ペルソナ4をプレイしたあと魔法少女でシャドウと似たようなこと出来ないかと考えて効率を考えて申請されないだろうなと考えた事がある。
3をやった時は魔女結界の特性を利用し人の無意識の穢(悪感情エネルギー)を集める空間を作ってみようかと考えたけどこれも効率的ではないとなった。
どっちもインキュベーターがその気になれば出来るんだろうな
「それで、話って?」
カフェへと移動したさやかと仁美。
意を決したような仁美を前に、なんだか緊張感を覚えるさやか。
「恋の相談ですわ」
「恋?」
「私、さやかさんやまどかさんに秘密にしてきたことがあるんです」
「へ?」
恋の相談、秘密。なんとも青春らしい話だ。
「ずっと前から私、上条恭介君のことお慕いしていましたの」
《わざわざ宣戦布告とは今どきの人間にしちゃなかなか変わったタイプだな》
(彼女は美樹さやかの親友でしょう。その想いを知っておきながら)
《『親友なんだから私の思いくんで諦めてね』とか言うんだったら、相手を引き立て役だとしか思ってなかった昨今の腹黒偽ヒロインみたいだな。失敗する感マックスだ》
(でも志筑仁美は毎回告白成功させ……)
《いやさやかの方だよ。ま、もし言うならだが》
同じ店のテーブルで見つめるほむらの言葉にごんべえは目の前のケーキを食いながらそう返す。
《それがさやかの魔女化の原因になってまどかが願う理由になるなら、お前にとっちゃ自分勝手に見えるだろうが『私が先に好きだったんだから告白しないで話しかけないで』とかいう女は自分勝手だろ》
(それで、美樹さやかが魔女化してもいいっていうの!?)
《ふられたならまあ慰めてやるよ。何もせず諦めるなら、知るか。俺は
ごんべえは人類の味方ではない。人を利用し、エネルギーを得るインキュベーターの一員だ。やり方を嫌っていようと、成果を出しているのは間違いない。
《契約した理由が理由だからな、あのクソの後輩として多少援助はするが自分で出来ることまでやらないなら知らん》
(そう……)
《なんだ? 志筑仁美を殺すか?》
立ち上がりかけたほむらにごんべえがそう念話を送れば思わず固まる。ごんべえの姿が見えない一般人には目を引く美少女が挙動不審な行動をしているようにしか見えないだろう。
《やめとけ、まどかが悲しむ。それこそ死者蘇生すら行えるあいつが悲しめば、くだらん願いを叶えさせられるのは俺だ。お前が止めたところで先輩が来るし、何より行動を起こしたお前の言葉はまどかに届かなくなる》
(ならどうしろって言うのよ!)
《志筑仁美と上条恭介の接点は少ない。志筑仁美が上条恭介の練習姿を見に行ったりコンサートに行ったりはしてたみたいだが……》
逆に言えばそれだけ。頑張る姿を、幸せそうにバイオリンを引く姿を見て生まれた恋に強く意識するのは片方だけ。それでも付き合ったというのなら
《上条恭介は好きだから付き合うんじゃなくて告白されたから付き合うタイプだ。別に最低でもなんでもない、よく居るタイプだ。だから……》
「休校明けの翌日、私は上条君に告白します。丸一日待ちますわ。さやかさんは後悔なさらないように決めてください。上条君に気持ちを伝えるべきかどうか………」
《実質あれは『ウジウジせずに思いを伝えたなら諦めます』と言ってるようなもんだ………あいつの家、元々商家だよな? どっかに武家の血混じってない?》
「そんなことより美樹さやかよ、何度も何度もウジウジと……」
ごんべえは尾を揺らし何も言葉を返せず俯くさやかに目を向け、はぁ、とため息を吐いた。
《何時か俺達に「心がない貴方達に、私達の気持ちなんてわからないでしょう」とかいう魔法少女がいたな。だが実際、友達の思いを大切にしたい心と自分の幸せをつかみたい気持ちがせめぎ合って志筑仁美はこの行動に出て、今のさやかは………あれは「私の気持ちを知ってたならなんでこんな酷いことを言うの」と考えてそう考える自分に嫌悪感》
相変わらずの観察眼を以て、ごんべえはさやか達をそう評価する。
《心ほどお前達が扱えず、お前達の運命を乱すものはねえな………》
(何が言いたいの……)
《何もかも解った気になって行動するのはやめとけ。俺達は統計で心もある程度予想できるが、それだって完璧じゃない。お前がどれだけ繰り返したところで、今回も同じようになるとは限らない。要するに、早まってさやかを処理しようとか考えるなって話だ。恋愛関係で悩むのは
(何を言って………っ!)
