天才と規格外と召喚獣 作:ゆん
「「「どりゃぁああああああああっ!!!」」」
『『『ぐぁああああああああっ!!』』』
ここ、Aクラス前の廊下では、ある3人がCクラス男子を一発でけ散らしていた。
ちなみに、その3人とは、明久、遥希、遥奈であった。
「………えーっと……」
「私達、ここに来なくてもよかったんじゃ……?」
「あ、あはは……」
なぜこのような状況になったのか。
それは、Fクラスによる作戦と、Cクラスの勘違いから始まった――――。
*
ドバンッ、という音がしたのでそちらを見てみると、しかめっ面で完璧に怒っている1人の男子生徒がいた。
「木下優子はいるか!」
「え、私?」
優子はその人物を知らなかったため困惑したが、そんなのもお構いなしに、その男は話を続けた。
「さっきはよくも罵倒してくれたな……! 我々Cクラスは、Aクラスに試召戦争を申し込む!」
『『『はぁっ!?』』』
「ちょっ、罵倒ってどういう事よ! 私はずっとここにいたのよ!?」
「嘘つくな! さっきお前はCクラスに来て『黙りなさい、この豚共!』って言ったじゃねぇか! こっちだって、テメーみたいなブスで可愛くなくて、愛想もよくない、嫉妬深い雌豚に言われたくねーよっ!!」
優子はその男の言い分を聞き、慌ててそのことを否定したが、男はそれを聞いていないかのように、黙々と話を続ける。
―――――まさかそれが、自分の立場を危うくしているとも知らずに。
「ほ~う……お前今、優子にナンテイッタ? ブスデカワイクナクテ、アイソモヨクナイ、シットブカイメスブタ……?」
「それがなん……ヒィッ!!??」
男が振り向いたその先には、悪魔を後ろに連れている、そんな雰囲気をまとわせている魔王……明久がいた。
まぁ、実際は後ろに黒いオーラをまとっている遥希と遥奈もいたのだが……。
「テメェ……シヌカクゴハアルヨナァ? ユウコヲバトウシタンダカラヨォ?」
「イイコエデナイテネ……♪」
「う、あ………ああ……」
ギャァアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!
………この日、Aクラスには『魔王がいる』という噂が流れた……。
*
「「「終わった☆」」」
「お、お疲れ様……」
「あんまり疲れてないとは思うけどね……」
しばらく……と言ってもたったの3分だが、Aクラス対Cクラスの試召戦争が終結した。
そして明久達が休憩(?)していると、優子が明久のところに歩いて行った。
「優子、どうしたんだ?」
「あの、その、えっと……私が彼女で、ごm「ストップ」え?」
優子がモゴモゴ言っていると、明久は優子を抱きしめた。
それを見ていた女子軍は顔を真っ青にして叫び、優子は頬を赤らめていた。
「あ、あの、明久!?」
「……心配するな。俺の彼女は優子、お前1人だよ」
「っ!! うん、ありがとう……」
明久の言葉に優子は涙を流し、明久はそれをぬぐった後、皆に向かって言った。
―――――今までにないくらいの怒りの表情で。
「お前ら全員
『『『おぉーーーーーっ!!』』』
そして、後にFクラスは後悔することになる。
自分たちの手で、誰も勝つことができない、最強で最凶の人物を生み出してしまったことを――――。