性格の悪いインキュベーター   作:超高校級の切望

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人間らしく、欲深く、浅ましく、愚かしく

「ご、ごんべえ大丈夫なの?」

『大丈夫なんだな、これが』

 

 心配するまどかの言葉にごんべえはその場でピョンピョン跳ねたりごんべえタワー(キャットタワー)に登ったりごんべえホイール(ハムスターとかのあれ)を走ったりして不調がない事を示す。

 

「で、でもほむらちゃん。酷いよ、あんなのあんまりだよ……」

「まどか………!」

 

 まどかの前に立ちほら、と後ろ足で立つと。本当に大丈夫か確認するために抱え、抱きしめると非難するような視線を向けるまどかにほむらは顔を歪める。

 

『あれだけ気丈に振る舞って、憎まれるのも嫌われるのも覚悟の上ですって顔してたわりにゃぁ傷つきやすい奴だ。半端な覚悟で俺の前に立つな、不愉快だ』

「貴方に、何が……!」

『解らんね。解る気もない……お前達人間は何時もそうだ。言葉の違い、海を隔てている相手、なんてのは勿論所属する組織、その中の小さなグループ間ですら嫌い合うこともあるくせに、理解しようともしないくせに自分の不幸を誰かに理解してもらわなくちゃ気がすまねえ』

 

 ケケケ、とまた笑うごんべえ。人を理解し嘲笑する獣の姿をしたその生き物に、傍観するマミ以外の少女3人も思わず黙り込む。

 

『それともなんだぁ、慰めてほしかったんですかぁ? 辛かったね、もう大丈夫だよって。わーってるわーってる。お前もまだ子供だもんなあ、本心では甘えてえよなあ。ぞんぶんに甘えろよ、俺以外の誰かに』

「ごんべえって、もしかして性格悪い?」

『何を今更。魔法少女のマスコットなんざどいつもこいつも力無いことを言い訳に年端もねえ少女を戦わせる性根の腐った生き物だろうが』

「いやいやそれ偏見! …………あ〜、でもそう言われるとそうでもない気が……うん、少なくともあんたの性格は悪い」

 

 さやかはうんうん、頷きまどかもあはは、と苦笑い。

 

『さて話を戻すが俺等の得、だったな? まあかなりショッキングな内容も含んでるんで一部は隠そう。マミも知ってる範囲の一部にしかならねえがなあ』

「………巴マミ」

「そうね、私は全部知っているつもりよ。魔女が何処から来たのか、とかもね」

 

 ごんべえの言葉にマミを見つめるほむら。意図を察したのかマミは目を伏せながら応えた。

 

「その……さっきから言ってる魔女ってなんなの? 魔法少女とは違うの?」

 

 魔法少女達の間では当たり前の単語も関わり始めたばかり故に知らぬさやかは挙手し尋ねる。

 

『魔法少女が願いと希望から生まれるなら、魔女は呪いと絶望を振りまく。お前等が迷い込んだのは魔女の巣だ。魔法少女の素質がなけりゃ呪に当てられて正気を保てなかったろうな』

「普通の人間にはその姿を見る事が出来ないし、仮に出来たとしても対処しようがない」

『人の負の感情を増幅させて死にたくさせたり攻撃的にさせたり、後は普通に殺したり。その際の絶望や怒りを喰らい、使い魔を生む。生まれた使い魔は結界の中で育つうちに似たような機能を持ち始めてやがて魔女に成長するわけだ』

 

 そして魔女になった個体が使い魔を、と繰り返し絶望は広がる。対処しなければ、どこまでもどこまでも広がりやがてこの星を呑み込むだろう。

 

「そんなやばい奴らがいるのに、なんで誰も気づかないの?」

『だから見えねえんだって。それに例外を除きゃ、今の魔女が直接人を襲うのは結界の中だけでだからな。昔は外に連れ出す奴もいて、各地の伝承に残る怪物なんかの一部が魔女だ』

「結界は貴方達が迷い込んだ迷路のような場所よ。結構危なかったんだから」

 

 マミの言葉に顔を青くする2人。先程の光景を思い出しているのだろう。悍ましく、恐ろしい魔女の結界の中を。

 

「てか、今更だけど何で転校生はまどかを狙ったわけ。おかげであんな場所に……」

「ほ、ほむらちゃんのせいじゃないよ。ごんべえ……の、えっと………仲間の声に私が反応しちゃったから」

『ああ、先輩ね。まあ俺も先輩も良く狙われたからなぁ、主に俺は巻き添えだがなあ』

 

