ジュエルペットてぃんくる★さどにす   作:Dr.クロ

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新しい魔法を練習するアンリ。だが上手く行かなく…


第六話~ミリアと氷の魔法でドッキ☆ドキ!(前編)~

寝静まった夜、あかりの心の中にて、アンリはううむと唸っていた。

 

アンリ「これならどうだ…?ティンクル・ティンクル・ライワーツ」

 

目の前の岩に向けて呪文を言う。

 

ガチーン!!!

 

直後、岩が周囲ごと、凍ってしまう。

 

その結果にアンリは頭を抱える。

 

アンリ「…威力強すぎだろこれ…」

 

本来、彼女が唱えたライワーツは一点のみを凍らせると言うのだ。

 

目の前で岩以外に周囲も凍らせているのは失敗であるのだ。

 

アンリ「こんな強力なのまだ初心者なオレが使ったらおかしいだろ…」

 

使わない方が良いなとため息を吐く。

 

アンリ「……あ、そうだ。沙羅に聞いてみるか」

 

魔法を研究してる彼女なら自分が使った魔法をどうすれば上手く使えるかアイディアを出してくれるのではないかと思ったからだ。

 

彼女にとっても美味い話になるだろう。

 

アンリ「んじゃ明日早速聞いてみるか」

 

そうなれば早く寝ようと欠伸をしてから寝室へ向かう……所であと思い出して岩を見る。

 

アンリ「この岩、片付けとくか」

 

ホントここが心の中で良かったな……と消えていく岩や氷を見て思った。

 

なんたってさっきの魔法は()()()()()()()()()()()()()()()だ。

 

アンリ「こういう部分も変えないとな」

 

ホント困った困ったとアンリはぼやきながら眠りに付く。

 

 

 

ジリリリリ…!

 

目覚ましの音にアンリは朝か……ぐーーと背伸びして、体を最初から動かしてる事に気づく。

 

アンリ「(…そういや今日は新月の日だったか)」

 

ポリポリと頬を掻いてるとルーアとルビーが起きたのかふぁ~と欠伸をするのが聞こえる。

 

ルビー「おはよ~、あかりちゃん……ってあれ?」

 

ルーア「どうしたのよルビー…ってアンリ?なんで朝から入れ替わってるの?」

 

首を傾げる2人にアンリが説明する前に扉が開き、ルーアとルビーは慌てて兎のフリをするとモニカが入って来る。

 

モニカ「おはようアンリ。朝ごはんできてるよ」

 

アンリ「おはよう姉ちゃん」

 

今日は新月だったねと笑うモニカにアンリもそうだなと笑い返した後に早く来なよとモニカは出て行く。

 

首を傾げる2人にアンリは苦笑しながら事情を説明する。

 

アンリ「毎月新月の日は1日入れ替わってるんだよ」

 

ルビー「へー、そうなんだ!」

 

ルーア「でもその状態で学校行って大丈夫なの?」

 

感心するルビーの後にルーアが気になって聞く。

 

アンリ「あーそれなら大丈夫だ。ちょっと見てろ…」

 

そう言って箪笥を漁るとコンタクトケースが出て来て、中を開けるとあかりの目の色と同じ色のカラーコンタクトが収まって、それを鏡で確認しながら付けた後に喉の調子を確かめる。

 

アンリ「どうかな?ルビー、ルーア」

 

ルーア「あかりそっくりの声だわ!?」

 

ルビー「凄い凄い!あかりちゃんと変わんないね!」

 

はしゃぐ2人にアンリは苦笑する。

 

あかり『いつ見ても凄いねアンリ』

 

アンリ「いつも見てるからなあかりのこと」

 

あかりに戻せば簡単だけど出てると疲れが出るから大変だよな……とぼやくアンリに本人もホントにと頷く。

 

ルーア「これなら学校に行ってもバレないわね」

 

アンリ「だろ?学校に行く日はいつもこうしているんだ」

 

肩に乗るルーアにそう返しつつお留守番をちゃんとする様にと言って机の上に降ろしてご飯を食べに向かう。

 

モニカ「あ、アンリ。先に食べてたわよ」

 

アンリ「悪い悪い。今日も仕事なのか姉ちゃん」

 

学校終わった後にね、と肩を竦めるモニカに大変だねぇとアンリは呆れる。

 

アンリ「まあ姉ちゃんは今人気なんだし仕方ねぇか」

 

モニカ「ふふ、ありがと」

 

