作風がちょっとずつ変わってる気がします。
舞台設定だけは最初から作っていたので、助かったと思っている午後5時頃。
「この辺りにアジトがあるっぽいけれど。……多分此処だな。」
IDカードに書かれていた場所に来てみると、そこには幾つかの廃墟が有ったため、手当り次第に探索してみた。すると、一つの廃墟ビルの中に比較的新しく思える床下収納扉のような物があった。
中に入ろうと思ったが、思いとどまる。
「(これがもし本当に裏組織のアジトだとしたら、バカ正直に堂々と入っていったら、速攻で見つかって人数の差でタコ殴りにされるというオチが良く目に見えるな。)」
となれば、中に入らずに一網打尽にする方法は無いのか。
……………
………
…
そうだ、出入り口が此処だけなら、そのサイズ故に一人ずつでしか出れないはずだ。それなら、出てきたところを一人一人確実に仕留めれば良い訳だ。だがその場合、どうやって仕留めよう。この作戦はきっと能力の使い方が鍵になる筈だ。
「…酸欠にさせよう。」
うん、多分これが今俺ができる限界で、最も効率的なやり方だな。ただ、相手を殺したりはしたくないので、その辺の加減が必要不可欠だ。あくまで俺の情報を破壊できれば良いのだから。
あれ?ちょっと待て………
「……………あ!!」
そうだ、こんな面倒くさい事をしなくても、此処の電気機器を外から破壊すれば俺の情報は消えるではないか。さっき迄の俺の努力は一体なんだったのだろう。
そうと決まれば、外側から電気機器を破壊するために、方法を考えよう。
この辺りに来る迄に少し力学について調べたが、その中に使えそうなやつは……と。熱力学でも改変するか。取り敢えず電気で発生するエネルギーの倍率を少し上げてやれば、電気を利用する精密機器は全て壊れるだろう。
「何で俺はもっと早く気付かなかったんだ? まあ、過ぎた事は仕方ない。それじゃあ、ほいっと。」
………少しの間力学を改変してから扉に耳を当ててみたところ、中から慌ただしい足音が聴こえた。恐らく成功したのだろう。
しっかりとこの目で確かめたいが、中に入るのは危険な為できない。まあ、これで破壊できていなかったらその時に考えよう。
って、やばい、中から人が出てきて……
「ったく、いきなり機械がぶっ壊れるなんてよぉ。何が起きて……あ?」
「あ…。」
最悪だ見つかった。どうしよう。
「おいお前、動くなよ。」
「あ、はい。」
能力で創り出した先の尖った岩を、俺の首元に突き付ける。こうなったらもう──
「お前、さっき何かしたな?」
「…」
──戦おう。
「フッ!」
「!?…ガホッ!……お前ら、敵襲だ!」
クソッ、仲間を呼ばれたか。こうなったらいっそ、正面堂々戦うか。
__________
「これ…で、…最後か……。」
かなり時間が掛かったし傷も負ったが、なんとか勝てたようだ。
周りには何十人もの人が倒れており、所々血も出ている。地獄絵図とまではいかないが、中々に酷い光景だ。能力の使用が多発したため、多種多様な物がそこら中に散乱している。その中心に立つボロ雑巾のような俺は、他人から見たらどんな風に映るのだろうか。
この人数に対して勝てたのは、奇跡としか言えないだろう。ただまあ、この能力が無かったら流石に勝てなかったのだが。能力のせいで起きた戦いに、能力のお陰で勝つなんてな。
「どうしよ……。」
まあ、折角全員倒したんだし、貰える物貰ってくか。
ならば、やっぱり一番欲しいのはお金だ。幾ら有っても困らないしな。よし、金庫でも探すかな。ついでに価値のありそうな物も全て頂こう。
……やっぱりその前に、身体中にできた傷をなんとかするとしよう。探索はその後でも遅くないだろう。
__________
「いやはや、やたらと人員が多いなと思ったら、こんなに大規模な組織だったのか。」
道すがら残っていたデータを破壊しつつ漸くアジトの金庫を見つけ出したところ、その中には複数のアタッシュケースがあり、開けて中身を確認してみると、途轍もない量のお札が入っていた。加えて、その他にも多くの貴重品が入っていた。これだけあれば金銭に困る事は長らく無いだろうが、どうやって持ち出すかが問題だった。
「軽くしてから何回かに分けて運ぶか。」
既に組織の構成員は全員拘束してあるので、邪魔の心配は無い。元から幾つかの容れ物に分けて入れてあった為、この方法が良いだろう。
それにしても、どうして態々こんなにスペースを使ってまで現金で保存していたのだろう。普通はこんな大金は銀行などに振り込むだろう。もしかしたら、余りに多くのお金を使用していたら訝しまれるからだろうか。これはなんとなく有り得そうな話だ。
もしそうなら、俺も現金で所持しておくのが良いだろう。そう考えると、自宅が必要かもしれない。俺の場合は賃貸物件は近所付き合いなどが必要不可欠なため不可能だろうから、一軒家を買うか。契約に関しては、頑張って誤魔化すとしよう。
まあまずは、先の事を考えるよりも今のこの作業に集中しよう。そして、この作業が終わったらこの組織の構成員を全員適当な場所に置いておこう。
「よし、大分腰の引ける量だけど、始めなければ終わらないしな。いっちょ一仕事するか。」
__________
「やっと終わったぁぁーー…。」
