感情力学──特殊な特殊能力──   作:LeIkaF

2 / 8
この小説を読み進めて下さり有難うございます。

書き溜めてた分があって早めに書き終わったので投稿しときます。
この先投稿ペース落ちます。

まだ書き始めのため、文章の構成の仕方などが安定していないかも知れませんが、宜しくお願いします。


2:廻りだす歯車

〜昼休み〜

 

 

 

 昼休みになり、櫛文のところには早速大勢の人が集ってきて、昼ご飯を一緒に食べないかなどの誘いが来ていた。だが、櫛文はその誘いを全て断った。俺が言える事では無いが、今のアイツの印象結構悪いのでは?

 

 そして、人集りが無くなっていくと、何を血迷ったか俺に一緒に昼食を食べないかと声を掛けてきた。

 いやもう、ほんと何考えてんだ? 鳩に豆鉄砲打つぐらい意味わかんねえよ。

 

「嫌だ。」

「なんで?!」

「面倒くさい。」

「そこをなんとか!」

「じゃあ訊くけどさあ、なんで俺だよ。」

「そりゃあ、知り合いだし。」

「俺以外の知り合いはよつくれ。そしてそのままどっか行け。」

「非道いよおぉ〜…。」

 

 泣きつくな。周りから殺意を向けられてる。

 

「ほれ、俺が視線で殺されそうだから行った行った。」

「で、でもさ、ほら、知らない人と話すっていうのはちょこ〜〜〜っと難しいと言いますか。伊利君との出合いは特例的に大丈夫だったけど。」

 

 っ! もしやお前…!!

 

「………コミュ障?」

「そ、そんなんじゃないよ絶対!! ちゃんと会話出来るよ!!」

「でも現に典型的なコミュ障と同じ事してるぞお前。」

「お前呼ばわりは辞め…。」

「話を逸らすな。」

「くっ……!」

 

 油断ならねえなこいつ。

 

「でもおま──」

 

 ビシッ!

 

 お前と言おうとした瞬間、人差し指で喋るのを止められた。

 

「お前呼ばわりは禁止!私のことは咲見ちゃんと呼びなさい。」

「断る。」

「いいや! お前っていう呼び方は距離が空いてるみたいだから嫌なの!!」

「(うるせぇ………。)」

「わかった、わあ〜ったから、じゃあ間を取って櫛文でいいな。」

「許す!」

「何様だよ。」

 

 こんな事をしている間にも、俺への憎悪と殺意、嫉妬の視線は強くなる。

 今日何事も無く帰れる可能性は、俺の脳内コンピュータで計算した限り0%だな。

 

「兎に角!私は他の人とあんまり喋れないからせめて伊利君と喋ってたいの。」

 

 せめて、ってなんだよ。俺はおまけか。というか…

 

「それってやっぱりコミュ──」

 

 じ〜

 

「ン゛ン゛ッ……しょうがないから、情けを掛けてやるよ。」

「言い方が腹立つけど有難う。」

 

 本当に、なんでこんなに話せるのに、コミュ障なんだよ。しかも、自分は話したいと思ってるとか。

 ………いや、こいつの場合は臆病なのかな?

 

「………今、失礼な事考えた?」

「いいや?そんな訳無いじゃん。」

「だよねー。」

 

 怖えよ。つか何で心を読まれた。

 

「……ふーん、図星ねぇ。」

「櫛文の能力って心読むのか?」

「違うよ、私は栄養に干渉する感じだね。」

 

 だから弁当が物凄く偏った配分なのに、健康そうなのか。というか少し羨ましい能力だな。

 

「へー、それって毒とかも?」

「無害にする事は出来るけど、毒を造る事は出来ないわね。」

「なるほど。」

「そういう伊理君は?」

 

 事情が事情だからあまり口外したくないし、少し応えにくいな。ここは小声で遠回しに伝えて置こう。

 

「あぁ〜、ちょっとここでは。」

「なんで?」

「あまり大きな声で言えないというか。」

「あっ、じゃあ下校する時にでも。」

「待て櫛文、お前帰りも付いてくるつもりか。」

「いやね? 伊理君の家の在る場所って私の家の近くだから………ぁ。」

「大丈夫だ、お前が昨日付いてきてたのはもう知ってる。」

「すみませんでした…。」

「まあ、過ぎた事はいいとして、一緒に下校してまで訊きたいか?俺としては途轍もなくめんどいんだが。」

「いやいや、昨日のアレ見たら気になるでしょ、」

「やっぱそうか…。」

「そういう訳で、帰り付いて行くから。」

「俺に拒否権は──「ない。」──そうか。」

 