微笑んだモニカにアンリは照れ臭そうにしながら朝食を食べ始める。

 

あかり『ん~、アンリが作っておいたくれたご飯美味しい~!』

 

アンリ『母さんの味には負けるけどな。やっぱり母さんのご飯は美味いな』

 

一緒に味わってるのでそう言うあかりに敵わないよな……とアンリは苦笑する。

 

食べ終えてモニカと共に向かう。

 

アンリ「じゃあ行ってきまーす」

 

モニカ「アンリ、お父さんとお母さんはもう出てるって、あ、ウサギちゃんにか」

 

挨拶をしたアンリにモニカはすぐさま気づいて聞こえてるだろうねと返してから歩く。

 

あかり『そう言えば昨日、お母さんたち朝早いから先出てるねって言ってたね』

 

アンリ『そうだった…うっかりしてたぜ』

 

いけねぇなと思いながら歩く。

 

アンリ『そういやあかり、今日こそ佑馬にあいさつするって言ってたけどどうするんだ?』

 

あかり『はわわ!そうだった!あ、アンリ、その時は……』

 

はいはい分かってるよとアンリは苦笑する。

 

アンリ『その代わり頑張れよ』

 

あかり『う、うん!』

 

大丈夫かねぇ……とアンリは心配する。

 

 

 

 

???「あら、アンリちゃんにモニカさん。おはよう」

 

バス停へ向かっていたアンリとモニカは話しかけられて顔を向ける。

 

そこには紫髪の眼鏡をかけた女性がいた。

 

モニカ「あ、リュネさん。おはようございます」

 

アンリ「おはようございます」

 

あいさつし返す姉妹に女性、リュネは微笑み返す。

 

モニカ「ホント、リュネさんってアンリとあかりを上手く区別しますね」

 

アンリ「どうして分かるんですか?」

 

リュネ「ふふふ」

 

内緒と笑うリュネに気になるなとアンリとモニカ、あかりは思った。

 

そうやって歩いている中、リュネがアンリにこそりと話しかける

 

リュネ「アンリちゃん。何か悩み事あるのかしら?」

 

アンリ「え、ああ…」

 

突然言われてアンリはドキッとしてリュネを見る。

 

リュネ「小さい頃からの付き合いだからね~なんとなく分かるわ」

 

アンリ「むぅ」

 

少し気恥しそうに頬を掻いたアンリは思案する。

 

アンリ「(どうする?どう誤魔化して相談すればいいか…)」

 

リュネ「もしかしてお菓子ので甘くし過ぎないかの調整が難しいのにチャレンジしようとしてるのかしら?」

 

その言葉にアンリはあーと漏らす。

 

アンリ「そうそう。上手くできなくて」

 

リュネ「ホントアンリはお菓子に熱心ね~だったら甘くないお菓子も時に作ってみたらどうかしら?そうすると案外上手く行くかもしれないわよ」

 

アドバイスにアンリは成程、とそれはありと思った。

 

アンリ「(甘くないお菓子か…。父さんのおつまみに良いかもな)」

 

その後にアンリは魔法のも考える。

 

別に制御しなくても大きい奴に対して使うという感じにすれば良いんだと考える。

 

アンリ「(それならイケるか…?)」

 

リュネ「あら、その様子じゃあ悩み解決かしら?」

 

考えていたアンリはリュネにああと頷く。

 

アンリ「相談に乗ってくれてありがとな」

 

リュネ「良いのよ。小さい頃からの付き合いだしね」

 

微笑ましそうにアンリの頭を撫でるリュネに撫でられた本人はやめろよと気恥ずかしそうに頬を赤くする。

 

アンリ「///」

 

リュネ「あ、そろそろ私は行くね」

 

じゃあね~とリュネは走り去っていく。

 

あかり「(リュネさん、やっぱり頼りになるね)」

 

アンリ「(…あ、ああ)」

 

頼りになるのはなるけども……アンリは唸る。

 

アンリ「(なーんか昔から引っかかるんだよなぁ…)」

 

それがなんなのかわからず唸るアンリにモニカは首を傾げるのであった。

 

 

 

 

しばらくして学校に着き、モニカと別れた後にアンリは教室に入って席に着席する。

 

アンリ「ふぅ…(さてと…んじゃ早速頑張れよあかり)」

 

うん!と頷いてからあかりと入れ替わる。

 

今日こそ祐馬に挨拶すると気合を入れる。

 

なお、前からも挨拶しようとしてるのだが、他の女子生徒に遮られていつも出来ていないのだ。

 

