トレーズ様、マジでカリスマだなぁと。
そんなトレーズ様の美しさを表現できているのか。
そして初期横須賀勢ではあるものの大型建造あたりから触っていない艦これのキャラクターを動かすことができるのか。
不安だらけですが、続けてゆきます。
もし口調等違和感あればコメントください。
そこは会議室……ではあるが、まるで日本の教室のような部屋だった。
鳳翔が全体放送を行なって、数分が経った。
机や椅子が並んでおり、それらに数人の女性が腰掛けている。
女性たちは見た目の年齢はまばらだが、共通しているのは皆うら若き少女であるということ。
トレーズは黒板を背に教卓を望み立つ。
「……これは……生徒に対する教師のようだね。」
既にこの鎮守府には艦娘が在籍するだけとなっており、彼女たちだけで生活をしていると言うことだ。
(明らかに子供もいる……彼女たちも兵器だと言うのか……?)
まるで怯えるように自分を見つめる少女たちを見つめ、流石に驚きを隠せないトレーズ。
「トレーズさん、ご挨拶を……お願いします。」
「……あぁ。」
鳳翔に促され、彼は言葉を紡ぐ。
「皆、急なことに動揺が大きいだろうが、まずは聞いてほしい。私の名前はトレーズ・クシュリナーダ。この鎮守府の提督を務めることになった。」
彼の言葉をきっかけに、ざわついた室内に緊張が走る。
「し、司令官は……?」
頭部に不思議なユニットが浮いている銀髪の少女が立ち上がる。
「君、名は?」
質問に答えることなく、トレーズは名前を尋ねる。
「えっ、あ……私は吹雪型5番艦、叢雲よ……。」
「叢雲、君が求める答えを私は持ち合わせてはいない。その純粋な想いに答えることができないということは心苦しいがね。」
それを聞くや否や、叢雲は声を荒げる。
「なっ……何よそれ!ここはアイツの場所なのよ!それを……!」
「叢雲さん!……?」
叢雲を諭そうと名前を呼ぶ鳳翔の前に手を出し、静止させるトレーズ。
その落ち着き払った態度すら、彼女の逆鱗に触れてしまう。
「貴方のような素性もわからない人が急に現れて……!」
しかし、その激情を遮るように、トレーズの澄み渡った声が響く。
「まずは、君たちの想いも知らず、この場所を乗っ取るかのような発言をしてしまったことを詫びたい。だが、強い想いは大きな輝きを放ち、周りを見えなくさせてしまうこともある。」
トレーズは叢雲を見つめたままゆったりと喋る。
「私は、君たちの想いや提督くんの考えを推し量る事はできない。だが、この場所を守る協力はできる。」
トレーズは、叢雲の元にゆっくりと近づいてゆく。
「だからこそ、君たちの力を借りたい。戦場で輝く君たちの、最大限の手助けをさせてくれ。」
手を差し伸べるトレーズ。
怒りや悲しみがないまぜとなった感情で、立ち尽くす叢雲。
そこに横から手が伸びてくる。
「そういうことは初期艦の叢雲には決め辛いだろう。」
「お名前を聞いても?」
トレーズは自らの手を取った長身の女性に目を向ける。
「長門型1番艦、長門だ。よろしく頼むよ、トレーズ殿。」
「長門さんは……受け入れるの?」
叢雲はまるで絞り出すかのように長門に尋ねる。
「……どちらにせよ、今の時点で消えるわけにはいかない。この長門には、戦う理由がある。君たちはどうだ?飛龍、蒼龍よ。」
声をかけられ、後ろの方で2人で聞いていた飛龍と蒼龍が答える。
「さっき助けた人が急に……ってのはやっぱちょっと不安かも?」
「でも、蒼龍!服装的にも立場は結構ある人なのかもよ!」
むむむと2人で話し合う。
それらの反応を横目に、トレーズは改めて叢雲に問いかける。
「今すぐ決める必要はない。だが、進む先を決めるのは君自身だ。」
(しかし、やはり……。)
踵を返し、教卓へと戻るトレーズ。鳳翔にのみ見えたその表情は、なにかを思い出し険しくなっているように見えた。
戻りながら、その表情を柔和な笑顔へと変え、また皆を見渡す。
「ひとまずは私に、この鎮守府の状況把握の時間をくれ。幸い緊急の作戦などはないようだ。もし、なにかあれば執務室を訪ねるようにお願いする。今必要なのは君たち自身の言葉だ。」
