賢者の孫~帝国貴族の胎児に転生しました~。 作:BERSERKER
ウォルフォード一家とストラディウス一家即ち、シンの家族と私、アミエーラご家族でアールスハイド王国へ引っ越す事に成った。
賢者・マーリン氏と導師メリダ氏のご厚意によって私達も屋敷へ住まわせて貰える事に成った。
条件として、シンに常識を教える事に成った。
そして今日はシンと王国を見て回っている。
食べ物の屋台に寄っては買い食いして、魔導具のお店に入ってみる。
「それ試して良い?」
シンは皮製のグローブに興味がある様だ。
「良いけど大事に扱ってくれよ。一級品揃いだから」
シンはグローブをはめると手を伸ばす。
すると吸引が付与されていて、手のひらサイズの果実がグローブにくっ付いた。
そこまでは良かった。
果実がグローブにくっ付いて離れない。
シンは興味を失った。
果実が付いたまま、グローブを放り返す。
「コラ!」「コラ!シン君その商品に何を思ったかは知りませんが、その商品はこのお店の資産で有り、売り物です。シン君からしたら価値が低い物でも雑に扱ってはいけませんよ。」
「あ!そうだな。店員さんすみませんでした」
お店を出た私達は通りを歩いて行くと行列を見つけた。
シンが列に並んでいる人に尋ねる。
「あの・・・何の列なんですか」
すると気さくな一人が待ちきれない様子で興奮しながら応えてくれた。
「舞台さ!!賢者マーリンと導師メリダの物語!!」
「ええ~~っ!!?」
シンが大声出して驚いている。
私も驚いた。
声は出さなかったけど。
また通りを歩いて行くと、女性の嫌がる声が聞こえてきた。
「シン君そこ」
「ああ。そこのお嬢さん方、お困りですか?」
「はい!!超お困りです!!」
そんな返事が返ってきたので私は戦闘態勢を整える。
男達はシンと私を取り囲む。
「何だぁ兄ぃちゃん。正義の味方気取りか?」
「俺等はなぁ。毎日魔物を狩ってこいつら守ってやってんだ。」
「むしろこっちが正義の味方だろ」
「お兄さん達、魔物狩るのは正義の味方かも知れないけど女の子まで狩っちゃったら悪人だよ?」
「んだとぉ!このガキ!!」
男は逆上して襲ってきた。
シンが三人共伸してしまった。
「シン君、怪我は有りませんか?」
「俺は平気だよ。それよりも大丈夫?怪我してない?」
「はい。平気です。あなたの方こそ大丈夫なの?剣抜いてたし」
「平気ですよね。あの程度で怪我してたらミッシェルさんに稽古のやり直しさせられますわ。こう見えてシン君はそこらの騎士より強いのですわ。魔法も使ってないですし。全力のゼの字も出していませんわ。全力を出していたら今頃此処一帯が荒れ地ですわよ」
「おい!エーラ。俺だって此処で使う為に周りの被害が最小限の威力の魔法を選ぶわ」
「で?あの男達三人に使って命を取らずに無力化できまして?」
「出来るわ!!」
「あら?私は魔法を使うと殺しかねないから素手で気絶させたのだとばかり・・・。ごめんなさいね。私はアミエーラ・フォン・ストラディウスと申しますの。ストラディウス家の一人娘です。よろしくお願いしますわ。此方は・・・」
「シン・ウォルフォードです。よろしく」
「「!!えっ?ウォルフォードって賢者のお孫さん」」
「ええ。そうですね。シン君が賢者マーリン氏の養子でお孫さんですよ」
「なんでエーラが言うんだよ?」
「マリア・フォン・メッシーナです。よろしく賢者のお孫さん。」
「シシリー・フォン・クロードです。よろしくお願いします。」
シンは二人から質問攻めに遭い、苦労してた。
私?私はその様子を笑って観てた。
その後、カフェへ寄り、お茶して別れた。
シンの支払いで。
「シン君、格好付け過ぎでは?」
「うーん・・・そうかな?」
「さては一目惚れしましたね?この色男。」
「そんなんじゃないよ!!」
「また会えると良いですね。」
「うん。」
王都散策を終え、翌日。
アールスハイド魔法学院の入試の日。
私達二人も受験生として学院へ赴く。
学科試験を受け、実技試験。
「一人ずつ魔法を的へ撃ち込んで下さい」
受験生が詠唱して魔法を撃っていく様子を見てシンは酷く狼狽えていた。
シンは爆炎を撃ち教室が壊れそうでした。
そして私の番。
「トレース・オン」
短詠唱し双剣を造って左右に的を囲む様に投げる。
左右に投げられた剣は対の剣に引き合う様に的へ吸い込まれ、的を切断して消滅した。
実技試験も終え、帰り道。
「ねぇエーラ。今日の実技試験で使った魔法ってアニメキャラの主人公のだよね?」
「ええ。真似してみました。」
「もしかしてエーラって俺と一緒に交通事故に遭ったカズなのか?」
「ええ。私は佐藤一騎でしたよ。シンは風間真一ですよね。」
「その通りだよ。」