退廃の祝福を受けた者   作:暇が欲しい一般人

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ブランシュ

 朝、私達はいつも通りに登校した。

 生徒会に入って変わったことは、CADを預ける必要がなくなったことと放課後に仕事があるくらい。

 

「おはよう」

 

 A組の教室に入り、席に近づくと深雪がほのかと雫に挨拶をする。

 

「二人とも、おはよう」

「おはよう」

「おはよう、深雪、美咲」

 

 深雪がほのか達と達也のことで話し始めたので、私は自分の席に座る。

 しかし、深雪達の話はすぐに終わった。

 教室で達也が風紀委員に入ったことが気に入らない一科生の話が聞こえてきたせいで。

 達也のことをウィードと呼び馬鹿にする彼らの話を聞き流していると、私の周りを除いて教室の気温が下がり始めた。

 そして先ほどまで達也のことを馬鹿にしていた彼らの身体が凍っていく。

 私はこの事態を引き起こした人物に視線を向ける。

 

「忠告します。私の前で二科生をウィードと呼び、蔑むような言動は生徒会役員として看過できませんので、今後は気を付けてください。よろしいですか?」

 

 深雪は冷たい視線を彼らに向けて忠告する。

 

(生徒会役員としてというより、個人的な動機でしょうに)

 

 深雪の行動に呆れてため息をつく。

 そして教室が元に戻ると、今度は私が深雪に忠告する。

 

「深雪。脅すのはいくらでもいいけど、殺すのは後処理が面倒だからやめてよね」

「分かっています、お姉様」

 

 私の忠告に対して反省しているのか分からない満面の笑みで返してくる。

 そんな深雪の表情を見てもう一度ため息をつく。

 

「後処理関係なく、殺すのはだめだと思う」

 

 雫が何か言っていたが、大したことではないでしょう。

 

 昼休みは、昨日と同じように生徒会室で昼食を食べている。

 昨日との違いは、今日食べているのが深雪の弁当ということと、市原先輩と中条先輩がいないことだけである。

 その時に今日から一週間、各クラブが新入部員勧誘活動を許された期間でとても忙しいという話を聞かされた。

 

(勧誘週間が終わってから入れば良かった)

 

 生徒会の仕事の忙しさを思ったが、口には出さなかった。

 放課後は面倒だと思いながらもしっかりと生徒会の仕事をしていく。

 仕事中に会長が成績が優秀な生徒はかなり激しい勧誘を受けると話していた。

 

(ほのか達、大丈夫かしら?)

 

「美咲さんは心配しなくても勧誘されることは少ないと思うわよ」

 

 話を聞いてほのか達の心配をしていただけなのだが、自分のことを心配していると勘違いした七草会長に声を掛けられる。

 

「いえ、私の心配ではなく、友達が大丈夫か心配していただけです。それと、どうして私は勧誘されないのでしょうか?」

「どうしてって、美咲さん、周りにかなり怖がられてるから、余程の命知らずか、噂を知らない一部の生徒以外は勧誘して来ないはずよ」

 

 私が怖がられているっということで納得しようと思ったが、気になることを七草会長が言ったので問い返してみる。

 

「噂?とは何ですか?」

「えっと、それは……」

 

 私の問いに対して七草会長は目を逸らして、とても言いづらそうにしている。

 

(何か変な噂が立つようなことをしただろうか?)

 

 入学してから数日のことを思い返してみるが、心当たりがないので七草会長に無言の圧力を掛ける。

 

「……一科生をウィードと罵った上に、殺そうとしたっていう噂が広まってるのよ」

「誰ですか?そんな根の葉もない噂を流したのは」

 

 私が呆れたような顔で七草会長に誰が噂を流したのか問いかけると、生徒会室の全員の視線が私に集中した。

 

「どうしたんですか?」

「お姉様、一昨日の放課後のことをお忘れですか?」

「覚えているわよ。校門前でのことでしょう」

「その時、CADを取り出した彼らに殺気を放ち、動けない彼らに何かしようとしていませんでしたか?」

「……あっ!」

「あっ、じゃないでしょうに……」

 

