東方再興夢(供養)   作:螺旋階段X-4号

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「強き願いは次元を越える」(カイ)

唐突だが、君らは『マルチバース理論』というものをご存知だろうか?

 

とある自称格闘家から聞いた話なんだが、彼曰く『世界というものは何かしらのきっかけでいくつもの未来へと分岐していく。その数はまさに無限大』との事。詰まるところこの世界とは違ったパラレルワールドが無数にあるのではないか、そういったものだ。

 

私が作り上げた幻想郷を含むこの世界も例外では無い。

 

私自身、大元の世界線には行った事は無いが、聞いた話によるとその大元の世界線は『L1世界群』と呼ばれている。Lの意味は知らないが。

 

そして私の居るこの世界線は、そいつによると『K2世界群』と呼ばれているらしい。Kは『Knowledge』、つまり知識の頭文字、数字は大元の世界線からどれ程大きく分岐したかのレベルを表しているようだ。

 

そして今、私はその大元の世界線とも、私のこの世界線とも大きくかけ離れた、新たな世界線の案件に手を出そうとしている。

 

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きっかけは数刻前、アレクが開発した他次元観測装置に信号が引っかかったのである。

 

私自身、他次元に赴く事は何度もあるが、それはほぼお遊びの為だった。だが今回は訳が違う。

 

観測した信号はその世界の『幻想郷』が放った救難信号だったのだ。

 

そもそも幻想郷は紫が張った『幻と実体の境界』と私を含めた賢者達が張った常識の結界『博麗大結界』の二つが張られている。重要なのは後者の方で、これにより幻想郷は隔離されている。

 

博麗大結界が崩壊した場合、外の世界の『常識』が『非常識』な幻想郷と混ざり合う為、次元に歪みが生じるのだ。

 

そしてこの結界の崩壊は即ち幻想郷の崩壊を意味する。

 

幻想郷を愛す者としては当然見過ごせるものでは無く、私はすぐに準備を始めた。

 

そしてアレクの時空転移装置で目的の世界線へと向かう。

 

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転移中に海裏が気になる事を口にした。

 

海裏「それにしても……博麗大結界は私達ですらそう容易く壊せないものですが……それを破壊したとなると、犯人は相当な実力の持ち主なのですかね……」

 

ご最もだ。彼の言う通り、博麗大結界を破る事は容易では無い。もし破れるとすれば、ソイツは相当な実力者か、『常識』と『非常識』を弄れる様な奴だけだろう。

 

海燕「いずれにせよ、まずは現状の把握からだ」

 

L1やK2とはまた違う世界線……取り敢えず『D3世界群』と名付けておこう。Dは『Dream』、つまり夢の頭文字。深い意味は無い。

 

D3世界群へと無事降り立った私達。場所はどうやら妖怪の山の中腹。時間は結界崩壊を観測した少し前。天気は晴れ時々花弁。

 

海燕「妖怪の山の中腹……なら上まで登って守矢神社で話を聞く事にするか……」

 

海裏「そうですね……ですが彼女達からしてみたら私達はただの外来人です

 

どうやって接触を試みましょうか……」

 

海燕「……『迷った』事にしておこう」

 

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守矢神社に着くと境内を掃除している緑色の髪を持つ少女……東風谷早苗が目に付く。

 

彼女は私達に気付くと一目散に走ってくる。何故か目がめちゃくちゃ輝いている……?

 

早苗「ようこそ守矢神社へ!!お賽銭箱はあちらです!!」

 

どうやら私達を参拝客だと思っているらしい。

 

…………真っ先に案内するのが賽銭箱とは……

 

取り敢えず私達が幻想入りした体で彼女に説明をする。

 

海燕「わざわざ親切にありがとう……でも私達は参拝客では無いのだよ……

 

気が付いたら見知らぬ場所に居てね……」

 

早苗「なるほど……外来人でしたか……ではお賽銭箱はあちらです!!」

 

海燕「いやいや何故そうなる……まぁ少しお金あるし……」

 

早々に折れた私は取り敢えず賽銭を投げ、お参りする。海裏もそれに続きお参りする。

 

早苗「ご参拝ありがとうございます!!

 

私は東風谷早苗、この神社の風祝を務めています」

 

海燕「私は刀々神 海燕、万事屋を営んでいる」

 

海裏「海燕の補佐係の刀々神 海裏です

 

よろしくお願いします」

 

早苗「宜しければお茶でもいかがでしょうか?外来人ならここの事もお話しなければなりませんし」

 

海燕「そうだな……頂こうか……」

 

縁側に座り、彼女が淹れたお茶を飲みながら幻想郷について説明(全て知っているが……)を受けていると、不意に声をかけられる。

 

神奈子「おや、見ない顔だな……お客人か?」

 

諏訪子「もしかして〜、早苗の彼氏〜?」

 

神奈子「だとすれば二股じゃないか?」

 

早苗「ち、違いますよ!!私は一途ですよ!!って!!違います!!この方々は幻想入りした外来人ですよ!!」

 

神奈子・諏訪子「「ほほぉ〜?」」

 

二人して興味深そうに私達を見てくる。一人は背中の注連縄が目立つ神、八坂神奈子、もう一人は帽子がトレードマークの土着神、洩矢諏訪子である。

 

海燕「彼女の言う通り、私達は幻想入りした外来人さ

 

私は刀々神 海燕、こっちは補佐係の刀々神 海裏だ」

 

海裏「よろしくお願いします、お二人のお話は早苗様からお聞きしました」

 

神奈子「話が早いねぇ……私が神奈子、こっちのちっちゃい方が諏訪子だよ」

 

諏訪子「誰が豆粒ドチビかーっ!!」

 

相も変わらず騒がしい神社である。どっかの寂れた貧乏神社とは大違いだな……

 

神奈子「ところで、さっき幻想入りした外来人と言ったな?」

 

海燕「えぇ……?」

 

そして、次の彼女の言葉に、私は驚かされる。

 

神奈子「ならば何故、貴方から私達と同じ『力』を感じるのだ……?」

 

 

 

To be continued

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