ドラゴンさんの東方見聞録   作:伝説の超三毛猫

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龍斗の元ネタについて質問が来たので。
いちおうドラクエのじげんりゅうを元ネタとしていますが、「龍があらゆる次元に干渉する力を持った」事で生まれたのが龍斗だと思ってください。


第三話:マインクラフトは偉大だった

「よさぁ~くはぁ~木を切るぅ~……っと」

 

 家を建てなければ(使命感)と思った俺は、近くにあった山から木をいくつかいただくことにした。

 必要なのはヒノキだ。木材として優秀なのは言うまでもなく、加工しやすく軽量だからだ。マインクラフトの世界で習った。いやー、あそこでの技術は偉大だ。なんせどこでも家を建てられるもんな。

 ゆえに、俺は良い育ちのヒノキを斬る。手刀で。

 

 切る切る切る切る切切切切切切切切切切切切切切切切……………。

 

「おい、貴様! そこで何をしている!」

「んぉ?」

 

 振り向くと、犬耳の可愛い女の子―――もとい、白狼天狗がいた。

 警戒している風の彼女の姿からして、俺は自分自身のうっかりを自覚した。

 

「あー…………ここ、天狗の縄張りだったりする?」

「そうだ!」

 

 俺としたことが、つい天狗の領域内のヒノキを切ってしまったようだ。マインクラフトのテンションで切りまくってたから気づかなかったぜ……

 

「ごめんね、すぐに立ち去るから」

「え…あ、あぁ……分かればいい―――いや待て!

 ここらの木が減っているのは貴様の仕業か!?」

「あぁ、そうだよ。片っ端から切ってないから、数年後にゃ元に戻ると思うんだけど…」

 

 流石に環境破壊は気持ちいいZOY☆と言わんばかりの大伐採はしていない。そんな事をしちゃったら再生に時間がかかるし、妖精が出てこなくなるからな。

 

「返せ!我らの縄張りのものだぞ!」

「確かに無許可で持っていくのはマズいか……でもでも、俺鬼の知り合いとかいるからなんとかならない?」

「そんなハッタリに騙されるか!」

「マジマジ。伊吹萃香とか星熊勇儀とか飲み友だよ」

 

 鬼の名前を出しても疑いの眼でこちらを見てくる白狼天狗のお嬢ちゃん。なんでこうも天狗って疑り深いんだか。天魔のヤツ後進の躾サボってんのか?

 

「よっし、天魔に直接話すか」

「な、何を言っている?」

「天魔に直接謝りに行くって言ってんの。道案内してくれる?」

「ふざけるな!誰が素性の知れない貴様など!」

 

 良い事を思いついて、それを直接嬢ちゃんに言ったら、嬢ちゃんは刀を抜いて斬りかかってくる。

 

「うわ!? ちょ、ちょっと待て!」

「問答無用!」

 

 嬢ちゃんの刀が、俺の首に寸分違わず吸い込まれて行き、そして、首の皮に当たった途端―――

 

 バキン!!

 

 ―――と、派手な音を立てて真っ二つにへし折れた。

 

「………なに!?」

「あーあ。だから“待て”って言ったのに」

 

 妖怪が鋼を鍛えた程度の刀じゃあ、次元竜に傷をつけることすらできない。俺を斬るつもりなら、竜特攻のドラゴンスレイヤーやら天羽々斬でも持ってこないと。そうすれば、紙で指を切った時くらいのダメージは与えられるのに。

 得物を失った天狗の嬢ちゃんは、いまだに目の前で起こったことが信じられず、俺と折れた刀を見比べている。

 

「貴様…何者だ……?」

「通りすがりのドラゴンだよ」

 

 戸惑い気味の質問に答えた後、俺は山の奥の方へ進んでいく。

 誰か理解力のある人がいればいいんだけどなー。でも、天狗ってちょっと高慢ちきなとこあるからな。

 

「貴様、ここを天狗の領地と知っての…うわぁ刀折れた!!?」

「おい、いきなり斬りかかるとか何考えてんだ?大正時代でももっと会話したぞ?」

「おのれ!よくも仲間を……」

「ま、待て!その妖術を引っ込めて話聞け!俺の身体は―――」

「ぐわああああああああああああああああ!!!?」

「魔法を自動反射する……遅かったぁ……」

 

 ……大丈夫だよね?会話できるの残ってるよな?

