「トレーニングのしすぎです。休養を取ることをおすすめします」
「そうですか・・・・・・大事じゃなくて良かった、ディープ」
「弥生賞までには間に合いますか」
「恐らく問題ないとは思いますが、このようなことを繰り返すようであれば別です。トレーナーが正しく負荷を管理しなければね」
「仰る通りで・・・・・・」
彼女を診て保健室の先生の言ったことだ。
トレーニング中、ディープの様子がおかしいのでシューズを脱がせてみるとソックスが赤く染まっており、ソックスも脱がせると爪が割れて血だらけになった足が露わになった。自分の頭から血が引くのをはっきりと感じた。
更に驚いたのはそれでもなおディープがトレーニングを続けようとしたことだ。当然ながら却下して保健室へ担ぎ込んだ。高校の部活でやった階段で人をおんぶして上るトレーニングが役に立った。
若駒ステークスの圧倒的な走りから、もはやディープは誰にも放っておかれなくなった。GIウマ娘のマインハーベストや、アドマイヤジャパン、ヴァジュラニオーといった重賞ウマ娘たちを差し置いてキャリア2戦のディープは、たちまちクラシック戦線の主役と言われるようになった。
爪が割れるまで自分を追い込んだのはそういった重責によるものなのだろうか。俺がフォローを怠ったせいだ。
「焦っちゃったか?」
「そういうのじゃ・・・・・・」
「ならいい。そもそも君の爪が薄いことに気が付かなかったのは俺のミスだ。トレーナーとしてあっちゃならない」
「違うんです! そうじゃ・・・・・・」
「どういうこと?」
一緒に廊下を歩いていたディープはその場で止まってしまう。いつもはピンと立っている耳も今日は横に垂れている。
「・・・・・・足りないんです」
「足りないって・・・・・・」
「この間のレースだってみんな褒めてくれますけど、私は全然足りない! デビュー戦も!この間のレースだって全力を出せなかった!」
「マジ?」
なんかデビュー戦のときも同じようなこと言ってたな。あの大まくりで本気を出していなかったは流石に無理があるだろ。意外と負けず嫌いは表に出すタイプなのか。でも勝ってるんだよなぁ。
「早く本気で争える相手と走りたいんです!・・・・・・そう思ったら夜でも眠れなくなっちゃって。それで明るくなるまで結構走り込んじゃって」
「俺はてっきりプレッシャーを感じるから焦ってオーバーワークしたのかと思ったよ」
「プレッシャー? 何のことです?」
「いや、気にすんな。でも理由はどうあれオーバーワークはオーバーワーク。自分がこんな月並みな事を言うとは思ってなかったけど、必要なことだから言うぞ。焦りは禁物だ」
「わかってますけど・・・・・・」
「トレーニングは俺が管理してる。俺はまだ未熟だから不安になるのはわかる。でも身体を休めるのは何もサボってるわけじゃない。効果的なトレーニングには重要な事なんだ」
「でもそう言われても眠れないと思います。眠れなかったら多分走っちゃいます」
問題はそこだ。こればかりはディープ自身の問題だから俺はアドバイスとかを与えることしかできない。考え方を何とか変えられないだろうか。
「じゃあソウルシャウトと一緒のベッドで寝たらいいんじゃないかな」
「・・・・・・冗談ですか?」
「1割くらいは」
「ほとんど本気じゃないですか!」
「嫌なのか?」
「トレーナーさんはシャウト先輩と同じ部屋じゃないから知らないでしょう! あの人の寝相の悪さを!」
「……そんなに悪いの?」
「……年が明けてすぐくらいに、私、夜遅くに目が覚めちゃって、それでシャウト先輩の方に寝返りを打ったら、私のベッドのすぐ近くで誰かが立っていたんです。こっちをまじまじと見てて」
「誰かが部屋に入り込んで寝てるディープを見てたってこと? 怖すぎるだろ」
でもそういえば最近担当ウマ娘の部屋を覗いていたトレーナーがいたっけな、松田優作の格好しながら。卑劣な奴め、全くもって許しがたい。俺だわ。
「とっても怖かったんですけど、思い切ってその立ってる人の顔を見てみたんです」
「誰だった?」
「シャウト先輩でした」
「なんだ。そういうことだったのか」
ルームメイトがやるにしてもおかしなことだと思うが、外部からの侵入者でないだけまだ安全だろう。俺個人の話をさせてもらうなら、自分の同室の奴がそんな事をやってたら相当ヤバい奴だって思うけどね。なんなら侵入者とかより怖いと感じるまである。
あれ? 俺とディープって今まで何の話してたんだっけ。
「話は最後まで聞いてください。シャウト先輩だってわかって声をかけたんです。『何してるんですか』って。でも返答はないんです」
「まさか……」
「はい。シャウト先輩、寝てたんです。しかも目を開けたまま、直立不動で」
…ね…寝てやがる…。……立ったまま‼
ソウルシャウトは四皇とか世紀末覇者に憧れてたりするのかな? 強くてゴツい男性が好きなのかな?
