「えヘヘ~、カドヤとデート~♪」
「浮かれてるなぁ、お前さん」
だって普段とかまじで飄々としてるんだから、モスティマのこういうのは珍しい‥いや考えたらよく見とるな
所で何で最近抱きついてくる時に、必ずといって良いほど左側抱きついてくるんだろうか‥分からんな
それにしても出店が多いな‥何かあるんじゃろうか
にしても‥
「何か分からん視線が多いな‥主にお前さんに」
「本当だね、何でだろ?」
いやお前理由分かってとぼけてるだろ
すれ違う人や道行く奴の殆どがモスティマに注目している
まぁ何でかは私でも分かる
だってこいつ美人だもの、そりゃ注目集めるわな
私にも視線が来てるけど、こちらは完全に何でお前なんかがというような視線が多い
まぁそりゃ美人の横にいるのが気味が悪い女だもの、そりゃそうだろうよ
「まぁどうでも良いじゃないか、楽しもう?」
「どうでも良いのか‥まぁそうするか」
そうしてモスティマに引っ張られて観光することにした
「そう言えばカドヤってさ」
「んー?」
「アクセサリーとか興味ないの?」
出店で売っていたポテトを食べているとモスティマが同じくポテトを食べながらそう言ってくる
「アクセサリーねぇ‥まぁこれ以外に着けるつもりはないねぇ」
そう言って右手で首飾りを取り出す
「‥それって」
「あぁ、お前さんとエクシアが誕生日に買ってくれたもんだ」
確か‥ラテラーノでまともに祝われた最後の時だから‥5歳の時だったな
逃げ出してから調べてみたら、当時の値段でかなり高かったから驚いたもんだ
施設に実験体にされる時に奪われたけど、逃げ出す時に何故か捨てられてなかったから奪ってきた
逃げ出してからなにも信用しなかった頃、これだけが頼りで生きてきたもんだ
「まだ着けててくれてたんだ‥」
「当たり前じゃろ、お前らがくれたんだから」
幼馴染みがくれたものだし、何より私の心の支えだからな
「だからまぁ、これ以外に着けるつもりは無いかなぁ」
というかこんな私が変に着飾ったところでなぁ‥似合わんじゃろ
「そっか‥」
「というか待て、お前いつの間にそんなもの買ってきた」
そう言う私にモスティマは持っていたものを差し出す
「さっきね、食べるかい?」
「まぁ良いなら遠慮無く‥じゃない、何処に売ってた?」
いつの間にやらモスティマの両手にはそれぞれ5本ずつの串肉が器用に持たれていた
周りにはそれっぽい物売っとるところないし、いや本当に何処で買ってきた?
「ちょっと時間を止めたのさ」
「これ以上ないアーツの無駄遣いだな」
それを買う為だけに時間を止めるとかいうアーツを使うんじゃないよ、アホなのかお前は?
「要らないなら私が全部食べるよ?」
「要らないとは言ってないじゃん、貰うよ」
「じゃあ、あーん」
「あーむ」
モスティマが差し出してきた串肉を食べる
うーむ‥何か柔らかいなぁということしかわからん
にしても‥本当に活気に溢れてるねぇ、ここは
道行く人は視線こそあれだけど、皆が元気そうだし
「というかお前そんなに食べて大丈夫なん?女性ってその‥体型とか気にするんじゃないの?」
「そういうのは気にしちゃいけないんだよ」
「あ、そうなの、そりゃすま‥っ!」
その瞬間、時間が止まったような気がした
「カドヤ?どうかしたのかい?」
モスティマがそう聞いてくるけどそれに答える事も出来ない
何故なら
「はぁ‥!はぁ‥!」
この前私を捕らえようとして襲ってきた連中と同じ制服を着た男がこちらを見ていたのだから
「カドヤ!?どうしたのカドヤ!?」
突然カドヤが蹲ったから、慌てて顔を覗き込む
「ぜぇ‥!ぜぇ‥!おぇ‥!」
顔は青ざめてるし呼吸も荒い、さらには気持ち悪いのか吐きそうにもなっている
そんなカドヤを介抱しながらも
計画通り
そんな言葉が頭に浮かんできて思わず笑みを浮かべそうになる
いや、実際カドヤを捕らえようとしてる奴等が居るのは本当だ
この前Wが遭遇したのというも本当
だけど今回は違う、今回のは私達が計画したものだ
理由?そんなのカドヤを私達に依存させるために決まってるじゃないか
罪悪感が無いのかと言われればあるけどね‥
カドヤが見たであろう組織の人間は本物で、カドヤが遭遇した頃からずっと見張っている三下だ
上手くこちらの思うように動いてくれた
まぁここに行くって情報をあちらに流したのは私達なんだから当たり前だけど
取り交わした約束ではカドヤがこうなった後、私達は自然な流れでカドヤから離れてその後はお好きにどうぞっていう約束をしてるけど‥まぁ守るわけないよね
今頃はテキサス達に‥ね‥?