 さやかがほむらを責めるように睨みまどかが諌める。当の本人は気にした風もなく、それがますますさやかを憤らせる。

 

「私は、貴方達を魔法少女にさせない、それだけが目的よ」

「何よそれ。それがわかんないだって、何であたし達が魔法少女になるかならないかをあんたにとやかく言われなきゃならないの!」

『魔法少女は魔女を倒した見返りを得る。それは有限。それを巡って魔法少女達は縄張りを決めるのさ。そこを決めずに魔法少女7人ぐらいのチーム作った結果一人先輩方の望む魔法少女の責務を果たして死んだし、まあ被ればベテランが生き残るって訳じゃねえからその街に魔法少女を増やしたくねえだろ』

「し、死んだって……で、でも! 皆でキチンと力を合わせれば……!」

『死ぬよ。詳しくは契約の直前に最終勧告として教えてやるよ』

「………貴方は、魔法少女を増やしたくないの?」

 

 さやかの言葉に対して言外に魔法少女になりたいと言ったら思いとどまらせるとも取れる発言をしたごんべえにほむらが尋ねる。

 

「あの……見返りって、結局何なんなの?」

『何でもかんでも人に尋ねる。教えてもらえると思ってんのか? 魔法少女の回復アイテムってところだ』

「……教えるんだ」

「魔法少女の回復アイテム……なんか便利」

『ここでだぁれも疑問に思わねえのが疑問なんだよなあ。なんで魔女が落とすものが魔法少女の回復アイテムになるのか……』

 

 さやかの素直な感想に後ろ足で首をポリポリ掻きながら呟くごんべえ。さやかとまどかは確かに、と目を見開きほむらは盾に手を添える。どうでも良いけど彼女、警戒してかこの格好で来たんだよね。痛いコスプレ少女の格好で……。

 

「確かに。ん〜、でもそこはほら、魔法少女達にやる気出させる為に魔法少女をそうしたとか?」

『まあ概ね間違いではねえな。そもそも魔女の発生自体、俺等としては計算外だったし』

「? なんか、その言い方だと魔女の誕生にごんべえ達が関わってるみたい」

『その通りだ鹿目まどか。魔女の生まれる原因は俺達がこの星に持ち込んだ。んで、最初の魔女を解体して解析して、今の魔女になるように改良した』

 

 え、と言葉を失う。言葉の意味が、分からなかった。すぐに理解できなかった。

 人を呪い、狂わせ、数多の命を奪う魔女。聞くだけで恐ろしく、襲われかけた恐怖も知ってるそれを持ってきたのが、ごんべえ達?

 魔女を倒す為の力を与える筈の彼等が、何故。

 

『お前達人類と契約する際に得る俺達の得は、エネルギーだ』

「え、エネルギー?」

『エントロピーつってな、焚き火で熱を得るには、木を育てる労力を必要とするだろ? エネルギーは形を変える際ロスが生じる。宇宙が広がる分だけエネルギーが必要になるのに目減りする一方。何時か底を突く。その先はあらゆる生命は誕生はもちろん、生存も不可能。そのために俺達はエネルギーを求めた。最初は色々やってみたさ、発電、人工恒星、熱を生み出し続ける人造生命体、生命力を宇宙に還元するために知性体の居ない星を滅ぼしたり………そのどれも、エネルギーを生むためにコストを必要としたがな。しかも得られたエネルギーはその瞬間に圧縮してるだけ。その一瞬は得してるようでも長い目で見りゃ損してる』

 

 無駄なエネルギーを使い、寧ろほんの数秒とはいえエントロピーを加速させた。

 

『そんで次に目をつけたのが熱力学に縛られない、元素で構成された次元には存在しない、精神……魂、要は感情をエネルギーにしてみようって事になった。なった、が俺達の中で感情ってのは稀に起こる精神疾患。探求の邪魔になるなら処分する腫瘍細胞みたいなもんでな………ま、役に立つなら残すがな』

 

 言外に俺達には感情がありません、と言われ、まどか達はまたも動揺する。だとするなら、助けを求めたあの個体は稀に現れる精神疾患………感情を持っていたのだろうか?

