ピッコロ大魔王をご都合主義全開で救う話   作:Tentacle

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 大概のことは、軽い気持ちで始まる。




プロローグ
全ての始まり


 よくある転生モノに巻き込まれたらしい。まだ見たいアニメとか読みたい漫画とか発売待ってる本とか公開直前の映画とかあったのに…と言うか死因なんだよ。死んだ記憶すらないんですが。

 

 前の世界の家族ははっきりと記憶に残っているのに、この世界の両親の記憶はおぼろげだ。

「さあさ、今日はこの種で授業しますぞ」

「タネ?」

多分、生まれて間もないタイミングでこのお婆さんが引き取ったんだろう。親が様子を見に来たりしている気配がない辺り、特に思い入れを感じる必要もないはずだ。

「一人前の星の魔女であれば、この種を芽吹かせるどころか、一分とかからず大樹まで成長させることができまする。まずは芽吹かせ、貴女様の助けが無くとも生きることができるよう安定させるところまでやってみましょう」

「ん、わかった」

今の私の年齢は6歳ちょっと。転生者故に難しい言葉も難なく理解してしまう私の存在を親が気味悪く思ってもおかしくない。悲しいが責める気にはならないし、こっちも意識しないことで対等になるだろう。忘れる前に前世の家族の姿を何かに保存しよう、方法があれば。

「決して、強引にしてはなりませぬぞ。貴女様は支配する者ではございませぬ、共に生きる者にございまする。多くの星の魔女がそこを誤り、滅びました。同じ轍を踏んではなりませぬ」

 

 どうやら私はこの星に一人しかいない魔女だか巫女だかになる存在として生まれたらしく、こうして一人前になる為に修行を積んでいる真っ最中だ。お婆さんは知識を多少持っているだけとのことで、この人にもわからないことが多いのだとか。私が滅茶苦茶久しぶりに生まれた最後の一人かもしれない、と聞いたので無理もないと思う。修行が終わったらそこからは自分であれこれ模索していく予定だ。

「そう、その調子ですぞ…!ゆっくり、促すように…」

小さな手で少し大きめの種を包み込み、ゆっくりと、撫でるように魔力を流し込んでいく。ふるりと震えて割れる外殻の中から見えてくる緑に、ふっと笑みが浮かぶ。新しい命の誕生が嬉しいのか、心の内がほんのりと温かい。

 

 人間で、いわゆる不思議な力が使える人達は極々限られているのは見ているだけでわかった。地域格差が大きいとはいえこの世界は科学で支配されていて、魔法や魔術を信じない人の方が圧倒的に多い。私とお婆さんがいるこの村は山奥の方でその類を信じやすい人達ばかりなので、教わっていることは違えど私のように修行しに来てる人達がちょこちょこいる。中には星の反対側からわざわざ来た人もいるとか。

 なんとも不思議な世界だが、一つ気になることがある。

「……なんか、素手で妙に強い人達多くない?」

 

 

 

 

 

 

 修行すること25年。30間近の私は修行を終わらせる為にお婆さんと二人で、人気のない森の中で向き合って座った。

「ここまでよくぞ、育ってくださいました」

「いえいえ、全て貴方の教えあってこそです」

「…その謙虚さが変わらず貴女様の内にあること、私めは誇りに思いまする」

もう何歳なのか想像もつかないくらいしわくちゃの彼女の目には、感極まっているのかかすかに涙がにじんでいた。

「どうか、この最後の儀を終えてからも忘れずにいてくださいませ」

「はい!」

「では…『星との接続』を」

 修行の最後を飾るのは『接続の儀』。この星(どうやら『地球』らしい)と接続することで、私は真の意味で星の魔女になる。一度繋がってしまえば運命共同体、この星が滅べば私も致命傷、私が死ねば星の環境が加速度的に悪化していく。一応この星と縁を切って他の星と接続する方法とか、星への影響を極力抑える形で私が死ぬ方法とかもあるらしいが、それはあくまで最終手段。基本はこの星の環境を整えつつ、悠々自適に暮らすのが私の仕事だ。設定的に物語の中盤か後半で死にそうな重要キャラだよなぁと、最初知った時のあの微妙な気持ちが忘れられない。とりあえず長生きしつつ自己研鑽しよう。

 接続の儀を終えてお婆さんを村まで送った私は、もう一人の親とでも呼ぶべき人に別れを告げた。無事作れた前世の家族写真の隣にお婆さんの写真も置こう。

 

 地球の現状を確認しつつ見つけた新天地は、滅多に人が来ない深い森の奥深く。様々な草木が生い茂り、多種多様な生き物が生き、近くに程よい大きさの清流が流れている好立地。

「やっべぇ、緑最高」

星と接続したからか、今まで以上に自然の中が居心地よく感じる。私の精神の安定もこの星の環境に大きく関わるから拠点はこういう所の方が望ましいとは言われていたが、まさかここまで安らぎを感じるとは思いもしなかった。

「…よし!家作んないとね!」

星と接続したこの体は不老となって寿命は際限知らず。未だわからないことは多いし、さっき見た限りでは仕事も溜まっている。やることはたくさんあるからこの長い人生で暇することはしばらくなさそうだと、この時の私はかなり楽観的に思っていた。

 

 

 

 

 

 

 森で暮らすこと早20年。転生前のお父さんお母さん、良きあの世ライフもしくは転生ライフを送れていますでしょうか。

「…まーーーーじかーー…」

今日、空から緑色の巨漢が降ってきた。家からさほど離れていない位置にクレーターを作ったそれはなんと重症、主因は衝突以外にある模様。

 

 長年疑問に思っていた不思議な世界観への答えが、ついに見つかった。見つかってしまった。

 

「私、マジで死ぬじゃんこれ」

原作基準なら最低1回、GT含むならもう1回…いや、そもそもドラゴンボールでちゃんと蘇生できるの?死なないように一時的に別の星と仮接続かなんかしないとダメな感じ?

「ぐ、ぅ…」

気絶したまま唸る彼に近づかない形で診察しつつ、目の前の彼に関してあれこれ思い出した。

 原作において、彼は初めて徹頭徹尾シリアスに扱われた悪役だった。私は元々彼の子供の方にハマったクチで、そこを通して色々な考察を重ねたり人の意見を聞いたりしていた。そうしているとやはり思うところはあるわけで━━━。

「…ここに落ちたなら、たぶん、何かしないとだよね」

 

 そんな私だから、ちょっと賭けてみたくなった。

 




 ピッコロ大魔王推しの仲間、絶賛募集中。マジで募集中。自分以外で夢書いてる人、片手で数えても指が余るくらいしか見た事ないんですお願いします。
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