これが私の道   作:corin7121

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フランス遠征~御嬢様を添えて~

トレセン学園のマッドサイエンティストが起こした騒動から一週間後。ジャスタとゴルシは現在飛行機の中にいた。世界最高峰とも名高い凱旋門賞に出走するオルフェーブルの練習相手として今回の遠征に参加する。

 

「フライト時間は13時間かー。結構あるね」

「東京から電車乗り継いで網走ぐらいまでだな」

「そう考えるとフランスって近いね」

「だろ?」

「だろ?じゃありませんわ。それよりも一言いいですか?」

「?」

 

 

 

「何故(マックイーン)も行かなくてはならないのですか?」

「「通訳(お財布)」」

「出来ませんわよ!?」

 

そして通訳兼お財布係兼保護者役としてマックイーンも同行していた。まあゴルシは放っておいたら何するかわからないし、ジャスタも芦毛を見たら絶対ナンパするだろうし。誰か御目付役は必要だった。丁度前回の事件でジャスタに借りがあったのでそれの埋め合わせと考えれば安いものでしょう。

 

「それよりもジャスタさん?」

「どうしました、マック様?」

「その・・・顔の包帯は取ってもらわないと・・・」

 

マックイーンにプロレス技をかけられて顔に大ケガをしたジャスタは顔面ミイラ状態で搭乗していた。

 

「あ痛たたたた!なんだか急に顔が痛くなってきたぞぉ!?」

「何だって!?この中にお医者様はいらっしゃいませんか~!?」

「すみませんでした!ですから騒がないでくださいまし!」

 

あまりにもわざとらしいジャスタの振りに全力で乗っかるゴルシ。他にも一般の乗客がいるから騒がれると色々と面倒なことになりかねない。

 

「ふぅー。あ、CAさん。お水貰えます?」

「え?振りじゃなかったのかよ」

「大丈夫大丈夫。ちゃんと痛み止めのお薬貰ってきたし」

 

本人が大丈夫って言うんだからまあ大丈夫なんでしょう。

 

「そういえば、ジャスタウェイさんのチームにクロフネさんが加入なされたようで」

「そう!そうなんですよ!まだ数回しか一緒に練習できていないんですけど、凄いですよあの方は!!」

 

それから一時間ほどジャスタのクロフネへの熱演が語られるのですがあまりにも長いのでカットします。

 

「そ・・・そうでしたか」

「はい!」

「それで秋の始動は神戸新聞杯からでしたか」

「そうみたいですね。その後は天皇賞に向かうみたいです」

 

クラシック路線最後の菊花賞は長距離のレースだ。適正距離がマイル寄りのクロフネには厳しいレースになる。それならば2000mの天皇賞を目標にするのも納得できる。

 

「でも秋天かー」

「秋天はなー」

「・・・なぜコッチを見るのですか?」

「外枠」「斜行」

「「降着」」

「うぐっ。他人の黒歴史を・・・!」

 

以前マックイーンは秋天に出走して審議の結果、一着であったが危険な走行をしたとして降着のペナルティを受けたことがあった。

 

コースの特徴から外枠不利だったためにスタート直後に斜行をやらかしたのが原因だった。反省はしているが本人としてはあまり思い出したくない出来事である。

 

「ま・・・まあ彼女の実力があれば問題は無いと思います。竹トレーナーもそのことは十分理解しているでしょう」

「それよりもジャスよ。もうあまり時間はねーけど、五人目の目星は付いているのか?」

「うぐっ・・・それが・・・」

 

やっぱりメンバー集めには難航しているみたいである。

 

「まだ時間はあるし!12月までにはなんとか見つければ問題ないし!」

「そもそも芦毛に拘るから集まらないのでは?」

「それな。私は面白楽しくやれるなら誰でもいいんだけどよ」

「言っておくけど()()は一番譲れないところだからね!私のチームには芦毛しか入れないもん!」

 

と鹿毛のウマ娘が申しております。

 

「リーダーがこう言っているんだから仕方ないな」

「そうですか」

「・・・マック様。改めてお願いします。ウチのチームに入って「お断りします」なんでだよー!」

「以前にも申しました通り私は別のチームでアオハル杯には参加いたします」

「そんなツレナイこと言わずによー。最強ステイヤーのマックイーン様がいれば長距離部門なんて獲ったも当然じゃんかよー」

「ところでそのマック様のチームには誰がいるんです?」

「・・・・・・・・テイオーに誘われまして

 

だったらしゃーないですわ。

 

