を越える。実に面白い人間ですね。いいでしょう、こちらを差し上げます。約束ですからね。」

 

と、はにかみながら変な紙を渡された。

そして、次に会うのは海の上、とも。

 

この一連をロマニに説明し、その紙はあるかと聞かれたので、魔術で作り出した収納のための空間から取り出し、見せた。

 

「これは...間違いない。アトラスの契約書だ。」

 

契約書?自己強制証明(セルフギアス・スクロール)とは違う?意味が分からんな。

 

「アトラス院の人間は、これを持つ人物には、何があろうと協力せざるを得ないんだ。だから、アトラス院の人物は、これを渡すこと自体を嫌がるはずなのに...」

 

ふーん。それは問題なのか...

確かに、アトラス院のやつらに関わること自体ほとんどなかったもんな...

 

と。心当たりについて語ったことだし、そろそろ作業へ取り掛かろう。

 

「作業って、いったい何をするんだい?」

「トリスメギストスってのは、アトラスの技術だ。見たらわかる。だから、複製した演算機能を...うん、トリスメギストスなら受け入れるとわかっていたとも。」

 

トリスメギストスの様子を見るに、どうやら情報の受け入れをしたようだ。それもそのはず。トリスメギストスは、あの時に見たトライヘルメスの分霊みたいなもんだし。

 

どう反応がかわるかは、実際使ってからのお楽しみってやつだな。

 

そんなわけで、それぞれがコフィンに乗る。フォウは何食わぬ顔で俺と一緒に。相変わらず可愛いなこいつは。

 

そして、アナウンスもやがて流れはじめ、俺の意識は飛んだ。いつになったら()()に慣れるんだ。

 

―――――――

 

あえて言わせてほしい。頭痛が痛いと。特に意味はないが、強調するためととらえてもらいたい。

私もこれで三度目なんだけどなぁ...やはり三半規管へのダメージが多い。紅蓮が言うには魔力に慣れていないから仕方ないらしいのだが。

 

「今回も、転移が無事終了しました。」

「あぁ、そうみたいだな。」

 

紅蓮は慣れたのかそれとも隠すのがうまいのか、平然としていた。他のサーヴァント各位は、周囲の状況をしっかり確認する。流石は歴戦の英雄様だ、戦場慣れしている。

 

「それにしても...過去っていうのもあってか、風も澄んでるし、緑の風景ってのもきれいだね!」

「そうですね。不思議です...映像では、何度も見たはずなのに。こんなにも鮮明度と言うのが変わるなんて。」

 

きっとマシュは、感動している。今までは映像で、知識として色を知っていた。それでもそれは、実際のキャンバスではなく、線だけで縁取られた塗り絵の下書きだ。その無色の景色に、彼女は少しづつ色を書き加える。

 

きっとこの、壮大で無茶な冒険は、私と言う人間にも、マシュという人間にも、成長を与えている。

とまぁ尊大なことを宣ったところで。

 

「うむ、ここはまさにローマだな!」

「あぁ、そのようだ。」

「いやそりゃローマ目掛けてレイシフトしたんだから当然だろうが。」

「「我あり、故にここはローマなり!!」」

「そんな暴論まかり通るか!!」

 

...ローマ皇帝二人と漫才してる現代人を眺めつつ、Dr.ロマンの話を聞く。

 

「空の光輪は相変わらず顕在、っと...場所がおかしい。確かに座標を固定したんだけどな..時代はあってるし...うーん。」

 

こちらとしてはそれだけで不安がる材料が十分そろっているのを余所目に、ローマの首都に向かうことを言われる。

 

曰く、この時代はまだネロ・クラウディウスの統治するローマがあるはず。近い過去に皇太后アグリッピナを毒殺していたとしても、未だ晩年の危急の時期ではないはずなのだ、と。

 

...ローマ皇帝、ネロ・クラウディウス。生まれたときの名前とは違うけど、それは紆余曲折がひどいので割愛。

彼ないし彼女は、暴君の皇帝として名をはせる。暴君と言わしめる要因としては...毒殺の回数、だけではないだろう。しかし、彼女が近縁の人物を殺害することが多かったのは事実である。

自分の王位継承権の妨げになったであろうブリタンニクス、母親であるアグリッピナ、妻であったオクタウィア。少なくともこれらの人物は、ネロが直接毒を盛ったとも言われている。

それでも、政策そのものは、うまいこと国民を束ねられただろう。その偽りの光に闇が隠れていたとしても...