『ああ?』
と、ごんべえ達の座る席に何かが飛んでくる。
黒い小さな、丸い何か。禍々しい気配を纏ったそれは、孵化寸前のグリーフシード。
こちらを見て笑う少女の姿が一瞬映り、ごんべえとほむらが店の中から消えた。
「あっれ〜、さやかさんじゃないですか〜」
仁美が去ろうとしたその時、誰かがさやかの名を呼ぶ。振り返ると、少なくとも仁美には見知らぬ少女が笑顔でかけてきた。
年はさやか達と同じだろう。少し背が低く、可愛らしい顔立ち。
「えっと……」
「………はじめまして。さやかさんのお知り合いでしょうか?」
戸惑うさやかを見て、仁美が前に出て少女に声をかける。
「ええ、はいお知り合いですよぉ」
「そうでしたか。私は志筑仁美と申します。ところで、お知り合いと言うにはさやかさんが戸惑っているようですが………」
「ええ〜! やだなあさやかさん、私のこと忘れちゃったんですかあ?」
「え、いや………えっと………お、覚えてるって! その〜……」
「さやかさん、心当たりがないのなら同性といえど警戒しなくてはいけませんよ」
さやかが戸惑いながら愛想笑いを浮かべると仁美はピシャリと言い放つ。金持ちのお嬢様、知り合いを装った人間になにかあったのかもしれない。
「その……ごめん、誰だっけ」
「まあ会ったのあの時だけでしたからね。でも、結構印象に残ってると思ったのに」
「あの時?」
「ほら、病院の屋上で!」
「………っ!」
ヒュッと血の気が失せる。病院、屋上。その言葉に、漸く目の前の相手が誰か思い出す。
魔法少女の真実、新しい魔法少女達と色々あって忘れていた。忘れちゃいけない、要注意人物!
「仁美! 逃げて!」
「遅えですよ、バーカ♪」
優木沙々が開いた手の中のグリーフシードが禍々しく輝く。
景色が塗り替わる。
毒々しい極彩色の天地。無数に乱立する十字架の森に、有刺鉄線のように張り巡らされた鉄の茨。
禍々しい気配に、悪意に満ちた空間に満ちる首のない人形が幾つも転がっていた。
「手持ちが回収できましたからねぇ、この前みたいには行きませんよお」
「さ、さやかさん? これは、一体何が……」
知識はなくともそこが悍ましい場所だと本能で察したのか仁美が怯えたように尋ねる。彼女は何か知ってるようだが……
「くふふ。数が多い奴らを殺すには、弱い奴からってね……」
ギロチンのような、無機物のはずなのに何処か生き物のような気配を纏ったそれに座る沙々はヘラヘラとさやか達を見下ろしグリーフシードを数個投げる。そこから生まれる、魔女の群れ。使い魔も現れる。
「ああ、そっちのは行っていいですよ。関係ないの巻き込んだら織莉子さん怒るんで」
シッシッ、と仁美に向かって手をふる沙々。恭介をムカつくという理由で襲った彼女の言葉を、信用出来ないさやかは直ぐにでも庇えるように前に立とうとし、しかしその前に仁美が一歩前に出る。
「お断りします」
「………はあ?」
「貴方は今、さやかさんを殺すと言いました。さやかさんは私の親友です。なら、私にも関係あります」
「ぷっ! あっはは! 親友!? 聞いてましたよ、その親友の好きな人奪おうとしてるんでしょう? なのに、親友って! あはははは!」
仁美の言葉に沙々は馬鹿にしたようにゲラゲラと笑う。
「どうせお前も自分の引き立て役として見てたんでしょう? 『どうせ告白したって私に敵うはずないのに』とか思ってるんでしょう? 解るんですよ、そういう人間たぁくさん見てきましたからね。この女は私より劣ってるって、思って──」