 

『おまえたちが認識できないだけで、感情の力は凄まじい。再び歩けると信じて再生しない器官を再生、もしくは代替器官を作り歩けぬ者が歩き、懸命に声をかけ続け植物状態から戻ったり、肉体の限界を超えたり……ああ、後苛ついている奴がいると不安になるだろ? あれも負の感情エネルギーが波動となって現れるからだ』

 

 ごんべえは何時のまにか、まどかの腕から抜け出ていた。無機質な赤い瞳が、さやか達を捉える。

 

『俺達がお前達から感情エネルギーを集める瞬間は3つ、一つは願いを叶える時。叶えたい願いに対しての感情エネルギーはそりゃもうすげえ、正直引く。その膨大なエネルギーを極僅かにしか顕在出来ないお前等に変わって俺等が制御し、願いに沿った形に変える。その結果、魔法少女個人個人、願いによって千差万別の固有魔法に目覚める。んで2つ目……きゅぺい!』

 

 ペッ、とごんべえは口から黒い球体に針が生えたモノを吐き出す。

 

『魔女の卵のグリーフシードにソウルジェムの穢を吸わせ、生まれそうになったのを回収し蒐集した負の感情エネルギーを取り込む事。これは何も魔法少女を介さなくても、場所によっちゃ勝手に周囲の負の感情吸って孵るパターンもあるな』

「そ、それって………人を魔女に襲わせて、その時の恐怖を利用して宇宙の寿命を伸ばしてるってこと?」

『イグザクトリー』

「ふっざけんな! なんなのよ、それ! あたし達を家畜か何かと思ってるわけ!?」

『おかしな事を言うなぁさやか。人類は何時から言葉の通じる牛や豚に「貴方達はこれから殺されてスーパーとかで売られるから美味しく大きく育ってね」なんて言うようになった。これでも尊重してるつもりだぜ俺達は』

 

 さやかの言葉にごんべえをはやはり嘲笑するようにケケケと喉を鳴らす。

 

『それが嫌ならさっさと帰れ、と言いたいところだがなあ………願いを叶える手段がある、ってのは存外お前達には甘い蜜になるらしい。今以上の地獄を知ってなお、飛び込む愚か者もいる。そこのまどかみてえにな』

 

 と、ごんべえがまどかを見るとまどかはビクリと肩を震わせるも、真っ直ぐにごんべえを見返す。

 

「ご、ごんべえ……どんな願いでも叶えてくれるんだよね? なら、私の願いは、この宇宙のエネ……」

『やなこった………』

 

 がぶり

 

「痛い!?」

 

 まどかの願いを聞き終わる前にごんべえがまどかの拳に噛みつく。反射的に腕を振り上げるも手足を使い離れない。

 

「痛い痛いごんべえ! 爪立ててる! 爪立ててるって!」

 

 ブンブン振り回し漸く離れる。マミはそっと絆創膏をまどかに渡した。

 

『宇宙のエネルギーをどうにかしてくれって願う気だったろ、馬鹿かてめぇ。そのエネルギーが一人じゃ賄えねえから色んなガキと契約してんだろうが』

「そっか………そう、だよね」

『まあお前の場合数億年単位は賄えるからその間に他の知的生命体探す交渉も出来るけど』

「え?………あ、ならなんで!? 私の願いを……!」

『嫌だ、断る。断れないからそのクソくだらねえ願いを言おうとするたび噛み付いてやる』

 

 くわ、と牙を剥き出すごんべえ。まどかはヒッ、と後退る。

 

「どういうつもり……」

『何だぁ、ほむら。急に会話に戻ってきたな。傍観を決め込むかと思えば中々どうして冷静さを取り戻すのが早いじゃあないか』

 

 ほむらの鋭い視線に堪えた様子もなく、ごんべえは虚空を見つめる。

 

『宇宙の存続など俺にはどーでも良い。俺達とて、予期し得ぬ事態で母星が吹き飛べばそれで絶滅する儚く脆い生き物だ。現時点でも何万年も先の終わりなど気にするより星の寿命が尽きないか常に観察する方がまだ建設的だ。いやまあ、してるけど』

「さ、さっきと言ってる事違くない……?」

『先輩方は働き者でね。対して俺は怠け者。精神疾患患った欠陥品だからな。こんな後進星に関わる気なんざ最初はなかった。心を理解しているから、なんて理由で連れてこられて最初の数千年は死んでもすぐにバックアップ』

 

 使命などどうでも良いと言わんばかりの態度にほむらは開いた口が塞がらない。

 

