ヤンデレって怖いね(小並感)   作:狼黒

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亡霊‥じゃなかった、私と同じ感じの奴の登場

「‥‥こっちじゃ奴さん死んでるとはねぇ‥」

 

そう呟きながら廊下を歩いている

思い出すのは先程ドクターとの話の内容

こちらの世界では何でも私が見た幹部‥メフィストとやらは既に死亡が確認されているらしく、しかも目の前で確認したことなのでまず生きている事はあり得ないんだと

だか、私達が交戦したレユニオン兵は、いずれもメフィストのアーツによるものらしく、矛盾が生じるんだとか

となると考えられるのは2つ

こっちの世界で死亡したメフィストそっくりの別人か、私みたいに別世界のメフィストか

前者だと、アーツというのはそもそも同じになる確率が極めて低く、天文学的確率なのでまずあり得ないんだと

後者も信じられないが、私という存在があるため完全に否定は出来ない

まぁ何れにせよ、近い内にまた調査するらしいのでその時は協力してくれということだった

まぁ所属させてもらってる身だから協力するけども

 

「ま、今は考えても仕方がないか‥ん?」

 

この後はどうしようかと思っているとたまたま通りかかった部屋から声が聞こえてきた

誰の部屋かと思ったが、『ヤマト』というプレートが掛けられていることからヤマトの部屋なのだろう

因みにヤマトとその妹であるイカズチちゃんは私を気に掛けてくれているのか、よく話しかけてきたり、一緒に訓練したり、飯を食べたりしている

ありがたいね‥私なんかと居ても楽しくないだろうに‥

まぁそれはさておき、今は暇だし中から声聞こえるってことは居るんだろう

そう思いながらノックをすると

 

『はーい、今出まーす!』

 

ヤマトの声が聞こえ、間もなくドアが開く

 

「あ、カドヤさん、どうかしたの?」

 

「いや、何か楽しそうな声がしてたから気になってな、入っても良い?」

 

「良いよ?どうぞ」

 

「じゃあお邪魔しま~す、っと」

 

そう言ってヤマトの部屋に入ると、そこにいたのは

 

「あぁぁぁぁぁ!また負けたー!」

 

「いぇーい!私の勝ちー!」

 

「モグモグ‥美味しいねこのクッキー」

 

「本当ね白黒」

 

「その呼び方止めてくれないかな‥あれ?ヤマト、そいつ誰?」

 

イカズチちゃんにW、それとラップランドに‥あと一人誰だ?

まぁとにかく女性が4人居た

見た感じイカズチちゃんとWがゲームしてて、ラップランドともう一人はクッキー食べてるみたいだねぇ

楽しそうで何より何より

 

「あ、ラーちゃん、この人はカドヤさんって言うんだ」

 

ラップランドの疑問にそう答えるヤマト

まぁ同じラップランドでも私の世界とは別のラップランドだからそう言う疑問も当たり前だな

それにしてもヤマト、お前ラップランドの事「ラーちゃん」って呼んでるのか‥

 

「‥あぁ、ヤマトと模擬戦して勝った別世界から来たサンクタの女性っていうのは君かい?」

 

「まぁ他におらんのならそうなるねぇ」

 

「へー‥」

 

そう言って何か楽しそうな目で見てくるラップランド

忘れてた、そう言えばこいつこんな感じだったな

 

「あ、カドヤさん!」

 

「おーイカズチちゃん、元気にしてるか?」

 

「うん!」

 

「返事が元気で大変宜しい」

 

そう言ってイカズチちゃんの頭を撫でる

嫌かと思われるかと思ったが、気持ち良さそうなので安心した

何ていうかね、小動物?みたいな感じがある

 

「でだ‥えーと、貴女は誰かな?」

 

「あぁ、私はリーシーよ、貴女の事はヤマトから聞いてるわ、宜しくね?」

 

そう言って手を差し出してくる女性‥じゃなかったリーシー

左腕が無い事を気にして手を差し出してくる辺り、結構優しいんだなと言うことが分かる

 

「おーう、宜しく」

 

