無職TS転生 ~異世界行ったら女の子です~ 作:三毛猫丸
俺もあと少しで10歳となる。
つまり実家の家族達とも会えるってことだ。
その日が来るのを、誕生日の1ヶ月ほど前から待ち遠しく思う。
ボレアス家も準備に取り掛かっているようで、パウロ達とも手紙でやり取りをし調整中だとか。
ブエナ村の外れにある森では、魔物が異常発生しているようだが、そちらはパウロ不在でも対応可能らしい。
というのも剣の聖地から派遣された剣王が対応するらしい。
更には剣王の指導を受け、最近になって中級の認可を受けたロールズだって居る。
他にも初級ではあるが、村の男達も少なくない人数が認定されたようで、人員としては十分なのだとか。
いつの間にブエナ村は剣客集団の土地になったのやら。
つーわけで、予定通り、ブエナ村のグレイラット家は、俺の10歳の誕生日に合わせてボレアス家へ訪問する。
よかった、ボレアス家の人達も家族同然だが、やはり実の親にも逢いたかったのだ。
しかし、俺の誕生日までの1ヶ月もの期間は体感的に長く思える。
これまでの人生の1ヶ月とは比較にならないレベルだ。
けどこの時間も無駄にはしたくない。
フィリップに頼み込んで、色々と自己研鑽に励む。
例えば剣術。
既に剣神流の方は、ギレーヌにより中級の認可を受けられた。
ただこれ以降の伸び代はゼロと通告された。
しかし剣術の三大流派は、まだ二つある。
この内、水神流の町道場がロアにもあるとのことで、学ぶべくフィリップに指導員を雇ってもらった。
別にギレーヌも、別流派とはいえ、初級程度であれば水神流を指導可能。
ただエリスの剣神流上級昇格の追い込みの訓練に入っていたので、遠慮しておいた。
というわけで、何度か水神流の指導を受けることで、俺も無事に水神流初級を認定された。
剣術に関しては、ギレーヌの指導で基礎が仕上がっていたので、割とすんなりといった。
指導員曰く、もう1年くらい続ければ中級にもなれるとの話だが、今回の契約は現時点を以て終了とした。
というのも、限りある時間を魔術の研究に充てたかったのだ。
聖級治癒魔術を習得済みなので、更に上を目指している。
つまり王級治癒魔術である。
王級治癒魔術については資料が無いので、自力で詠唱を組み合わせて模索中。
遅々としたペースだが、解析は進んでいる。
あと1年もすれば、我流ではあるが、王級治癒魔術も完成することだろう。
最初の頃は、10年単位の見通しだったが、思いの外、俺には治癒魔術の才能があったようだ。
王級ともなれば失った手足すら再生可能だ。
これまでは切断されて、切られた側の手足の回収が必至だったので、心許なかった。
しかし、我流であり多少の効力の変化やアレンジがあるにしても、消失した手足すら取り戻せるというのは、大きい。
変な話、魔物に腕を食いちぎられて消化されたとしても欠損した手足が元通りになる。
王級治癒魔術の話はこんな感じだ。
さて王級魔術師の称号に執着は無くとも、我が師ロキシーの肩に並ぶ事が出来るというのは、喜ばしいことだ。
近い内に追いつくことを目標に邁進の日々である。
初心を忘れるべからずってな!
