ヤンデレって怖いね(小並感)   作:狼黒

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バイソン君

「ねぇ~カドヤ~」

 

「どうしたのそんな疲れた顔して、あと何でさりげなく膝の上に頭を乗せてる?」

 

ペンギン急便でやることがないのでエンペラーと一緒にゲームしてたら配達を終えたエクシア達が帰ってきた

まぁ我が幼馴染みが仕事終わった後に疲れてるのはいつもの事なんだが

というか流れるような仕草で膝を頭に乗せてるのよね

 

「あ、てめぇ!そこでバナナはずりぃぞ!」

 

「そこで躱せないのが悪いのじゃ~、はい一位~♪」

 

「畜生めぇぇぇぇぇぇ!!」

 

ゲーム機を投げつけてそう叫ぶエンペラー

一応ソファーに投げつけるのは優しさなのか

エンペラーはレースゲーが異様に弱い、他のゲームは私と互角だけどね

というかあの手でどうやってゲーム機持ってんだろ

いやぁ最近平和で何よりだ

 

「私もやりたーい!」

 

「それは良いんですけどエク姉、帰ってきてから体は洗ったんですか?」

 

エクシアの言葉に重なる声

その声が聞こえた方向を見てみれば

 

「おーバイソン、おかえり」

 

「ただいまですカドヤさん、それよりもエク姉、レユニオンに遭遇して体が汚れてますよね?洗いました?」

 

ペンギン急便の貴重な常識人こと、バイソン君がいた

 

「…アラッタヨ?」

 

「片言じゃないですか!それに体がまだ汚れてるじゃないですか!早く洗わないと汚いでしょ!」

 

「ちょ、ちょっとま「待ちません!ほら行きますよ!」カドヤー!助けてー!」

 

そう叫びながらバイソン君に引っ張られていかれる我が幼馴染み

まぁバイソン君の言うことは最もだから助けはしない

それにしてもバイソン君は世話焼きだねぇ、クロワッサンとエクシアが影で「オカン」と言ってるのも納得がいくよ

 

「坊主も大分ここに慣れてきたな」

 

「確かにね、まぁ時間ってのは凄いねぇ」

 

初めて来た時なんて混乱してたらしいからね

まぁ一人はチョコ食べて無口なループス、一人はトリガーハッピーでパーティー、アップルパイが大好きなやらかし第一号の我が幼馴染み、一人は常時金欠でやらかし第二号、一人は私が悪く言われると暴走する我が幼馴染み、一人は基本的にマトモ…いや待て今あげた全員私が悪く言われると何故か暴走するんだったな

そしてそれを纏める社長であるこのペンギンは基本的には適当だからな

これで混乱するなというのが無理ないね

 

「お前も入ってるのを忘れるなよ」

 

はて、私は比較的マトモの筈だけどね?

 

「……」

 

エンペラーが無言でなおかつジト目で見てくるけど気にしないことにした

そういや初めて会った時も大変だったな…

 

 

あれは確か腕が吹き飛んで片目が見えなくなって片耳が聞こえなくなって入院して、退院して暫くした時にテキサスとエクシアと配達してた時だったか

 

「あー疲れた~!」

 

「近衛局宛の荷物だ、そこまで遠い訳じゃない」

 

「量が多かったじゃんか~!」

 

まぁ確かに多かったけどそこまで疲れるものでもないだろ

ペンギン急便から近衛局までの距離なんてそんなに無いもんだろうに

それは良いとしてテキサスが左側、エクシアが右腕に抱きついてくるのは何でだろうか、周りの視線が…いや何か逸らしてるな、何でだろ

 

「そういや何か新人入ったらしいけど?」

 

「あ、カドヤにはまだ紹介してなかったね」

 

入院中何か派手にやりあってたらしいけどな

まぁ取り敢えず無事ならよかった、怪我でもしてたら私が全力で潰しにかかってたよ

 

「どんな子なん?その新人って」

 

「えーっとね、まず真面目だね!」

 

ふむふむ

 

「それとからかい甲斐があって面白いし~」

 

おっと?何か怪しいぞ?