「そういやこの前改めてアオハルのルールブックを見たけどよ、途中加入も認められているみたいだぜ?」

「気が向いたら考えてもいいですわ」

「ゴルちゃん、これって来てくれると思う?」

「つまるところの『行けたら行く』ってやつだな」

「じゃあ来ないか・・・何がダメなんだろう?」

「何だろうな?」

「貴方たちわかって言っているでしょう?」

「そりゃあもう」

「何年の付き合いだと思ってんだよ」

 

マックイーンがチーム入りしたくないのって多分()()()()()()()だと思うが。

 

「ふう。とりあえずこの話はここまでにしておきましょう。今はオルフェーブルさんの凱旋門賞。これについて語りません?」

「んー。姉御の実力なら相手が誰であれ問題ないと思うんだよな」

「それだよね。去年のレースを見た限り惜しいところまでいったわけだし」

「それでは去年は何が原因で敗北したと思います?」

「・・・・・・なんでだ?」

 

何度も去年のレースを穴が開くほどに見返したが何が原因で負けたのか未だに謎のままだった。強いて言えば相手の末脚の方が一枚上手だったか?

 

「ところでそのオルフェーブルさんは?」

「姉御なら一足先に現地入りしてるぜ。流石の姉御も同じ醜態は見せられねーんだろうな」

「あの騒動の後直ぐに出発したみたいでしたから」

「そうですか」

 

送別会を開く間もなくオルフェーブルは一人フランスへと発った。前哨戦のフォワ賞を控えていたこともあるかもしれない。尚、池曽根トレーナーは奥さんの出産予定日と重なってしまったため日本に残り、代わりにトレセン学園からフランスのトレセン学園にトレーナーの委任を頼んであるらしい。

 

「距離も凱旋門賞と同じ2400M。ここで勝つことができれば本番でも十分勝機が見込めます」

「でも去年も姉御、このレースに出てるんだよな」

「それも優勝しちゃうし」

 

それでも届かなかった世界一の称号。日本と世界との距離を思い知らされることとなった。

 

「であれば今年は前回以上のパフォーマンスを見せるしかないですわね」

「そうだよな。・・・そういうことならよ。マックちゃんも並走一緒にやってくれれば勝率上がるんじゃね?」

「はい?」

「春天二連覇の歴代最強ステイヤーのマック様がトレーニング相手だったら向かうところ敵なしだよね」

「ただでさえ向こうの芝ってタフだって話しだし。そんじょそこらのウマ娘じゃ体力持たないだろうしな」

 

日本の高速バ場に適した野芝とは違い洋芝が使われている。曰く「足に絡みつく」ような芝だ。日本の芝に慣れているとこの違いに戸惑い本来の力が発揮できないことも十分にありえる。

普段よりもスタミナが必要なレースであるならば、日本屈指の長距離重賞を連覇したマックイーンはこの三人の中ではダントツで練習相手にもってこいだろう。

 

「それに私たちまだデビュー仕立てのヒヨッコだぜ?」

「重賞を幾つも獲っているマック様の方が並走にピッタリじゃない?」

「・・・まさか貴方達、私に練習相手を押し付けてフランス観光するつもりじゃないでしょうね?」

 

「ギクッ!!?」

 

やっぱりそういう魂胆だったみたいだ。

 

「でもよでもよ!?本番までは一か月近くもあるんだぜ?折角のフランス遠征、楽しみてーじゃん!」

「ゴールドシップさん。私たちは遊びに行くわけではないのですよ?私たちの頑張り次第でオルフェーブルさんが日本の悲願を、凱旋門賞制覇を成し遂げられるかが掛かっているのですよ?」

 

日本ウマ娘初凱旋門賞優勝がかかっているとなれば、生半可な気持ちで行くべきではないだろう。特に今回は前回のリベンジも含まれている。優勝が絶対条件と言っても過言ではないかもしれない。

 

「まあその通りなんだけどよ・・・」

「マック様出発前にパリの有名スイーツ店検索していましたよね?」

 

「ギクッ!!?」

 

おやおや?どうやらコチラもそういう魂胆だったみたいだぞ?

 

「あ、あれはそう!テイオーやイクノさんたちへのお土産の候補なだけであって!」

「まあそりゃあそうだよな。私たちは遊びに行くわけじゃないんだもんな!」

「そうだよ!オルフェーブルの姐さんが万全の状態で試合に臨めるように頑張らないと!」

「ええ、その通りですわ!」

 

そうですか。それじゃあ帰国までの一ヵ月、練習漬けで自由時間はほとんど無しで構わないと。いやートレセン学園の生徒の鑑じゃないですか。

 

()()()()とは話が別!!」

 

やっぱり君たち遊びたいんじゃん・・・。




チーム名:蘆毛千年帝國(仮)

ダート:未定
短距離:スノードラゴン
マイル:クロフネ
中距離:ジャスタウェイ
長距離:ゴールドシップ
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