「こちらこそ‥何を食べたらそんなに大きくなるのかしら‥(小声)」

 

「ん?何か言った?」

 

「いいえ?何もないわよ?」

 

なら良いや

その後はWと軽い挨拶をした後、ヤマトの部屋でわいわい騒いだ

だが何で集まってるのかとイカズチちゃんに聞いたら

 

「お兄ちゃんを巡って本当なら殴りあう所だけど許可が出なかったから、ゲームで白黒つけることにしたの」

 

って言った時は少し驚いたけども

ヤマト‥お前その内後ろから刺されるかも知れんぞ‥

因みにゲーム‥ス○ブラはやってみたが、意外と簡単だった

えーと‥ス○ィーブだっけか、結構使いやすいのよね

何故か皆驚いてたけども‥

それとヤマト、お前弱すぎるぞ‥

まぁ3時間ぐらいして、お暇した

同時にヤマトがドクターに呼び出されてたが‥何があったんだ?

そしてその日も眠れなかった

 

 

 

「大変だねぇ、調査ってのも」

 

「まぁそうだけど‥気が抜けすぎじゃない?」

 

「警戒はしてるからへーきへーき」

 

木にもたれ掛かりながらそう返す

今居るのはヤマト達と初めて会った森

何でもここで行方不明者が多数出ているらしいから、その調査というものらしい

まぁ余程の事態なんだろう、ドクターとケルシーまで来ているからねぇ

で、当然ロドスのトップの人物が調査している以上、私らオペレーターが警戒してるって訳

まぁ今のところ何もないからこうしてヤマトと雑談してるけど、実際暇なんだよね

後ヤマト、別に私なんかに構わなくても良いんやぞ?

にしても‥静かすぎるねぇ‥

時間が掛かって夕方近いとは言ってもこりゃ少しおかしい

 

「全く‥野生の動物の一匹や『ガァァァァァァァ!』‥おいでなすったか」

 

遠くから獣とはまた違う咆哮が聞こえてくる

どちらかと言えば人間に近いとも言える咆哮だな‥

まぁこんな咆哮する奴なんて限られてる

 

「これって‥!」

 

「多分あってると思う‥行くぞヤマト」

 

『アーツライド ブレイズ』

 

そうして手にチェーンソーを持ち、体の周りに熱を帯びさせる

 

「うん!」

 

そうしてその咆哮が聞こえた方向に二人で走り出した

 

 

 

『ガァァァァァァァ!』

 

「させるかい」

 

後退が遅れたであろう職員を襲おうとした奴をチェーンソーで真っ二つにする

 

「あ、ありがとうございます!」

 

「礼は良いからとっとと下がれぃ」

 

そう言うとその職員は一度頭を下げた後、後方へ下がっていく

因みにヤマトはドクターとケルシーとかロドスの職員の護衛で、一旦離れている

まぁ私の判断だけども‥怒られるなら私だけにしてほしいね

 

「さてと、周りはどうかね」

 

真っ二つにした死体をアーツで燃やした後、周りを見渡す

やはりと言うべきか、押されている‥ロドスが

まぁ元々森というあまり視界が良いとは言えない上に、いきなり襲われたのだからそりゃそうなる

それでも崩れてないのは、やはりというかロドスのオペレーターの経験の厚さだろう

普通ならとっくに戦線崩壊してるだろうし

 

「と、言ってる場合じゃないか」

 

『アーツライド W』

 

そうするとチェーンソーが消え、代わりにグレネードランチャー等が現れる

本人がこの場所にいるから間違われそうだけど

 

「まぁいっか、とっとと終わらせるかい」

 

そう言って大挙して襲い掛かってくる連中目掛けて突っ込んだ

 

 

「大分減ってきたな‥」

 

そう言って襲ってきた奴の頭を手榴弾で吹き飛ばす

あれから時が経って、体勢を立て直したドクターが的確な指示を出したことにより、段々優位に立ちつつあった

ヤマトもこちらに戻ってきて、今は近くで戦ってる

しかし凄いなドクター、あっちでもそうだったけど指示が本当に的確だわ

敵じゃなくて心の底から良かったと思う

まぁ何れにせよ、死人が出てないのが幸いか

怪我人は多数出てるけど‥まぁケルシーおるし大丈夫だろ 

私?‥まぁ大丈夫じゃないの?知らんけど

 

