ハイスクールⅮ×D 永久の龍神   作:ひよっこ召喚士

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1刻

「ねぇ、イッセー君一つお願いがあるんだけど・・・」

 

 そう言うとさっきまでと違い冷たい目つきでこっちを見ながら「死んでくれないかな?」と言いながら光でできた槍のようなものを出してそのままこっちに突き込んできた。

 

「遅いよ、夕麻ちゃん」

 

 俺は何の驚きもなく攻撃を避けて見せる。彼女は背中から黒い翼を生やして空を飛んでいるのだが俺は両腕に赤い籠手を身につけ、ドラゴンの翼を展開して背後を取っている。俺に直ぐに気づけなかった彼女は驚愕の表情で距離を取って見せた。

 

「な!?あなたのそれは、既に神器を使いこなしていたなんて……」

 

 それにしても空が紺色を基調にしたマーブル模様になっている。結界が張られているのか、意外と手際が良いようで、こっちとしても一般人に見られるのは問題があるので丁度良かった。

 

「いえ、関係無いわ。驚いたけどたかが人間が堕天使に勝てる訳が無いのよ。この最高の堕天使であるレイナーレが人間なんかに負けるわけにはいかないのよ」

 

 そう言うと彼女(レイナーレ)は先ほどと同じ光の槍を生み出し、次々にこちらに向けて飛ばしてくる。一応狙った位置は自分の急所を捉えているが、狙う位置に工夫が無いので追いつめられる事は無い。そもそも当たったとしても傷はつかないだろうけど。

 

「なんで当たらないのよ。下等な人間がぁ!!」

 

「はあぁ、そりゃ狙った場所に飛ばすだけの攻撃なんて裏の人間ならだれでも避けれるぜ」

 

 軽く呆れながらそう答えると発狂したかのように同じ攻撃を続けてくる。元から気配を消すのも下手で、用意した個人情報も適当だった。実力不足もあるが詰めが甘い部分も多い。これはもう終わらせるべきだろう、そう思って攻撃の姿勢に入ると、彼女はびくりと震えて身構えるが防御なんて意味は無い。

 

「Explosion、赤龍帝の息吹(ドライグ・ブラスター)

 

 魔力を神器に宿るドライグを通す事で龍の力に変えて高めて一気に放とうと右手を堕天使の方へ向けた瞬間に、結界が破れ、知っている気配が近づいてきた。結界が不安定な状態でこれを放てば衝撃が周囲に伝わると考え、収束していたエネルギーを霧散させる。

 

「なぜ堕天使が私の町にいるのかは知らないけど、悪魔の治める街に侵入したからには覚悟は出来ているのでしょうね?そしてそっちにいるのは、神器を展開しているけどウチの生徒の……確か2年の兵藤(ひょうどう)一誠(いっせい)君だったわね?」

 

 ()()()ねぇ、任されている立場の割には管理が杜撰すぎるとも思うが、まあ貴族とは言えまだ悪魔としても若手だと聞く、問題が起きるまでは多少は目を瞑っても問題は無いとでも彼女の上も思っているのだろう。

 

「……ええ、3年のリアス・グレモリー先輩ですね。あの『紅髪の滅殺姫(べにがみのルイン・プリンセス)』に名前を憶えて頂いているとは光栄です」

 

 邪魔をされたとも少し思ったが、敵ではないし、立場のある相手と敵対するわけにはいかない。それに先輩は少し問題はあるが容姿がとても整っている。それだけでも尊重して接するだけの価値はある。

 

「知ってるって事は裏の関係者ね。話は後で聞くとして、まずはそっちの堕天使は何の目的でこの町に来たのかしら?」

 

「バアル家の滅びの力を持つ、現魔王の妹でグレモリー家の娘!?」

 

 キッと睨みながらも分が悪い事を理解しているのでレイナーレは踵を返して一気に逃げ出した。追い打ちをかける事も可能ではあったが、何も言わずにこの場を離れた場合にグレモリー先輩からの印象が悪くなりそうだ。それに先輩が堕天使を見かけた時点で彼女は先輩の管轄に移ったと考えて良い、横やりを入れるべきではない。

 

「逃げられたわね。結界があって踏み込んでみれば学園でも有名人が堕天使を圧倒していて驚いたわ……それで色々と事情があるようだけど話してくれる?」

 

「分かりました。しかし、もう時間も遅いので明日学園で話す形でよろしいでしょうか?」

 

「ええそうね。日もそろそろ完全に落ちるしね。明日あなたのクラスに使いを向かわせるわ」

 

 そう言うとグレモリー先輩は帰って行った。先輩と別れてから色々と考えなおすと、もう少しやりようもあったかもしれないと思わなくもない。罠と分かっていてデート(笑)に付き合うのも良くなかったか?過去を考えてもどうしようも無いが、遂に問題に巻き込まれてしまったという事で師匠に怒られるのは確定か。連絡は早い方が良いだろうと携帯を取り出して一つの番号を選択する。

 

『一誠、どうしました?堕天使の件で進展でも?』

「デートの終わりに襲われて、結界が張られたので丁度良いと撃退しようとしたところにグレモリー先輩が現れ色々と見られました。肝心の堕天使はグレモリー先輩の前で倒すわけにもいかないので放って置いたらそのまま逃げました」

『はぁ、だから駒王(くおう)学園以外にした方が良いと伝えたんですよ。まったく、それで対応は?』

「明日、グレモリー先輩の所に顔を出す事に成りました。たぶんオカルト研究部でしょう」

『私もついでに向かいましょう。朝にそちらの家の前に向かいます』

「ごめん。そして本当にありがとう()()()

 

 謝罪と感謝を告げて電話を切る。いずれ何かが起きると考えてはいたが、これからを考えると憂鬱よりもどこか楽しいと思ってる自分がいる。やはり自分も(ドラゴン)なんだと実感する。

 

「楽しく行こうぜ。ドライグ」

〈ふっ、付き合うとしよう。相棒〉

 

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