 深雪の説明で漸く理解した私に、七草会長は呆れてため息をついた。

 

(そういえば、やってたわね。あの現場を見ていた誰かが噂を流したわけねぇ)

 

 噂の原因は分かったが、事実なので諦めることにした。

 結果的に勧誘を受けなくて済むということで、前向きに考えよう。

 そんな話の後、七草会長と服部先輩は部活連本部へ行き、中条先輩は巡回の応援に向かった。

 残った私と深雪、市原先輩は生徒会室でお留守番である。

 私は特に問題に巻き込まれることもなく無事に一日目を終えた。

 しかし、達也は問題に巻き込まれたようで、部活連本部に報告に行っている。

 達也を深雪やエリカ達と昇降口で待っていると、達也がやって来た。

 

「あっ、おつかれ~」

「お兄様」

 

 達也に気づいてエリカが声を上げ、深雪は機敏な動きで駆け寄る。

 

「お疲れ様です。本日はご活躍でしたね」

「大したことはしていないさ。深雪の方こそ、ご苦労様」

 

 相変わらず仲の良い二人を呆れた顔で見ていると、達也が私達を待たせたお詫びに驕ってくれるようだ。

 カフェで今日のことを話していると、達也が巻き込まれた問題についての話になった。

 レオ達は達也が捕まえた桐原先輩が高周波ブレードを使っていたことを気にしているようだ。

 

「そんなに気にしなくて大丈夫よ。高周波ブレードくらい直撃しても問題ないでしょう」

 

 紅茶を飲みながらレオ達に心配することないと呟くと、レオ達だけでなく達也と深雪も私に呆れたような視線を向ける。

 いや、呆れたような視線を向けているのは達也と深雪の二人で、レオ達は私の言葉にかなり驚いているようだ。

 

「いくら俺でも高周波ブレードが直撃したら無事じゃすまないぞ」

「そうですよ。殺傷性Bランクの魔法を直撃して、何の問題もないのはお姉様くらいです」

「いやいや、真剣で斬られて問題ないってどういうことよ?」

 

 エリカは私と深雪の言葉に顔を引きつらせながら問いかけて来る。

 エリカの問いに対して私は少し考えてから返す。

 

「私、BS魔法があるのよ」

「へぇ、それってどんな魔法なの?」

「常時発動型で、全身を覆う薄い膜のような障壁を張れるの」

「殺傷性Bランクの魔法を防ぐ障壁を常に発動させているんですか?」

 

 美月が私の言葉に目を丸くして驚き、問いかけて来るので頷いて返す。

 私が頷いたことでエリカとレオは苦笑しながら私を見る。

 

「美咲は特殊だから気にしなくていい」

 

 達也は私のBS魔法について深く詮索させないように話を戻した。

 その後、達也がキャスト・ジャミング擬きの説明をして話を終わらせた。

 家に帰っていつも通り着物に着替えてリビングに戻ると、達也がいつも以上に真剣な顔で話しかけて来る。

 

「美咲、どうして障壁についてエリカ達に話したんだ?」

「あら?何か問題があるの?」

「美咲の魔法をエリカ達に知られたらまずいだろ」

 

 達也は私が障壁について話したことをかなり心配しているようだ。

 確かに知られたらまずい魔法ではある。

 

「退廃について知られたらまずいから障壁のことを話したのよ」

「どういうことだ?」

「私のBS魔法が障壁だと勘違いして貰うためよ」

「勘違いさせる必要があったのですか?」

 

 コーヒーを淹れて台所から戻って来た深雪が私に問いかけて来る。

 私は深雪からコーヒーを受け取り、一口飲んで深雪の問いに返す。

 