少しして佑馬が教室に入って来て、席に座る

 

あかり「(今日こそ…今日こそ佑馬くんにおはようって言おう。言うんだ!せーの)おは…」

 

女子生徒A「おはよう佑馬君」

 

女子生徒B「おはよう」

 

いざ挨拶しようとしたがまたも先に他の女児星斗に挨拶されてしまう

 

ガツン

 

またも挨拶出来なかった事にあかり、は机に突っ伏してそまう。

 

佑馬「……」

 

そんなあかりを祐馬はチラリと見ていたが本人は顔を真っ赤にして出来なかった恥ずかしさで気づいていなかった。

 

あかり「はぁ……」

 

アンリ『ドンマイだあかり…』

 

溜息を吐くあかりにアンリは慰める。

 

 

 

 

授業の為、別の教室へ向かう途中でアンリと入れ替わったあかりはため息を吐く。

 

あかり『はぁ~、あたしってダメダメだなぁ…』

 

アンリ『まあ次頑張ろうぜ。機会はまだまだあるんだし』

 

ルビー「あーかりちゃん!」

 

アンリがあかりを慰めていると何時の間にかいたルビーがあかりもといアンリの身体を登って肩に乗る。

 

反対の肩にはルーアがちゃっかりいた。

 

アンリ「うおっ!?ルビー、それにルーアも!?学校に来ちゃ駄目だめだろ!もし誰かに見られたら…」

 

慌ててルビーとルーアを教科書で隠してから見られてないか周りをきょろきょろして見られてないのに安心する。

 

ルーア「レアレアのうさぎのフリしてたら大丈夫よ!それより早く魔法学校に行きましょうよ」

 

アンリ「はぁ……まぁ、あかりの気分転換の為に魔法学校、行くか」

 

ルビー「うん!」

 

急かすルーアにため息を吐いたがあかりの気分転換を兼ねて承諾するのにルビーも嬉しそうに頷く。

 

その後は見られない場所に移動してからジュエルランドへと向かうのであった。

 

 

 

 

ジュエルランドのブランコの大樹の所で出たあかり達だが、またも上から落ちる形になってしまう。

 

あかり「うわぁあああ!?」

 

そしてそのままポーズを取っていたミリアたちの上に落下してしまう。

 

その拍子にあかりの手にあった教科書が入ったバッグが手から離れてしまう。

 

あかり「あたたた…あ、ミリア!おはよう!」

 

ミリア「おはようじゃないでしょ!いきなり!」

 

自分の下にミリアがいるのに気づいて挨拶するあかりだが、その本人は気分よくポーズを決めていたので怒鳴る。

 

それにはえへへへ…とあかりは笑って誤魔化す。

 

隣ではルビーとルーアが頭の上で☆がくるくるしていた。

 

サンゴ「お、重いにゃ…」

 

アンリ「あー、わりぃな落ちて来て」

 

ミリア「全く、せっかくのオシャレが台無しじゃない」

 

差し伸べられた手を取らずに立ち上がってあかりとアンリへとミリアは落ちて来た衝撃で落ちた猫耳カチューシャを付け直しながら文句を言う。

 

あかり「ごめんねミリア。良かったら一緒に教室へ…」

 

ミリア「あたしはジュエルストーン二つ。あなたは一つ。あなたより先輩なの。ミリア先輩って呼びなさい」

 

もう……とぷんぷんおこりながら起こりながらあかりの申し出を断ってガーネットたちと去っていく

 

あかり「あ…」

 

ルビー「わざとじゃないのに…」

 

アンリ「まあ、態度はともかく、こっちが悪かったのもあるしな」

 

少し不満そうなあかりとルビーにルーアの頭を撫でながらアンリはそうフォローする。

 

あかり「そうだね……悪い事しちゃったな…ってあ!?」

 

頷いた後に自分の手にバッグがないのに気づく。

 

ルーア「どうしたの?」

 

あかり「な、ない!バッグ!バッグがない!」

 

慌ててあかりはバッグを探し、ルビーとアンリ達も辺りを探る。

 

あかり「あれ?あれ?ない。ない!」

 

ルーア「さっきのでどこかに飛んで行っちゃったのかしら?」

 

どうしよう……とあかりは途方にくれた時……

 

???「探し物?」

 

あかり「え、誰?」

 

突然の声にあかり達は辺りを見渡す。

 

