艦隊これくしょんInfinity   作:wind

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とりあえず、書けたところまで投稿。
この話は前話に統合するかもしれません。

タイトルはエースコンバット4 MISSION1から。


MISSION2 張り子の基地

「緊急ミッション、ねぇ…。詳しく話してちょうだい。」

 

「現在ここ呉鎮守府の艦隊が、四国沖に現れた敵勢力に対して攻略作戦を展開しています。前回の試験もこの作戦に組み込む形で行われたものになりますね。

 

攻略作戦は順調に推移しているみたいですが、補給線に問題が発生しました。

その問題の排除が、攻略作戦に集中したい呉鎮守府からネストに依頼されたようです。補給コンテナ――あの敵支配海域へ侵攻するときに空からばら撒くヤツです――の一部に敵が接近している模様でして、貴方方の任務は補給コンテナの防衛です。」

 

 

任務は、ってまだ受けると言った訳じゃない。…まぁ受けるけれど。見透かされたような気分。

というか貴方”方”?それって夕張もってことか?隣に座る彼女に目を向ける。

 

「あの、私まだその書類書いてないんですけど…。」

 

「貴方の書類は既にムラクモより提出されていまして。企業との二重所属みたいな形になってます。拇印すら必要ないのでご安心を!すぐにでも出撃出来ますよ。」

 

「や、やっぱり…。」

 

やっぱりって。この仕打ちを指してやっぱり…。企業戦士とはそんなにも大変な職業なのだろうか。

 

 

「なんとも太っ腹なことに、このミッションで使用した弾薬については呉鎮守府から補填されるそうです。補給コンテナの中身の使用も自由。好きに暴れて下さい。

その代わり、補給コンテナが喪失する毎に報酬が減算されますが、近づかれる前に敵を倒せば問題ないでしょう。

こんなところですかね。悪い話ではないと思いますよ?」

 

「敵勢力についての情報は?」

 

「詳細は不明、速度から駆逐艦だと思われます。」

 

またか。よく不明な状況で、悪い話ではないなどと言えるものだ。

 

 

 

「実際、緊急ミッションとしては楽な部類なんですよ?緊急、って位ですから迫る敵を足止めしろ~とか現れた敵集団に威力偵察を試みろ~とかそういう任務ばかりなんですから。」

 

「そもそも緊急ミッションにこだわってないんだけれど。まぁいいわ。貴方はどうする?」

 

そりゃ報酬額が違いますから!などと相変わらずお気楽なことを言っている男を横目に、夕張に問う。失敗したら報酬は出ないだろうに…。

 

「この男はこういってるけど。別に試験で一緒だっただけだし、同じ任務を受けることもないわよ?」

 

夕張は損傷を受けたばかりなのだし。艤装や傷そのものはもう直っているだろうが、病み上がりで無茶をすることはないだろう。

 

艤装はパーツ毎に分かれているため、破損部位の交換が容易な仕様だ。そのパーツも「アドバンスド・オートメイテッド・アヴィエーション・プラント」、つまりは鎮守府に併設された自動生産工廠にいる妖精さんによって二十四時間生産されている。

 

「いえ、受けます。防衛戦は私向きの任務だと思いますから。補給コンテナは利用出来ませんが、ガトリングはまだ十分に残弾がありますし。

…それに、ガトリング壊しちゃったから給料出ないかもしれないし。」

 

世知辛い。ムラクモってブラック企業なんだな…。

 

「では早速、出発致しましょう。八番ポートにStorkを待機させています。艤装も積み込んでありますよ。」

 

 

先程見透かされたといったが、仕組まれたといった方が正しいみたいだ。

 

ミッションを事前に知っていたということか。さっきまでの歴史の授業も、ミッションがネストに受理されるまでの時間調整だったのだろう。上役にパイプでもあるのだろうか。

男はニヤニヤと笑っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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三人一緒にStorkに乗り込む。ん?

 

 

「なんでオペレーターが一緒にヘリに乗っているのよ。普通基地からナビゲートするものなんでしょう?」

 

てっきり見送りにでも来たのかと思ったのに。

 

「私の主義というか、趣味です。可能な限り、レイヴンに合わせるようにしているんですよ。試験のときも貴方方からは見えなかっただけで副操縦席に座っていました。」

 

「へぇ。じゃあ服が黒で揃えられてたのもレイヴンに合わせてってことなのね。」

 

「納得です。真っ黒で趣味悪いなぁなんて思ってましたが、理由があったんですね。」

 

日本語でも黒を「烏の濡羽色」なんて表現するように、英語のRavenにも「黒い」という意味を含んでいる。そのためレイヴン関係のものは黒系統に塗られることが多い。例えばこのStorkがそうだ。

 

 

「…………………いえ、これも私の趣味です。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「Stork Eight, you are cleared for take off。」

 

 

管制塔から許可が下り、Storkが離陸する。

 

他のヘリポートからも、黒いStorkが離陸体制に入り始めたのが見えた。

空から鎮守府を眺める。試験のときは外を眺める余裕がなかったから、じっくり見るのはコレが初めてだ。

 

鎮守府全体が騒がしく動き続けているのが見える。攻略作戦の最中だ、当然だろう。ここ2日は、この大事な時に待機していることに居心地の悪さすら感じていた。

 

だが騒がしいのはR区画…レイヴンを含めた艦娘用の設備群だけだ。向こうに見える通常艦船(R兵器以外を指す)の方に動きはない。

攻略作戦にも、その補給線の防衛にも、あの船が用いられることはない。あれが動くのは非常時のみ。補給線の問題も、所詮は兵士の危機だ。市民たちにとっては頼もしい盾でも、艦娘にとっては只のハリボテでしかない。

 

まぁそのおかげでレイヴンにも仕事が回ってくるわけでもあるのだが。

 

 




25ガトリングの弾薬は背部の艤装に外付けされているということにしてます。
流石に2500発も詰まったものを持ったら腕部重量過多になりそうなので。

本来は作中で説明する予定でしたが、試作武装の仕組みを話すのは機密保護的に不味いため変更。

史実の夕張は兵装そのものの実験はしていないらしいです。驚きです。
今作の独自要素ということで一つ。これからも艦娘の設定的に史実と矛盾する点がでるかもしれません。可能な限り気をつけます。
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