 

「何よりね、オカンなんだよね!」

 

…取り敢えずこの阿保の意見はさておき

 

「テキサスはどう思ったの?新人君見て」

 

「…そうだな」

 

そう言って考え込むしぐさを見せるテキサス

ペンギン急便の中じゃ比較的まともなテキサスだし参考に

 

「エクシアが言ったオカンというものはあってる」

 

ならなかったなおい、何で同じ意見なんだ

 

「だがこれからさらに成長していくだろうということは分かる」

 

ふーむ、将来有望な子だね

取り敢えずやらかし一号と二号を押さえてくれるかな

その後はその新人君が入った経緯を聞いたけど…取り敢えずモスティマに説教をせねばならぬということだけは分かった

復帰早々やけに書類が多い理由が分かった、あとエクシアとクロワッサンもだ

 

 

「ただいまボス!無事に終わったよ!」

 

「おう、ご苦労さん」

 

「あ、おかえりなさい!」

 

あれから適当に二人と話しながら帰ると、ゲーム機を持って遊んでいたエンペラーとソラちゃんがいた

やってるゲームは…あぁ、いろいろなゲームのキャラを戦わせる奴か

 

「はいこれ!納品証明書!」

 

「おう…確認した、今日はもう上がっていいぞ、何なら一緒にやるか?」

 

「やるやるー!」

 

そう言ってゲーム機を取る我が幼馴染

私も特にやることがないから一緒に見ようかと思ったその時

 

「やれやれ、くたびれたわ~」

 

「くたびれたわじゃないですよクロ姉!マフィアに追いかけられるなんて今度はなにしたんですか!」

 

おーやらかし第二号と…あと一人誰だ?

 

「あれがさっき話してた新人だ」

 

「ほー」

 

私が頭にはてなマークを掲げているとテキサスがそう教えてくれる

 

「別に何もしてないで?只カドヤはんの事を「(龍門スラング)」って言われたからぶん殴ったことがあるだけやけど?」

 

「それ!絶対それ!気持ちは分かりますけどせめて罵倒でいいでしょう!」

 

おお、いいツッコミだ、感動的だな

私に続いてペンギン急便の常識人に…

 

「罵倒って言われてもなぁ…例えば?」

 

「そうですね…(龍門スラング)とか(龍門スラング)とかはどうですか?」

 

前言撤回、この子もやばいや

というかなんださっきの言葉、とても顔からは想像できんような内容やったぞ

 

「えーと、君が新人君?」

 

「あ、はい!カドヤさんですね!僕はバイソンって言います!初めまして!」

 

「ん?なんで私の名前知ってるの?」

 

少なくとも私はまだこの子に会ったことはないんだけど…

 

「テキ姉とエク姉、それにクロ姉にソラ姉に丸二日間教えられましたから…」

 

「…君たち?何してんのよ、しかも丸二日間って何?」

 

「い、いやー…ね?」

 

「き、気づいたら二日間経ってて…」

 

「…」

 

「ご、ごめんね…つい…」

 

ソラちゃんは許そう、ちゃんと謝ったから、だが他は後で説教だ

それとテキサス、無言で顔をそらすんじゃない

 

「はぁ…ごめんな、私のせいで」

 

「いえいえ!」

 

あぁいい子やなバイソン君…後でご飯でも奢ってあげるよ

 

「ただいまー」

 

そう言って入ってきたのは我が幼馴染であるモスティマ

というか何かウルサスに昨日出発してからもう帰ってきたのか、早くね?

 

「カドヤに早く会いたいからね」

 

「心を読むのがうまいなお前は…読心術でも習ったのか?」

 

「カドヤの考えてることが分からないわけがないでしょ?」

 

そう言って胸を張るモスティマ

まぁそれはさておき…

 

「モスティマ、私に何か言うことがあるでしょ?」

 

「…さーて、ちょっと体洗ってこようかな!」

 

「待て!逃げようとするんじゃない!」

 

そう言って逃げたモスティマを追いかける私

思いっきり暴れて私の捌く書類が増えたことを反省させてやる!