こっちこっちと上から声がするのに気づいてあかり達は上を見ると枝に腰かけているレオンの姿があった。

 

あかり「レオン!」

 

やあと挨拶した後にレオンは木から飛び降りてあかり達の前に着地する。

 

レオン「何を探しているんだ?」

 

アンリ「あかりのバッグだ。透明なやつで中身に教科書とか入ってあるやつだ」

 

聞かれたあかりの変わりにアンリが詳細を伝えるとよしと呟いてからレオンは右手の人差し指を伸ばす。

 

レオン「グリーラ・グリーラ!草たちよ。あかりのバッグを探せ」

 

呪文を唱えると魔法陣が広がって輪となって辺りに広がる。

 

広がった輪がある一点を通り過ぎるとそこが光り、光った場所からバッグが浮かび上がって来る。

 

あかり「うわぁ…!」

 

ルビー「すごーい!」

 

アンリ「流石五年生。こんなの朝飯前ってことか」

 

その光景と手際の良さにあかり達が感嘆してると光りに包まれたバッグが向かって来て、それをレオンは手に取ってあかりに差し出す。

 

レオン「はい」

 

あかり「どうも、ありがとう!」

 

アンリ「ありがとなレオン」

 

礼を述べる2人にお安い御用さとレオンは笑って返す。

 

レオン「このまま魔法学校に行こうか」

 

あかり「うん!」

 

アンリ「ああ、そうだな」

 

良いねと頷いて3人は歩き出す。

 

アンリ「今日はどんな魔法を習うんだろうな」

 

あかり「んー、どんなんだろう?」

 

レオン「2人とも楽しそうだね」

 

興味津々な2人にレオンはくすりと笑う。

 

ルーア「ルビー、今日こそは私が先に成功してみせるわ」

 

ルビー「こっちだって負けないよー!」

 

むふんと気合を入れるルーアとルビーにだねとあかりとアンリは笑う。

 

しばらくして魔法学校に到着し、レオンを先頭に目的の教室に向かう。

 

レオン「ここだね。授業をする教室は」

 

はい、どうぞとドアを開けて紳士的に振舞うレオンにありがとうとお礼を述べた時……

 

ミリア&ガーネット&サンゴ「な、なんでぇ!?」

 

教室には先ほど先に行ってたミリア達がいて、すぐさま駆け寄って来て、あかりを押し退けてレオンの手を取る。

 

ミリア「失礼!レオン!こっちこっち。見せたいものがあるの」

 

アンリ「おっと。大丈夫かあかり」

 

押された事でよろけたあかりをアンリは支える。

 

あかり「う、うん。大丈夫」

 

アンリ「そうか。おい、気をつけろよミリア」

 

注意するアンリだが本人はレオンの方を見ててその反応にルビーとルーアはむっかーとなる。

 

ラブラ「あかりちゃん!アンリ!こっち!こっち!」

 

そんな2人にラブラが椅子の上でジャンプしながら挨拶する。

 

あかり「おはようラブラ」

 

アンリ「おはよう」

 

おはようラブ~と嬉しそうに挨拶するラブラに2人は笑った後にミリアを見ると本人はテーブルの上に布で隠した何かを見せていた。

 

ミリアがその布を引くと現れたのは小麦粉やイチゴ、バターなどの食材であった。

 

アンリ「(小麦粉にイチゴ、バター、牛乳、卵、生クリーム、砂糖、バニラエッセンス。見るからにケーキの材料みたいだが…)」

 

ミリア「見てて」

 

ガーネット「にゃん!」

 

サンゴ「にゃん!」

 

並べられた食材を見て今から作る気かとアンリが考えているとミリアは自信満々にガーネットとサンゴと共に……

 

ミリア&ガーネット&サンゴ「ティンクル・ティンクル・ケーキなぁれ!」

 

呪文を唱えると魔法陣に包まれた材料は瞬く間に大きな三段ケーキに早変わりする。

 

あかり「すごーい!」

 

レオン「へー、やるじゃないか」

 

ミリア「えへへ。でしょぉ」

 

それにレオンともども感嘆するとミリアは嬉しそうに笑ってからナイフでケーキを切って行き……

 

ミリア「Present for You」

 

切り取ったの1つをレオンに差し出す。

 

レオン「え”……さ、サンキュー…;」

 

差し出されたのに一瞬固まったが我に返ってぎこちなく笑って礼を述べるレオンにあまり甘いの好きじゃないのか?とアンリは疑問を感じる。

 

