天才と規格外と召喚獣   作:ゆん

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第4話 Fクラスのまいた種、開花

「「「どりゃぁああああああああっ!!!」」」

 

『『『ぐぁああああああああっ!!』』』

 

ここ、Aクラス前の廊下では、ある3人がCクラス男子を一発でけ散らしていた。

 

ちなみに、その3人とは、明久、遥希、遥奈であった。

 

「………えーっと……」

 

「私達、ここに来なくてもよかったんじゃ……?」

 

「あ、あはは……」

 

なぜこのような状況になったのか。

 

それは、Fクラスによる作戦と、Cクラスの勘違いから始まった――――。

 

 

 *

 

 

ドバンッ、という音がしたのでそちらを見てみると、しかめっ面で完璧に怒っている1人の男子生徒がいた。

 

「木下優子はいるか!」

 

「え、私?」

 

優子はその人物を知らなかったため困惑したが、そんなのもお構いなしに、その男は話を続けた。

 

「さっきはよくも罵倒してくれたな……! 我々Cクラスは、Aクラスに試召戦争を申し込む!」

 

『『『はぁっ!?』』』

 

「ちょっ、罵倒ってどういう事よ! 私はずっとここにいたのよ!?」

 

「嘘つくな! さっきお前はCクラスに来て『黙りなさい、この豚共!』って言ったじゃねぇか! こっちだって、テメーみたいなブスで可愛くなくて、愛想もよくない、嫉妬深い雌豚に言われたくねーよっ!!」

 

優子はその男の言い分を聞き、慌ててそのことを否定したが、男はそれを聞いていないかのように、黙々と話を続ける。

 

 

―――――まさかそれが、自分の立場を危うくしているとも知らずに。

 

 

「ほ~う……お前今、優子にナンテイッタ? ブスデカワイクナクテ、アイソモヨクナイ、シットブカイメスブタ……?」

 

「それがなん……ヒィッ!!??」

 

男が振り向いたその先には、悪魔を後ろに連れている、そんな雰囲気をまとわせている魔王……明久がいた。

 

まぁ、実際は後ろに黒いオーラをまとっている遥希と遥奈もいたのだが……。

 

「テメェ……シヌカクゴハアルヨナァ? ユウコヲバトウシタンダカラヨォ?」

 

「イイコエデナイテネ……♪」

 

「う、あ………ああ……」

 

 

ギャァアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!

 

 

………この日、Aクラスには『魔王がいる』という噂が流れた……。

 

 

 *

 

「「「終わった☆」」」

 

「お、お疲れ様……」

 

「あんまり疲れてないとは思うけどね……」

 

しばらく……と言ってもたったの3分だが、Aクラス対Cクラスの試召戦争が終結した。

 

そして明久達が休憩(?)していると、優子が明久のところに歩いて行った。

 

「優子、どうしたんだ?」

 

「あの、その、えっと……私が彼女で、ごm「ストップ」え?」

 

優子がモゴモゴ言っていると、明久は優子を抱きしめた。

 

それを見ていた女子軍は顔を真っ青にして叫び、優子は頬を赤らめていた。

 

「あ、あの、明久!?」

 

「……心配するな。俺の彼女は優子、お前1人だよ」

 

「っ!! うん、ありがとう……」

 

明久の言葉に優子は涙を流し、明久はそれをぬぐった後、皆に向かって言った。

 

―――――今までにないくらいの怒りの表情で。

 

「お前ら全員本気(・・)でテストを受けろ。Fクラスにトラウマになるほどの格の違いを見せつけてやれ!!」

 

『『『おぉーーーーーっ!!』』』

 

 

そして、後にFクラスは後悔することになる。

 

 

 

 

 

自分たちの手で、誰も勝つことができない、最強で最凶の人物を生み出してしまったことを――――。

 

 


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