「それ……寝相じゃなくて夢遊病とかなんじゃないの?」
「詳しいことはわからないですけど、一緒の布団なんかで寝たらどうなるかわかりません」
「そっかぁ・・・・・・」
━
「おかえり、プイちゃん」
「ただいま・・・・・・」
部屋へ戻り、ベッドに寝転んでいたシャウト先輩に応じる。がさつだと自称している割には彼女のベッド周りはかなり整っている。
彼もたまには突飛な事を言うことがわかったのは収穫と言えなくもないけど、それにしてもシャウト先輩と一緒のベッドで寝るのはごめんだ。起きたときに自分がどうなっているかわかったものじゃない。
それより脚だ。保健室の先生も彼も休めと言った。だけど弥生賞まで期間は空いているとはいえ休んで勝てる相手なのかはわからない。
「どしたー。元気ないぞー」
「だって、トレーナーさんが休めって言うんですよ! この時期に休んだりしたら次のレースに勝てるかどうかわからないじゃないですか!」
私がそう言うとシャウト先輩は驚いたように身体を弾ませ、その拍子にスマホを自分の額の上に落としてしまった。スマホが当たった場所をさする彼女の目には少し涙が浮かんでいる。
「そ、そりゃ脚の爪が割れるまで走ってる子には休めって言うでしょ。アイツはトレーナーなんだからさ。そもそも普通に歩いてるけど痛くないの?」
「ちょっと痛いですけど・・・・・・でも走れないならせめて普通に歩きたいんです。それに痛いのは嫌いじゃないので」
目の前の彼女が頬を引きつらせているのは、もしかして私の発言が原因だろうか。痛いのが嫌いじゃないってのが良くなかったのかも。でも本当のことなんだから、嘘を言っても仕方がない。
シャウト先輩はベッドで横になっていたので話しやすいように私も自分のベッドに腰かける。
「・・・・・・レースのときは本気を出せてないんだって言ってたよね。だったら多少休んだところで問題はないんじゃないの?」
「今までの相手だったらそうかもしれないですけど、今度は重賞ですよ? やおい賞」
「弥生賞ね。それだと意味違うから。他のとこでは絶対言わないでよ? プイちゃんのトレーナーの前とか特にね」
「? ・・・・・・わかりました。とにかく、次の相手は強敵なんです! マインちゃんとか、ジャパンちゃんとか、あと色々な子が出てるんです」
「うーん・・・・・・アタシとしてはそんなにトレーニングが好きなわけじゃないから、別にいいやーってなっちゃうんだけどねぇ」
「・・・・・・シャウト先輩は重賞勝ってるんだから、私の気持ちなんて分かりませんよーだ」
これは本気ではない。シャウト先輩が私を慰めてくれるまで、そっぽを向く。シャウト先輩が私の気持ちを理解してくれてるのなんてわかってる。
こうでもしなきゃ不安で押し潰されてしまいそうなんだ。彼とシャウト先輩の2人がここにいてくれればベストなんだけど、あいにくウマ娘寮のこの部屋に彼が来ることはないと思う。だからせめてここにいる彼女に頼りたかった。
ぽん。
頭に手が置かれる。そしてシャウト先輩は両手で乱雑に私の髪をかき乱す。くしゃくしゃ、と。
「もー! 可愛いこと言ってんじゃないよ! 反抗期にしてはマイルド過ぎるぞ!」
「やめてください! 子供じゃないんですよ!」
抵抗してみたけど私より力が強くて抜け出せない。しばらくすると飽きたのか、シャウト先輩は私の頭から手を離す。美容院に行ったときみたいで少し気持ちよかったけど、髪型がどんな風になってるのか鏡で見るのが怖い。