アンリ「(…そういやミリア、味見してないけど味大丈夫なのか?)」

 

ガーネット「今すぐ食べてね!」

 

サンゴ「いただきますにゃん。あーん♪」

 

同じ様に作ったのを食べるサンゴを見ながらアンリは魔法で一瞬で作ったから美味いってのは違うと思うなと思った後に結果はすぐさま分かった。

 

食べたレオンはんぐ!?と呻いて固まる。

 

ミリア「どう?美味しい?」

 

サンゴ「んぐっ…ぎにゃぁあ!?」

 

それにミリアはワクワクしながら聞くが横で同じのを食べたサンゴが断末魔をあげて気絶したのだ。

 

アンリ「(あ~やっぱりか;)」

 

あちゃあとなっているとそこに沙羅が入って来る。

 

レオン「…食べてごらん」

 

なんとも言えない顔で差し出されたケーキに対し、レオンの様子を伺わずにミリアは嬉しそうにあーんとケーキを食べる。

 

ミリア「!? まっず!?ナニコレ!?」

 

少し食べてからサンゴと同じ反応をして悶える。

 

レオン「はは。入れる材料間違えただろう」

 

ミリア「うっ…;」

 

苦笑するレオンのに恥ずかしそうなミリアを横目にアンリも一口ケーキを食べる。

 

アンリ「ん~これバニラエッセンスを入れすぎたんじゃねぇのか?」

 

ミリア「へ?」

 

顔を顰めて評したアンリにミリアはきょとんとなる。

 

アンリ「あれって香料だから入れすぎるとマズい。使うなら2、3滴ぐらいがちょうど良いんだぞ」

 

だから今度やる時は1本丸ごとじゃなくて別の容器に適量のを垂らしてやった方が良いと思うぞ、と言うアンリのアドバイスにミリアはな、成程ね……と忘れない様にどこからともなくメモを取り出して書いておく。

 

ルビー「うわぁ、アンリってケーキ作りに詳しいんだね」

 

あかり「そりゃそうだよ。アンリの趣味はスイーツ作ることだからね」

 

ルーア「え、そうなの!?」

 

その様子を見て感嘆するルビーへと言ったあかりのにルーアは驚く。

 

ラブラ「意外ラブ…」

 

あかり「アンリのスイーツはとっても美味しいんだよ。特にミルクレープが一番美味しくてうちの家族にも絶賛なんだから!」

 

それ食べてみたいラブ~~~とはしゃぐラブラにあかりは苦笑する。

 

沙羅「相変わらずミリアの魔法は見かけだけなんだから」

 

ミリア「そんなことないわ。あたしの魔法は上級生にだって負けないんだから!今回はちょっと材料間違えただけなんだから…」

 

見ていた沙羅がそう呟いたのにミリアはすぐさま反論して指さす。

 

あかり「…ちょっと羨ましいな…」

 

ルビー「え?」

 

アンリ「!」

 

そんな言い争う2人(ミリアが一方的だが)のを見てあかりの呟いた事にルビーは少し驚く。

 

あかり「(私もミリアみたいに積極的になれたらいいのに…)」

 

ちなみに反応したアンリ的にあかりの呟きを聞いて……

 

アンリ「(あ、あかりがミリアみたいに…!?)」

 

思わず元気にはしゃいだり自己出張の激しいあかりを想像して思った事は1つ……

 

アンリ「(絶対に止めさせなければ!)」

 

あかりのミリア化を阻止する事を固く誓うのであった。

 

 

 

 

リンゴーン、リンゴーン

 

時間が進み、授業が始まる。

 

今回は二コラを除いた面々に他の生徒3名を交えての授業の様だ。

 

ハーライト「今日は灯りを灯す魔法の練習をしましょう。まずはお手本をえっと…沙羅」

 

みんなを見渡してからハーライトは沙羅にお手本として見せて欲しいと指名する。

 

沙羅「はい」

 

立ち上がってソフィーと頷き合った後……

 

沙羅&ソフィー「ティンクル・ティンクル・ボッポーレ」

 

沙羅「出でよ、光の種」

 

呪文を唱えると翳した左手の上に緑色の種が出て来る。

 

沙羅「点火」

 

ポッ!

