なんで他の転生者は楽しめるの?   作:クレナイハルハ

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₮月○日

 

転生した事を認識した次の日、何時通りの日常として僕は家で掃除をしていた。両親が帰ってこないとは言え、流石にそのままにしておくのは不味いし、帰ってきてベットで寝られなかったら可愛そうなのでこうして1週間に1度、掃除をしている訳だ。

 

折角転生したのだからポケモンを捕まえに行ったら?なんて思うだろうが、博士から貰ったりするなんてありえない自分から言わせてもらうと、所持ポケモンがいない状態でポケモンを捕まえに行くことは自殺行為だ。

 

この世界で生まれこの目で見たから言えるが、二次創作のようにポケモンをゲットしようとしたら、間違いなく怪我無しで帰られないだろうな。

 

草むらには親、または親のポケモン無しで入ってはいけません。

 

ここらの小さい子も十分知ってる情報だ。

 

さて、そんな中で13と言う歳になったがポケモンを持たず家にもポケモンがいない僕は周りから凄く浮いているのだろう。

 

てか良く近くの子が弄ってくるのは別に気にしないよ?本当だよ?

 

掃除をした後、着替えをもって近くのポケモンセンターの裏にある温泉に入った。前世ならこんな身近な場所に温泉なんて無かったし、銭湯も少し遠かったから、すぐに温泉に入れる場所があるのはフエンタウンに生まれてよかったと感じた。

 

ついでだが両親はちゃんとした職に付いている、と思う。どちらも情報系の仕事らしい、珍しく帰って来てもどちらもパソコンカタカタしてるし、ブラックな可能性はあるけど悪の組織とか入ってる両親じゃなくて本当によかった。

 

 

₮月₭日

 

今日は家でテレビを見ていた。なんでもカロス地方の有名なお菓子屋さんを巡ると言う物だ。

 

ずっとフエンタウンに住んでいるつもりだが、あそこまで美味しそうに映っていたら、行ってみたいと思ってしまう。

 

まぁ、ネットで注文でもすれば食べられるだろうか。まぁ、ネットでの注文を受け付けているのかは分からないが。

 

そして夕方あたりにポケモンセンター裏の温泉に入る。帰ってきたらご飯を食べて眠る、そんな当たり前の日記が今後も続くのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ、今日はこんな感じかな。」

 

そう呟きながら、今日の日記を書いたノートを閉じる。自身が転生者だと気付いたが、生活に変化は特にない。

 

うちにポケモンはいないし、ぶっちゃけると前世とあまり変化のない数日。いや変化はあるな、子供とか呼び指して僕のことをポケモン無し!って言ってくるぐらいかな?

 

親がいなく、僕のポケモンは居ない。更には親が自分のポケモンを連れて仕事へ行くために子供達に付けられた僕へのまぁ、嫌がらせかな?

 

まぁ、小さい子供だから別に気にしないけど。

 

というか僕も一応は子供なんどけど。精神年齢は既にアラサーだけどね。

 

そう思いながらノートを机の棚に戻し、布団へと入ろうとした。

 

 

──コン!コン!──

 

 

家の扉をノックする音が聞こえた。

 

こんな夜に、一体誰だ?今は10時を過ぎた真夜中と言っても良い時間だ。流石に子供達のいたずらはあり得ない。

 

もしかして、父さんか母さんが帰ってきたのか?そう思いながら、玄関へと向かいドアを開けようとしたそのときだった。

 

扉がバン!と言う音と共に開いた。

 

「おわっ!?」

 

その衝撃に驚き、尻餅を付きながらも扉を開けた人物を見ようも顔を上げる。

 

「バシャ!バシャーシャ!!」

 

そこには鋭いクチバシに、V字の鶏冠を持ち全体的にスラッとした姿をした赤いポケモン、バシャーモが立っていた。

 

それにしてもこのバシャーモ、誰のポケモンだ?そもそも僕の住むフエンタウンの近くにバシャーモ、アチャモの生息域は無かったはずだ。まさか、もうロケット団が動き出したのか?

