何気ない普通の現代社会に転生した。
少し過去だったおかげで、株で大儲けし、引き篭もって悠々自適の生活だ。
並行世界らしく、人名や漫画などの違いはあるが、おおよそそのままである。
そんな私だが、どうせなら剣と魔法の世界に生まれたかったと思っていたせいか、夢を見る。
ぐちょぐちょの化け物を退治する夢だ。
退治すれば、ドロップアイテムが出る。私自身は強くならないが、アイテムで強化するシステムである。
私はこの大冒険に大喜びだった。ワンチャン夢ではない可能性もあったが、起きてる時は化け物見えないし。
ある日、夢の中で意味ありげな幕を壊して入ってみたら、NPCとラスボスっぽいのが戦ってる場面に出くわした。
「ヒーロー見参! ここは私に任せて逃げたまえ、子猫ちゃん達!」
「は?」
「式神!?」
NPCにキャラは見えたり見えなかったりなのだが、今回は見えるようだ。
装備を換装して、大弓でラスボスっぽいのに攻撃を加える。
うーん。効いてないね。負け確イベントかな?
「勝つのは無理そうだね。とにかく逃げたまえ。私が引きつけよう」
「でも……っ」
「灰原、お言葉に甘えましょう。彼は式神です。それより、一刻も早く呪専に連絡すべきかと」
「七海! わかった!!」
えっ 灰原と七海?
まさか……私って漫画世界にゲームキャラを送れる能力持ち!???
混乱しつつも、ラスボスっぽいのの攻撃を引きつけ続ける。
無事二人が退避したので、私もログアウトした。
起きた私は、検索をする。
呪専を発見して崩れ落ちた。
マジかよ。呪霊見えないんですけど!???
とりあえずあれだ、ここ十年後に壊滅するじゃん。準備せねば。夏油様、今からでも救えるかな……。無理か。天元様操れるんじゃな。穏便に死んで貰う意外に何も思い付かん。イケメンは世界の宝。何とか救いたいが……。
とりあえず、意識して式神?を出せないかな。
早速就寝。
近場の呪霊を倒して、ロッカーに置いておいた癒しグッズと虐待発見時のマニュアル(自作)を取り出して呪専の住所へと向かう。
そして入り口で張ることしばし。
いたっ
「夏油様ですか!? 最強コンビのファンです! お仕事お疲れ様です! これ、使ってください!」
そして、癒しグッズと呪具とマニュアルを渡して夏油様をフレンド登録してログアウトした。
それから、今までにまして呪霊退治を頑張った。
そうすれば夏油様の仕事が減ると信じて。
役立ちそうな呪具をフレンド登録を通して貢ぎ、説得の手紙を送る。
頼む、何とか立ち直ってくれ……。
私は神に祈った。