 

出て来た種へと合図を送ると種は膜に包まれた火の玉に変わる。

 

ハーライト「流石、沙羅とソフィー。結構ですよ」

 

あかり&ルビー「うわぁー!すごーい!」

 

アンリ「(灯りを灯す魔法か…暗い所で便利そうな魔法だな)」

 

綺麗に燃える火の玉に感嘆の声をあげる2人の隣でアンリはそう考えて、後は肝試しにも使いやすいなと思った。

 

ルビー「あかりちゃん!私たちも!」

 

あかり「うん!」

 

やる気を出すルビーにあかりもやって見たかったので早速ラブラと共に始める。

 

あかり&ルビー&ラブラ「ティンクル・ティンクル・ボッポーレ!出ろ!光の種!(ラーブ)」

 

呪文を唱えるが光るだけで種が出ない。

 

アンリ「……失敗か?」

 

悔しそうにルビーは足踏みした後にグッと右手を握り締めてあかりを見上げる。

 

ルビー「もう一回チャレンジよ!」

 

ラブラ「ふぁいとー!」

 

気合を入れる2人にあかりもうん!と頷く。

 

あかり&ルビー&ラブラ「ティンクル・ティンクル・ボッポーレ!出ろ!光の種!(ラーブ)」

 

もう1度呪文を唱えると今度は種が現れる。

 

ラブラ「出たラブ!」

 

あかり「点火!」

 

ポッ!

 

早速さっきの沙羅がやった様に言うと同じ様に球に変わる。

 

あかり&ルビー&ラブラ「点いたー!」

 

アンリ「お、やったなあかり」

 

それに3人は喜び、アンリのにうんと頷いた途端……

 

パシュッ

 

球は消えてしまう。

 

ルビー「あれ?」

 

あかり「消えちゃった…」

 

成功したと思ったのに……と落ち込む三人をドンマイとアンリは慰める。

 

ミリア「Oh, My Gad!やっぱり新入生ね。ハッキリ言って未熟すぎ!」

 

アンリ「厳しい事言うなミリア」

 

ルーア「それじゃあ今度は私たちがやりましょうよアンリ」

 

そんなあかりのを述べたミリアに呟いたアンリはルーアのにえ?となる。

 

ちなみに、ミリアが挑発に近い発言をしたのでアンリが怒らないかヒヤヒヤしていたレオンとサフィーは内心、胸を降ろしていた。

 

 

閑話休題

 

 

アンリとしてはそりゃあ呪文の練習と言う意味ではしたいが前回の本をプレスしたのだ。

 

アンリ「(ん~今度は少し魔力を抑えながらしてみるか)」

 

良し!と気合を入れてルーアと呪文を唱える。

 

アンリ&ルーア「ティンクル・ティンクル・ボッポーレ!出ろ!光の種!」

 

光った後に……あかりや沙羅が出したのより大き目な種が出て来る。

 

物で言うならラムネなどに入れられているビー玉位に近い。

 

ミリア「ねえ、それ大きくない?」

 

アンリ「…魔力のコントロールって難しいんだなやっぱり」

 

点火するべき?と聞くアンリにハーライトも初めてだったのかしない方が良いかもね、と安全性を考えてそう返す。

 

ミリア「も~しょうがないから先輩のあたしが教えてあげるから見てなさい」

 

アンリ「ああ、頼むぜミリア」

 

任せなさい!と元気よく答えた後にガーネットとサンゴと共に唱える。

 

ミリア&ガーネット&サンゴ「ティンクル・ティンクル・ボッポーレ!出でよ、光の種!」

 

するといくつもの光の種が出て来る。

 

アンリ「おー、いくつも一辺に…(って危なくないかこれ?)」

 

それに感嘆しかけてこの後のに嫌な予感を覚える。

 

ミリア「点火!」

 

その後にミリアが言うと出した光の種は全部が火の玉になる

 

あかり「うわぁ…!」

 

ラブラ「ラーブ!」

 

その光景にあかり達は綺麗と取るが沙羅とレオン、アンリはヤバいと感じて、声をかける。

 

アンリ「おい、ミリア。綺麗なのは分かったがこれ以上は危ないんじゃねぇのか?」

 

止める様に言うがミリアはあかりや他の生徒たちの反応に気を取られて耳に入っていない。

 

ミリア「(見てる見てる。みんな、あたしに注目している…!もっと見て見て!)」

 

皆に注目されてると言うのにミリアは嬉しくなり、調子に乗って火の玉を動かし始める

 

ハーライト「ミリア。光の種は一つずつです。幾つも一度にやっては危険です!」

 

慌ててハーライトが止めようとするが全然気づいていない。

 

ガーネット「すっばらしい!流石ミリア!」

 

サンゴ「み、ミリア。ちょっとやり過ぎにゃ;」

 

その光景にガーネットは褒めるがサンゴはハーライトやアンリ達の様子に火の玉の動きから冷や汗を流す。

 

アンリ「おい、これヤバくないか…?」

 

ハーライト&レオン「ミリア!」

 

ミリア「はい?」

 

あかり達を庇える様に身構えるアンリの後にハーライトとレオンが強く呼ぶ。

 

だが、それは悪手だった。

 

ミリア「ん?」

 

呼ばれた事で火の玉のコントロールから注意を逸らしてしまい……

 

バシュバシュバシュ、バシュッ!