「全身を障壁で覆うだけの魔法を隠している方が不自然でしょ。変に疑われて退廃のことがバレるより、副産物の障壁が私のBS魔法だと勘違いして貰ったの」

「なるほどな。それなら前もって教えておいて貰いたいんだが」

「それは悪かったわ。次があれば前もって話しておくわ」

 

 達也の苦情に微笑んで返してコーヒーを飲む。

 

 それから一週間が過ぎた。

 新入部員勧誘週間、達也はかなり忙しそうだった。

 何でも達也が活躍して面白くない人達から誤爆に見せかけた魔法攻撃を受けたそうだ。

 そんな達也の苦労など気にもせずに生徒会室で深雪の弁当を食べていると、渡辺先輩が変なことを言い出した。

 

「達也君。昨日、二年の壬生をカフェで言葉責めにしたというのは本当かい?」

「……先輩も年頃の淑女なんですから、言葉責めなどと言う、はしたない言葉は使わない方が良いと思いますが」

 

 達也が渡辺先輩のことをからかって話が逸れたが、その壬生先輩と何かあったのだろうか?

 

「……それで剣道部の壬生を言葉責めにしたというのは本当かい?」

「そんな事実はありませんよ」

「おや、そうかい?壬生が顔を真っ赤にして恥じらっているのを目撃した者がいるんだが」

 

 達也に対して言いたいことはあるが、その前に隣から冷気が漂って来た。

 

「お兄様?一体何をされていらっしゃったのかしら?」

 

 深雪から発せられた冷気のせいで、物理的に私の周りを除いた室内の気温が下がる。

 

(良かった。達也と深雪の間に座ってなくて)

 

 最初に生徒会室に来た時のように深雪と達也の間に座っていたら居心地がとても悪かったに違いない。

 深雪は達也が止めることは分かっていたので、放置して周りが凍っていく中で一人食事を続ける。

 

「落ち着け、深雪。ちゃんと説明するから」

「申し訳ありません」

 

 達也に注意されたことで深雪が魔法を抑える。

 深雪が魔法を抑えたことで室温が元に戻る。

 その後、達也が壬生先輩と話したことを正確に再現する。

 

「なるほど」

 

 普段、話しかけられなければ会話にほとんど参加しない私が口を開いたことで、達也達の視線が集中する。

 達也達は今の話で風紀委員が一般生徒にどう思われているかなどを気にしているようだが、そこは私にとってはどうでもいい。

 それよりも私が言いたいことは、別にある。

 

「達也」

「なんだ?」

「次、壬生先輩に会う時に伝えて欲しいことがあるのだけどいいかしら?」

「?構わないが……」

 

 壬生先輩への伝言の内容が気になるのか、七草会長達だけでなく深雪と達也も私をじっと見つめる。

 

「『あなたに剣の才能はないからさっさとやめた方がいいですよ』っと伝えておいて」

「!?」

 

 私が伝言の内容を口にすると、全員が目を見開いて私を見る。

 達也達が驚く気持ちも分からないでもないため、気にせずに食事を続ける。

 しかし、そんなことを言う理由が気になったようで、渡辺先輩が代表して問いかけて来る。

 

「どうして、今の話で剣の才能が無いなど分かるんだ?」

「では、渡辺先輩に問いますが、剣の才能とはなんだと思いますか?」

「それは……」

 

 渡辺先輩は私の問いに困っているようだったので、私は達也に視線を向ける。

 

「達也はどう思おう?」

「……剣を扱うのに適した身体をしているか、どうかじゃないか?」

「違うわ」

「じゃあ、なんなんだ?」

 

 少し考えて返した達也の答えを一蹴する。

 達也の問いの後、もう一度達也達の目を見るが、誰も分からないという目をしていた。

 

「簡単なことよ。剣に対するやる気や信念の強さよ」

「? それなら、壬生は才能があるんじゃないのか?」

「不確かな他人の評価が気になる程度では、信念が弱いとしか言いようがないでしょう」

 

 渡辺先輩の問いに対して私は微笑んで返す。

 

