あれは嘘だ(故意では無い)
ただ一つ解ったのは、「小説書きてぇぇぇ!」状態になってない時は無理して書かない方が効率が良い事です。
ま、私はそっちの方が良いっていうだけの話です。
大した考えも無く居間のソファで寛いでいると、今が何時なのか知らない事に気が付く。壁掛け時計を視てみると、もう21時になっていることが判明した。
「えーっと? たしか昼ご飯を食べたのが(午後)1時で、その後4時間位勉強して、だいたい5時。そんで暇になって30分位適当に過ごして、ぼーっとしながら時計視てたら9時………いや、起きてからもう30分経ってるから、8時半までか。」
要するに、時計を3時間近くもの間、意味もなく眺めていたということだ。
そして、もう一つ思い出したのが、飲み物を口にしていなかった時間の長さだ。
昼食を食べながら缶ジュースを飲んでいたのは覚えているが、勉強をしていた時は、集中していて飲んでいなかった。ということは、13時から20時半までの7時間半は、一切飲食をしていなかったことになる。
加えて、憶えている限りでは、時計を見詰めていた間は口が半開きになっていた筈だ。
妙に口内が乾燥していたのも、そんな事をしていれば当然だったという訳だ。
「(は〜ぁ、さっさとやる事終わらせよう)」
洗濯に夕飯に歯磨き、その他にもするべき事が山程ある。いや、それ程多くも無いか? まあ、それでも面倒臭い事に変わりは無いのだが。
そんなどうでも良いような事に頭を回しながら、流れ作業と化している日課を済ませ、コップ1杯の水を飲んでから寝床に就く。
__________
特筆すべき事も無い、普段通りの朝を迎える。
カーテンの隙間から漏れる光からして、まだ早朝………大方6時頃だろう。
少しの間だけ布団の温もりを満喫してから、掛け布団を押し退けて上半身を起こすと、両手で床を押してその勢いで立ち上がる。
寝間着から普段着に着替えてから、カーテンを開け放ち、顔を洗って、朝食を終える。
そんな、世間一般では健康的と言われるであろうモーニングルーティンを一通り熟したときには、時計は既に8時を告げていた。
しかし、居間にある椅子でゆったりと寛いでいると、とある違和感を感じ始めた。
「(なんだ? よく判らないけど、なんて言えばいいんだろ。こう、痒いのは解っても、どこが痒いのかが判らないみたいな…………)」
せっかく何も考えずにゆるりと過ごせていたのに、どうにも何かが気に掛かる。鼻に付くとまではいかないが、やはりどうにかできないものかと思ってしまう。
靴と靴下の間にくっつき虫が付いたのに、周囲の人目が心配で取りたくても取れない時のような、そんなむず痒さだ。
いっそのこと、堂々と原因が出てきてくれないものか。
そして、数秒が経つに連れて、違和感も強くなっていることにも気付く。しかし、言っていまえば違和感だけであった。
だが、何気なく椅子から立ち上がろうとすると───
「全く、何が原因なんだか………って、なんだ…これ……ッ!」
───
「(クッソ、なんでかは知らんが、大分頑丈に椅子とくっついてやがるッ! 普通だったらこんな事起こる筈がねえ、……ほんの少し引っ付くぐらいはあっても、こんな、スライムみたいに伸びたりその状態で固まったりはしないだろ………!)」
素人目に見ても明らかに異常なその現象から、何者かの能力が影響していると考えた俺は、周りを注意深く視察する。
顔を右に向けて誰もいないと判断し、左に向けても誰もいなかったので、正面に視線を戻すと……………
「いやはや、もうちょっと焦ってくれると思ったのだけどねぇ〜え。」
赤と黒の縦縞模様のマスクで口元を隠した、袖が肘ほどまでしかない、少しボロボロのスーツのようなものを着た人物が、2mと少し先にいつの間にか立っていた。髪の毛は短く切られているが、声の高さや体付き等からして、女性と思われる。
得体の知れない其奴を認識した瞬間に反射で蹴りをいれようとするが、脚も椅子に固定されているため、バランスを崩しそうになるだけに終わった。
「……誰だお前は。」
「ぉお、実に完結でわかり易い質問だねえ。全くぅ、
微妙に間延びした喋り方だな。そこまでして個性がほしいのか?