 

火の玉同士がぶつかり、部屋中を跳ね返り始めてしまう。

 

ミリア「あ;」

 

跳ね返る火の玉たちは壁や床など、そこら中を縦横無尽に跳ね返り続ける

 

あかり「な、なに!?…きゃあ!?」

 

アンリ「あかり!…うおっと!」

 

頭にクッションを乗せて防ぐあかりの隣でアンリは火の玉を避ける。

 

ミリア「っ、ちょ…こんな…!」

 

それに戸惑うミリアに二つの火の玉が向かって行く。

 

ミリア「きゃああああ!!」

 

レオン「! ミリア!」

 

アンリ「チッ!」

 

ガッ!ドカッ!

 

すぐさまレオンとアンリが駆け出し、一つはレオンがミリアを庇いながら右手で防ぎ、もう一つはアンリが右足で蹴り飛ばす

 

アンリ「ぐっ…!」

 

レオン「っ…!」

 

ミリア「んっ…」

 

お互いに防いだ所の痛みに呻く中でレオンはミリアから離れる。

 

レオン「大丈夫かい?」

 

ミリア「…うん」

 

ガシャガシャガシャン!

 

安否を聞いてる間、三つの火の玉が窓から外に飛び出してしまう。

 

ハーライト「ティンクル・ティンクル・光の玉よ、消えなさい!」

 

その後にハーライト先生の魔法で教室中の光の球が全て消える。

 

見届けてから沙羅は急いで窓を開ける。

 

沙羅「さっき三つが外へ!」

 

レオン「なんだって!?」

 

アンリ「誰かに当たったらマズいぞ!?」

 

慌てて外を見ると光の球が二つ、合体して顔の付いた火の玉になる。

 

火の玉「バッシャーモー!」

 

ルーア「なにアレ?!」

 

レオン「外の空気で活性化したのか」

 

まさかの変貌にルーアが驚く中、レオンは冷静に分析する。

 

そのまま火の玉は火を吐いて庭園の休憩所の近くの藁を燃やし始める。

 

燃えだした火が大きくなったのを見て飛び込ぶと自分の物にして巨大化する。

 

あかり「ええ!?あれって…」

 

アンリ「炎に同化したのか!?」

 

レオン「グリーラ・グリーラ!」

 

大きくさせ過ぎてはやばいとレオンは呪文を唱える。

 

その際、右手に痛みが走るが我慢して続ける。

 

レオン「水よ走れ!」

 

唱え終えると学校前の噴水の水が噴き出し、大きくなろうとしていた火を飲み込んで消し去る。

 

アンリ「…消火できたみたいだな」

 

ルーア「ふぅ…良かった」

 

ミリア「wow!yeah!流石レオンすっごーい!」

 

そう言ってレオンを褒めながら拍手しようとするミリアにそうじゃないだろとアンリはチョップを軽く入れる。

 

ハーライト「ミリア、ガーネット、サンゴ。アンリの言う通りです。皆に言う事があるでしょ」

 

そんなミリアへとハーライトも顔を厳しくして部屋にいる面々を見てから続ける。

 

ハーライト「皆無事だったから良かったものの、誰かが怪我をしたらどうするつもりだったの?」

 

そう言われ、止められなかった事で落ち込むサンゴとは反対にガーネットは戸惑った様子でミリアを見、ミリアは一旦横を向いてからばつの悪そうな顔をする。

 

ミリア「あ、アタシ悪くないもの!」

 

ガーネット「そうよ!あれは―」

 

ハーライト「ミリア!」

 

言い訳しようとする2人にハーライトは強い口調で止め、ミリアは呻き、言おうとしたガーネットはしょぼんと落ち込む。

 

沙羅「自分が起こした魔法をコントロールできないなんて新入生とレベル変わらないわね」

 