「さやかさんは素敵な人です! 勝手なことを言わないでください!」
しかし仁美は我慢ならないと叫ぶ。訳のわからない状況、足だって震えているのに気丈に沙々を睨み返していた。
「さやかさんは明るくて、優しくて、お馬鹿なふりをしてみんなを楽しませてくれる素敵な人です! いえ、頭は本当にあまりよろしくありませんが、それを差し引いても素敵な方です! 何も知らないくせに!」
「は、はあ? だったら何でその女から男を取ろうなんて考えてんですか?」
「………まだ、お二人は付き合っていないから。ええ、付き合っていたなら諦めも付きました。祝福だってしてみせます。きっとさやかさんなら、上条君を幸せにできるでしょうから」
「仁美……」
「はっ、くっだらない。その結果あんたは? 好きな男はその女のもの。そうなるぐらいならさあ、見棄てなよ。あんたが殺すわけじゃないんだから罪の意識だって生まれませんよお」
「親友を見捨てろと、その提案を受け入れろと………貴方、友達がいないんですのね」
「───死ね!」
沙々の叫びと同時に魔女や使い魔が一斉に襲いかかってくる。
訪れるであろう死に思わず仁美が目を閉じ、しかしザシュ、と鈍い音が響くも痛みはない。
「………?」
「仁美! 逃げるよ!」
「え、さやかさ……!」
目を開き映ったのはテレビで見る魔法少女のような、けれど少し露出の多い服を着たさやか。
さやかは仁美を抱えると人間とは思えない速度で駆け出す。
「待て! 二人まとめて仲良くミンチにしてやる!」
背後から沙々の怒号が響く。魔女や使い魔がおってくる。この結界の使い魔であろう使い魔は、初期位置がそもそも結界内だからか前からも現れた。
「こんの、邪魔だあ!」
無数の剣を生み出し飛ばす。この程度の使い魔なら、それで十分。使い魔だけなら……
「さやかさん、右!」
右通路から飛び出してくる、愛くるしい人形。仁美を庇うため肩で受けたさやかだったがそのまま吹き飛ばされる。
「っ! さやかさん!」
地面を転がり、離れた場所に倒れたさやかに駆け寄ろうとして、使い魔の一体が襲いかかってくる。
「っ!!」
が、さやかを蹴り飛ばした人形がその使い魔を殴り飛ばした。
「てめえ! 何のつもりだ京!」
「だ、駄目だよ沙々ちゃん。関係ない人巻き込んだら!」
沙々が睨んだ方向から現れた気弱そうな少女。会話からして、仲間なのだろう。さやかも良くわからない力を使っていたが、この二人も恐らく普通ではない力を持っているのだろう。
怪物だってまだまだ居る。
「っ……うぅ………」
「さやかさん! 立って、走れますか!?」
「あ……!」
「ああ! ほら、てめえのせいだぞ!」
仁美は鞄を投げつけさやかに駆け寄ると手を取り走り出す。十字架の森の中に逃げ、体の大きい怪物達は鉄の茨に遮られ直ぐには追ってこられない。
「さ、さやかさん大丈夫ですの?」
「うん、なんとか……」
そうは言うが、肩は紫に腫れ上がっている。恐らく骨も………
「仁美だって酷い怪我じゃん」
さやかはそう言って茨に引っ掛けきれた仁美に手を向ける。傷口に楽譜のような円が現れ、傷があっという間に治った。
「おお、出来た………」
さやかはふとごんべえの話を思い出す。
過去にもユウリという少女が親友の治癒、彼女の場合病気の治癒を願いごんべえと契約したらしい。その魔法少女は他人を癒やす魔法が使え、数多くの人々を癒やしたのだとか。恐らく似た願いのさやかも同様のことができるはずと言っていた。
あの時のごんべえは何やら不機嫌そうに空を見ていた。喧嘩別れしたとか言ってたっけ?
