リンカーウィッチ   作:Pz.III

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グラーフ・ウィッチ

格納庫に戻ると、先ほどに比べて人の数が増えている。中には502JFW(ここ)のウィッチもいるみたいだ。その中に一人、目立つ女性が一人。褐色なおっぱいを付けた金髪イケメン、ヴァルトルート・クルピンスキー中尉だ。女たらし伯爵というのはアニメの中だけではないらしい。

 

「新しい扶桑のカワイ子ちゃんかーいいね、今晩暇?おいしいぶどうジュースがあるんだけど」

 

「生憎先約がいますから、ね、滋中尉」

 

そう言って城野少尉がこちらに顔を向けてくる。一歩遅れてクルピンスキー中尉がこちらを向き、獲物を狙う顔になったことを確認した。

 

「やめてくれ、それって俺に君の仕事を手伝わせるつもりだろ?」

 

「バレましたか」

 

城野はかなりの美人だ、ナンパされることも多いもんで、その度に俺が引き合いに出される。

 

「君は……あぁ!三人を助けた子か!こっちは小さくて、めでたくなるなぁ!」

 

「初めましてクルピンスキー中尉」

 

実際あってみたかった人物だし、せっかくなら握手しようと思い、手を前に出す。

 

「よろしく、カワイ子ちゃん」

 

うん、イケメン。このおっぱいとこの言動に揺さぶられないウィッチは相当強い心の持ち主だろう。と、ここで俺の嗜虐心が刺激された。たまにはこういういたずらしても、バチは当たらんだろう、なんて。本音を言えば、釘を刺したいだけなんだよね。

 

「俺ならお誘い受けますよ。100パーセントぶどうジュース(ぶどうジュース)は好きですし」

 

「え、ホントにいいの?」

 

「あぁ、でも一つだけ……」

 

彼女の手をこちら側に引っ張り、俺の口元を彼女の耳元に近づける。そして小声で一言。

 

「そんなに誰彼構わず誘っていいのか?先生がかわいそうじゃないか、なんて」

 

「え……!?」

 

お、効いてる。俺に向かって「なんでそのことを知っているんだ」と、目を丸くして、かなり驚いてる。恋人を大切にしない奴はパインサラダさえ作ってもらえずに死んでしまうぞ、なんて。俺はこの人たちにそうなってほしくないんでね。

 

「ま、そんなこと関係なしに、俺も城野少尉も君たちウィッチの監査役だから、身の振り方に気を付けたほうがいいですよ」

 

「う、うん」

 

そういうと、なにかバツが悪そうに格納庫を出ていった。クルピンスキー中尉らしくない態度を見れただけでも満足か。ナンパされることも無くなるだろうし?あのおっぱいを間近に見る機会が減るのは悲しいがね、なんて。

 

「何を言ったんです?」

 

城野少尉が近寄ってきて、耳元でつぶやく。

 

「いや、特に何も。ただ、ちょっとくぎを刺したでけだ。なんせこっちには情報()がある。何より、女好き(ああいう)タイプの人は、恋人を置いて先に死ぬっていうのが相場だし」

 

「本命がいるんですか?」

 

「うん、多分本命だと思う。しかも、この基地の中にいる。何なら彼女と本命さんは原隊まで同じ」

 

「……どっちです?」

 

あ、そっか。JG52出身者は二人いるのか。

 

「さあねぇ」

 

「知っているなら教えてください」

 

「断る」

 

ここで教えなくても、城野少尉のことだしどうせ気付くだろう。何より、弾は全弾吐かない方が戦いやすいしね。何と戦っているというわけでもないけどさ。

 

「自分で探れと?」

 

「そ、どうせ見てればわかるよ」

 

「そうですか……どこからそういう情報()を手に入れられるのですか?」

 

「さあね、俺は君と違って独自の供給源があるからね」

 

「いつも聞いてますけど……誰なんです?」

 

「教えないよ。大事な仕事道具だもん」

 

独自の供給源。協力関係にある民間人とか軍人は各国にいるし、何ならこの基地の中にも数人いるけど、なかなかプライベートな情報っていうのは手に入らないもので。俺が持ってるプライベートな情報が前世で手に入れたものとは言えないしな……いやいっそ前世の記憶って言ってみようか。どうせ信じてくれないだろうしね、なんて。

 

「話を変えよう。今日の予定はとりあえず済ませたし、模擬戦の約束も取り付けた。その代わり、対ネウロイ戦闘の支援を頼まれた。協力してもらうんだし、こちらも協力しよう。外面上は仲良く……な」

 

「了解しました。ネウロイ相手はお任せください」

 

「おう、頼む。俺はもう寝ることにするよ、戦闘後の魔力消費が多くてね、魔法力の回復が遅いって体質は困るな」

 

俺の魔法力は『底は深いがポンプの出力が弱い』ってだけなんだが、一戦するだけで一日寝込まないと戦闘できるまで回復できないことがある上に、場合によっては高熱を出すくらい魔法力関係の効率が悪い。固有魔法もドカドカ魔法力を使うものなので、周りに迷惑かけることも多い。正直、申し訳ない時もあるが、少なくとも城野少尉に理解してもらってるから、多少気分は楽だ。

 

「毎度ながら大丈夫ですか?場合によっては模擬戦まで私が引き受けますが……」

 

「いいや、大丈夫。あれは俺の『仕事』だ。君が言ったんだろう、『()()()()()をしてくれ』って」

 

そう、ウィッチとの模擬戦、戦闘力の査定は俺の仕事。なるべくなら自分でやりたいものなんだ。

 

「……わかりました。あなたは明日は出てこれないでしょうし、誰かにあなたがいない理由を聞かれたら『仕事をしている』とでも言います」

 

「ありがとう、それじゃ、おやすみ」

 

「はい、おやすみなさい。お疲れ様です」

 

彼女のねぎらいの言葉を聴きながら、俺は格納庫を出た。




時間を空けて書くのは微妙な出来になるから、もうしない。
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