そんなある日の休日。
珍しくエリスやギレーヌとは予定が合わず、一人で館内をフラフラと歩いていた。
こんな時こそ治癒魔術の開発に没頭すべきなんだが、研究が行き詰まってきたので気分転換したい。
何でも良いから別事に時間を割きたかった。
フィリップに何か手伝える仕事は無いかと申し出たが、休むことも仕事だよ? と諭された。
もっともな意見だな。
渋々、自室へと戻ろうとした際、ヒルダの私室の前を通りかかる。
タイミング良く扉が開き、ヒルダと対面する。
「あら、ルーディア。いま時間はありまして?」
「はい、本日は暇をもて余しております」
「それはちょうど良かったわ。新作のお菓子を町から仕入れたの。お茶といっしょにどうかしら?」
「私で良ければ、お付き合いしましょう」
「決まりね!」
エリスに良く似た笑顔で、俺にとっての第三のママは返事した。
背中を押される様に彼女の部屋へ連れ込まれる。
お香が焚かれているのか、甘い花のような香りが漂う。
実家じゃまず嗅ぐ事のない香りで新鮮味がある。
テーブル上には皿に盛られたお菓子。
ヒルダ自ら紅茶をティーカップへ注いでくれた。
礼を言うと頭を撫でられ、完璧に子ども扱いである。
まぁ、養子を提案するくらいだし、我が子のように接してくれているのだろう。
エリスにも同じ愛で方をしていそうだ。
「貴女が我が家に来て、もうすぐ3年ね」
「早いものですね。物心が付いて以降より年数を数えれば、実家とボレアス家で過ごした期間は等しいでしょう」
実際は、赤子の頃から自我はあるけどな。
そんなことは誰にも言うまい。
「ルーディアのご両親とは面識があるわ。もう十年以上前になるかしら。パウロ様とは、数度だけ会話しましたの」
「いかかでしたか?」
「妻を持ちながら、従兄弟の妻の胸元を不躾にも凝視する殿方という印象よ」
それはなんかゴメンなさい。
でも、奥さん。
貴女ってば、胸元の開いたドレスを着ていらっしゃるじゃん?
男ってのは、そこにおっぱいが有れば本能的に見てしまう生き物なのだ。
しかし、申し訳ない気持ちは否定出来ん。
肉親の不始末に、俺とて困惑している。
表情に謝意が出ていたらしく、ヒルダは続けて話す。
「ノトス家の血筋だもの。責めてはいません。ただゼニスさんの方は、ご立腹でしたわね」
「母さまは、ミリス教徒ですから。自分以外の女性に色目を使う事が許せないのでしょう」
「わたくしの夫も獣族のメイド達にご執心。正直、複雑な気持ちよね」
「心中、お察しします」
ボレアス家の人間は、獣族好きで貴族界隈じゃ有名だ。
あのエリスもその例に漏れず、ギレーヌに熱烈な視線を向ける場面がある。
頭の上でピクピクと動くネコ耳と、感情の変化によって揺れる長い尻尾。
ふむ、俺もその悪魔的誘惑に魅了されつつある。
エリス辺りにネコ耳カチューシャでも付けてもらって代用しようか……。
代用っていうのは失礼か。
その後もヒルダの雑談に相づちしながら、お菓子をつまみ、紅茶で喉の渇きを潤す。
中々に有意義な時間を過ごせた。
そして去り際のこと。
「ルーディア、エリスのこと良くしてくれて、礼を言うわ」
「私もエリスには大切にしてもらっています」
「相思相愛ってことよね」
「奥様。お言葉ですが、その言い方では語弊が生じます」
「夫のフィリップも日頃から話しています。貴女にならエリスを任せられると」
親公認の仲っていう認識でよろしいか?