「これで終わりっと」

 

そう言って体ごと吹き飛ばすと、ヤマトも連中の首を落とした所だった

相変わらず強いねぇ‥本当に

 

「お疲れぃ」

 

「あ、お疲れ‥って!怪我してるじゃないか!」

 

「うん?‥あぁ、ほんとだ」

 

ヤマトの視線を辿って体を見てみると、確かに腹の一部が削られて出血していた

うーん‥気付かなかったなぁ‥

 

「ちょっと大人しくして!今止血するから!」

 

「いや別にい「良いから!」お、おう」

 

そうしてヤマトに座らされて、包帯を巻いてもらう

別に気にしなくても良いのにねぇ‥

 

「‥はい!これで一時的に大丈夫!早く医療所に行くよ!」

 

「うーい‥っ!伏せろ!」

 

「えっ!?うわっ!」

 

そう言ってヤマトと共に地面に伏せると、頭があったところを拳が通過していた

通った後の風の勢いがかなり強いことから、あれを食らっていたら瞬時に死体になってたのだろう

 

「あらら‥多いもんだねぇ」

 

そう言う私の目の前に居るのはさっきの連中のデカブツバージョン

軽く15体は居るねぇ‥多いこって

というかよくこんだけ集めたなおい

まぁ取り合えず

 

「ヤマト、ちと増援頼むわ」

 

「か、カドヤさんは!?」

 

「ここに留まる、安心しなよ、時間稼ぎぐらい出きる」

 

「駄目だよ!危険すぎ「早く」‥っ!怪我しないでね!?」

 

私がちと厳しめに言うと、苦渋に満ちた表情をしながらも心配してくれて、増援を呼びに行ったヤマト

さてと‥

 

「相手してやるよ、化け物共」

 

『ーーーーーーーー!!!』

 

声にならない咆哮をあげて突っ込んでくる奴にグレランを叩き込むともろに喰らったデカブツとその近くにいたデカブツ3体が肉片となる

そして左右から接近してきていたデカブツに対しては、弾切れとなったグレランを投げつけて黙らせる

当然それで勢いが弱まる筈もなく、体当たりをもろにくらい木の幹に叩きつけられる

 

「‥ったく、力が強いねぇ‥かふっ」

 

どうやら体当たりされた時に臓器をやられたらしい、口から血が出てきていた

 

「‥へぇー、耐えるんだ、結構強いんだけどなぁ」

 

そんな声が響き渡ったかと思うと、デカブツの後ろから少年が現れる

だが、あっちの世界でWから聞いていた容姿に間違いがなかった

 

「‥死んだって聞いてたんだがなぁ‥」

 

「ふざけないでよ、僕は生きてる、勝手に死んだことにしないでくれないかなぁ」

 

そう言うのは間違いなく、レユニオン幹部であるメフィストだった

 

「何で居るんだか‥」

 

「さぁ?僕も目覚めたらここにいたって感じだし分かんないや」

 

となるとこいつも私と同じということかね‥

 

「まぁどうでも良いよ、それより本当ならもっと手駒が増える筈だったのに‥君のせいで台無しだよ」

 

若干イラついてるのか、不機嫌さを隠そうとせずにそういうメフィスト

 

「まぁいっか、君を僕の手駒にしてあげるからさ」

 

そう言って私を鉱石病に感染させようと、一部のデカブツで私を囲んでくる

多分こいつらで私を感染させた後、自身のアーツで私を手駒にするつもりなんだろう

まぁ‥

 

「お断りだな」

 

「あはは、その状態で何が出来るってのさ」

 

まぁ確かに身体中から血が出てるし、満身創痍に見えてるんだろう

だけどこいつの手駒になるのって生理的にも無理だわ

 

「出来なきゃこんなこといってないさ」

 

そう言ってカードを取り出して差し込む

 