「………傷は、なくなりましたけど服は………血も。ねえ、さやかさん。これは夢じゃありませんよね? これは、一体。あなたは一体……」
「あ、えっと………」
『ここは魔女の結界。そして、さやかは魔法少女さ』
さやかが返答に困っていると、ふとそんな声が聞こえた。さやか達が振り向くとそこにはキュゥべえが1メートルほどの十字架の天辺に立っていた。
仁美はみたこともない白い珍獣が人の言葉を発したことで更に戸惑う。
「え、って………見えて? なんで………」
『はじめまして志筑仁美。僕はキュゥべえ、さやか達のような適性のある子と契約して魔法少女にするのが仕事なんだ。君は本来素質は足りなかったけど、今この状況における精神性が、素質を満たした──』
キュゥべえは何時もと変わらぬ口調、表情で仁美に話しかける。
『さやかを助ける力を、君なら手にできる。だから、僕と契約して魔法少女になってよ!』
「お断りします」
「駄目! ひと………え、あれ?」
『まだ詳しい説明をしてないんだけど………』
即答で断った仁美にさやかも、珍しくキュゥべえも困惑した。
「この状況の私達に、あなたは全く
『そんなことはないよ。ここでさやかが死ぬのは僕だって避けたい事だ。それは君も同じだろう? どのみち、さやかじゃあの二人には勝てないよ。なら、少しでも逃げられるよう足手まといの君が力を手にするべきじゃないかな?』
「っ!」
足手まとい。それは、間違いなく事実だ。人の身を超えた身体能力を持っている魔法少女とやらになった親友ではあるが、それは向こうも同じでしかも怪物を引き連れている。
『だからね、やっぱり契約したほうがいいと思うんだ!』
と、その時バキバキと遠くから音が聞こえてきた。その音は、ものすごい速さで近づいて来る。
「みつけた!」
鉄の身体を持つ巨大な魔女が鉄の茨も十字架の森も纏めてなぎ倒しながらあらわれる。その頭には沙々と京。
逃げ場は、ない。あれでは茨を気にしながら走ってもすぐに追い付かれる。
『あれは群れの魔女だな。性質は成り行き。周りに合わせる考えなしの魔女だ。人を殺す使い魔に流される、使い魔に従う魔女』
「どれが本体!?」
無数の黒い魚のような使い魔の群れ。その中に魔女が居ると言われ、機関銃で削っていくほむらは説明しているごんべえに尋ねる。
『臆病で責任を負いたくないからな。中央のどれかだ』
手榴弾を投げつけるも削られたのは表層の数十匹。
黒い巨大な砂嵐のような群れには大した痛手にはなっていない。
「このままじゃ、美樹さやかが!」
『まあさやかの方は大丈夫だろ』
「何を根拠に!」
『あいつ等の席の近くに、あいつ送っといたからな。気付いてたか? あの店、客は一人もいなかった』
何を、とほむらが魔女の魔力に当てられ倒れている客に目を向ける。赤い燐光を残し、客が消えた。
「全く、見てらんねーっつーの」
さやかと仁美に迫る魔女と使い魔の群れ。それらが一斉に、槍に貫かれる。
「誰だ!?」
「これから死ぬ奴に名乗ってやるほど優しくねーよ」
沙々の叫びに挑発するように槍の石突に立つ赤い髪をなびかせた魔法少女。その言葉に沙々が魔女を放つが、擦り抜ける。
「っ! 幻覚!?」
「はい、おしまい」
目を見開く沙々の後ろから声が聞こえると同時に槍で殴り飛ばされ、指揮者が居なくなり固まる魔女達をギロチン姿の魔女を残して無数の槍が貫く。
ギロチン姿の魔女も鎖で縛られ動きを封じられた。
「あんた………佐倉杏子……」
「杏子でいいよ。同い年だろ?」
クルリと槍を回し、赤い魔法少女、佐倉杏子は得意げに笑った。
心あるが故に求め
心あるが故に拒み
心あるが故に笑い
心あるが故に争い
心あるが故に信じ
心あるが故に裏切り
心あるが故に願い
心あるが故に諦め
心あるが故に挑み
心あるが故に破れ
心あるが故に進み
心あるが故に迷い
心あるが故に与え
心あるが故に奪う
心 心 心
お前達が尊いと仰ぐそれこそが、人の世に蔓延る間違いの要因
ごんべえ心のポエム
首切りの魔女。その性質は断罪。
悪を許さず裁きを与える魔女。結界に捉えたあらゆる罪人を断頭台に立たせその首を切り落とす。
首切りの魔女の手下。その役割は冤罪。何か失敗するたんびに首を切られている。魔女が己の正義であるという欲を満たすために罪人として首を斬られる。
因みに生前は正義と数を盾にいじめを行っていた。
いじめられる方が悪い、あいつ何だか気に入らないよね、といった空気ってあるよね。それを作る人間の一人。空気を作るだけで実行はしない小心者。トイレに顔突っ込まされるのを見て笑うけど自分では殴ったりもしない。
スケープゴートにされ、いじめの標的になった末にキュゥべえに「正しく罰を与えられるように」と願った。何いってんだコイツ。
まあその願いも厳密には「私は悪くないから他の奴が責められろ」というものの訳で、固有魔法は「扇動」。
自殺者が出ようが責められない状況に酔って魔法の使いすぎで魔女になった。
要するに結界に捉えた罪人の罪もこの魔女の気分で決まる。ごんべえには知り合いの発明品をくだらぬ思想で真似たゴミクズと認識されている。
本編後
-
マギレコでも魔法少女を誑かす
-
たるマギで家族3人でフランスを救う
-
たむらの旅につきあわされる