海燕「複合型:禁忌『495年間のカゴメ・カゴメ』……」
複合型、それは
さとりの想起スペカみたいなもので、私が過去に見た弾幕を見様見真似で組み合わせた技である。
そして今回のこのスペカは言わずもがな、フランのQ E D『495年の波紋』と禁忌『カゴメカゴメ』の複合である。
相手を囲むように網目状に弾幕が生成され、それが不規則に動き出した後破裂して小さな拡散弾を飛ばしまくる。
諏訪子「これって……紅魔の妹のやつ!?」
神奈子「何故、お前が……!?」
海燕「…………風の噂で、ね……」
スペルカードルール初心者と思っていた私が唐突にこんな攻撃をして来るとは流石に思わなかったのか、かなり反応が遅れ数発被弾させる事に成功する。
神奈子「くっ……完全に侮ってたわ……」
諏訪子「やるねぇ……これぞ神様って感じ……」
神奈子「だったら私達も間髪入れずに最後の攻撃だ!!!!」
そして二柱は再度スペルカードを宣言するが……。
神奈子「『風──の─特』」
諏訪子「祟─『─シャ──様』」
突然二柱の声がモザイクがかかったかのように聞きづらくなる。直後、回避不可に近い高密度の弾幕達が飛んでくるが……
……明らかな『殺意』が込められている。
私は咄嗟に弾幕を展開し相殺しようとするも全く歯が立ちそうに無い。
そしてそれに便乗するかの如く、刀を持った少女が弾幕を掻い潜りながら突っ込んでくる。
少女「妖刀『無銘村雨』」
海燕「ぐっ……!?」
私は咄嗟に腰の二本の刀で受け止めるが、勢いを殺しきれず吹き飛ばされ、二柱の弾幕を多く食らうことになる。
海燕「うぁっ……ぐっ……!!!!」
海裏「海燕!?」
早苗「海燕さん!?」
異変に気付いた海裏と早苗が来るが、私は即座に静止をかける。
海燕「待て……来るな!!!!
巻き添えを食らうぞ!!!!」
ここで幸運な事に、二柱の弾幕が止む。そこには何事も無かったかのように佇む二柱が居た。取り敢えずこっちは何とかなっているようだ。
神奈子「あれ……私達は……」
諏訪子「一体何を……?」
海燕「二柱ともそこを離れろ!!事情は後回しだ!!」
少女「こんな時でも他人の心配とはね……どうせ君は何も守れないのに……」
海燕「誰だか知らんが決めつけは良くないな……!!」
二柱の弾幕に便乗してきた白髪の露出狂……いや、露出度がやけに高い奴……が刀を握り締めて明らかに殺意を向けている。
私は構えをとりつつ話す。
海燕「キミ……一体何者だ?何の目的があって私を攻撃する?」
少女「君に言う必要は無い
どうせ君に待っているのは『死』のみだしな」
そして少女も刀を握り締め、再度スペカ宣言する。
少女「霊刀『無銘村雨』」
村雨の水に怨霊を降霊させ、広範囲に放ってくる。
怨霊一つ一つの怨念は強く、明確な殺意も込められている為気を抜くと殺られかねない。
怨霊を躱しつつ私も刀の弾幕を放っていくが、相手の動きが余りにも早く全て躱されていく。
少女「この程度?君には少し期待してたのに、ガッカリだな」
海燕「これが私流の戦闘スタイルなのさ……相手の力量を測りつつの…………」
少女「霊刀『無銘村雨』」
言葉を遮るかの如く再び降り注ぐ怨念達。コイツだいぶ狡猾だ……
ここで使いたくは無かったが、あの速さに追い付くにはこれしかない。
海燕「仕方が無い、此処で早々に使う事になるとはね……
幻想郷最速と呼ばれた射命丸に引けを取らない速さの剣捌き、とくと見ろ……」
私はスペルカードを宣言する。早苗達は驚いた目をしているがそんな事を気にしている暇はない。
海燕「刀神『抜く手も見せぬ伝家の宝刀』……」
まさかこんな所で切り札を使う事になるとはな……。
弾幕の壁を生成し、その中で壁に反射しながら不規則に斬り込む。
射命丸に引けを取らない速さで斬りかかり、流石に少女も追い付けないのか、何発かは当てる事が出来た。
少女「くっ……」
海燕「キミの目的は何なのか知らないが、此処は一旦退くことをオススメ…………」
少女「うるさい」
弾幕の壁を飛び交う私に対し、少女は村雨を構え正面から受け止める。私の速さに追い付いたのだ。
まさか受け止められるとは思わず、私は思わず勢いで後ろに飛ぶ。
それを逃さず、少女が斬りかかってくる。
海燕「まっず……」
海裏「逆刃刀『裏鴉』!!」
間一髪のところで海裏の逆刃刀が村雨を止め、少女は距離をとる。
少女「ふーん……まぁいいわ、もう十分分かった」
少女は刀をしまい、去っていく。
海燕「…………助かった……のか……」
今、久々に生の喜びを実感した気がする。
安心感からか、疲れからか、不幸にも睡魔に襲われてしまう。
もはや一歩も動くことすらままならない私に対し、私の補佐係、海裏が私をおぶり、守矢神社へと向かう。
To be continued