ミリア「あ、アタシはジュエルストーン二つなのよ!新入生とはレベルが違うわ!」

 

アンリ「そう言うからにはどう違うのか分かっているんだよな?」

 

強がって返したミリアはそれは……と目を泳がせて戸惑う。

 

ハーライト「ミリア……確かにジュエルストーン2つで進級します……ですが、ジュエルストーンは頑張った証であって誰かに偉ぶる為の物ではありません」

 

レオン「だから、反省しろ」

 

アンリに続いたハーライトの後にレオンがそう言ってミリアの頭を軽く小突く。

 

ミリア「うっ…うあああああああああああ!!」

 

ガーネット&サンゴ「ミリア!」

 

レオンに怒られたのがショックだったのか涙を浮かばせてミリアは部屋を出て行き、ガーネットとサンゴが後を追いかける。

 

あかり「あっ…ミリア…」

 

アンリ「…これで少し反省すればいいんだが…」

 

心配するあかりの隣でアンリはふうと息を吐きながらぼやく。

 

そんなミリアに注意を向けていたのであかり達は気づいていなかった。

 

外で燃えカスの中から生き残った火の玉と合体しなかった火の玉が別々の方向に飛んで行くのを……

 

 

 

 

ハーライト「酷い有様ですね…」

 

外に出て、焼け焦げた校舎の一部を見てハーライトは呟く。

 

あかり「あの…許してあげてください!ミリアもついやり過ぎてしまっただと思うんです…!」

 

沙羅「どうして貴女が庇う訳?」

 

そんなハーライトの前に来てミリアの事を庇うあかりに沙羅は問う。

 

あかり「え…だって、調子に乗って失敗することって誰にでもあると思うし」

 

アンリ「そうだな。それにミリアを調子に乗らせた責任もあるしな」

 

乗らせた?と首を傾げる沙羅にアンリは頷く。

 

アンリ「あの時、全員ミリアの魔法に注目していたじゃねえか。それでミリアが調子に乗ってしまったってことだ」

 

ハーライト「……そうですね。あの時、光の種を大量に出した時点で強く注意するべきでした……」

 

そう言ったアンリのにハーライトは顔を伏せる。

 

するとレオンも前に出て皆を見る。

 

レオン「みんな!燃えたところを魔法で復元するの手伝ってくれないか?」

 

沙羅「それはミリアの仕事なんじゃない?」

 

アンリ「(…ああ、ミリアが戻って来やすくするためか)」

 

頼み込むレオンのに、アンリは彼の意図に納得する。

 

確かに沙羅の言う通り、ミリアにやらせるべき事だろう。

 

だが、やってしまった本人からすれば戻りたくても戻れない物でもある為、彼女の為にも自分達は大丈夫だと言うのを知らせる為でもあるのだ。

 

レオン「……頼む」

 

あかり「あ…お願いします!」

 

頭を下げるレオンにあかりも続けてお願いして頭を下げる。

 

アンリ「…オレからも頼む沙羅」

 

沙羅「アンリまで…まあ別にいいけど…」

 

続けてアンリも頼み込むのに沙羅はそう返す。

 

見ていたハーライトも異議はないので全員へ言う。

 

ハーライト「では皆で手分けしてやりましょう」

 

はーいと言う元気のいい声にハーライトはふふっと笑う。

 

 

 

 

一方、湖の縁近くにミリアはサンゴとガーネットといた。

 

ミリア「ぐすっ…あーもう!どうして誰も迎えに来てくれないの!アタシが泣いてるのに!もー!」泣きながら

 

ガーネット「ミリアは悪くないわ。だから泣かないで」

 

サンゴ「そうかにゃあ?謝った方が良いと思うにゃあ…」

 

癇癪を起こすミリアにガーネットがフォローするがサンゴは素直に謝った方が良いと呟く。

 

ガーネット「こんな時はお買い物よ!オシャレなアクセを付ければ気分はハッピーよ!」

 

そんなサンゴを押しながらそう言うガーネットだが、ミリアは魔法学校の方を見てから立ち上がると歩きだす

 

それにガーネットとサンゴも続く。

 

ガーネット「どうするの?」

 

サンゴ「謝るんでしょ?」

 

ミリア「ちょ、ちょっと様子を見に行くだけよ!」

 

前を向いたまま返すミリアにサンゴは素直じゃないんだからと苦笑する。

 

そんなミリア達は知らなかった。

 

近くの草の陰で消されるのを逃れた光の球2つがふよふよしていた事に……

 

 

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