「久しぶりだねぇ…とは言っても相変わらず寂れた街だな」
「確かに、龍門と違って活気がないよ」
私の言葉にエクシアがそう言うが、まぁ無理もない
チェックアウトして、ウルサスに着いて、やたらと長い入国審査を受け終わり、さぁ行こうかとなって入ってみれば活気がない町なんだから
通りすがる人たちの顔を見ても、ほとんどが血走った目して辺りを窺っているし、着ている服はボロボロだし
ちょっと目を凝らしてみれば座り込んだままピクリともしない人もおるしな
まぁこれでもまだましな方さ、感染者になったものならぼろきれ一枚しか着れないしな
そして遠くを見てみればこの惨場は何なのかと言わんばかりの華やかさ
今もあそこじゃこういうところの人たちが無理やり連行されて暴行を受けているんだろう
所謂上流階級と呼ばれる連中は好き勝手やり放題だ
龍門も格差があるにはあるがここまでではないぞ、よくこの国はよく国家として成り立ってるな…
まぁ取り敢えず
「さっさと終わらせて帰ろうか」
「そうだね」
こんなところはさっさと去るに限るからね
「…デカい建物だね…」
そう言うエクシアや私たちの前にあるのは恐らく上流階級の家
見た感じかなり上質な石を使っていて、敷地もかなり広いしプールもある
確実に上流階級の家だったのだろう、だが今は
「廃墟だな」
「廃墟だね」
ツタは巻き付いてるし窓ガラスは割れてるし、なんか壁に落書きされてるし
プールの水は腐ってるし壁には亀裂が入ってる上に汚いし
とても人が住んでるとは思えん
「配達場所間違いないの?ガト…じゃなかった、ツカサ」
因みにウルサスで顔は写ってないけど指名手配されてる私は『ツカサ』と言う偽名を使ってる
まぁ念には念をってやつよ
「相手が住所を間違えていなければここのはずだがねっ!」
そう言っていつの間にかモスティマとエクシアの腕めがけて飛んできていたボウガンの矢を『ブレストリガー』で撃ち落とすが、次から次へとボウガンの矢が飛んでくる
「っ!」
「え、わぁ!?」
「ひゃあ!?」
モスティマが何か変な悲鳴あげたが気にしてる場合じゃない、とにかくエクシアは腕で、モスティマは押し倒すようにしてボウガンの矢が振ってくる場所から退避する
「び、ビックリした…一体何が…?」
「…なるほど、そういうことかい」
「まぁな…嵌められたってことだね」
モスティマとそう話しているうちにいつの間にか接近していたボウガンや剣を持った連中に周りを囲まれる
見た感じウルサスの兵士か…いやかなり汚れてるし何よりエクシアとモスティマが思わず鼻を摘まんでいるようにかなりの悪臭がしている
おかしいな、この国の兵士って皇帝に服従しとけりゃ何でもして良い筈だから結構裕福な筈だけど
さてはこいつら軍から追い出された元兵士どもか
と、囲んでいる元兵士の輪から一人の人物が歩み出てくる
…なーんか見たことあるようなないような
「久しぶりだなぁ…この時を、この時を待ちわびていた!!アハハハッ!!!」
そう言って顔を左手の爪と右手の義手で搔き毟る男
もう何回も搔き毟っているのか、顔には引っ掻き傷が大量にできており、今掻いた場所からは血が流れだしている
頭の髪はもう何か月も手入れされていないのかぼさぼさであり、何より体の右半分が機械となっていた
ウルサスにそんな技術があったとは驚きだねぇ…まぁそれはさておき
「…知り合い?」
「いや、こんなクレイジー野郎なんざ会ったことないぞ」
あまりの気持ち悪さに身をすくめているエクシアがそう聞いてくるが、私は知らないと返す
初めて会ったばかりの頃のラップランドでさえこんなに狂っては無かったぞ、あの頃のラップランドでイカれてるのは十分なんだ
するとその私の言葉を聞いたのか、目を限界まで見開いた男がこちらを向いて叫ぶ
「忘れてるのかッ!?私は覚えているゾッ!!貴様がぁ…貴様がぁ逃げてくれたお陰で私はぁ…軍に泥を塗ったとして閑職に左遷され、最後には無理矢理退役させられた!!そして今まで築いてきた実績や地位も全て失って下等人民の連中以下の階級に落とされたのだぁぁ!!それに貴様が暴れてくれたお陰で体の半分が消し炭になった!!お陰で体の右半分が機械になってしまったんだぞぉ!!」
「あ、そうなんだ」
というか体の半分消し炭にされたくせに何で生きられてるんだ
それに完全に自業自得じゃねぇか、周りの連中も「そうだ」とか「貴様のせいで…!」とか言ってるけど私被害者だからね?