トレーズはそう言うと、鳳翔を従え会議室を出て行った。
「叢雲……大丈夫かい?」
金髪の少女が教室の端から叢雲に近づいてきた。
彼女は睦月型5番艦、皐月。
この鎮守府では彼女たちの同型艦がいないため、2人は同じ駆逐艦として仲良くしていたのだ。
「……大丈夫よ。少し1人で考えるわ……。」
しかし、叢雲はその言葉に顔を向ける事なく、ふらふらと会議室を出て行った。
「……叢雲……司令官……。」
もう来ないだろうと思っていた艦娘、もしかしたら戻るかもと思っていた艦娘、彼女たちの思いはさまざまで、だからこそ同じように受け入れられるわけではないのだ。
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「あの場にいたもの、データは全て目を通した。」
鳳翔は耳を疑った。
執務室、いわゆる提督の部屋に彼を案内してからまだI時間も経っていないのだ。
「それは……いくらなんでも……。」
「鳳翔型1番艦、軽空母。……諸説はあるが始まりの空母か。なるほど、私の方が勉強になることが多そうだ。」
「!?」
「あまり自身の話はしたくないが、記憶力は良い方でね。」
鳳翔が淹れてくれた緑茶を美しい所作で飲む。
初めて飲む味に舌鼓を打ちながら、彼は話を続ける。
「鳳翔、当面は君に秘書を頼もう。私はこれから鎮守府内の施設を確認してこよう。」
「は、はい……。では、私が案内を?」
「いいや、君には引き継ぎなど、大本営への連絡を頼みたい。すこし、気になることもあるのでね。」
立ち上がり、そのまま扉まで歩いてゆくトレーズに、鳳翔は帽子を手渡す。
「提督の帽子です。」
しかし、彼はそれを拒否する。
「……いや……必要ないよ。」
鳳翔は優しく、しかし力強く拒否され、それ以上言いすがることはなかった。
「では、案内は誰に頼みますか?」
「そうだね、長門くんだったか。彼女が一番新しくここにきたのだろう?彼女に頼みたい。」
当時の最新のシステム、大型建造によって造られた彼女は、そのまま実戦に出る事なく放置されたようだ。だからこそ、戦いへの想いが強い。
「わかりました、お伝えしておきますね。」
「いや、自ら足を運んでこそだろう。こちらが頼む側なのだからね。それこそが彼女に対する礼儀だ。」
そう言いながら、彼は執務室を出て行こうとするが最後に鳳翔をに尋ねる。
「鳳翔、君は前の提督をどう思う?」
「どう……とは?」
「特別な感情があったか、という意味で聞きたい。」
「それでしたら特には……。」
「そうか……ありがとう。では失礼するよ。」
残された鳳翔は、提督交代用の資料作成に取り掛かることとなるが、苦手なコンピュータを使わなければいけないことに彼女はひとつ小さなため息をついた。
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小さな鎮守府ではあるが、所属している艦娘の数は少ないため、彼女たちには寮に個室が与えられている。
「私が、か?」
トレーズが長門を訪ねると、彼女はすこし驚いたように反応した。
「私はまだこの鎮守府では出撃もした事ないのだが。」
「そういう意味では、私と君は似ている。」
トレーズは柔和な笑みを崩さず、手を差し伸べる。
「ここでは私も新兵だ。過去のビッグセブンの話をお聞かせ願えるのであれば、それほどありがたいこともない。」
トレーズとしては、この鎮守府の地図や施設の概要は既に頭に入れたのだ。
今必要なのは彼女たちの信頼。
「……そう言っていただけるなら、この長門、最大限協力させてもらおう。ただ少しだけ準備の時間が欲しい。」
「助かるよ。では、エントランスで待っているよ。」
彼が去ってゆく姿を見送りながら、長門はトレーズから歴戦の実力を感じた。
そして、部屋の中に戻り、震える。
「彼のような提督の元でなら……。」
かつては戦場で沈むことが許されなかった。ここにきてからも一度も戦場に出ることなく、消えてゆくはずだった新たな自身の手を足を見つめ、つぶやく。
「胸が熱いな……!」
あいも変わらず書き溜めはないです。