『未開の猿どもも何時か仲間入りするから丁重に扱おう? 馬鹿か、何万年先の話だよ。永遠に生きるから永遠に先について考えようなんてかったるくて仕方ねえ』

「あ、貴方も感情があるの?」

『ああー? 俺以外に感情のある個体にあったのか? 何時? そいつは何とも、ついてるなあ』

 

 まどかの言葉に、お前に助けを求めた個体は感情が無いと言葉にせず伝えるごんべえ。

 

『ま、俺も永遠を生きる身。宇宙が続いてきゃいいな、とは確かに思うがなあ』

「あんたに感情があるってんなら、何であたし達を家畜扱いできんのよ!」

『人は幸福を与えられるのは当然と思い、不幸が与えられる事を不当と思い込む。俺達は確かに望みを叶えてやった。その後の扱いに文句を垂れるなら、最初から過ぎた幸福なんざ願うな』

「っ! で、でも………契約してない人だってたくさん魔女に殺されたんじゃないの!?」

『殺されたなあ。だが、魔女の発生は本当に予想外だった。そも誰かを呪うなんて事自体、先輩方にゃ理解できねえ。感情エネルギーを実体化させたら何か生まれて、効率が上がったから利用しただけ。最初の魔女は自然発生じゃなく、人類が生み出した。てか、今なお増え続ける魔女の原種の殆どが人の悪意によって生み出されてるからなあ………ま、そこまで言うなら使い魔が魔女化するのだけは何とかするよう上にかけあってやろうか? 大損をするのは魔法少女だけだが』

「………エネルギー回収の、3つ目は?」

『魔法少女になる気になったら教えてやるよさやか。それを聞いてなお、魔法少女になるって自分で決めたなら、俺を恨まんだろうしなあ。多いんだよ、俺達を殺そうとする魔法少女』

 

 さやかの言葉にほむらを見るごんべえ。ほむらは当然でしょう、と睨み返した。

 

「ごんべえ、私の質問に、答えてないよ。なんで、私の願いを叶えてくれないの……?」

『幸福を望めば不幸になる。そして、人は不幸になった事だけ嘆きやがる。一生に一度だけ、どんな願いも。それは自分では一生叶えられないと思うから願うんだろ? その対価を一生背負う事を何故か嫌がる。そして、他人の幸福を願えば他人の不幸も背負う。本人が得た幸福に不幸が釣り合わねえ………それを良しとする人間が気持ち悪くて気色悪い。不快で不愉快、お前はお前の為に、人間らしく、欲深く、浅ましく、愚かしく願え』

 

 テペチと肉球でまどかの額を叩くごんべえ。まどかは、微かに微笑む。

 

「ごんべえって、優しいんだね」

『うわ、気持ち悪』

「ええ〜」

「いやいやまどか、何処をどうしたらそういう答えになるの!? 此奴は……!」

「だって、エネルギーの回収するだけなら私が願おうとしてたことが一番効率がいいはずでしょ? だけど、他の魔法少女の幸せを願ったぶん、不幸になるぞ、って……」

「そもそも魔法少女を不幸にしてるのがそいつじゃん………」

「………私は、少なくとも今は幸せよ」

 

 と、マミまで擁護し出せばさやかは何も言えなくなる。

 

『魔法少女を不幸にするのは何時だって人間だろ。情報知って絶望する奴もいるが、俺は少なくとも全部教えてやってるからなあ。文句は先輩方にどうぞ』

「…………あんたは、人類をどう思ってんのよ。何でわざわざ、契約できなくなるかもしれないのに教えるの」

『昔っからの癖だ。火の使い方、石器の作り方、粘土の掘り方、加工方法……猿同然のお前等人類に知恵を授けて言葉を与えてやったのは俺だぜ?』

「……あんたはあたし達の敵なの、味方なの?」

『んなもん決まってる。俺達は宇宙の味方で、人類(お前等)の敵だ………』

 

 目を細め嘲笑するごんべえ。何とも言えぬ空気が場を支配し、マミがパン、と手を叩く。

 

「難しい話はそこまで。これからの話をしましょう?」

「これからなんてないわ。彼女達は魔法少女にならない、それでいいでしょう」

「でも、ごんべえが言ってたように願いを叶える手段があると知っていれば、魔が差すこともあるわ」

 

 と、マミはまどかとさやかを見る。

 

