性格の悪いインキュベーター   作:超高校級の切望

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殴れば良いと思うわ

 放課後になり、まどかとさやかは魔法少女の体験としてマミとほむらとともに、一度ジャンクフード店に入る。周囲に音が漏れないようにマミが結界を張ったので堂々と魔法少女談義を行う。

 ごんべえはポテトを食べていた。

 

「それじゃあ、魔法少女体験コース第一弾。出来るなら、これで諦めてくれることを願うわ」

「やっぱ、マミさんも反対なんですね」

「ええ」

「まああたしもあんな話聞かされて、素直に魔法少女になる、なんて言いませんけど見方を変えれば願い叶えて人助けも出来るんですよね」

「貴方の知らないところで魔女の存在も関係無く、人の命が脅かされたりしている。存在を知ったからって魔法少女になる必要はないはずよ」

『テレビの向こうで被災地が映されても助けに行くなんて選択肢が出ねえガキが心の底から人助けなんて考えるかよ。単に自分は自分の為に願った訳じゃありませんアピールだ』

 

 さやかの言葉にほむらは冷たく返し自分のナゲットに伸ばされたごんべえの手からナゲットを遠ざける。

 

「転校生、ほんとやな言い方するよね。ごんべえも」

「こんな奴と一緒にしないで」

『こんなガキと一緒にすんな』

 

 ほむらとごんべえは指と尻尾でお互いを指しながら文句をいう。ほむらは何処からか取り出したコンパスを突き刺そうとするがごんべえがヒラリとかわしまどかの肩に乗る。まどかを巻き込む攻撃が出来ないほむらが悔しそうに顔を歪めごんべえがケケケ、と笑う。

 

「はいはいそこまで。暁美さん達の言い方はともかく、人助けに関しては私も同意見。今この瞬間にだって、誰かが死んで魔女に殺されている。全てはどうしたって守れない、手の届く範囲で守れるけど、だからといって守る側に立つ必要はない」

「………守りたい人達が、居てもですか?」

 

 マミの言葉にまどかは恐る恐る尋ねる。

 

「守りたい人達が居て、その人達を殺しちゃうかもしれない存在を知ってて、私には守る手段があるのに………力に手を伸ばしちゃ、いけないんですか?」

『それがお前にとって今後の人生全てを差し出すに足るなら、魔法少女の最後の秘密を教えてやろうか?』

「っ! まど──!?」

 

 立ち上がりかけたほむらだが、何時の間にかリボンによって拘束されていた。

 

「貴方、何のつもり!?」

「ここで変に止めて、キュゥべえ達に真実を知らされないまま契約されるより、ごんべえの説明があった方が良いでしょう?」

「っ! あんな真実、知る必要なんて………!」

「あるわ。少なくとも、契約してしまう可能性があるのなら」

 

 その言葉にほむらはマミを数秒睨み、体から力を抜く。マミもリボンを緩めるがいつでも拘束できるように腕に絡みつかせたままだ。

 

『ただまあ、先に言っとくがお前の想像する一生なんて、想像より短くて、現実は想像より長い。不死の俺等なら僅かな時でもお前の10と少しの経験からじゃ明日だって遥かな未来だろうよ』

「え、と……どういう?」

『お前達人間は、たかだか数十年の寿命を正しく認識出来てねえってことさ。一生戦うなんて威勢良く吠えて、数年、早けりゃ数ヶ月で音を上げ絶望し、平穏に生きる者や俺を呪うなんざ珍しくもねえ。想像しろ鹿目まどか。中学を卒業し、高校に入り、やがて大人になったその時も、戦い続けるお前の姿を………ちなみに想像したと言ってた奴も、本気で想像しきれてない奴等はそれなりに居た』

 

 つまり想像して、それでも契約すると言ってもごんべえは早まった愚かな行為と断定するのだろう。その上で、契約自体はごんべえにも拒否できないが。

 

「………ごめんなさい、考えなしだった」

『解かりゃ良いんだ。お前程の魔法少女に追い回されたらこちらとしても堪ったもんじゃないからな』

「そ、そんなに怖い……?」

『性格じゃなく力の話だ。俺と先輩方の方針は違う。魔女の集まり方にもよるが、俺は一つの街に対して縄張り争いが起きない程度にしか契約しねえ。マミは魔法少女の中でも強い部類だから、この街には一人でいいって考えだ。逆に先輩は縄張り争いが起きてソウルジェムが割れるとしても数を揃えりゃ問題ないって考えだ………』