 

 

「うにゃ~♪カドヤ~♪」

 

「酒飲みすぎだお前さん、膝貸すから寝ろ」

 

「…zzzz」

 

「モスティマは…駄目だ完全に寝てるな」

 

「…カドヤ、抱っこ」

 

「はいはい、後でなって引っ張るんじゃない」

 

「…抱っこ」

 

「クロ姉!ここで寝たら風邪ひきますって…!駄目だ目覚めない!」

 

「駄目ですよソラ姉ここで脱ごうとしたら!ってストップストップ!」

 

あの後、改めて私を含めた面々でバイソン君の歓迎会をした

酒を飲みすぎた連中が野球拳やりだしたり、焼き鳥をしようと言ってエンペラー焼いたり、上記のように介護とかしてやっと酔っ払い連中が寝静まったときにはもう十二時を超えていた

因みにエンペラーは体の一部の表面が焦げただけに過ぎた、どうなってんだ

 

「やれやれ…ごめんなバイソン君」

 

「いえいえ、もう慣れましたから」

 

もう慣れたって…凄い適応力やなこの子は

そう思いながら余っていた材料でつまみを作り、同じく余っていた酒でバイソン君と乾杯する

 

「そういえばカドヤさんに聞きたいことがあったんですよね」

 

適当に雑談しながら酒を飲んでいると、バイソン君がそう言う

 

「ん?どうかしたん?」

 

「カドヤさんはみんなのことどう思ってるんですか?」

 

どう思っているか…ねぇ

 

「まぁ世話が焼ける連中だけど楽しいって感じかな?昔はあれだったから」

 

「…すいません、思い出させて」

 

「いーのいーの」

 

エクシアとモスティマが話したらしいから、バイソン君は私の事も知ってる

だから皆みたいに『姉』とかつけないで普通に名前で呼んでくる

正直私はどっちでもいいんだけどね

 

「まぁ正直ここが私の居場所なのかなってのはよく思う、何せこんな体してて気持ち悪いだろうに普通に接してくれるし」

 

「…そうですか」

 

「だけどまぁ、こいつらにそれぞれ大切な人が出来たら私はここから出ていこうって決めてるんだ」

 

「…それは何でか、聞いてもいいですか?」

 

「簡単な話だよ、こいつらの幸せに私はいらない、不純物なんだからね」

 

こいつらにはこいつらの人生がある、そこに私が居ても迷惑なだけだから

凄くきれいな色に黒が混ざったら大変なことになるように

 

「…なーんてね、冗談だよ冗談」

 

「そ、そうですか…よかった」

 

何かほっとした様子のバイソン君

新人君を不安にさせちゃいけないからねぇ、ちょっとしたジョークを入れてみた

まぁ今言ったことは全部本音だけどね、リアルジョークってやつだ

 

 

「…まぁそれから早一カ月以上、時の流れというのは早いねぇ」

 

「確かになって赤甲羅投げるなぁ!」

 

エンペラーのキャラに赤甲羅ぶつけながらそう呟く

あの後、バイソン君も酔いが回ったのか寝ちゃったから、一人で後片付けをして夜を過ごした

まぁ翌日全員が二日酔いになってたけどな

というかエンペラー弱すぎだろ、一周半のハンデ挙げても負けるってマジかよ

 

「やれやれ…あ、ゲームですか?」

 

「お、やる?エンペラー弱すぎんのよマジで」

 

「あぁ…だから拗ねてるんですね…」

 

「まぁほっときゃいい、それより早くやろー」

 

そう言ってエンペラーの手からゲーム機を取るとバイソン君に手渡す

 

「一応これでもかなりやってましたから負けませんよ?」

 

「そりゃ楽しみだ」

 

その後帰ってきたほかのメンバーも含めてちょっとした大会になった

まぁ最下位は予想通りエンペラーで、焼肉パーティーをした

龍門でかなり高い焼肉店だったからか、みんなバクバク食ってた

まぁエンペラーが可哀そうだったから半分は出したけどね




こっちではお久しぶりですね
なんか変なのを書いたりしてましたが自分でも何かいてるか分からない始末です
それとこんな作品でも待ってくれた方のためにちょっと何かやります
その内容とはズバリ

七月、八月は筆者の執筆作品のどれかを毎日更新する

というものです
何でこんなことをやろうかと思ったかというと、最近ちょっと何かを頑張ろうということがなかったので、今回思い至ったわけです
ただ七月は就職のために動く時間があるので書けない時がありますが、その時はまたお知らせします
こんな駄作者の挑戦を応援してくれる聖母マリアのような方は期待しててください
あと他の作者さんも挑戦してみてはいかがでしょうか?
まぁこんなバカな挑戦する作者さんはいないと思うので戯言と聞き流してください
それでは

闇堕ちルート続きいる?

  • いる
  • 別にいい
  • 本編でモスティマ達もっと曇らせて
  • 監禁ルートを望む

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