…いや、そんな事はどうでもいいんだ。それよりも、ボスという発言の方がよっぽど気になる。しかし、まだ質問の応えを聴いていないので、再び問い質す。
「だから、お前は誰なんだよ。」
「あぁ、そういえばそうだったねえ。うん、まあぁ、少しぐらい教えても問題は無いだろうからぁちょっとだけ言っちゃうとお、君が以前燃やしてたていう死体、わかるぅ? それがちょこーぉっと問題でねえ。」
判りにくい説明だったし質問への返答にもなっていないが、概ね理解できた。詰まるところ、あの化け物の開発元とか、開発の関係組織とかの末端等だろう。
……あぁ、俺が一番望んでなかった展開だよ。こうはならないでほしかったのにさぁ。
「あー、つまり、俺を殺したいって訳か?」
「いいや違うのよこれがあ。こちらが君について調べてた時になぜか12才以前ぐらいの経歴が曖昧だったからさあ。それを訊き出すために来たって訳よお。」
そういえば、元々の12才以前の経歴は無いのか。今の経歴は捏造したやつだからな……。
というか、プライバシーが全然保護できてねぇ。俺の注意が甘かったのか…? いや、そんなことは無いと思うのだが……。
「……」
「ぁあ、やっぱり心当たり有るよねえ?」
「…ッ!」
なんだよこいつ、人の思い浮かべてる事をいとも簡単に当てやがった……、いかにも空気読めなそうな雰囲気してる癖に………。
いや、今はそれを考えてる場合では無い。こいつは、殺すつもりは無いとは言っていたが、その言葉を守るという保証は無い。つまり、俺から訊きたい事を全て吐き出させる前に殺してくる危険だって、なきにしもあらずという訳だ。
そうと決まれば────
「先手必s……?!」
「おっとぉ、まさかこんなに容易に抜け出してくるとは思ってなかったよお? 益々興味が湧いたよ。君は無能力者なんじゃなかったのかな?」
こいつ…空気を読むだけじゃねぇ…! 行動を読むのも長けていやがるッ!! 愈面倒くせぇ野郎だ……!
能力で液体の粘度を下げて、拘束から脱出した瞬間に蹴りをいれたのに、安々と避けやがったよ…!
こっちは普段能力を使ってないせいで、反動に弱くなってるっつうのに………。
お陰で、もう既に体力がかなり削られてるんだよ…。
「……ぅう〜ん、君、体力無いぃ?」
「あ〜、隠しても無駄だろうから言わせてもらうが、……御名答だ。」
「…嘘ついてない?」
「あぁ、ついてねぇ」
「ならいいんだけどお。……じゃあ、ちょっと連行させてもらうねえ」
そう言ってくると、何処からか取り出した布に何かのスプレーを掛けて俺の口元に押さえ付け、すぐに俺の意識は薄れていった。
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目が覚めると、俺は硬い床の上で横になっていた。
固くなっている身体の上半身を起こして目を擦ると幾らか頭も冴えてきて、何者かに連れ去られたことを思い出す。
同時に、周囲を見渡してみて、今居る場所が牢獄のような場所だと判った。
「(あいつに連れ去られて行き着いた先が此処ってことは、何かしらの組織か? …………そういや、あの化け物に関係した組織なんだっけか。なら、此処は研究所的なところか?)」
その辺りはまだ判らないが、兎に角今は此処から脱出する事を考えようと思った。
脱出しようと思った理由は主に2つある。
まず1つ目は、俺自身が普通の生活を望んでいるからだ。
そして2つ目は、大人しく此処のやつらに従ったとしても死ぬ可能性が高い事だ。
理由としては2つ目の方が大きいかもしれないが、何方も俺からすれば重要なため、取り敢えず脱出しようと考える。
まあ、脱出に失敗したら即刻殺されるかもしれないが、普段の生活に戻れる可能性が0%になるよりはマシだと考えての事だ。
「そうと決まれば、早速脱出方法を考えねえとな。」
次回へ続く………
キリの良いところで切ったら、なんか短くなってしまいました。
「にしては投稿遅くない?」というのは無しで。
色々とやる事があったもんで。
それにしても、やっぱり敵がいると物語が一気に面白くなるものですね。
まあ、日常系も好きなんですけど。
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