 

「...先輩、マスター。遠くで、戦闘音が確認できます。」

「これは...戦争か?いやいや、ありえない。この時代にローマ近辺で戦争だなんて、聞いたことがないぞ。」

 

ごく小規模なものはあったかもしれないが、確かにロマンのいうことはもっとも。だとすればこれは、歴史のずれ。私たちが解決すべき問題だ。

 

「わが夫。戦闘(デート)へ行きましょう。」

「ルビがおかしいだろあとなんで腕組むんだ動きずらい。」

 

アルトリアは自然な足取りで、モルガンとは逆の腕に回った。しまった...出遅れた。ここは前から行くしかないが、それでは流石に進むことすらできなくなってしまう。

じゃなくて!

...ここまでふざけたことができるのは、強者だからか、馬鹿だからか。おそらく両方だろう。紅蓮の行動は馬鹿だなーとなることが多い。そしてそれに影響される英霊と言う存在ならば、こうなるのもわからなくも...まて。その理論が正しいとなると、普段からイチャイチャしたいと紅蓮が望んでいるということか?

流石思春期男子...うん。これ以上はさすがに紅蓮に悪いからやめておこう。流石に冗談でも許される範囲というものを越えてはいけない。

そしてこれを当てはめるのなら、私も思春期男子になってしまうからな、うん。良くない、よくないぞそれは。

 

とまあそんなことを考えているうちに、一部のメンバーはもう向かってしまっていた。

 

「先輩、どうかしましたか?」

「ごめん、ぼーっとしてた!早く行こうか!」

 

後輩のように慕ってくれる彼女に心配をかけるわけにはいかない。変なことを考えていることを悟られるのもね。

 

「...大きな部隊は「真紅と黄金」の意匠。小部隊も同じだが、何かが違うな。」

「はい、その特徴を確認しました。これは...」

「その二つはローマで好まれていた色彩だね。マシュ、他に特徴は?」

 

ロマンの問いにマシュは、戸惑いを隠せずにいながらも答えた。

小部隊を率いるのが、女性だと。それも、ジャンヌに雰囲気が似た女性だ。

 

信じられないわけではない。どんな戦場においても、女性の戦士がいるというのも当然だ。戦えないわけではないからね。それでも、不思議な点があるかと聞かれれば、イエスだ。自分たちによほどの自信があるか、そうでもしなければ生きられないか、あるいは、無謀なだけの馬鹿か。どれかの理由でなければ少人数の部隊で、大人数の部隊に対し、果敢には挑まない。まして、戦場において武器があるといえど、男性と女性とでは筋力に差が生まれる。その差を埋められるほど技術があるならば、あの戦闘にも納得できるが果たして...

 

「馬鹿かお前は...あれはどう考えても、()()()()のネロだろうが!!」

「えぇえ!?本当だ!!なんで気づかなかったんだろう...」

 

私の注意力が低いことが露呈してしまう...

とりあえず、微力ながら参加させてもらおう――――

 

―――――――

流石はローマ、それも第五皇帝の時代。武器は貧相なのにそれなりに鍛えられた肉体。とはいえ食事の環境はそこまでなのか隆々とはしていない。

それでも、剣の腕はそれなりにあるようだったが。

 

「剣を収めよ、勝負あった!」

 

この時代のネロが、自軍へ伝え、そして俺たちに感謝を述べた。ローマからの援軍かどうか聞かれたので、そうではないことも伝える。

...ここは嘘をつくべきだったか?不審に思わせてしまっては、この時代でうまく立ち回れないかもしれない。まぁ過ぎたことだ、なんとかなるだろう。

 

ネロはマシュの戦闘について高い評価をした。その言葉一つ一つに俺は同意をしたい。あんなにきれいに峰打ちするなんてすごいしな。

本人も褒めていただいた礼をする。

 

「うむうむ。余の玉音に浸れる幸せをかみしめても良いぞ。」

 

それはぜひとも遠慮しておこう。こちとら嫌というほど王様に囲まれるのだからな。

 

彼女の提案により、ローマに入らせていただく運びとなった。これは僥倖だ。問題の渦中にあると思われる場所に入り込めるし、何より安全性が高い。

...近辺の戦闘に巻き込まれるのは嫌だからな。野宿はなんとしても避けたい。

 

「私がいるじゃない。」

「人間相手に通用しないよね神秘って。」

 

通用しないわけでもないが...あまり期待はできないだろう。何せ平気で危険な神秘を追いやるのが人間と言う生き物だからな。「この辺なんか危険なにおいするな...行くか!」と平気で突っ込んできて殺されたら、それこそ意味がない。だから、最初から戦闘要員がたくさんいるような場所の中にいる方が安全というわけで。

 

「私がいればそんな心配など無用です。夫の危険を守れなくて何が妻か。」

「そういってくれるのは嬉しいが自分のことくらい自分で守れるし結婚してないよねモルガン様!?」

「グレン、彼女は私が知る限りでは少し頭が...」

「なんですって...?」

 

こらそこー、喧嘩始めるなー?