 

 

 

 

○○○○○○○○○○○○

 

 

 

 

 いちはやく見つけた不審者は、自分自身を「通りすがりのドラゴン」と名乗った。

 少なくとも、只者ではないのは確かだ。私の刀が折られてからも、山の奥へと歩いていくのを止めようとしたが……それはできなかった。

 何故なら、アイツは全く手を出さずに私の同僚や先輩や、仲間たちを次々に薙ぎ払っていったからだ。

 斬りかかれば武器が折れ、術を使えば何十倍の威力になって跳ね返される。反撃らしい反撃は一切していないどころか攻撃の素振りすら見せていないのに、周りには私の仲間が死屍累々と積み重なっていく。

 

「ええい、何をやっておるのだ貴様ら!代われ代われ!

 おい下賤な妖よ、ここをどこだと心得ていぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!?」

「うるせぇよ。ちょっと握手しただけだろうが」

「ど、どこまでも我らを愚弄し…あがああああああああああああああああああああ!!」

「俺はこんなにも手心を加えてんだろうが。現にお前が爆散していない!」

 

 騒ぎを聞きつけてやってきた大天狗さまでさえ、手を握っただけで全身を潰されているかのように苦痛に満ちた表情で悲鳴をあげた。

 あれで手心を加えている?本気だったら爆散していた?

 ……そんな馬鹿な。こんな化け物がいていいわけがない。こんな破格の力を持った存在が、今の今まで、誰にも認識されずに存在していたなど、あっていいものか。

 

「ねぇ、白狼天狗のお嬢ちゃん………えっと、名前なんだっけ?」

 

 ひっ!? こ、こっち向いた!!

 

「い、犬走椛(いぬばしりもみじ)……」

「椛ちゃんね。いい加減天魔のトコ行きたいんだけど、コイツらに口利きとかできないの?」

「む、無理です!!私はただの哨戒ですよ!!?」

「そっか……まぁそうだよな。じゃあ、これまで通り虱潰しに探すしかないのかな」

 

 ど、どうしよう。

 このままでは、山の天狗全てがこいつ一人に薙ぎ倒されてしまう。

 でも、他の白狼天狗や鴉天狗が数を揃えても、果ては大天狗さまをも簡単に倒せてしまう者を相手に私一人が戦うなんて……無理だ。例え武器が折れていなかったとしても、勝てるわけがない!

 そう思って絶望しかけた時、一人の天狗が舞い降りた。

 

「これは…いったいどういう状況なんだい?」

「飯綱丸様…!」

 

 大天狗の一人・飯綱丸龍(いいずなまるめぐむ)さま。

 さっきの大天狗さまの悲鳴を聞いて駆け付けたのだろうか。鴉天狗の部隊を連れてやってきていた。

 彼女が不審者を見下ろすと、不審者の方は目を見開いて笑顔を浮かべた。

 

「おぉ、めぐたんじゃん!おひさ~!

 何さ昔より立派な格好して。出世したの?」

「…そのあだ名はやめて頂きたいのだが……そんな事より、龍斗殿。我々天狗の領域に何用なのだろうか?」

 

 龍さま相手にタメ口!!?しかも不機嫌そうな彼女相手に童子のように喜んで……本当に何者なのだ、コイツは!!

 

「俺はさ。ついうっかり天狗の山の木材を取っちゃったのを天魔ちゃんに謝りたいだけなのよ」

「それにしては、随分手荒なご訪問のようだが?」

「あぁ、コイツらね。俺に妖術撃って勝手に自滅した奴らだけだから大丈夫。そっちの大天狗も握手しただけであのザマだ」

「貴方には手心というものがないのか?」

「何言ってんのめぐたん。俺に手心がなかったら今頃天狗は絶滅してるよ」

 

 物騒すぎる会話が交わされるのをただただ眺めていると、龍さまがこちらを向いた。

 どうやら、龍斗と呼ばれたこの男―――龍斗殿が本当のことを言っているか否かを確かめるおつもりか。今の状況で意識ある者が私しかいないから、私が答えないといけない。

 

「その男が言っている事は事実です。彼には、反撃どころか攻撃の素振りすらありませんでした」

「そうか………千里眼を持つお前がそう言うのなら、そうなのだろうな……」

「だから言ったっしょー? 俺はそもそも、謝罪の品を渡しに行きたいだけなのよ」

 

 どうやら、彼は本当に謝意を示したいだけのようである。

 しかし、それで天魔様の元へ彼を案内するかとなれば話は別。

 渡したいものがあるならば、私達に預けて天魔様へ送ればいいだけなのでは?

