一月に一話ですと、やはり忘れられそうだなと思うのですが
いくつか小説を兼任していると訳わからんくなってきますね!
あと、艦隊戦、知識がないとマジで難しいですね!
ではよろしくお願いします!
夜明け前、出撃準備の為の金属音が辺りに響く。
艦娘の為の艤装の最終確認。
窓越しに耳すませ、トレーズは執務室にて時を待つ。
「心を掴むのがお得意なのですね。」
茶托が静かに鳳翔の手によって机に置かれる。
淹れたばかりの緑茶が、ふわりと湯気を漂わせる。
「良い香りだ。」
トレーズは片手で茶碗を掴み、少しだけ呑む。
「私からすると、この香りの方が何倍も心掴まれるよ。」
「誤魔化さないでください。」
トレーズが鳳翔を見ると、彼女の真っ直ぐな瞳が彼を貫く。
「一体……何をするつもりなんですか?それは私たちには言えないことなのですか?」
「……黎明の直前がもっとも暗く、闇を見つめた後の方が、光を強く感じることになる。……まさに今の時間だ。」
「なにを……。」
窓の外から少しずつ、日の出の光が差し込む。
その光が、トレーズを包んでゆく。
「しかし、暁の中で一筋の光が見えたのであれば、それを手繰り寄せるのも運命といったところではないかね。」
音もなく茶碗を机に置き、マントを羽織る。
「君も準備を始めたまえ。もう間も無くだ。」
「出撃……。」
鳳翔は、はっとして扉へ向かう。
トレーズはそれを片手で制止して微笑む。
「いいや……夜明けだよ。」
扉が開く。
「暁の水平線に勝利を刻んでいるばかりでは、臨めないものがあると言うことだ。」
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「……出撃するわ。」
「皐月、出るよ!」
叢雲が、装備を整え皐月とともに出撃していく。
「本当に大丈夫なのか……?」
彼女たちを不安そうに見送った長門が、ともに見送ったトレーズに目線を向ける。
「彼女たちが作戦を成功させれば、色々と変わってくる。……君たちの戦う意味も。」
「……わかった。」
疑念は完全に解けることはないが、それでも信じようと長門は艤装の取り付けに戻る。
「それでは提督……全艦、準備が整い次第出撃します。」
「全員無事であることを祈ろう。」
「……はっ。」
トレーズの言葉を理解したのかしないのか、長門は軽く鼻で笑った後、にこやかに出撃していった。
「戦艦長門……出撃するぞ!続け!」
新たな長門の艤装はなんとか完成したようだ。
元々の艤装に比べかなり動きやすくなっており、装甲も激減している。さらに攻撃装備も副砲程度のものしか見当たらず、艦を落とせるような見た目のものは存在していない。
特徴的なものは、周囲に浮遊する複数のユニットと胸の中央に輝く緑色の光。
(一体どう言う装備なのだ……相手を倒せると言うのか……?)
身につけるにあたって一切の説明はなかった。
トレーズからただ一言
「目的を見失うな。」
とだけ。
(目的……?平和のために深海棲艦を討ち滅ぼすことでは……。)
「長門さん!偵察機を飛ばします……護衛をお願いしても……?」
「あ、あぁ、承知した!」
(護衛とは言っても……壁になるしかないか。)
トレーズの立てた作戦に、艦隊戦のセオリーなどと言うものは存在しない。
鳳翔に対して、四人が出来るだけ固まり、お互いを護衛し合うと良いと言っていた。
「ほとんどの火力を航空機に頼った今の編成ではそれも間違いではないでしょうが……。」
「でもすっごいやりづらいよね……。」
「やったことない編成だから、走るのも一苦労だよ。」
鳳翔、蒼龍、飛龍が話し合う中、その前を長門は無言で走る。
ユニットがなんなのか、なぜ装甲を減らしたのか、攻撃手段は一体なんなのか。
考えることしかないが、その思考を鳳翔の声が引き裂く。
「長門さん!前方2時の方向に艦隊です!航空戦を開始します!」
「……!」
前を臨む。
見えるのは水平線、その先に敵がいる。
(敵だ……深海棲艦は敵……。)
ほんとにそうだろうか?
奴らが攻め込んできたことがあっただろうか。
海に出た一般人が攻撃されたというのも喧伝でしか聞かない。
「【ルークス】は厳密には兵器ではない。君たちを導くものだよ。……君たちに、真の敵の姿を見せてくれるだろう。」
(……何故だ。あの言葉が脳裏を過ぎる。)
迷いは目の前に危機となって迫ってきてしまう。
鳳翔が、焦ったように声を上げる。
「制空権は手に入れましたが……まさか……戦艦を確認しました!なぜこの海域に……!」
「……!」
今の艤装では倒せない。
そう判断した長門は前へと加速する。
決めるのは覚悟、進めるはその足。
「ひとまずは倒す必要はない!いざとなれば壁になる!全機、そのほかの艦に攻撃を仕掛けてくれ!」
「了解!」
ユニットがふわりふわりと彼女の前を飛び交う。
(精神干渉とはこのユニットのことだろうか……?攻撃ができるものなら良いのだが!)
「会敵!」
目視前に当然のように長距離射撃が飛んでくる。
装甲を少なくして、速度を上げた今であれば当たることはない。
まるで特攻のように、ただひたすら真っ直ぐ走る。
鳳翔たちの航空機の攻撃はなかなか響いているようで、敵からの航空機は飛んでは来ない。
「この長門が囮になれば良いのだろう!」
真っ直ぐ走る戦艦は、やはり良い的だ。
戦艦や軽巡の攻撃は全て長門に向いている。
(避けきれずとも……!)
そうしているうちに空母の3人が飛ばした航空機が致命的なダメージを与えることができるはずだ。
しかし
「……くっ!」
軽巡の主砲が、長門を捉える。
間も無く当たってしまう、その瞬間、ユニットたちが長門の前面に展開。
電磁フィールドを展開した。
「!?……なんだこの盾は……?」
展開したユニットは全ての主砲や副砲を断絶した。
それはかつてトレーズが最も嫌った、モビルドールに搭載されていた技術。
最強の盾、プラネイトディフェンサー。
さて、アフターコロニーの技術が出てきました。
ヴァイエイトとメリクリウス。すごい好きなんですけど、あれから完成したのがビルゴっていうのが少し悲しいですよね。
いや、ビルゴはビルゴで好きなんですけどね。モビルドールは敵なので……。