師匠であるトワ姉の言葉に理解が出来てないのかグレモリー先輩はかなりの剣幕である。メフィスト様と知り合いでもあるのに、悪魔を信用してないと言われるとは思わなかったのだろう。
「悪魔だからと括るわけでは無く、ちゃんと交友関係では個人を見るようにしている。だが、悪魔には契約も蔑ろにしてる老害やそれのおこぼれで潤ってる連中が多いし、眷属になれば否応なしに巻き込まれるからが一番だね。まあ、都合の良い事を並べる天使と教会もあまり近寄りたくはないね。後は堕天使だけど、個人で動く馬鹿は多いけど陣営としてはまともな方ですね」
悪魔と天使はどっこいどっこいで、どちらも堕天使に劣ると言っている様なものだ。中々にきついことを思い切り叩きつけるあたり、本当に容赦がない。
「そんなこと無いわよ!!悪魔は契約を絶対として、契約者と誠実に対応してるわ。」
「そう、思うならこれ見てみる?」
あ、トワ姉が何か書類を取り出してる。チラッと見るとどこか見覚えがある。って、それを今出すのはまずいのでは!?俺は慌ててトワ姉の手からそれを奪う。
「これは正式にはまだ調査中ですよね?!サーゼクス様が直ぐに確認するから待つようにって言ってたましたよね?!」
「私は別に了承してないし、見せるのは妹に関係者とその仲間、問題はないでしょう」
それを判断するのはサーゼクス様だと思うんだけど、トワ姉が悪魔を毛嫌いしているのは分かるけど、もう少し対応してあげても良いと思うんだけどな。
「これは……本当なの!?」
「契約違反の断定も時間の問題ですね。それに今ある情報だけでも濡れ衣を着せられている事は確定ですよ」
「…小猫、貴方も見なさい」
そうして資料は関係者の手に渡った。小猫ちゃんは資料に目を通していくごとに身体を震わせている。今にも倒れそうだが、それもしょうがないだろう。なにせ、彼女の姉であるS級はぐれ悪魔黒歌に関する調査資料なのだから。
「これは…「確かなものですよ」なぜ?!」
「そんな表情をしてたら言いたいことぐらい分かりますよ」
信じられないと思いつつも、姉である黒歌の事が頭の中をぐるぐる回り、理解してからはなんでどうしてと自分を責めているのだろう。
「まあ、彼女の件は結構特殊ですが、同じように契約を破る悪魔なんて掃いて捨てるほど居ますよ。教会の醜悪さは木場くんがよく知ってるでしょう?」
「ッ!?……」
「木場の事まで!?」
グレモリー先輩の眷属には色々と事情のある者が多い、その中でも二人の件は俺としても苛立ちを覚える。
「まあ、詳しくは貴方のお兄様に聞いてください。眷属化の適当な理由もそうだけど、リアスさんの残りの駒を一誠に入れてみて」
グレモリー先輩はトワ姉の言う事を何も言わずに実行するが、俺の体に駒が入ることはなかった。
「そもそも実力不足ですね。一誠が無理なら私も無理ですよ。なので部への所属
「分かりました。部活への参加だけこれからよろしくお願いします」
こうして微妙な感じになってしまったが顔合わせと事情の説明は終わった。トワ姉が顔を出すかは微妙だが俺は暇なら参加してあげることにした。