「女の子同士だからと言って、遠慮することも外聞を気にする事もないのよ。アスラ王国だからこそ、むしろ許容される関係だから、安心なさい」
「ええ……?」
母親が百合推しとは思わなんだ。
とはいえエリスは元々、嫁の貰い手に困るほどの暴力娘。
娘の将来を案じて、たとえ俺が相手だとしても、本人が幸せなら構わないのだろう。
それがヒルダ及びフィリップの親心だ。
「あぁけれど、当事者同士の問題よね。横から口出しなんて、わたくしのエゴだわ。ごめんなさいね、ルーディア」
「構いませんよ。でも、エリスがその気なら、私も前向きに考えます」
当たり障りの無い返答で、ヒルダのご機嫌を取っておく。
と、言いつつ半分くらいは本気だ。
どのみち俺も、男に嫁ぐつもりは無い。
だったら気の知れた女の子と添い遂げる道こそが、幸せになれる選択なのだ。
そしてヒルダとの恋バナを終え、いつぞやサウロスの情事を目撃した塔へ足を運ぶ。
そこにはサウロスの姿。
今度は女性を抱いておらず、一人で景色を眺めていた。
「お一人ですか、サウロス様」
「ルーディアか……。今日は気分が乗らん。ゆえに空に浮かぶ珠に祈っておったわ」
「あぁ、そう言えば、そんな話もありましたね」
サウロスの言葉で思い出した。
中空に浮かぶ赤い珠の存在を。
はじめて目にして以降、特に変化は無いらしいが、不気味なまでに動きが無い。
害は無いと見て良いかもしれないが、まさかロアの町の観光名物には成るまい。
「アレを冒険者ギルドに依頼し、魔術師に魔術で撃たせたことがある」
「え、やったんですか!?」
以前、俺が止めた方が良いと進言したのだが、堪え性が無いのか、このじいさん。
「結果を聞いても?」
「どうもせなんだ。アレには魔術が当たらんようだ」
「つまりアレは、魔術そのものが透過してしまうと?」
「そうだ。結局、何も起こらんままだ」
実体が無いのかもしれん。
何らかの魔術で空に投影された虚像と考えるのが妥当か。
だとしたら手の込んだ悪戯だ。
年単位で投影を維持するとは、どんなカラクリだ?
町の何処かに魔方陣を刻んでいる線も浮上する。
「実害は無い。もう考えるのを止めたぞ、儂は」
「そうですね。誰かの悪戯だとしても、その内飽きるでしょうし」
解決策は無いが、解決すること自体は急務ではない。
いずれ消失するものだと判断し、再び記憶の片隅に追いやる事にした。
「ちょうど良い。これからパウロ宛てに手紙を出すところだ。何か伝えたいことがあれば、代筆しておくが、どうだ?」
「いえ、私の口で伝えたいと思います。たぶん、その方が父は喜びますし」
「だろうな。要らぬ、世話だったか」
「お心遣い、ありがとございます」
サウロスの優しさに触れつつ、頭を下げてからその場を後にした。
ここまでで午前中。
予定の合わなかった
仲間外れにされたようで、ちょびっと寂しい。
だが会話に聞き耳を立てていると、おおよその内容を理解出来た。
どうやらエリスは、俺の誕生日パーティーで出す、手作り料理の練習をしてるらしいのだ。
あ、仲間外れじゃないのね?
事前告知はされているし、サプライズって訳でも無いが、料理の練習を見られたくない姉としての意地が働いたと見る。
ここは邪魔せずにUターンだ。
まあ、案の定、ギレーヌには俺の存在がバレていたが、些細なことだ。
そしていよいよ、やることが無くなった本日の午後。
暇潰しと小遣い稼ぎを兼ねた土魔術でのフィギュア製作に熱を入れる。
今日のモデルのラインナップは、ロキシー、シルフィ、エリスの3人である。
それぞれ3人は面識など無いが、フィギュアとして飾れば、1ヵ所に集う女子会の完成。
いずれも服のはだけさせたデザインで、お色気路線で製作したが、これでは市場へ流せない。
年齢規制に掛かる事も危惧されるが、何よりも第3者にこの3人の痴態を見られたくないのだ。
彼女達の艶姿は俺が独占し、楽しむとしよう。
自己発電である。
悪ノリして、
需要、無いよね、これ?
