「チッ。不味いなこりゃ……」
夜の帳。森の静寂。それを切り裂く、周囲を取り囲む獣達の喧騒。それに紛らわせる様に、私は小さく舌打ちをした。チラリと後ろを見ると、怯えた表情でへたり込む、二人の少女の姿があった。
私が所属しているクラン、
私一人なら、何とかこの包囲を抜けて逃げ切れる。だが、今の私は一人ではない。
はぁ……。どうしてこうなったんだか……。
小さくため息を吐き、飛び掛って来た魔物に向けて剣を振るう。するとその身体は黒い粒子へと姿を変えていった。
コイツら、一匹一匹は雑魚の癖に、如何せん数が多すぎる。それに……。
魔物には、種を識別する能力があり、仲間がやられた時には逃げるか襲ってくるか、大体がその二択なのだ。だが、私達を取り囲む無数の
……楽しんでる、のか? この状況を……?
幸い、同時に襲って来るのはせいぜい三体程度な上、連携を取って来る訳でも無いので対処は容易い。だが、
クソが。アイツらが馬鹿みたいな特攻して無けりゃ、この子らもここまで怯えちゃ居なかったろうに……。戦場において最も怖いのは、有能な敵よりも無能な味方、って事か。
心の中でボヤきながら、飛び掛って来た魔猿を切り払う。スキルの使用を極力抑えている為、継戦自体にはまだ余裕があるが、二人を庇いながらとなると、処理速度が間に合わない場合がある。その際にはどうしてもスキルを使って処理する必要がある。スキルを使う毎に魔力は減り、魔力がゼロになると、生物は魔力の急速回復の為に
長い付き合いになる
「はぁ……。ホントに、どうしてこうなったんだか……」
話は、少し前に遡る──。