「はぁ・・・・・・楽しかった」
「髪ぐしゃぐしゃじゃないですか・・・・・・」
「ごめんごめん」
シャウト先輩とこうやって話しているのも楽しいが、やっぱり脚のことや次のレースのことをどうしても考えてしまう。
彼と話したい。私に向ける表情が今だけは私のものだ、と思っているときならこんな悩みもすぐ失せると思う。
「プイちゃんのトレーナーはトレーニングは駄目って言ってるんでしょ」
「はい……本当は松葉杖を使ってほしいくらいだとも言ってました」
「どうせ休養でトレーニングができないんだったら、どこか遊びに行けばいいんじゃない? それこそトレーナーと」
青天の霹靂ってよく言われる言葉をこの時は知らなかったけど、このときがまさにそれだったんじゃないかって思う。
重要度で言えば勿論トレーニングの方が高いんだけど、普通に友達や家族と出かけるのも好きだ。こんな私でもちょこちょこメディアで取り上げてもらうことがあるが、そのときの紹介のされ方に『孤高の~』とか『気高き~』と付けられるから勘違いされる。
最近はレースが続いてて、遊ぶ暇がなかった。そこに短期での休養が命じられて、それに加えてシャウト先輩の提案。トレーナーさんと一緒にお出かけという発想がそもそも無かった私にとってそれは、三女神様からの贈り物にすら思えた。
「……シャウト先輩も、その、行ったりするんですか? 担当のトレーナーさんと、お出かけって」
「まぁね。去年とか夏フェス一緒に行ったよ。他の子とかも結構行ってるんじゃないかなー」
「……マジですか」
「マジマジ」
彼の口癖が移ってしまったけど正直今はどうでもいい。あるのはただシャウト先輩への感謝だけだった。
私は彼女の手を取る。なんの脈絡もないように見えたのか流石にシャウト先輩は驚いていた。
「な、なに?」
「ありがとうございます。私、シャウト先輩についていきます」
「そ、そう・・・・・・」
━
「おおおおおおおおおおおお!!!」
まずいまずいまずい。これは非常にまずいぞ。なぜ忘れていたんだ! クラシック登録を!! トレーナー寮だからあまり大声を出すべきではないのかもしれないがそんなのは気にしてられない。
トゥインクルシリーズにおけるクラシック三冠レース。それに出走させるには事前の登録が必須となる。オグリキャップがその時期を逃したために日本ダービーに出場出来なかったのは有名な話だ。
これを受けてかクラシック登録の制度が多少緩くなった。というのも追加登録料さえ支払えば、登録が遅れても出走ができるといった塩梅なのだが・・・・・・
スマホの日付とたづなさんから手渡された「〇〇年度 クラシック級5大特別競争 登録要領」とある紙とを何度も見比べる。
第一回の登録はディープと契約する前に終わっている。第二回が明日の12時が締め切り。何度見てもそれは変わらない。現在は締め切り前夜、19時半を回ったところ。そして明日の登録を逃した際の登録料は、
いち、じゅう、ひゃく、せん、まん、じゅうまん・・・・・・。
・・・・・・
「スマホ見てる場合じゃねぇわ」
スマホをポケットに突っ込んで再びパソコンと睨めっこを始める。・・・・・・よく見たら登録番号打ち間違えてね? これ最初からやり直しになるやつじゃね?