 哀しい事だよ、拒否権が無いなんてさあ。

 

 

 

 

 

__________

 

 

 

 

 

 

 今は櫛文より先に食事を終え、トイレに行くという名目で、ストレス発散の為に一人で屋上に出て外の空気を目一杯肺に取り込んでいる。

 

「(一人は落ち着くなぁ…)」

 

 お気に入りの場所である、屋上へ続く階段の出入り口の上側、恐らく校内で最も高い位置であろう其処で、俺は横になり風に当たっていた。

 

 涼しい場所が好きな俺にとっては、今が6月という暑くなってくる時期であるのも相まって、絶好のスポットなのだ。

 

 偶に、漫画やらアニメやらに憧れ過ぎたお方が、此処で黒歴史を生産しているが、それを観るのも結構愉しいものである。

 ただし、カップルが此処でいちゃついていると、居心地悪くなってしまう。

 

「(〜〜♪…………?)」

 

 いつもの様に脳内で鼻唄を唄っていると、遠くに在るビルが───

 

 ───倒壊した。

 

「(建物が老朽化してたから解体作業か?……にしてはダイナミック過ぎるし、普通に周りに被害出ちゃってますねーこれ)」

 

 さらによく見ると、警察車両がかなりの数集まっているのが、周囲の建造物群の隙間から伺えた。

 

 きっと、テロか何かが起きたのだろう。

 転校前まで居た場所ではあまり目にしなかったが、他の街では割りかし起こるのだと小耳に挟む事も有ったし、其れが起きたのだろう。

 

 そう決めつけて、再び俺は夢想し始めた。

 

 

 

 

 

__________

 

 

 

 

 

 そろそろ教室に戻った方がいいのではないか、という頃合いで俺は教室に戻った。

 しかし、戻って来たそこは───

 

「(此処は地獄か? それとも異世界か? 俺は転生した覚えも死んだ覚えも無いんだが。)」

 

 ───何かもう、カオスだった。

 

 扉を開けてまず目に入ったのは、櫛文の席に群がる大量の男子諸君と、それを引き剥がそうとする女子達だった。

 

 何だか遠目から視たら、街灯に群がる夜行性の虫に観えそうな其れから目を離し視線を移すと、そこでも奇怪な事が起こっていた。

 何故か、数名の男子が集まって項垂れていたのだ。

 

 一旦冷静になり教室全体を見る。すると、残った本の一握りの男女が、先程言った光景を諦観していた。

 

「(何があった。)」

 

 直ぐにでも誰かを取っ捕まえて、現状を洗い浚い吐かせたいが、残念ながら、自分にはそんな事が出来る行動力も、権力も無いという現実が有り、実行しても不発に終わる未来が非常に良く見えている。

 いや、もしかしたらそんな事しなくても、解るかもしれない。

 

 推理小説よろしく考えてみよう。先ずは今現在で起きていることを整理する。

 

 この教室では今、櫛文の席に男子が集まっている。そして、女子が引き剥がそうとしているのは関係ないとして、項垂れてる輩はきっとあの人混みの中で何かあったのだろう。

 

 次に、聞き込み調査でもしたいところだが、まあ無理だろう。

 ただし、諦観してる奴らの溜息は聴こえた。それも複数。

 

 これらの事から先程までに起こった事を推理すると………何だ?

 

「(そういやアイツ、コミュ障だったな。ってことは、人が溜まってるのは、焦り過ぎて上手く対応できてないからか?)」

 

 これが一番可能性高いな。

 

 項垂れてる奴らに関しては、何かしらに誘って即失敗ってところかな。

 なんて単純なことだろうか、このクラスメート達は。

 

「(あ、一人此方に気付いた。……って、そんなに男子を集めてどうするんだ。やめろ、迫ってくるな。恐いじゃないか。しかも能力まで発動させて…………終わった。)」

 