 

ともあれ、ネロについていくことにしよう。早くしないとあたりがボッコボコになってしまうからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

道中。すさんだ大地を行くところで、

 

「ところで、お前たち。異国の者に違いないだろうが、何処の出身なのだ?」

「答えるのは簡単だが説明するのが難しい...理論がわかる人間相手ならば説明は通じる。算数をしらない子供にこの国で一日当たり消費される小麦を聞いてもわからないだろう。それでも答えるならばそうだな。未来だ。」

 

彼女は驚く。それが真なら、難儀だと言われ、心配された。

 

「待て待て待て。勘違いするな?これは事実だ。君が何と言おうが、決定的な裏付けだってできる。なぜなら理論がそこにあるからだ。ないものは確かに説明できないが、あるんだ。しかし...この時代の君に理解させようと思えば、それこそ二千年ほどを要する。」

「ふむ...しかしだ、未来からの来訪者よ。それでは、どうやってそれを証明してくれる?」

 

困った。裏付けできるとかいいながら、何も準備してない...未来予知みたいなことしても、それは意味がない。こちらが仕込んだと思われるからというのもあるが、それが歴史を変えるバタフライエフェクトになる可能性もあるんだ、下手なことはできない。

...よし、ロムルスにかけてる隠蔽魔術を解くか。

 

「...ローマ!!!」

「な...!?こ、これはどういう...!」

「とりあえずローマっていうのやめろや!」

 

ローマ帝国の始祖とも呼べる人物を...いきなり目にしたらそりゃ、信じるしかないだろ?多分。

 

てか、過去の人物を見せられたら信じるしかないだろう。いきなり現れるんだぜ?

...俺だったら疑うかもしれない。

 

「...よかろう。余はお前の言う、未来を信じるとも。」

「ありがとう、物わかりのいいやつは好きだぞ。」

 

扱いやすいからな。

 

「お話はそこまでです。第二派、来ます!」

「余の盾役は任せたぞ!」

「...」

 

なんだネロってば馬鹿なんだね!

 

敵兵との交戦というのは...楽しいと思ってはいけないのだろうな、うん。

 

アルトリアに待てと命じられて、とても退屈だ...ただ見ているだけの戦闘シーンは見ていられない。だからだろう、以前からバトル系のアニメや洋画というものは、じっとしていられなかった。

 

「それは関係ないと思うのだけど?」

「妖精様に言われちゃ元も子もない...」

 

まったく、このモルガンは素直に嫌味を言ってくるから反論もできない。それでも、変に隠されるとかは無い素直な性格なのは好感が持てる。もう少し棘がなければ...いや、それはそれで嫌だな。

 

肩に乗るフォウと、そこらへんの土(地面が乾ききっているので、多分崩したりして拾ったと思われる)を使って泥人形を作っているモルガンと一緒に、皆が戻ってくるのを待つ。

 

「ちょっと、私は?」

「うーん...早く海行きてえな。」

「え...」

 

引かれた?ねえ引かれた?泣くか。

 

「別に紅蓮が見たいなら帰ってから部屋で着ても...いやでもなんか変態みたい...うーん...」

「なんてこと考えてるんだ立香...」

 

なんて無駄なやり取りをしているうちに、戦闘は終わったようだ。

 

「...なぁマスターよ。」

「どうした?ネロ。」

()はいつになったら()に気づかれる?」

「絶対気づかれちゃダメでしょうが...」

 

それもそうかと納得してくれるネロ。

この時代のネロに、サーヴァントのネロを見せるのは...なんかダメな気がする。だってネロだぜ。

 

「先輩...それだけで説得力があるのでやめましょう...」

 

そうだね!これ以上はネロが泣いちゃうもんね!

実際ちょっとこちらのネロは涙ぐんでるし。

 

「マスター...我が子を泣かすとは...」

「いや直系の子孫ではないだろうに。」

「...泣いちゃうぞー...」

 

小声で言うなよ...悪かったって...

 

「ん。」

 

ん?

 

「ん!!」

 

無言で頭を出すな。どうしろっていうんだ。

 

「ふむ、その幼子は、撫でて欲しいようだな。」

 

この時代のネロにはどうやら、子供に見えるらしい...