『アーツライド タルラ』

 

そんな音声が流れたかと思うと、私の周りにいたデカブツが瞬時に蒸発した

 

「なっ!?」

 

奴さんが驚いてるけど、まぁどうでもいい

こいつは代償がでかいけど‥まぁこの数のデカブツの処理が先だな

 

「強力なアーツの力にはそれ以上に強力なアーツの力を使うまで、簡単なことだろ?」

 

「っくそ!何でこうなるんだよぉ!」

 

そう言ってデカブツの他にも多数の‥寄生兵だったか?を突っ込ませてくる

まぁ‥

 

「蹂躙してやるさ」

 

『アタックアーツライド 灼熱の息吹』

 

そう音声が流れると、突っ込んできていた連中に火がついたかと思うと、次々と火達磨になっていく

だがそれはあくまでも少数、残りは火がついたにも関わらず突っ込んでくる

 

「‥無茶しちゃうねぇ、我ながら」

 

そう呟いて、突っ込んでくる連中を迎え撃った

 

 

「あり得ない‥こんなことあり得ない‥!」

 

何かぶつぶつ言っとる‥メフィストか、そいつ

まぁ大軍ぶつけたにも関わらず殲滅したらそうなるかね‥

このアーツ強力やなぁ、流石はレユニオントップとやらのアーツだわ

 

「くそ!こうなった『バラージュ!』ちっ!」

 

その声と共に銃声が響き渡ったかと思うと、残っていた連中の頭が次々と吹き飛んでいく

銃声が聞こえた方向を見ると、ヤマトがオペレーター達を連れてこちらに戻ってきていた

 

「ちっ!覚えてろよ!!」

 

そう言って数少ない生き残りを連れて森‥いやここら辺は私が焼いたか、とにかく凄まじい速度で撤退していった

 

「やれやれ‥がほっ!?」

 

やっと落ち着いたかと思ったら、今度は口から血が溢れるように出てきた

まぁこいつ使えばそうなるかね‥

 

「がほっ!げほっ!ごほっ!」

 

やべぇ、ちと本格的に血が止まらんなぁ‥

そんなことを考えていると、体に力が入らなくなり地面に激突するかと思ったが、いつの間にか近くに来ていたヤマトが支えてくれた

 

「大丈夫!?しっかりして!」

 

ヤマトがそう言ってくるが、次の瞬間に物凄い睡魔が襲ってきて、とても目を開けていられない

 

「やば‥い‥かも‥ねて」

 

そう言うと、意識が暗転した

 

 

その後の話をしよう

あの後ロドスのヘリで搬送されて、緊急手術を受けたそうだ

出血が止まらなくて苦労したらしいけど‥申し訳ないねぇ

内臓だの何だのがぐちゃぐちゃになってたらしいけど‥

で、手術自体は成功したらしいんだけど、その後1カ月近く

昏睡状態だったらしい

その間、ヤマトとイカズチちゃんだけじゃなく、他のオペレーター達も毎日見舞いに来てくれてたみたいでね

いやぁ、私なんかに見舞いってありがたいね

まぁ目が覚めた時にたまたま来ていたイカズチちゃんに泣きつかれたのは正直驚いたけども

で、何でヤマトとイカズチちゃん以外のオペレーター達も見舞いに来てくれてたのかというと、どうもケルシーが全オペレーター達に話したらしい

私がレユニオンのリーダーのアーツを使ってるのを見たオペレーター、それに私の緊急手術に立ち会った人物達がドクターとケルシーにどういう事かと質問したらしく、数が数だった為、やむを得ず全員に話したのだと

私としては別に気にしてないし、そもそも心配なんかしてくれなくても良いんだけどねぇ‥

まぁ一回動こうとしたら、カヴィルだっけか?に見つかって説教されて以来ら下手に動かないようにしている

今は安静にしてろ‥か‥

別に安静にしてなくても働けるのにねぇ‥




メフィストの感じは想像です

闇堕ちルート続きいる?

  • いる
  • 別にいい
  • 本編でモスティマ達もっと曇らせて
  • 監禁ルートを望む

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