「っだああぁぁ〜〜」
駄目だ、完全に集中が切れてしまった、そう思って時計を見ると休憩する予定の時刻をとっくに過ぎていた。休憩する時間と頑張る時間はきっちり分けたほうがグダグダにならず効率が良いというのに。
仕方ないからしばらく休憩したらまたやろう。というか腹も減ったし飯を準備しよう。そう考えながらも床に寝転がる。
「なんなら明日の朝早くからやれば12時に間に合うか?」
ほぼ100%の確率で寝過ごすやつのセリフを誰に言うでもなく、自分一人しかいないトレーナー寮の自室に放つ。
そもそも出て当然みたいな感じになってるけど、ディープはクラシック三冠に出たいと直接口にしたことはないと思う。彼女は本当に出走を望んでいるのだろうか。
ピンポーン。
物思いに耽っているとインターホンが鳴る。別に通販を頼んだ覚えもないし、ウーマーイーツを注文したわけでもない。
大学へ入り、右も左もわからない一人暮らしの中で詐欺に遭いかけた経験から、返事はせず、そして静かにドアの覗き穴に目を近づける。
映っていたのは見覚えのある鹿毛、そしてウマ娘特有の耳。小柄なので顔は見切れていたがそれでも誰なのかくらいは分かる。詐欺とかセールスの類いではなかったのではドアを開ける。
「ディープ? どうしたんだ、こんな時間に」
「すみません。お時間大丈夫でしたか?」
「それは大丈夫だけどさ・・・・・・」
気になるのはディープのこと。栗東寮はぼちぼち門限のはずだ。こんな時間に出歩いているところを寮長のフジキセキに見られたら・・・・・・。それならまだいい方で、これをたづなさんが見たらどうなるのか。
「そろそろ門限だろ。要件は手短に頼む」
「では明日、お出かけしませんか?」
「・・・・・・お出かけ?」
「はい。お出かけです」
「手短にっつった俺が悪いけど、さすがにそれじゃ手短すぎる。訳を教えてくれないか」
「訳、ですか? トレーナーさんとお出かけがしたいだけです」
「・・・・・・それだけ?」
「はい。それだけです」
そのときのディープの反応といったら「1+1は?」って聞かれたときみたいな、至極当然みたいなことを言ってる感じだった。
でもまぁ、トレーナーが担当ウマ娘とお出かけするっていうのはそんなに聞かない話ってわけでもない。アイドルとか女優とかだったら週刊誌に載せられるのにウマ娘だったら良いみたいな。よくわかんねぇなこの世界。
「わかった、いいよ。じゃあ都合の良い日があったら──」
「明日行きましょう」
「あ、明日はちょっと・・・・・・」
「え、でも明日は日曜日ですよ? 私はトレーニングできませんし」
「そうなんだけど、俺明日やらなきゃいけない仕事があってさ」
「じゃあそれが終わるまで待ってます」
「マジ?」
それもどうかと思ったけど、間に合ったにしても間に合わなかったにしてもクラシック登録は明日の昼12時が締め切りだ。まぁクラシック三冠出るとディープが望んだならATMに駆け込むしかないのだが、そんなテンションでお出かけとか地獄すぎる。
「一応聞いときたいんだけど、ディープってクラシック三冠出たいんだっけ?」
「大阪杯と天皇賞春と、あと一つ何でしたっけ?」
「それ春シニア三冠だから。秋の三冠ならともかくクラシック級のうちは絶対出れないよ。ちなみにもう一つは宝塚記念な」
「それです! それに出たいかって話ですか?」
「シニア三冠に関しては、ゆくゆくはって感じだけど今は違う。クラシック三冠は皐月賞とダービーと菊花賞。クラシック級のウマ娘が一生に一度しか出れないレースね」
「それは絶対出たいです。これを逃したら二度と出れないんですよね?」
