これが私の道   作:corin7121

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芦毛の創世記

アオハル杯開催から一年。そう一年経ったということはジャスタ達も一年進学したということであり、それはつまり

 

「まだ見ぬ芦毛ウマ娘がやって来る!」

「新入生な」

 

未知なる遭遇に胸を膨らませるジャスタとは対照的にゴルシはいたって冷静であった。何故この一大イベントにも関わらずゴルシのテンションが低いのかというと。

 

『すまないがゴールドシップ。本来なら生徒会が対処しなくてはならないのだろうが、生憎人手不足でね。

 

()()()()()()()()()()()()()監視を頼みたい!』

 

まさか生徒会から直接懇願されるとは思っても見なかった。まあコイツは去年も同じようなことをやらかしていたので残当ではあるのだが。仕方ないのでとりあえずロープでグルグル巻きにして身動きが出来ないようにはしてあるが芦毛狂いのコイツの事だから縄抜けして脱走するかもしれない。いやそれ以前に拘束されていようが関係なく勧誘という建前の浮気をしに行きかねない。

 

「生徒会から危険人物扱いされているとかお前も自重しろよ」

「その言葉そっくりそのままゴルちゃんにお返しするよ」

 

ゴルシもまあまあ危険人物ではある。何をするのか読めないという一点では他の追随を許さないところとか。他の危険人物はジャスタの芦毛とかタキオンの薬物とかアヤベさんのふわふわとか何かしらのトリガーがあるから事前に対処することは可能といえば可能。ただこいつらはそれらを承知の上で暴走機関車と化すから手に負えない時もある。

 

「しかしだゴルちゃん。私たちには何としてでも彼女たちに接触しなくてはならない理由というものがあるのだよ」

「理由ねえ・・・」

 

多分ろくでもない理由なのだろうが。

 

「新入生をスカウトできないと次のアオハル杯出場できません」

「なんてこったい」

 

入学早々にこの奇人変人チームに勧誘されるような物好きがいるかどうかだが。

 

「というわけだからゴルちゃんや。このロープをほどいておくれ」

「安心しろ。こんなこともあろうかと先にクロさんとスノーに勧誘のチラシ配り任せてきたから」

「ワーオ!ゴルちゃん冴えてるー!」

 

正直なところジャスタに任せて安心できますかと問われると『ノー!』と答える自信があったからこそゴルシはチームの二人に勧誘を頼んだところがある。それにクロフネはG1を勝ったこともあるスター選手なのだから集客にはもってこいなところもある。

 

「でもわかっていると思うけど」

「芦毛限定だろ?それぐらい想定済みだっての」

「流石はゴルちゃん」

「おだててもブラックホールぐらいしか出せねーぞ?」

「なんてもん出そうとしているんだよ」

「チラシ配り終わりましたー」

 

ゴルシが気を利かせて作った勧誘のビラを無事に捌き終わったクロフネとスノーが教室へと戻ってきた。ゴルシ曰く前回ジャスタが制作した時よりは幾分マシな作りになってはいたのだが、はたしてこんな色物チームにノコノコとやって来る物好きは現れるのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なーんでだよー!!?」

 

のっけから頭を抱えるジャスタ。その理由とは?では結論から言おう。

 

釣果ゼロ!まさかの新入部員0!

 

「残念ですがジャスタウェイの旅はここで終わってしまった」

「終わってないから!まだ諦めていないよ、私は!」

 

肩をすくめておどけるゴルシにジャスタは食って掛かった。

 

「そもそも今回集まらなかったのはゴルちゃんが作ったこのチラシのせいなんじゃないですか?」

「おお!?今年の○カデミー賞視覚効果部門ノミネート確実とまで言われたアタシの芸術をバカにしたか!?」

「イラストの腕前だったらゴルちゃんよりも私の方が上ですー!」

「あの小学生の落書きに負けるわけねーだろうが!」

「いやどっちもどっちなんだよなー」

 

頬杖をついて二枚を見比べていたクロフネがボソッと呟いた。まずジャスタは芦毛への主張が激しすぎ。ゴルシはゴルシで超前衛なシュルレアリスムのイラストを描いたせいで肝心なメッセージが正しく伝わらない。

 

結果、泥仕合の引き分けである。

 

「どーすんだよ、次の試合。ただでさえ時間がねーってのに」

「仕方がない。ここはもうアレしかないよ」

「アレ?」

「拉致」

「なークロさんや。このアホをラチに叩きつけたら正常に戻ると思う?」

「存分に埒をあけてやれ」

「暴力反対-!」

 

それじゃあ大人しくしていろと二人は思った。まあ大人しく出来ないから実力で黙らせるしか手はないところもあるのだが。

 

「ところでスノーはどうしたんだ?」

「スノー?」

 

そういえば教室にはいないみたいだけれど、何処に行っているのでしょう。

 

「すみません、遅くなりましたー」

 

噂をすれば影が差す。バッチリなタイミングでスノーが現れた。がここで何故かジャスタの目の色が変わった。

 

「ってちょっと待った!」

「どーしたよ、ジャス?」

「スノーちゃんから別の芦毛の匂いがする!」

「「はあ?」」

 

何言っているんだコイツ。

 

「あの入会の希望者を連れてきたのですが」

 

・・・・・・・・・え?

 

「芦毛?」

「だと思います」

「ィイヨッシャーーー!!」

「うるせーわ!!」

 

だけどようやく。漸く新メンバーが登場したのだから声を荒げたくなるのもわからなくもない。

 

「随分と酔狂な新入生がいたもんだな」

「本当にそれな」

「理由なんてどうでもよし!さあどんな芦毛天使ちゃんなのかな?」

 

スノーに促されて少し緊張しながら現れた新入ウマ娘。パッと見た感じ日本生まれというよりも海外、それも欧州生まれの顔立ちにクロフネがボソッと「外人じゃん」と呟いた。米国国籍のお前が言うなだけども。

 

「Heureux de vous connaître,じゃなかった。えーっと、はじめまして・・・あ」

「あ」

「お」

 

新入生の顔を見た瞬間、ジャスタとゴルシは一瞬固まった後、

 

「「「ああああああああああああ!!」」」

 

素っ頓狂な声を上げていた。

 

「なんだなんだ?お前ら顔見知りか?」

「スノーには前に話しただろ?フランスで会った現地人」

「ええ。まさか、この方が?」

「これが運命というものなのか。歓迎しましょう!ボンジュールマドモアゼ!?」

 

テンションMAXになったジャスタが最敬礼で出迎えようと勢いよく飛び出そうとしたところをゴルシとクロフネにしっかりと止められていた。

 

「ジャスタ。今お前何しようとしていた?」

「お前の奇行で『やっぱり止めます』ってなったらどうすんだおい!」

「なんでそんなに私に対して辛辣なのみんな!?」

 

芦毛が絡んでいるからだろうね。

 

「あ・・・あの・・・」

「大丈夫だよ。一月も一緒に居たら慣れてくるから」

 

スノーの生暖かい言葉に彼女も苦労していることを留学生は察した。

 

「そういえばまだ名前を窺ってなかったね。私はスノードラゴン。貴女のお名前は?」

「はい。私の名前は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クロノジェネシスです」




はい。というわけで五人目のメンバーはクロノジェネシスです。ここの世代も凄いのが揃っているので実装心待ちにしております。
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