 

 家畜で例えるなら喧嘩して死んでも肉になるなら良いかのキュゥべえと得られる餌に対応した数しか家畜を用意しないごんべえといったところだろう。

 

「それは……貴方達の目的としてはどうなのかしら」

『言ったろ? 俺は宇宙の延命なんて興味ねえのさ』

 

 

 

 

 ソウルジェムは魔女の魔力に反応し光る。その光の明滅を頼りに足で探すのが魔法少女だ。

 

「なんか地味ですね。便利な道具とかないのごんべえ」

『作れねえ事はねえが、魔女が人喰ってた方がエネルギー回収効率がいいんだ。わざわざ作るメリットが俺達にゃねえ』

「………ごんべえは、やっぱり私達の敵なんだね」

『そう言ってんだろ、何度も』

「でも……タツヤとも遊んでくれたし」

『お前達だって動物園いきゃ、馬に乗せてもらったりするし、牛や豚に餌やり体験とか、やる際に撫でたりするし、人を襲う熊でも子供なら撫でるだろ』

 

 つまりはそういうこと。

 優しいということがそのまま味方であるという理由になりはしないのだ。

 

『食肉にする家畜を愛玩する趣味はねえよ、お前等人類、種族の値で見りゃ相当愚かな生き物だしな。だからといって個人個人を、ましてや頭の良い野生動物程度のガキまで嫌ったりはしねえさ』

「弟を野生動物って言われて、私どんな顔すれば良いのかな……」

「殴れば良いと思うわ」

 

 と、マミ。満面の笑みだった。

 

「踏みつけるのもありね」

「………ご、ごんべえはこれまでどんな魔法少女と契約してきたの」

 

 まどかは話を変えることにした。

 

『俺が契約してきた魔法少女? 色々いたからなあ……まだ全身に体毛持ってたお前等の祖先の時代から関わってたんだぜ?』

「改めて聞くと凄いな………じゃあさ、あたし等が知ってる歴史の人物で、実は魔法少女だった〜とかは?」

 

 足で探すのに飽きてきたのかさやかも割り込んでくる。ちなみに彼女、学校の備品のバットを勝手に持ち出している。

 ごんべえの契約対象と聞き、マミが僅かに肩を揺らす。

 

『俺と契約した有名所ねえ………ああ、日本なら卑弥呼とか』

「お、知ってる。日本のなんか凄い人!」

『後は鈴鹿御前、巴御前、宮本武蔵だろ………望月千代女に阿国、有名人ってほどじゃねえが信長と婚約する為に父を洗脳してた帰蝶に、信長の死を願って歴史に大きな影響を与えた市姫。村正の衰退を願った鍛治師の娘も居たか。あとは清姫に五月姫……ええと……ああ、葛の葉とか……』

「………んん? 何か、男の人も混じってなかった?」

『あ? 太古ならまあ男でも契約してたが歴史に残るレベルとなると日本にゃ居なかったぞ? んで、海外なら一番有名なのはタルト…いや、印された名はジャンヌ・ダルクか。ああ、ナイチンゲールやクレオパトラ、楊貴妃とかもか。マイナーだとマタ・ハリにシャルロット・コルデー、モルガン………後変わり種で妲己……』

 

 思った以上に人間の歴史に関わってきた人物が多かった。知らないのも居たけど。

 

「変わり種って?」

『妲己は感情エネルギーを放つだけの知能を持った狐だった。数万年ぶりの言語を解さぬやり取りだったが、思ったより頭が良くてな。人間を従わせる容姿を望んで、目的をほぼ達成しやがった』

「動物も……?」

『流石にあの一匹だけだったがな』

 

 つまり動物では人類の代わりたり得なかったのだろう、とほむらは肩を落とす。

 

『いま狐ならエネルギーにしていいと思ったろ? それが、俺からお前等への感情だよ』

「ていうかあの、さっき日本で契約した中にあった名前………宮本武蔵って………女だったの?」

『あ? ああ、そういやアイツ男として記されてたか。女だ。「日本一の剣豪? 狭い狭い! 時代は世界! いややっぱりそれでも狭い! と言う訳でごんべえ、神とか悪鬼とか普通に住んでる世界に行く力頂戴」って契約求めて来た』