「わかった。じゃあなおさら明日の仕事をちゃんとしなきゃ。だから今日はもう帰んな。明日な」
「わかりました。・・・・・・おやすみなさい、トレーナーさん」
ぺこりと彼女は一礼して、夜の暗がりへと駆け出していく背中を見つめてドアを閉めて、パソコンのある居間へと戻る。
今の一連の会話で「実はディープがクラシック三冠出たくないんじゃないか」疑惑も晴れて、遂に明日の締め切りに間に合わなければ、しばらくの間もやし生活を強いられる。要は退路は断たれたのだ。
とは言っても作業は既に8割方完了している。もう少し頑張れば今夜中に終わらせられるだろう。誰あろうディープのため、そして何より自分自身のため、またキーボードを打ち始めた。
━
待ち合わせの府中駅へと急ぐ。急ぐといってもトレセン学園から徒歩でも数分くらいの距離なのだが、昨日の夜遅くまで起きていたので普通に寝過ごした。
「トレーナーさん!」
「ごめん。ちょっと寝坊しちゃって」
府中駅には小柄でも確かな存在感を放つウマ娘が待っていた。別にレースってわけじゃないけど、そういうのを感じ取れる人とかたまにいるよね。
それに加えて今年のクラシック最有力と囁かれているだけあって、周りの群衆からも目を集めている気がする。
「お仕事は終わったんですか?」
「なんとかね。実を言うとクラシック登録の申請書作成だったんだけど」
「え、言ってくれれば手伝ったのに。三冠レースに出たいのは私の希望なんですから」
「あのなぁ、トレーナーっていうのはこれが仕事なんだ。ウマ娘に気兼ねなく走ってもらうために、走る以外のことを助けるんだ。もしディープがそういうことも出来るんなら俺は必要ないだろ?」
「そんなこと・・・・・・」
「まぁあんま気にすんな。ウマ娘と関わりたくて俺もトレーナーになったんだ。ちょっとだけど力にならせて」
「今日はどこ行きたい?」
「カラオケ行きたいです」
「俺歌うの下手なんだよなぁ」
━
『200mを通過して一気に加速! すごい脚だ!』
『ディープインパクト衝撃の末脚!』
私が弥生賞でぶつかる大きな壁、ディープインパクト。いくらトレーニングを重ねようとも、どれだけ頭を捻って作戦を考えてみても、彼女を振り切れる自分が見えてこない。
それでも私は敗北を喫すことに甘んじるつもりはない。アドマイヤの名前に敗北という汚れを許してはならない。
勝利への想像ができなくても、アドマイヤの名前を受けたのなら、勝つ以外の選択肢は無い。
「ジャパンちゃ〜ん」
学園の廊下を歩いていると後ろから声をかけられた。ただそれだけなのに、刃物を持った者に背後を取られたかのような悪寒が背中を走る。
・・・・・・そうだった。弥生賞で気にしなければならないのはディープさんだけではない。この方もまたクラシック有力候補の一人だ。何せ現時点で二人しかいないGIウマ娘なのだから。
「どうしたの〜。すっごく怖い顔してたよ〜」
「・・・・・・申し訳ありません、マインハーベストさん。少し考え事がありましたもので」
「そっか〜。次の弥生賞、ジャパンちゃんも出るんだっけ?」
「えぇ。その予定です」
「頑張ろうね〜」
「・・・・・・そうですね」
それだけ言うと彼女は行ってしまった。なぜあのようにニコニコと笑っていられるのか私には疑問でしかない。
トレーナーは「相手は初の重賞レースなんだから気にすることはない」と言ってくれた。そういえば爪が割れたとも言っていた。でも黒い影が私を飲み込む想像しかできない。
「それでも」
私は、アドマイヤジャパンは、そう言い続けるしかない。
ただでさえ遅かったのですが、4月に入ってからは更に遅くなると思います。申し訳ないです。