かなり日が傾いてしまったためもう既に夕方になってしまっているが、一応は全て運び終えることができた。置き場所に関しては、今居る廃墟に思っていたよりも入ったお陰で、一時的にだが確保できた。
そして、例のアジトにいたやつらは町中に適当に置いてきた。勿論拘束した状態で。放っておけばいずれ御用になるだろう。
だが、警察などの存在はあまり信用できていない。仕事をサボっているところがよく目に入るからだ。しかも、今回のような裏組織が存在するのも、警察などがしっかりと警戒をしていなかった事が根本的な原因にあるだろう。
だが、流石に目の前の変質者を見逃す事はできないだろうから、取り敢えずはこのような対処をした。
「今日中にやりたかった事は全部終わったし、さっさと寝る準備をしようかな。」
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さて、そんな事があってから既に一日経っている訳だが、やはりお金の力というものは偉大なもので。
不動産屋に対して少しお金をチラつかせたところ、なんと、もう一戸建ての建物の購入ができた。勿論元居た場所からはある程度離れた町の建物だが。不動産屋としてそれはどうかと思ったが、警察の態度からも判るように治安はかなり悪いため、少し不正をしたって気にされないのだ。当然、どうして子供である俺がこんな事をしているのかという疑問は湧いただろうが、そんな事もお構いなしだ。
そして、その後は時間がかなり余っていたため、ついでに新しい学校との契約もした。当たり前だが、お金をチラつかせてだ。
まあ、そんなやり方をしていたせいで持ち金がかなり減ったが、まだまだ多いため問題は無い。
「契約とか諸々全部終わったし、やる事無いな~。ま、少しの間適当にだらだら過ごすとしますか。」
怠惰に生活できるなんて、どれくらい振りだろうか。もう長らくこんな生活はしていなかった。悪い事はいい事の前触れだ、なんて聞くが、案外あっているのかもしれないな。
そんな感じで、少しの期間だけゆっくりしようかな。
__________
さてさて、短い期間でではあったが、今漸く家の入居作業が終わったところだ。
しかしまあ、まさか不動産屋が俺を襲ってくるとはね。そこまでしてお金が欲しいか。子供の俺一人なら何とかできると思ったんだろうが、良くも悪くも俺は割と戦闘の経験が積み重なっており、加えて能力もまあまあ強い事も前回の戦いで流石に解っていた。
そんな感じで返り討ちにしたら逆に料金を減らして貰えた。脅されると思ったのかな?俺はそんな事しないのに。……いや、やっぱするかも。
学校に通えるようになったら、学校では同じような事が起きない事を祈ろう。
…
……
…
今思い出したけど、これ、市役所に虚偽の情報作るように言えば良かったんじゃないか?そうすれば他のやつは全部正規の手続きでいけたし。
………今度からはしっかり考えてから行動しよう。
────5年後
高校に入った方が良いかと思って受験したら、受かった。そこまでは良いんだ。ただの順風満帆な人生だ。ただ───
───入学初日に学校が倒壊とか、本気で言ってる?
─────現在
「ま、大体こんな事が有ったわけ。」
起こった事や言動などは所々覚えてはいるが、取り敢えずは大まかな内容だけ喋った。
喋った事は──
能力の事が理解った。
能力に目を付けられ暗部の組織に関わることになった。
後々面倒にならないように、組織を潰した。
その時に組織から掠め取ったお金で、無理矢理に諸々の手続きをした。
なんだかんだ有って今に至る。
──まあ、是位喋っておけば問題は無いだろう。
それと、俺が
但し、是等はこいつが暗部に関わっていない人間だった前提の話だから、こいつが暗部に関わっているとすれば、面倒臭い事この上ない。まあ、そうでない事に賭けよう。
……こいつの場合は、普通に頭が悪そうだから、十中八九無いだろうが。
「ちゃんと解ったか?」
「何というか、………波乱万丈だねぇ。お疲れ様。」
「いや、別に労わなくっても良いんだけど。」
やっぱり、暗部の人間とは思えないな。
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どうしよう、予想以上に重たい話だった。まさか、両親が居ない理由がそんなだったとは。というか、今迄ずっと一人で生活してたんだ……。
まあ、こんな時はこう言ってあげないと。
「何というか、………波乱万丈だねぇ。お疲れ様。」
「いや、別に労わなくっても良いんだけど。」
…………人が優しさで言った言葉を、……ま、まあ、ここは耐えないと。
「さ、言おうと思ってた事はもう全部言ったし、帰った帰った。」
冷たい! 反応が!
「ちょ、待って! もう!? 折角来たんだからもうちょっと何かしようよ〜! 身の上話聞いただけじゃ〜ん。」
「はぁ。…時計を視ろ。」
ん? 時計? 何で??
「時計ってどこに……あ、あったあった。……て、もうこんな時間!?」
やばっ、もう8時じゃん!いつの間に!?
「も、もう遅いし、帰るね!! また明日!」
「早く帰れ。」
最後の最後まで冷たい!
次回へ続く………
そろそろ、何となくこの作品の世界観が掴めてきた頃なんじゃないでしょうか。
評価や感想、ダメ出しなど、お待ちしています。
修整点は随時修整します。
アドバイスもどしどし送りつけて下さい。参考にさせて頂きます。