「へ、へ〜………なんか、色々凄い人だね」

『ただの馬鹿だ。いや、大馬鹿だな。言葉が通じるのに常識が通じねえ』

「話はここまでみたいね」

 

 と、マミが会話を止めさせる。ソウルジェムが一際強く輝く。魔女の反応。

 目の前には、廃墟となったマンション。

 その屋上、人影。

 

「あ!」

 

 まどかが気付くと同時に、糸を切った操り人形が舞台から落ちるように、人影が投げ出される。まどか達が悲鳴を上げ、一瞬で変身したマミが魔力で編んだリボンで受け止める。

 ゆっくりと地面に降ろされたのは女性。その首筋には蝶のような不気味な模様。

 

「魔女の口付け、やっぱりね」

「そ、その人は………」

「大丈夫、気絶してるだけ」

 

 その言葉にホッと胸を撫で下ろすまどか。魔女がここにいるのは間違い無い。4人と一匹は廃墟の中に入る。すぐに、結界の入り口を見つけた。

 

「暁美さん、この子達に武器をお願いできる?」

「………ええ」

「え……」

「え〜……」

 

 ほむらは盾から取り出した拳銃をまどかとさやかに渡した。突然の銃器に二人は戸惑っていた。まあ当然だ。

 

『ほう、魔力で強化してるが、本物だな』

「え、ほ、本物!?」

「安全装置は外してあるわ。誤射を防ぐために、トリガーに指を触れさせないように」

『魔力が少ねえか、固有魔法に大半の魔力が持ってかれる魔法少女の良く使う手だな。タルトもペレネルから剣貰ってたし』

「タルト……ジャンヌ・ダルクよね? 魔力が少ないとは思えないし、固有魔法が強力だったの?」

『そりゃもう。本音を言えば先輩方の命令より俺の目的に使えると思ったんだが、世界を救った対価は高くついた』

 

 後の世に伝えられたとおり一度は魔女として火刑に処された。魔法少女であるなら簡単に抜けられるだろうに。それはつまり自ら命を断ったという事。魔法少女がそれを行う理由は……。

 

『過ぎ去った出来事の推測も未来の予測も行える程お前等の知能水準は高くねえ。それより目の前に集中しな』

 

 その言葉に切り替え、魔女の結界の中に入る。

 常人ならば入っただけで気を病む呪いに満ちた空間。カイゼル髭をはやした綿のような使い魔達が薔薇を運び、マミ達に襲いかかるように蝶の翅が生えたアイスクリームみたいな使い魔が飛び出してきた。

 

「うわぁ! 来んな、来んなって!」

「美樹さやか、落ち着きなさい。当たってないわ」

『まだ撃たねえまどかの方が跳弾しないぶんマシだな』

 

 ほむらがさやかの撃ち漏らした使い魔を撃ち抜き、ごんべえが呆れたように言う。マミが先導しながらコンクリートにも似た質感の迷宮を進み、やがて開けた場所に出る。

 

『あれが魔女だ』

「あ、あれが?」

「うわ、ぐろ………」

 

 入り口より床も天井も距離がある広い部屋の中央に鎮座するは悍ましい化物。

 巨大な椅子に座るというよりは乗っている。手も足もないナメクジや芋虫のような体。ドロリと溶けた濁った緑の頭に無数に咲く薔薇。一見美しく見えた蝶の翅も、相対的にと言う言葉が必要なくすんだ色をした翅だった。

 

(暁美さん………)

(何かしら?)

(私、ちょっと鹿目さん達に酷いことをするわ。手を出さないでね)

(……………そう)

 

 一瞬目を細めるものの、すぐに了承するほむら。

 

「それじゃあ、暁美さんは二人を守っててね」

「ええ」

 

 マミは、敢えて結界を張らず部屋に飛び込む。魔女は気にせず薔薇を眺めていたが、小さなアイスクリームの様な使い魔が踏み潰され、ようやく反応し座っていた巨大な椅子を投げつける。

 マスケット銃を2丁取り出し打ち砕き、更に大量のマスケット銃を召喚する。

 単発式のマスケット銃の大量作成による連発。それがマミの主な攻撃方法。

 迫りくる弾丸を見た目にそぐわぬ機動力で回避していく魔女。と、マミの動きが止まる。

 小型の使い魔が寄り集まりマミの体を囲んでいた。それはすぐに黒い触手へと変わるとマミを壁に叩きつける。

 