「魔法少女が闘う宿命にある魔女、その恐ろしさを知って、それすら宇宙の薪にされていると知っているかいないかじゃ、契約に対する重みが違う」

「それは………」

「暁美さん……貴方、彼女達にキュゥべえが近付かないように四六時中見張れる? グリーフシードを集めたりもしなきゃいけないのに」

「………………」

 

 マミの言葉にほむらは黙り込み、唇を噛む。

 

「無言は答えよ。暫くは、守れる範囲で見守って、彼女達に決めさせましょう。魔女を知り、己の役目を知り、その上でごんべえが真実を教えてなお契約したいと願うなら、それは私達に止める権利はないのだから」

「っ! 絶対に契約なんてさせない! させるものですか! 例えその覚悟を踏み躙っても……!」

「………そう、優しいのね…………それはそれとして、魔法少女の体験はした方が良いと思うわ」

「あれを知っても、する者はするわ」

「貴方はその地獄に飛び込めた。でも、全員が全員そうじゃないの」

「………………」

「……………」

 

 睨み合う両者。震えるまどかとさやか。ゲームを再開するごんべえ。

 

「………解ったわ。そのきゅ……ごんべえは少なくとも、あの事を話さないなんてことは無さそうだし、あれを知って契約するとは思えない」

『ん? 呼んだか?』

「ええ、ごんべえは余程切羽詰まってない限りはきちんと説明してくれるわ。それとごんべえ、暫く鹿目さんちに泊まってくれるかしら?」

『え、やだ』

 

 銃声と共にごんべえとゲーム機に穴が開く。

 

『任せろマミ。ま、俺が居りゃ先輩方も余計なちょっかいはかけてこねえだろ。少なくとも、契約を断る事は俺も出来ない。先輩方も望まぬ契約は強要できない』

 

 つまりごんべえが近くに居れば、キュゥべえも契約の為に近づく、などはしない。契約できる個体がいるのに他の個体まで持っていくのは無駄だからだ。

 

「それだと……」

『俺と契約するかもってか? それは俺の責任じゃねえ。あれを聞いてもなおやるなら、お前が何しようと止められねえよ。それよりマミ、ちょっと携帯かせ』

 

 と、ごんべえはマミから携帯を借りると操作し電話帳からコールをかける。

 

『よお俺だ。暫く逢えねえ………あ? 別にお前がなにかしたわけじゃねえよ。仕事だ仕事……何時まで? さあ………終わったらまたあってやるから、じゃあな』

「連絡は終わった?」

『ああ、明日ゲームする予定だったのに』

「………相手は」

『素質はあるがまだ契約はしてねえよ。今んとこ願いもねえみたいだし、ただのダチだ』

「てかなんでマミさんの携帯で……」

「? 私の携帯に入ってる番号、親戚除けば全部ごんべえのお友達の女の子のしかないし」

「……マミさん、あたし達と連絡交換しましょう」

「え? それは、もちろん良いけど………ええと………ごんべえ、やり方解らないから代わりにやって貰っていい?」




ごんべえ図鑑
□ごんべえヴォレ
サラツヤフワフワの毛皮。毛並みの良さは毎日の手入れの成果。ペットショップで成分を調べ時には人間用のも使う
□ごんべえケルパー
普段はれっきとした骨格と筋力の弾性を持つが死ぬと回収しやすいように柔らかくなる。死なないのでこの機能に意味はない。味は牛乳プリン
□ごんべえナーゲル
短いがそこそこの強度を誇る歪曲した爪。壁の凹凸に引っ掛けどんなところも登るぞ! なお、同類の中で所有している者はいない。主に自販機下の硬貨を取るのに使われる
□ごんべえシュトースツァーン
全インキュベーターの中でごんべえのみが獲得した牙。結構鋭く、噛まれると痛い。主に柔らかくなっていない生きた同種を噛み殺すために使われる。
□ごんべえアオゲ
真っ赤なお目々。同種に比べ目の周りの筋肉が柔軟で、主に嘲笑の際に弧を描く。偶に鋭くなる。
□ごんべえリュッケン
グリフシードを取り込むために開く。自販機の下で拾った小銭も格納されている
□ごんべえシュヴァンツ
ごんべえの中で一番ふわふわの部位。3歳児に涎でベトベトにされたので良く洗った。

感想待ってます

本編後

  • マギレコでも魔法少女を誑かす
  • たるマギで家族3人でフランスを救う
  • たむらの旅につきあわされる
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