フィギュア製作という魔力制御に多大な集中力を必要とする作業。
いい加減疲れてきたので昼寝を決行。
横になって小一時間ほどウトウトしていたのだが、気付けば眼前にエリスの寝顔があった。
吐息の掛かるような至近距離。
香水を付けているのか、甘く脳が蕩けそうな香りが漂う。
何事かと一瞬驚いたところで、エリスの鋭くもハッキリとした眼の瞼が上がった。
「おはよう、ルーディア。少し添い寝させてもらったわ」
「それは結構ですけど、唐突ですね?」
「ちょっとね、料理に失敗しちゃって……。へこんでるから慰めて欲しい──なんて言ったらどうする?」
「慰めてあげます。エリスは可愛いので」
からかうような口調だったので、こちらも相応の対応をさせてもらった。
「言わなくてもわかってるだろうけど、もうすぐルーディアって10歳になるでしょ。だから私の手料理を振る舞ってあげようって考えてたのに……」
「さっき話してたように、失敗したんですね?」
「えぇ……。焼け焦げた料理なんて、ルーディアに食べさせられないもの」
「エリスの手料理なら消し炭だって食べてみますとも」
「失礼ね、消し炭まではいかないわよ」
苦笑いで返すエリスだったが、その悩みは本物だ。
上手くいかない事に、挫折とまではいかないまでも、ダメージが蓄積している模様。
連日、料理の練習をしているのか、我慢の限界寸前なのだろう。
そこで俺に相談もとい甘えに来たのか。
良いぞ、甘やかしてやろう。
「でもエリスは諦めずに頑張ってる。以前からすれば、着実に成長していますね」
「あなたが教えてくれたことだもの。忘れるはずがないでしょう? これくらいじゃ、私だって諦めないわよ。今日は少しだけ弱音を吐きに来ただけよ」
「誰かに相談する行為は良いことです。私としても悩みを打ち明けてもらえて、信頼されているのだと実感します」
ほう、エリスも言うようになったじゃないか。
ここはひとつ、頭を撫でてあげよう。
もじもじと何かを期待するエリスの乳房の先端をつまんであげる。
「ごはっ……!」
エリスの握りこぶしが腹部へとめり込む。
暴力系ヒロインの魅力が炸裂だ。
「どこつまんでるのよっ……!」
どこって、そりゃあ乳首ですが?
おっといけねぇ。
頭を撫でるつもりが、手を滑らせてエリスの桜色の先端部をつまんでしまったよ。
次からは無断ではなく、口頭で断りを入れてから実行へ移そう。
「すみません。てっきり、エリスが欲求不満なのだと勘違いしてしまいました」
「次、おかしな事をしたら、本気で消し炭を食べさせるから!」
「ごめんなさい、やっぱり消し炭はムリです。ですが、提案があります」
「聞くわ」
お詫びとしてエリスに力を貸してやりたい。
「私が料理を教えてあげます。こう見えて実家で母や侍女に仕込まれていましてね」
「ルーディアは何でも出来るのね。スゴいわ」
「いえ、出来ない事の方が多いですよ。たまたま出来ている部分が目立っているだけですから」
俺には突出した才能として魔術がある。
エリスの場合はそれが剣術だ。
だから俺からすれば、エリスの方が人として優れているようにも思える。
そんな彼女も料理に四苦八苦しているみたいだけどな。
ここは一肌脱いでやろうか。
「じゃあ、料理を教えてもらおうかしら!」
「はい、では厨房へレッツゴーです!」
そういった経緯で、エリスに料理を教えてやることになった。
ぶっちゃけ俺のレパートリーは家庭料理が中心となる。
祝いの席で出せるような品目は知らん。
けど俺の誕生日パーティーだし、ささやかな料理で済ませてしまおう。
俺以外の人間にケチをつける権利は無いのだ。
そしてエリスだが、俺の教えを受けても消し炭を錬金してしまう。
素材の組み合わせ、間違ってない?