「マミさん!」

「ちょ、ちょっとほむら! マミさんを!」

「その必要はないし、暇もないわ」

 

 と、ほむらは背後から迫る使い魔を撃ち抜いていく。

 

『そっちはほむらに任せときゃいいだろ。お前達はマミを見てろ。願いの対価に相応しかろうと相応しくなかろうと、幸福を当然と思う人類に取っちゃ不当に感じる運命だ。知ると知らないじゃ訳が違う』 

 

 ごんべえは気にした様子もなく寝そべり尻尾を揺らす。その言葉に恐る恐るマミを見ようとすれば、轟音。マミが再び壁に叩きつけられていた。

 

「■■■■■■■!!」

「ひっ!」

 

 独自の言語とも、ただの鳴き声ともつかぬ不気味な声。人の不安を掻き立てるその音に思わず身を竦ませるまどか達。

 魔女は再び使い魔を並ばせ新たな触手を生み出すとマスケット銃を構えていたマミの右腕に絡ませる。

 

「くっ……うぁ、ああああ!!」

 

 ギチギチと軋む音。続いて、ボギンと鈍い音。マミの腕が曲がらない筈の場所で曲がる。

 

「っ!」

「マミさん!?」

 

 まどかが口元を抑え顔を青くさせさやかが悲鳴を上げる。腕から解けた触手は鞭のようにしなりマミの腹を叩く。

 

「ゲホ!」

 

 内臓が破裂したのか口から赤い液体が溢れる。魔法少女と聞き想像するキラキラした魔法飛び交う戦いとは似ても似つかぬ、血生臭い光景。

 

「ご、ごんべえ! マミさんを………! 私、願いが……」

『その必要はねえ』

「その必要はないわ」

 

 まどかがごんべえに願い事をしようとしたが、ごんべえとマミが同時に遮る。マミは首元のリボンを解くと鞭のように振るい触手を切り裂き、巨大な銃に変える。回避しようとした魔女だが床や壁の弾痕から無数のリボンが飛び出し魔女の巨体を絡め取る。

 

「ごめんなさいね………【ティロ・フィナーレ】!」

 

 放たれる、これまでとは比べ物にならない威力の砲撃が魔女の頭を消し飛ばし、魔女は無数の蝶へと姿を変えその蝶も次第に透け消滅した。

 やがて主を失った魔女の結界も陽炎のように歪み消滅した。

 

「マ、マミさん!」

「う、腕! き、救急車呼ばなきゃ………!」

「心配してくれてありがと二人共、でも大丈夫よ」

 

 駆け寄ってくる二人を安心させるようにマミが微笑み、圧し曲がった腕がグチュリと音を立てて治る。

 

「っ!」

「魔法少女って、こういうものよ。もう、人間じゃないの……」

 

 腹を撫で、口元を拭う。腹のダメージも癒やしたのだろう。

 

「あ、それ……」

 

 と、マミが床から何かを拾う。先日ごんべえが口から吐き出した物に良く似ている。模様が違うがグリーフシードだ。

 

「その、今の魔女はそれを手にするためだけに人を襲ってたんですか?」

「そういう事になるわね」

「そ、そう……ですか……」

「私が怖い?」

「そんなこと! ……ない、です……」

 

 中々目を合わせない二人にマミが少し寂しそうに微笑みながら尋ねると、まどかはすぐに反論するが尻すぼみしていく。

 

「それは正しいわ。魔法少女なんて、ゾンビみたいなものだもの。ずっと一緒に居たい人が居るのなら、その人にこんな体でも隣に居てと言えないのなら、成るべきじゃない」

「そ、そんな……傷の治りが早いだけじゃないですか〜」

「そう思う?」

 

 引き攣った笑みを貼り付けながら、さやかが無理に出した明るい声で言うと、マミの笑みに影が差す。

 

「今日はこの辺にしましょう。私達がいる場所が、どれだけ危険か解ったでしょう?」

「そうね。魔女との戦いで、死ぬ魔法少女を私は見た事がある」

 

 マミの言葉にほむらが付け足す。ごんべえも言ってた事だが、それを見ていると改めてほむら達は別の世界の人間なのだと思い知らされる。

 丁度ビルの影のほむらとマミ、光の当たる場所のまどかとさやか。何とも言えない空気の中、まどかが駆け出す。

 

