家庭教師ヒットマンREBORN! ~Secret BulletⅩ~ 作:鵜飼 ひよこ。
昼食後。
日差しも丁度良くヒバードも、爽快な青空に誘われて何処かに飛んで行った。
自分も、静かな所で一眠りでもしようかと、ふと窓の外を見る。
何気なく。
本当に何気なく。
すると、二つの人影が何かに囲まれているのが見えた。
(あれは・・・?)
普段の自分だったら、完全無視を決め込んでいただろう。
とにかく騒がしい事は嫌いだったから。
昼寝もしたかったし。
だが、その二つの人影が問題だった。
「何が群れてて騒がしいのかと思ったら・・・皆、咬み殺すよ。」
その騒がしい群れに首を突っ込んでしまった自分を盛大に棚上げにして、雲雀はそう呟いていた。
彼の背には、ランボと今朝の少年がいる。
そして、目の前には黒のライダースーツとフルフェイスのメット姿の男達が六人。
突然の雲雀の乱入にも無言のまま、男達は黒の特殊警棒を展開する。
(ふぅん・・・。)
男達の態度もそうだが、違う意味で雲雀はイラついていた。
このランボもそうだが、後の少年も基本的にはツナに一任した(つもり)はず。
それなのに、こんな事になっている。
自分の思い通りになっていない点。
ガチで昼寝をしようと思ったのに邪魔された点。
そして・・・。
「"校歌"・・・歌えるようになった?」
チラリと後ろを見てそう言うと、少年はコクリと頷いた。
そう答えられては、仕方がない。
「そう。じゃあ・・・"生徒"に手を出す奴は・・・咬み殺ス。」
雲雀の中で、ファーは"一般生徒並には愛校心のある人間"="生徒の範疇内"という公式が確立していた。
そうすると後の話は早い。
目の前の男達を駆逐するだけ。
イライラの全てをブツけて・・・。
そこで、雲雀の思考は停止した。
男達に向かって愛用の得物(トンファー)を構えて。
「ら、ランボさんだってやるもんねっ!」
完全に暴れるモード(?)になっている雲雀の姿に興奮したのか、ランボが頭をごそごそとする。
このパターンは、どう考えてもロクな事にならないのは、もはやお決まりの約束で。
「な゛?!」
頭から出る物体の長さに思わず尻餅をつくランボ。
大体において、そんな長い物が小さなランボの頭の中に納まっている事、それ自体が非常識だというのに。
尻餅をついた衝撃で、その物体から煙がぼんっという大きな音と共に周りに蔓延して、筒から放たれた物体が放物線を描いて地面に激突する。
説明するまでもなく、その長い物体の正体は"10年後バズーカ"だ。
「ゲフ~、煙が目に沁みるもんねぇ~。」
咳き込み過ぎて、些か酸欠気味のランボがちょっぴりハードボイルド的な発言をした所でカッコ良さも何もあったもんじゃない。
それよりも、問題はバズーカの弾丸の行く先だ。
「・・・ここは?」
「ひ・・・ば?」
思わずファーは、弾丸の
疑問形なのは、弾丸が当たったから。
その意味をファーが理解していないからである。
「ひばぁ?」
もう一度、雲雀だと思われる人物に声をかける。
先程よりも身長も伸び、目つきの鋭くなった人物に。
「・・・ファー?」
ファーを呼ぶ声は先程と大して変わっていない。
ただ、初めて自分の名前を呼んだ事にびっくりして、ブンブンと首を縦に振るファー。
「ふぅん・・・。」
雲雀(10年後)はファーの頭に手を置いて、無遠慮にガシガシと頭を撫でた。
いや、撫でるなんてもんじゃない力加減にファーの頭はがっくんがっくん前後に揺れている。
端から見たら、完全に幼児虐待だ。
ファーの頭を撫でながら、事態を冷静に認識する雲雀。
勿論、それは彼の目の前にいる黒ずくめの男達もそうだった。
「・・・ロール。」
そう呟くと、雲雀は手の平サイズの匣にリングの炎注ぎ込んだ。
ここまでが、ランボとファーの【約束】の中身。
逆にいえばこの約束があったから、二人は更に仲良くなったと言える。
共通の秘密。
それは幼い二人には、とっても大事なもので・・・。