というのは冗談で。
単純に調味料の分量間違えや、火加減、そもそもの調理法の選択ミス等が原因だ。
しかもエリスは、そこにアレンジを加えるから、支離滅裂な食べ物しか生まれない。
消し炭以上に混沌としたメシマズメイカーである。
悪い点を徹底的に洗い出し、正しい調理法を提示してやる。
手順を記したメモ書きと睨めっこするエリスを見守る。
味見もしてやって問題が無いことを確認しながら、様々な品目を仕上げてゆく。
そんな事を毎日続けていくと、特定の料理については、料理下手なエリスでも食べられるレベルで調理可能となった。
的確な指導のお陰なのもあるが、1番の要因はエリス自身の継続力だ。
もはや彼女に諦めの言葉は似合わない。
消し炭なんて存在してなるものか!
「やっぱりルーディアに頼って正解だったわね!」
「お役に立てたようで何よりです」
「役に立つどころじゃないわ。本番も腕によりを掛けて作ってあげるから覚悟なさい!」
気合いを入れ過ぎて消し炭にならないことを祈ろう。
ここ一番って時に、人は失敗するものだ。
エリスに限っては、そんなものは杞憂だろうが。
「これからも私に沢山のこと、教えてよね!」
「姉が妹に教えを乞うばかりでよろしいのですか?」
頼られるのは素直に嬉しいが、エリスの自尊心としてはいかがなものか。
「じゃあ、ルーディアも何か教えて欲しかったら、声を掛けなさいよ! たまには私だって妹に頼られたいもの!」
「そうですね。ではエリスの胸のサイズを。いえ、自分で揉んで確認しましょうか」
「ルーディアって、最近、私の事をエッチな目で見てくるわよね。男の人みたい」
「ギクッ……!」
さもありなん、俺の前世は男だし。
年頃の女子がそばに居れば、目で追ってしまうのは自然の摂理だ。
「べつに女の子でもエッチな子は居ますよ。私もきっとそうなんです」
「へぇ、たしかこの国の第二王女もド変態だって噂だしね。うん、ルーディアも同類ね!」
そんなこと大声で言わないでください!
てか、王女さまにド変態なんて不敬も良いところだぜ、お嬢様よぉ。
「口を謹んで、エリス。どこに人の耳があるのか、わかったものじゃありません。もし聞かれでもしたら、不敬罪で、しょっ引かれますよ」
「その時は私が返り討ちにしてやるわよ!」
いかん、生来の狂暴っぶりが牙を剥きつつある。
幸いなのは、その牙は俺が変なことをしない限りは無害であることか。
しかしエリスは強い。
剣神流だって3日以内に上級の認可を受ける段階だ。
下手な騎士であれば、口で言うように返り討ちにすることだろう。
護衛の剣王ギレーヌだって居る。
ロキシーの手紙によると、彼女は剣神と2人存在する剣帝を除けば、この世界で4番目に強い剣神流の剣士だ。
他流派を含めれば、強さの順位は落ちてしまうだろうが、過剰戦力である。
オマケ扱いだが俺も居る。
近接戦はザコだが、前衛はエリスとギレーヌが担当する。
俺は後方から支援してやれば隙の無い布陣だ。
こりゃあ、いよいよこの国をひっくり返せそうな戦力ではなかろうか。
もっとも、国家転覆を目論むテロリストじゃあるまい。
変な疑いを掛けられぬよう、エリスの監視を徹底しよう。
この自称姉の女の子は、1人で突っ走ってしまいがちだからな。
でもそうなると王都には近付かない方が良さそうだな。
ボレアス家に来る途中、ギレーヌが連れていってくれる約束をしてくれたが、しばらくは実現しなさそうだ。
「でもね、もしルーディアが私の胸に触りたいのなら、誕生日の晩なら……1回だけ我慢してあげないことも無いわよ……?」
「エリス……も結構、エッチなんですね?」
「なによ! 人がせっかく勇気を出したっていうのに!」
トマトのように熟した顔色。
せっかくだから収穫しようかしら?
いや、収穫するのは俺の誕生日に。
今は少し我慢して後の楽しみをとっておく。
そんなやり取りもしつつ、数日後。
俺は10歳の誕生日を迎えた。そして、ブエナ村の家族の姿が、たしかに目の前にあったのだ。