 

『どうやら1足……いや1跳び、遅かったようですね。』

 

そう考えている中、背後から声が聞こえた気がして振り返る。そこには青い体に真っ白なドレスを着たような姿のポケモン。色違いのサーナイトが佇んでいた。

 

サーナイト、しかも青って事は色違いポケモン!?まさかこの世界でも見られるなんて思わなかったな。それにさっきの声は恐らくはサーナのテレパシーか?

 

「バシャ!?バシャーバ!」

 

まるで久しぶり!と言うかのように片手を上げるバシャーモにまるで溜め息を吐くような動作をするサーナイト。

 

『えぇ、久しぶりですね。相変わらず貴方の勘は頼りになりますね。』

 

そう言って?サーナイトは此方を向いて、軽く頭を下げた。

 

『遅れ馳せ参じた事、誠に申し訳ございません。ステラ、ただ今マスターの元に到着致しました。』

 

サーナイトは今、なんと、名乗った?

 

ステラ、そう名乗ったのか?

 

頭の中に甦るのは、かつてポケモンのルビーがリメイクされてオメガルビーとなったゲームをプレイしていた時の記憶。

 

アイツと共に再びその世界を歩んで偶然捕まえた色違いのポケモン。ラルトスが進化したサーナイトを思い浮かべ名付けた名はステラ。

 

色違いのサーナイトは本来の緑の部分が青くなり、ドレスは白いままの姿。そこから星光、星、惑星と言う意味を持つステラと言う名前を付けた。

 

「ステラ、なのか?」

 

『はい、お会いできて嬉しいですマスター。』

 

「だとしたら、もしかしてお前は……」

 

そう呟きながら、バシャーモの方へと顔を向ける。バシャーモ、ポケモンのルビーからずっと共に旅をしてきた相棒で一番、付き合いの長かったポケモン。確か、渾名は火を外国語にしただけのシンプルな名前だった。そう

 

「アグニ、なのか?」

 

「バッシャー!」

 

そう聞くと、直ぐにバシャーモ。いや、アグニは笑顔で頷いた。

 

まさか、ゲームで一番使っていたバシャーモとサーナイト。いやステラとアグニと言うべきか?に出会うなんて、まるで夢のような事だ。

 

「どうして、僕の居場所を?」

 

「バシャ」

 

『勘、だそうですよ?ちなみに私は愛です』

 

「なんか、凄いな……」

 

そう言いながら立ち上がりアグニを家に入れて玄関の扉を閉めた。

 

「アグニとステラはどうしてここに?」

 

『もちろん、貴方にゲットして貰うためです。貴方以外に私のマスターたる人物は存在しません。』

 

「バシャバシャ」

 

ステラの言葉にうんうんと頷くアグニ。二人が望んでくれるなら、いいかな。

 

「分かった。でもまだ僕はモンスターボールは持っていないんだ。だから明日でも良いかな?」

 

『マスター、ポケモンセンターは24時間営業ですよ?』

 

「前世の感覚が残ったままだ。24時間営業はコンビニだけだと思ってたよ……でももう夜も遅いし、眠いから明日にでもモンスターボールを買いに行くよ。」

 

『そうですか?ならいいですが』

 

こうして、いきなりだが僕はポケモンを二体も手にする事が出来たのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シンオウ地方からホウエン地方と続く海。

 

そこには人やポケモンを乗せて運ぶことが好きなポケモンであるラプラスには、水色の体の各所に氷の結晶を連想させる菱形の模様を持つポケモンがホウエン地方へと向かっていた。

 

『ご主人、すぐ……行く』

 

その瞳はまっすぐホウエン地方のえんとつ山へと向いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また別の海、カロス地方からホウエン地方への方向へ続く海路を高速……いや神速で駆け抜ける何者かがいた。

 

『主よ、すぐに参ります!!』

 

 

 




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