「そ、それでも。それでも! 友達でいたいと思うのはだめ、ですか?」

「まどか………」

「鹿目さん……」

 

 

 

 

 そして魔女の口付けで自殺しかけたOLを落ち着かせ、解散したその夜。まどかは考える。

 確かに彼処は恐ろしい場所だ。でも、マミが人を救ったように、こんな自分でも誰かを救えるのだろうか。

 

『顔も知らない誰かの為に力を願う? その願いをして、他人をきちんと見れる自信があるなら別に良いが』

「……私が守ってあげてるのに、そう思っちゃうって事?」

『そうならなかった魔法少女も居るにはいた。夕方話したジャンヌ・ダルクとかな。お前はどうだ? アイツと同じ理想を抱えたまま果てられるか』

「自信は、ないかな」

『中々自分が解ってるじゃねえか。人間ってのは、自分で思ってるより愚かなんだ。理想に殉じれないと思ってんならまだ冷静だ』

「ごおべ……」

『ほーら取ってこい』

「あい!」

 

 テレビを見ながらまどかと会話しスルメを食うごんべえにタツヤが近付くとごんべえは何処からか取り出したボールを投げ、タツヤがボールを取りにトテトテ走る。

 

「……………」

『きゅぶい!?』

 

 弟に対するその対応に、まどかはごんべえを尻に敷くようにソファに座った。ジタバタ暴れるごんべえだったがやがて諦め大人しくなる。

 

「ごおべ! んぅ……? まろか、ごおべは?」

「うーん、何処行っちゃったんだろうね」




ちなみにこの小説では仁美がごんべえを見る事が出来た場合

「どんな願いでも叶う、ですか」
『おすすめはしねえが、まあどんな願いでもなあ。一生に一度きりの願いの対価だ、当然一生を縛らせてもらう』
「…………やめておきますわ」
『………へぇ』
「わたしみたいな子供が想像する一生なんて、儚いものですもの。ましてや永劫を生きるあなたを前に明日の我が身すら想像できぬ小娘が一生をかけてもいいなんて、滑稽なだけでしょう?」
『その当たりを想像できない奴が多いから、先輩だけじゃなく俺も恨まれる訳だがな』
「人を薪にしている貴方に何を、とは思いますが大変でしたね」
『…………まじで何言ってんのお前』
「貴方の先輩、でしたか? キュゥべえさんは説明しないようですが、貴方は全てを伝えているのでしょう? その上で契約して、こんなつもりはなかった、一生がこんなに長いなんて思わなかったなど言い訳にもなりません」
『人類全員お前みたいなら俺も楽なんだがな。ま、その場合感情の揺れ幅が少なくたいしてエネルギー回収も出来ねえと思うが』
「人は人とは違う、だからこそ、貴方方は人を食い物にし続けれるのでしょう」
『違いない』
「本音を言えば、叶えたい願いが無いわけではありません」
『ああ?』
「お慕いしている方が居ります。その方は今、夢を叶えるための手が動かなくなってしまった」
『だから治癒を願うってか? 他人の幸福の為に? それとも、夢が叶ってくれたら私は満足ですぅなんてお前みたいなガキが──』
「言えるとは思ってません」
『………………』
「人類全てがとは言いませんが、少なくとも私は貴方が嘲笑する浅ましく愚かな人間です。腕を治してやったのだから、愛される権利がある筈だと思ってしまう。他の誰かが隣に立つ姿を見て、私の方があなたの為に何でもしてあげたのにと思ってしまうでしょう。選ばれない事を不当に感じ、結ばれなかった不幸をあの人やあなた、そしてあの人の隣に立つ誰かに向けるでしょう。だから、良いんです。言い訳の余地を残させてください」
『……お前は良い女だな。俺が人でないのが悔やまれる』
「斬新な口説き文句ですわね」
『冗談だ。お前みたいな女は好かん。人類の敵だからな俺は………ま、例えお前が求める者と結ばれなかったとしても、お前を求める者は後を絶たないだろう。なら、精々その心意気で居続ける事だ。先輩方は、弱った時にお前の前に現れるだろうからな』


 的な会話をする。
 もしこれが契約したさやかが聞いてた場合速攻で魔女化することだろう。

本編後

  • マギレコでも魔法少女を誑かす
  • たるマギで家族3人でフランスを救う
  • たむらの旅につきあわされる
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