「人の価値観は千差万別、自分の剣に自分と近い評価を付けられる人はいても、同じ評価を付けられる人はいないんですよ」

「……」

 

 私の言葉に誰も何も言わないので、私は一人で話し続ける。

 

「他人の評価や意見を参考にすることはあっても、他人の言葉を鵜吞みにしていてはだめ。結局、何かを極めると言うことは自分を知り、理解することが必要不可欠なんですよ」

「……なるほどな」

「つまり、自分の剣を評価されたいと思っている壬生先輩に剣の才能なんてないんですよ。壬生先輩の意見は、自分は優れている、という一科生と何も変わりません」

 

 はっきりと言い切る私に渡辺先輩と七草会長は苦笑する。

 一科生と二科生の差なんて本当に些細なことでしかない。

 ただ、魔法を習得させるのが簡単かそうでないかの違い。

 二科生だって、魔法の使い方次第では一科生に負けない実力を発揮する。

 それを他人が決めた評価で諦めている。

 

(本当に、くだらない)

 

 私が言いたいことを言い終わると、達也が反魔法国際政治団体「ブランシュ」について話し始めた。

 ブランシュの名前に少し殺気が出そうになったが何とか抑える。

 

(忌々しい)

 

 ブランシュの理念に縋る弱い人間のことなどはどうでもいい。

 しかし、ブランシュの背後にいる存在は別だ。

 

(一高に攻めて来るなら好都合、皆殺しに出来るわ)

 

 七草会長と渡辺先輩には気づかれなかったようだけど、深雪と達也は私が殺気を押し殺したことに気づいたみたいだ。

 達也は理由も分かっているだろうけど、深雪はブランシュのことを知らなかったみたいだから理由までは分かってないようだ。

 家に帰った後に、私がいないところで達也が深雪にブランシュについて説明したようだ。

 翌日の昼休みは達也がレオとエリカの居残りに付き合うことになったので、深雪達と昼食を先に食べる。

 その後、購買でサンドイッチと飲み物を買って達也達に持っていく。

 

「調子はどう?」

「次で終わりだから、少し待ってくれ」

 

 達也のいった通り次で終わった。

 達也は私達四人からビニール袋を受け取ると、エリカとレオにそのまま差し出す。

 どうやらこの実習室で食べるらしい。

 達也曰く、情報端末が置いてあるエリア以外は特に飲食は禁止されていないそうだ。

 そんな細かい校則をよく知っているものね。

 

「深雪さん達のクラスでも実習が始まっているんですよね?どんなことをやっているんですか?」

 

 ほのかと雫は遠慮と気まずさが入り混じった表情で顔を見合わせる。

 しかし、深雪は美月の問いに即答した。

 

「多分、美月達と変わらないと思うわ。ノロマな機械をあてがわれて、テスト以外では役に立ちそうもないつまらない練習をさせられているところ」

 

 達也と私を除いた五人がギョッとした顔をする。

 深雪の遠慮のない毒舌に私はため息をついた。

 

「ご機嫌斜めだな」

「不機嫌にもなります。あれなら一人で練習している方が為になりますもの」

「なら、私が授業をサボるのを止めないで貰いたいのだけど」

 

 拗ねた顔と声で達也に甘える深雪に私はジトっとした目を向ける。

 深雪の言いたいことは十分に分かるが、その授業をサボらせてもらえない私のことも考えて欲しい。

 

「為にならないとはいえ、授業をサボるのはよくありませんから」

「良いじゃない少しくらい。授業を受けるだけ時間の無駄なんだから」

「二人ともそのくらいにしておけ」

 

 達也に止められたことで深雪が頭を下げる。

 私は少し不機嫌そうに飲み物を飲む。

 それからエリカの家の道場での教え方など、話していた。

 あまり興味が無かったので聞き流していると、エリカが私達に問いかけて来る。

 

「A組の授業でも、これと同じCADを使ってるんでしょ?」

「ええ」

 

 頷きながらも嫌悪感を隠そうともしない深雪に、エリカが好奇心で問いかける。

 

