レスキュー・ブレイク
「ヒカリ、カンノ、そっちにいった!」
「はい!」
「おう!」
通信の盗み聞きとは、悪趣味な趣味を持っているよなと、自分でも思う。だけれど、これがなかなか楽しいのでやめられない。
「管野さん、上です!!」
「任せろ!」
この感じなら、助けなくていいかな。なんて考えてるけど、
「剣、一閃! 」
閃光、ネウロイが光の破片となって離散した。アニメで見るよりキレイだな、なんて。あ、雲がかかって見えなくなっちゃった。
「やりましたね、管野さん。流石です!!」
「やったねカンノ」
「へんっ!どんなもんよ」
お、何もなかった。流石にあれぐらいのネウロイ相手には何も起きないのか、アニメだと毎回毎回トラブルを起こしてた気がするんだけど。俺がトラブルメーカーになったほうがいいのかな、なんて。あ、雲が晴れてきた。さっさと輸送機のエスコートに戻るかな……と、どうもそうは行かないみたい。
「うわっ!」
「ニパさん!」
3人で集まっていたところにネウロイの数発のビームが放たれる。そのうちの一発がカタヤイネン曹長のユニットに直撃、急に片肺になりバランスを崩し、曹長が緑と白の斑模様に引かれていく。雁淵軍曹が曹長のフォローに回った。その二人をネウロイのビームから守る為に管野中尉がシールドを張る。
「クソッ、まだいたのかよ!」
「ニパさん、大丈夫ですか?」
「イタタ……大丈夫だよ。私はいいから、カンノの援護に行ってあげて」
「わかりました」
敵は中型1。普通なら苦戦しないだろうが、すでに一体撃破して、中尉は弾切れ、曹長は木がクッションになり無事だが、もう飛べないようだ。軍曹もほぼ弾切れなようだし。あんまりネウロイと戦いたくは無いのだけれど、これは助けねばならないかな。なんて、高みの見物を続けていると、どうも管野中尉の様子がおかしいことに気がついた。
「っち、こんな時に故障かよ!」
中尉の高度が少しづつおちてきている。そのことに気がついたのか、ネウロイがビームの数を増やした。流石に不味いかも。
固有魔法で変えた空気の性質をもとに戻し、俺が周りに認識できるようにした。固有魔法に回していた分の魔法力をエンジンにまわし、回転数を上げる。よし、行ける。
「クソッ、シールドがっ!」
「カンノ!」
「管野さん!」
耐えられなくなった中尉のシールドが消え、次のビームが中尉に向かう。直撃ルートだ、軍曹がフォローに入ろうとするが、間に合わない……けど!
中尉の前に飛び込み、腕にシールドを展開する。ネウロイのビームは中尉に当たらず、シールドで弾かれた。
「こちら滋、ここは俺に任せて下がれ!」
「あ、あぁ……」
MG42を構え、ネウロイに突撃する。固有魔法を使い、自分に向かってくるビームを曲げる。有効射程まで飛び込み、ネウロイに7.92mm弾を撃ち込む。
「行ける!」
魔法力が込められた弾丸がネウロイの装甲を壊していく、コアを探し出すのは骨が折れるが、やっぱり
「コアは……見つけた!」
赤々と光るコアが装甲から顔を出した。銃身をコアに向け、残りを全弾打ち込む。数発コアに着弾、コアが眩しく光り、同時にネウロイがコアと同様、光りながらバラバラに砕けた。
「ネウロイ撃墜、502の帰還を支援しつつ、目的地に向かう。
ふぅ……疲れた。固有魔法はあまり使わなかったのだけれど、ちょっと張り切りすぎたのかも。
「おい、そこのウィッチ!」
「管野中尉、無事だったのか。ユニットの調子はどうだ?」
「大丈夫だよ。それより、別に助けてもらえなくたって倒せたっていうのに」
「そう言わないでくれ、中尉は弾切れだったんだろ。どうやって倒そうとしていたんだ?」
「俺にはこの
「さっきやってたあれか?」
「あぁ、だからアンタが助けに入らなくたって……」
ム……あんた呼ばわりか……
「助ける時に名前言ったじゃん。『アンタ』じゃないんだけど……?」
「あぁ?」
「オオ、コワイコワイ……ナンテ」
正直、中尉は小さい。凄まれてもあまり怖くない。
「滋さんでしたよね?」
「お、雁淵軍曹は覚えていてくれたんだ……」
さすが主人公。人の名前はさっさと覚えるな……俺の苦手な分野だ。と、一人忘れてた。
「まぁそれはいいんだけど。いいの、放置したままで?」
「放置?」
「うん。いいの、彼女放置してて」
そう言って下の方を指差す。そこには、待ちくたびれた顔をしたカタヤイネン曹長が居た。
管野のキャラがうまく掴めてない。