 

「それだと誰かが懐に入れて天魔ちゃんの元に行かない気がしてさ。俺は確実に天魔ちゃんにあげたいんだよ」

「…分かった。それについては私が責任を持って天魔様の元へ届けよう。して……何をあげるつもりなのだ?」

「まず樹木子(じゅぼっこ)でできた扇子だろ、マンドレイクを使った薬品セット。で、岩ゴボウ、上魔草(じょうまそう)、俊足ニンジン、薬草の種の数々、オマケに採掘したレッドストーンやら金塊やら……これでどうだい?」

「……………いくつか私の知らない物があるが、すぐに天魔様に確認を取ってくる。」

 

 いくつかどころか、金塊以外全部知らない物だけれど………

 龍さまが使いを出して確認に行かせた。……あ、確認に行ったの文だ。

 しばらくして戻ってきた文が、戸惑いながら龍さまに耳打ちをする。その内容に頷くと、龍斗殿に向き直った。

 

「天魔様から伝言を頂いた。“部下が申し訳なかった、本日は所用にて会いに行けませんが、これからもよろしく頼みます”……だそうだ」

「そっか。天魔ちゃんに会いたかったけど………日を改めるわ。こっちこそ、勝手に木なんか採って悪かったな。」

 

 天魔様の伝言を聞き、謝罪の品を受け取った事を知った龍斗殿は、本日初めて見るレベルの真面目な顔で龍さまにそう言うと、

 

「でも、謝意の品は必ず天魔ちゃんに届けてくれよ? もし、誰かがちょろまかしたりしたら……ソイツの種族が絶滅危惧種になるからね」

 

 ……と、笑えない冗談を屈託のない笑顔で言い放つ。

 天魔様が品を受け取ったのも信じがたいが、この男の有無の言わせなさは一体どこから来ているのか。

 彼が手を上げると、彼の背から灰色の窓帷(カーテン)のようなものが現れる。

 

「それと、椛ちゃん。君のことは覚えたよ。今度俺と一緒に飲みに行こうぜ、飲み友紹介すっからよ。それじゃ」

「え、ちょっ…」

 

 最後にそう言うと、彼は灰色の窓帷(カーテン)に包まれた。窓帷(カーテン)が消えた時には、彼は影も形も残っていなかった。

 

「厄介なのに名前を覚えられたな」

 

 龍さまが彼のいなくなった後でそう呟いた。

 その意味が分からずに、「彼は何者なのですか」と聞いたところ、耳を疑う答えが帰ってきた。

 

「奴は次元龍。幻想郷を作り出した、最強の賢者だ」

「!!!?」

 

 げ、幻想郷を作り出した賢者!?とすると、八雲紫のような!?

 信じられない。そんな人物が、なぜあそこで木を伐採していたのか。我ら天狗に気安く話しかけていたのか……

 く、詳しい事は分からないけど………

 

「私、これからどうなるんでしょう…?」

 

 とんでもない人に名前を覚えられたのかもしれない。

 文、はたてさん、龍さま……誰でもいいから助けてください。

 




亜葬祺龍斗
天魔ちゃん元気そうで何よりだなー。あと出世した子も見れて満足。天狗には悪いことしちゃったなと思っている。ただしガチのフルパワーなら天狗など3分で滅ぼせるが。

犬走椛
とんでもねーのに顔を覚えられてしまったと思っている。

飯綱丸龍
この後直属の部下のメスガキ狐にめぐたん呼ばわりされてキレそうになる。

天魔
次元龍が来たとあややから聞いて内心超ヒヤヒヤしてた。

射命丸文
私は使いっぱしりですか!あややややや!?

モブ天狗ども
全治2か月。

モブ大天狗
再起不能。
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