「ねえ、参考までに、どのくらいのタイムかやってみてくれない?」

「えっ、わたしが?」

 

 自分を指差して、目を丸くする深雪にエリカが頷いて返す。

 深雪が目で達也に問いかけるが。

 

「いいんじゃないか」

 

 苦笑いを浮かべて頷く達也を見て、深雪は躊躇いながら承諾した。

 

「お兄様がそう仰るのでしたら……」

 

 機械の一番近くにいた美月が計測器をセットする。

 深雪が魔法を発動させるが、美月は顔を強張らせて結果を告げない。

 エリカが美月に催促したことでようやく結果を告げた。

 

「二二五ms……」

「えっ……?」

「すげ……」

 

 深雪のタイムにレオとエリカも表情が強張る。

 

「何回聞いてもすごい数値よね……」

「深雪の処理能力は、人間の反応速度の限界に迫っている」

 

 ほのかと雫もため息を漏らす。

 驚いていないのは私と達也くらいだろう。

 

「旧式の教育用ではこんなものだろう。仕方がないよ、深雪」

「いえ、深雪の実力不足です。こんな雑音だらけで洗練の欠片もない起動式でも、お姉様はもっと早いですから……」

「深雪、美咲の記録と比べても仕方がないよ」

「それはそうなのですが……」

 

 深雪の私と比較して落ち込むのは、相変わらずのようだ。

 拗ねて甘える深雪の頭を撫でる達也を見ながらため息をつく。

 これで終わりかと思ったが、深雪の言葉に今度は私に興味を持ったようでエリカが私を見て来る。

 

「まさか、私もやるの?」

 

 苦笑しながら問いかけると、当たり前だと言いたげに頷く。

 周りを見ても全員、興味があるようでジッと私を見つめる。

 

「はあ、本気を見せればいいんでしょ」

「壊さない程度にな」

「壊さないわよ」

 

 達也の失礼な言葉にため息交じりに返して機械に近づく。

 もう一度、美月が計測器をセットする。

 パネルに指を置き、サイオンを流して起動式を展開する。

 余剰想子光が閃き、美月は目を丸くして固まった。

 私は結果を聞かずに、機械から離れて飲み物を飲む。

 深雪の時と同じように、エリカが催促したことで美月が結果を告げる。

 

「……六ms…………」

「うそ……」

「まじかよ……」

「え?」

「そんな……」

 

 私の記録に全員の視線が私に集中する。

 反応速度の限界に迫っている深雪の何十倍も速いのだから当然だ。

 

「美咲、本当に人間?」

「失礼ね。処理速度が普通より早いだけよ」

「授業中はもっと遅かったよね?」

「授業中に一桁なんて出したら大騒ぎになるでしょ」

「確かに」

 

 ただでさえ暇で仕方がないのに、面倒ごとに巻き込まれるなんて嫌に決まっている。

 嫉妬という感情がバカバカしいほどの実力差。

 一般的に五〇〇ms以内が一人前と呼べる目安とされている。

 新入生総代の深雪でさえ相手にならない。

 

(はあ、競える相手が居るのは素晴らしいことだと思うのだけどねぇ)

 

 一科生と二科生を見れば、競うことが楽しいだけではないとよく分かる。

 負けて悔しい、勝って嬉しい、その気持ちは分からないでもない。

 けれど、負けたことに劣等感を抱き、勝ったことで優越感を抱く、彼らの気持ちは理解できない。

 この気持ちを彼らに伝えたところで、帰ってくる言葉は決まっている。

 

『お前が化け物だからだ』

 

 言い方に違いがあれど、基本的な内容はこんなものだ。

 人間、魔法師、一科生、二科生、そんな大きな括りでしか人を見れないから、彼らはそんな言葉しか言えないのだ。

 だからブランシュが掲げる理念、平等という言葉に縋ることしか出来ない程、彼らは弱いのだ。

 

(本当に、くだらない)

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