お前らレ〇プしてきた加害者、私レ〇プされた被害者、おわかり?
というかやけに目が血走ってるな…さてはこいつらクスリ決めやがったな?
「だから代償を払って貰うぞぉ…まずは貴様を壊れるまで犯して薬漬けにしてひたすら快楽しか求められないようなか「「ハァ?」」っ!?」
次の瞬間囲んでいた連中が銃弾やアーツで吹き飛ぶが、リーダー格の男は近くにいたやつを盾にしてそれを防ぐ
やったのはお察しの通り我が幼馴染みである
というか味方を盾にするとは…いかれてるねぇ
って、そんなことはどうでもいい、止めないと
「イマ…ナンテイッタノ?」
「お、落ち着けって」
残っている連中に銃弾とアーツを叩き込もうとするモスティマとエクシアを抑える
ここじゃウルサスの人間が優遇されてるんだから…交戦とか起こしたら確実に私たちが悪者に
「貴様らがこの家畜と行動してるとかいう奴らかぁ!?なかなかの美人ではないか!この私たちが性奴隷として可愛がって『ファイナルアタックアーツライド 真銀斬』がぁ!?」
そんな言葉を聞いた瞬間、リーダーの男の手を斬り飛ばす
前言撤回、こいつ殺そう
こいつらを性奴隷にする?んなことさせると思ってんのか
それになぁ…
「こいつらは死ぬまで僕と一緒なの…キサマラミタイナウゾウムゾウニクレテヤルトオモッテンノカ?」
少なくとも貴様等みたいな屑には私の恋人は渡さんぞ?
「で、結局殲滅してきたと」
「うん」
皇帝の言葉にそう言うモスティマ
あの後、私とモスティマ、エクシアが暴れたおかげであいつらは全滅した
リーダー格の男も今度はしっかり頭を吹き飛ばしたから死んでいるはず
で、その後裏ルートを使ってウルサスを脱出して、龍門に帰り着いたというわけだ
「にしても酷いな…今後ウルサスの指名依頼は断るか…」
報告書に目を通しながらそういう皇帝
まぁあんなことがあったらそりゃね…
何かあったら正直何するかわからない自信があるからぜひともそうしてほしいけど
「でね!その時カドヤがね『こいつらはし「はいお口チャック」むごご」
余計なことを言おうとしたエクシアの口を塞ぐ
脱出した後にモスティマとエクシアに教えられて初めて知ったんだから…恥ずかしい、無意識でそんなこと言ってたとは…ただの痛いやつじゃん
まぁ二人とも「嬉しかったよ」とは言ってたけどさ…にやにやしながらじゃ説得力皆無なのよ
「お?こいつが何か面白いことでも行ったのか?」
「うん、それがね「オーケーモスティマ、行きたいって言ってた店に行くからついてこーい」ちょっ、離してー!」
「じゃあ皇帝、報告書は出したしこれから遊んでくるから」
「お、おう、行ってこい」
更に余計なこと言おうとしたモスティマの襟を掴んで事務所から出る
あのペンギンに行ったら一生そのことでからかわれるからな…
取り敢えず不満そうな顔をした二人を宥めるために頑張りますかね
因みにだけど何故か皇帝に知られて、事あるごとにからかわれるようになるということを、この時の私は知らなかった
あっぶな
というかカドヤ君自身も無意識なヤンデレですねはい
闇堕ちルート続きいる?
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いる
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別にいい
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本編でモスティマ達もっと曇らせて
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監禁ルートを望む