 そして俺は、連行即粛清された。

 理由に関しては、俺が櫛文と喋ってたから嫉妬したか、ストレスが溜まって憂さ晴らしか。両方ってのもあり得るな。

 但し、クラスメートは無能力者に嫌悪感があるだけで根は善いやつらなので、あまりにも大きな怪我などはせずに済んだ。まあ、もしそうじゃなかったら、今頃俺は学校になんて来れてなかったんだろうけどな。でも痛いものは痛い事に変わりはないんだけれど。

 櫛文と仲が良さげな理由を訊かれたが、過去に出会って偶然打ち解けた、という事にしておいた。

 

 

 

 

__________

 

 

 

 

 

 学校が終わりさあ帰宅だ、というタイミングで、櫛文に声を掛けられ思い出した。

 そういや、一緒に下校するんだったか。

 

 ………

 

 ………

 

 ………

 

 ………

 

 ………

 

 あれ? クラスメートが突っ掛かってこない。

 何があったんだあいつら、普段のあいつらならもっと鬱陶しいのに。

 もしかして櫛文が付いてきてるからか? だとしたらなんて単純なんだ。単純だったわ。

 

「おーい。」

 

 それにしても、今日はいい天気だな。

 

「伊理くーん。」

 

 今日にもテロが起きたなんて思えない快晴だ。

 

「聞いてるー?」

 

 今日の夕飯はどうしよう。

 

「…」

 

 炊き込みご飯が食べたい気分だから、秋刀魚にでもしようかな。

 

「えい。」

「辛ッッ!!!???」

 

 

 

 

__________

 

 

 

 

 

「いきなり口にデスソース入れるんじゃねえよ!というかなんでそんな物持ち歩いてるんだよ。」

「護身用に持ち歩いてるんだよね。」

「なんでデスソースだよ。というか、護身用なら尚更俺に使うなよ。」

「無視するのが悪いんじゃん。態々能力で辛さを控え目にしてあげたんだから、感謝して貰いたいぐらいよ。」

「それは護身とは言わない、先制攻撃と言うんだ、知ってたか?」

 

 お前は常識というものを知らないのか。知らねえんだろうな、きっと。今だって初登校でいきなり一緒に下校してるし。

 

「そういや、俺の能力についてだったか。」

「そうそう。あれ、どういうこと?」

「簡単に言えば、能力が特殊で、その特性上知られたら裏組織に目をつけられるから。んで、その能力っていうのが─────

 

 

 

 

─────力学のちょっとした改変。」

 

「え、それって…」

「あぁ、なんでかは知らんが、ある程度なら能力が直接的に概念に干渉できる。」

 

 この能力のせいで、今迄の人生まともに暮らせなかった。

 

 能力の法則として、大元である概念の上でしか発揮されないというものが存在する。

 例えば、炎を出せる能力があるとする。それは炎という元からこの世にある物を生み出す能力だ。他にも様々な能力があるが、全てが理を逸脱し過ぎないようになっている。

 

 しかし、俺の持つ能力は()()()()()()()()()()()()()()()()()だ。

 

「こいつが世間に知られたら、俺の日常は必ず崩れる。それを危惧して、無能力者を偽っているんだ。能力値が0として表示されたのは唯のラッキーだがな。」

「確かに、知られるのはリスクが高いね。」

「その俺からしたら国家機密並の情報を、お前は知ったんだぞ。」

「責任重大だぁ~。」

 

 よりにもよって口の軽そうなこいつに知られたのは、ツイてなかったとしか言えないな。

 

「それって、家族の人も知ってるの?」

「俺に家族は居ないぞ。」

「……ご、ごめん。変なこと訊いた。」

「いや、もう振っ切れたから大丈夫。」

「じゃあ、一つ訊いてもいい?」

「なんだ?」

「その、どうやって生活してるのかなって。」

「あー、ちょっと言い難いんだが、裏組織を一つ潰した時に手に入った金で今迄生活してる。」

「伊理君何しちゃってんの???」

 

 やっぱし、そんな反応になるか。そうだろうと思ってたよ。

 

「そんな事した理由も言うか?」

「それ以外に私に選択肢ある?」

「そうか、じゃあ言うと…」

 

 

 

 

次回へ続く………

 

 




咲見ちゃんはヒロイン向き。



色々とおかしい部分があるかもですが、これが今の作者の限界です。

評価や感想、ダメ出しなど、お待ちしています。

修整点は随時修整します。
アドバイスもどしどし送りつけて下さい。参考にさせて頂きます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。