それにしても頭撫でるの?後で怒られない?

...ずっと頭を差し出されるのも怖いので、早めに撫でておこう。

 

「ふ、それでよいのだ。」

「怖いわ...」

 

特にアルトリアとかモルガンとかモルガンとか立香とか。

...モルガン二人ってめんどくせえな!

 

早く首都つかないかな...

 

「...まずい、サーヴァント反応だ。」

 

へえ。楽しそうだからいいじゃん。

 

...ネロと、近づいてきたサーヴァントが、会話している。

 

「...我が、愛しき、妹の子よ。」

「伯父上...!」

 

なるほど、伯父か...なら思い当たる人物は一人だな。

 

しかし...こちらの時代に元からいるネロの反応は、少し違和感がある。元からこの時代にいた相手に接しているように感じる。

つまり、()()()()()()()()()ということになる。

 

だが、それでは矛盾が生じてしまう。彼からはサーヴァントとしての反応があるのに、この時代に実際に生きている...

 

意味がわからん!!!

 

「紅蓮君、それも確かに気になるが、今は先に戦闘だ!」

「それもそうだ...!」

「余の、振る舞い、は、運命、で、ある。捧げよ、その、命。捧げよ、その、体。」

 

だが断る、と言わせてもらいたいものだな。大体なんだ、振る舞いが運命?命と体を捧げろ?はっ。

 

「お前は神になったとでも言いたそうだな?カリギュラ!!」

「すべてを捧げよ!」

「...いいぜ、その傲慢さ。叩き潰すに値するってもんだ。」

 

前に出る。誰かの制止の声がする気もするが、俺は無視して足に力を入れ、カリギュラの眼前まで飛んだ。

 

「カリギュラ...てめえに一つ教えてやるよ。お前が王位に就いたのはてめえの威光じゃねえ...前任者がよっぽどだめだったってだけだ。と言っても、そんなことはいわれなくてもお前自身がわかってるかもしれんがな。」

「...汝、の、言うこと、に、相違、は、無い。余、自身、も、それ、を、嘆いた。」

 

...話し方に違和感があるが、これはバーサーカーということか...?

だったら今は半分まとも、といったところか。

 

「しかし、余が、成さねば、ならなかった、のも、また...事実である!」

「紅蓮君!まずい、宝具反応だ!!」

「はぁ!?この至近距離でかよ!]

 

「女神が....女神が見える...!」

 

女神...そうか、彼の狂気の原因は月の女神の恩寵。ローマで言うところのディアーナ神に心を蝕まれたというのが彼の伝承だったか...!

宝具が発動するまで、あっても数秒ないなら今すぐだ。そんなもの防げるわけがない...よし、耳をふさごう。眼を閉じよう。それでなんとかなるとは思わないがやるっきゃない。

 

我が心を喰らえ、月の光(フルクティクルス・ディアーナ)ァ!」

「...」

 

何も聞こえんし、自分の変化が何もない...うん、予想通りだ。彼の宝具は攻撃するようなものではなく、精神汚染。周りの者にも月の女神の影響を与えようとする、といったところか。

 

「残念ね、侵された者。彼とて恩寵を受けたものなのだから、そんなちんけなものが彼に届くわけがない。もっとも、彼の受けたのは、この私の、ですが。」

「あれれー耳ふさぐのもしかしなくても意味なかったのか―!!」

 

できれば気が付きたくなかった事実だな...あんなに自信満々で耳をふさいで目を閉じたのに。

 

「なぜ...捧げぬ...なぜ...捧げられぬ...美しい、我が...我が...我が...我が...我が...」

「き、消えた...!伯父上...」

 

これは...霊体化か。ならやはり、彼はサーヴァントで間違いないようだな。

 

「気配は、もう感じません。敵方の部隊も引き上げていくようですね。」

 

...なるほど。今回の特異点での敵大将は、カリギュラってわけか。

 

「...なぁ、マスターよ。少し良いか?」

「なんだ、ネロ?」

「余は...伯父上以外の皇帝の存在がいると推測する。なぜなら、余がそう思うからだ。もちろん根拠などない。信じるか信じないかはマスター次第である。」

 

...なんだって?




わたしだぁ!!!

はい、投稿期間空いてますごめんなさいいいいいいい!
大学生になって初めての年で、わからないことだらけだったのです許してヒヤシンス

補足:ネロの話で毒殺が云々と書いてますがこれは事実かわからないんであしからず。
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