「も、モスティマ‥あ、あいつらが‥」
そんなことを考えていると、カドヤが私の服を掴んでそう言ってくる
その顔は青ざめていて、今にも泣きそうだ
何て言うんだろう‥ぞくぞくするね‥
「大丈夫だよカドヤ、私のアーツ使うから離れよう?」
「う、うん‥」
「じゃあ行くよ」
そう言ってカドヤを立ち上がらせる
足がガクガク震えていて、まるで小鹿みたい‥可愛いね
そう考えながらアーツを発動する
すると周りの全ての時間が止まり、私だけが動けるようになる
見張ってた男は‥まぁもう気にすることじゃないね
そう思いながら、止まったカドヤを抱き抱えてその場を後にした
「どう?うまく行った?」
緊張の糸が切れたのか、崩れ落ちるように眠ったカドヤに膝枕をしてその髪を撫でていると、エクシア達が帰ってきた
「まぁね、そっちは?」
「問題ない、偉いとか言ってる奴が出てきたがふざけた事を抜かしたから瞬殺した」
何事もなかったかのように平然とそう言うテキサス
「一応強いんだけどなぁ‥あの人(ゴミ)」
エクシアが苦笑いしてるけど私も同感、一応あの人(ゴミ)ラテラーノの中じゃそこそこ強かった筈なんだけどね‥
おっと、エクシアと私も所々本音が出てたね
まぁこれで私達ペンギン急便が仕組んだという証拠は完全に消えた、だってあちらでこちらが関わったという事を知ってる奴等は全員テキサス達が殺したしね
本来の仕事は実はこっちで、要人警護はたまたま同じタイミングで来たから隠れ蓑にはうってつけだった
因みにこれはコーテーやドクター、さらにはケルシーも知っていることだ
やり方が多少強引じゃないのかってドクターとケルシーは言ってたけど
「じゃあ他に何か方法あるか?」
ってコーテーが聞いたら、誰も他のアイデア出せなかったからこのアイデアで行く事になった
コーテー、ドクター、ケルシーというメンバーが協力してくれている以上、万が一にもバレることはない
まぁその万が一に備えて、今回追ってきた連中は口封じしたんだけど
「これからどうするんや?」
「一先ず帰ろうか、コーテーにも報告しないとね」
そう言うと寝ているカドヤをお姫様抱っこの要領で抱える
こうやって改めて近くで見てみると、可愛い顔してるよね‥
「後で私もやるからね、モスティマ?」
「分かってるよ」
エクシアにそう言うと、ペンギン急便の車両にカドヤを運んで車両に乗せる
もしこんなことをやったとカドヤが知ったらどうなるのかな‥
けどこれもカドヤの為にやったことなんだ、ごめんね
そうしてカドヤを乗せると運転席に座る
後ろではエクシアがカドヤを膝枕している
何か耳元で囁いているので耳を傾けると
「依存しちゃえ‥もっと私達に依存しちゃえ‥」
小声でそう言ってる、怖いね
でも、私も同じ思いだ
ズーットイッショダヨ?カドヤ?
「う‥ん‥?」
目が覚めると知らない天井‥じゃない、ペンギン急便にある私の部屋の天井だなここ
「あ、起きましたか?」
「っ!?‥あぁ、ソラちゃん」
一瞬警戒してしまったけど、その声の主がソラちゃんだと気づく
「えぇと‥確か‥」
「ラテラーノの人達‥ですよね?」
「‥あぁ‥そうだったね‥おぇ」
あのときの姿を思い出してまた吐きそうになる
何でまたあいつらが‥見張られてるのかな‥
というかせっかくのお出掛けを台無しにしちまったなぁ‥モスティマには後で謝っておこうかな
「モスティマさんなら「気にしなくて良いよ」っていう伝言預かってます」
「ナチュラルに心読まないで?」
ソラちゃん、君も読心術に目覚めないでくれ、頼むから
「というか今何時?」
「えぇと‥あれから二日ぐらい経って今は夜の7時ですね」
「マジか」
二日間も寝てたのか‥我ながら情けないなぁ‥
もう過去の事なのになぁ‥本当に自分が情けない
というか二日間なにも食べていないせいか、お腹の虫が鳴っている
「ちょうど今から晩御飯ですから食べます?」
「そうしようかな‥おっと」
「心配しなくても晩御飯は逃げませんよ」
ベットから降りる時にこけそうになったけど、ソラちゃんが支えてくれたから事なきを得た
因みにここ、というよりロドスと近衛局でも、基本的に飯を食べる時は誰かと一緒に食べるようになっている
何でも
「見てないとカロリーメイトとかで済ませそうだから」
という理由らしい
別にそれでも良いじゃないかと思ったんだけど
「味覚を治すためにはまず食べることだ!」
というケルシーの言葉により、こうなった
え?よく分かんない?安心して私も分かってないから
「行きますよー」
「おーう」
そうしてソラちゃんに抱きつかれながら晩飯が用意されている部屋に向かった
モスティマが作ってくれたらしく、中々にレパートリーが豊富だった
因みに相変わらず味は感じなかった、ごめんなモスティマ‥
責めるならこういうことをしたモスティマ達や皇帝、ドクターやケルシーではなく、こんな感じにした私を責めろ!
闇堕ちルート続きいる?
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いる
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別にいい
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本編でモスティマ達もっと曇らせて
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監禁ルートを望む