なあ、【GGO】民よ、…………【EFT】って知ってるかい??? 作:ulo-uno
この様な作品ですが読んで下さる方々誠にありがとうございます。
武装した男が一人、工場内を進む。
男の武装は《CZ75_B》とナイフのみ。
工場はすでに荒れ果てていて、至る所に弾痕が確認できる。
男は既に少し被弾していたのであろう。
弾があったと思われる箇所には赤くなった跡がついている。
『HAHAHA……所詮ゲーマー共のお遊び程度と考えていたが……面白れぇ、まさかあんなバケモンがいるとは……』
男はそう言いながら笑う。
それも心の底から後悔しているかのように。
しかし、その後悔はこの戦いに参加したことではなく、……
『あ~あ。あんな奴がいると知っていればもっとまともな装備持ってくりゃよかったぜ、全く。……そうすりゃもっとこの戦いを楽しめただろうになぁ…………っと』
そう言って男は、―――《サトライザー》は、何かを見つけたかのように辺りを見渡す。
そこには、相変わらず荒れ果てた工場の機械があるだけのように見える。
しかし、サトライザーは何かを確信したかのように笑みを浮かべる。
「なあ、いるんだろう?近くに。……流石だぜ、あんた。ここまでできる奴現実世界にだってそういない。なあ、聞こえているんだろう?え~っと、確か……《タルコファー》だったか?そろそろ隠れてないで出てきたらどうだ?」
「…………質問に質問で返す失礼を承知で聞く。サトライザー、……戦場では相手が手負いだからと言って目の前に堂々と姿を現すことがあるのか?」
「ッ!?…………HAHAHA……こりゃ、聞いた俺が馬鹿だったな……。確かにあんたの言うとおりだ。だがこいつは、ゲームだぜ?もっとルーズにやったらどうだ?」
「……なるほど。それもそうだな。――――では、こうするべきか?』
『ッ!?!?!?』
先ほどまでサトライザーが話していた相手、タルコファーが英語で話しかけながら現れる。
サトライザーの後ろに。
勢いよく振り向き応戦しようとするが、――――――――――――
――――――――――――パスッ!!――――――――――――
弾が打ち出され、薬莢が地面に落ちる。
打ち出された弾丸は、真っ直ぐにサトライザーの眉間に吸い込まれる。
ここに勝敗が決まった。
史実とは違うBoBの初代優勝者。
その男の名を《タルコファー》という。
――――――――――――――――――――――――
やあ!皆、どうも初めまして。
突然で悪いが、俺の話を聞いてくれ。
俺は、元々プロの自宅警備員兼真のタルコファー(自称)として真剣に毎日を過ごしていたんだ。
しかし俺の家族は俺の宝であるパソコンを破壊した挙句に家を追い出したんだ。
全くひどい話があったもんである。(←自業自得)
そしてホームレス生活をを送っていた俺はある日病気にかかって誰にも知られずに死んじまったって訳だ。
それで死んだと思ったら次の瞬間には赤ちゃんになってんの。
あの時は混乱したぜ、全く……。
まあ、本題はそこじゃあない。
今回の話のメインは、
―――――――――――――――――なあ皆、【Escape from Tarkov】って知ってるかい?
これが今回のメインテーマだ。
そう、【Escape from Tarkov】だ。
通称、《EFT》または《タルコフ》と言われている。
こいつは、数あるFPSのゲームでも初心者のうちは結構難しいと俺自身は考えている。
そんなゲームは他にもあるだろって?
ああそうだ。
この程度であれば他にも似たようなものが沢山ある。
だが待ってくれ。
こいつの一番の特徴はそこじゃない。
ここで俺からこの《タルコフ》についての簡単な説明をさせてもらう。
この《タルコフ》というゲームは、自身の破算すらも快感と思えてしまうようなマゾヒスト集団が最終的に集まるゲームだ。
分かりやすく例を挙げると、もし君がこのゲームをやっていたとしよう。
君は、自身が気に入った武器を使いたいと思いゲーム内通貨を貯めるためにガラクタを必死こいて集めなければならない。
もしその途中や帰りで他のプレイヤーに襲われたとしよう。
その時勝てればいいが、もし負けてしまったのなら君が見つけた目ぼしい品や装備は全て相手に奪われ君はすっからかんだ。
そしてやっとの思いで稼いだ通貨を使って理想の武器を購入したとしよう。
それが、それがたった数分でゼロになるのだ。
ん?蘇生?装備返還?
そんなものあるわけないだろう。
一応、保険というものが掛けられて他のプレイヤーが持ち帰らなければ帰ってくることもあるが考えてくれ。
もし君が倒したプレイヤーが、かなりいい装備をしていた場合、君ならどうする?
因みに言っておくが《タルコフ》において金欠というのは大体のプレイヤーが隣り合わせであると思う。
つまり君はほぼ間違いなくその装備を持って帰ると言う訳だ。
それは相手も同じだ。
そして君は破算する。
そうしていくうちにいつの間にか自身の破算すらも快感になってくるのだ。
これで分かってくれたかな?
これが先ほど俺が言ったマゾヒスト共が集まる理由だ。
まあ、そんなことはさておきここまで長ったらしく説明したわけだがそんな俺がこよなく愛した《タルコフ》だが俺の転生した世界にはそんなものなかったのだ。
あったのは、あの快感とスリルをもう二度と味わえないのだという虚無感だった。
しかし、ある時俺はこの世界でこんなものを見つけた。
それが、――――――――――――
――――――――――――《ソードアート・オンライン》――――――――――――
そう、【SAO】で知られるあの世界線だったのだ。
あの時ほど喜んだことはそうない。
何故なら、【SAO】があるということは、近い将来【GGO】も発売されるということだ。
俺自身は【SAO】自体にあまり興味を持っていなかったが、俺のフレンドからその話はよく聞かされていた。
そして俺は閃いた。
【GGO】で《タルコフ》やったらよくね?ってな。
まあ、それで実際に発売されるまで待って遂に購入することができた。
で、プレーしてみた感想だが……理想と違った。
まあ、違っていて当たり前なのかもしれないが課金をしないとまともに装備を整えることすらできないだろうなと思った。
これでは、新人プレイヤーに余りにも厳しすぎる。
これではあのスリルと快感を分かち合う同志が少なくなってしまう。
このままではだめだと思った俺は解決方法を見つけた。
俺がやっていた《タルコフ》だって、元手がゼロで済む方法があったのだ。
その方法とは、《Scav》を選択することだ。
《Scav》は、正直言って金策以外に使ったことはほとんどない。
何せ武装や装備がランダムで選ばれるのだ。
下手をすれば、《PMC》の奴らにフルボッコされることもある。
だが、今の【GGO】に足りないものは金策の為の装備だ。
今の【GGO】では、金策の為の装備など考えられないほどにすべての装備が高い。
このままでは、新人が有り金全てはたいてまともな武装を一つ購入しても戦闘域きに足を踏み込んで上級者にリンチされてしまう。
だから俺は【GGO】内で必死に稼ぎ、プレイヤーメイドのショップを最初に立ち上げ《Escape from Tarkov》を開設した。
内容としては、店の登録を済ませれば無料で装備をランダムに貸し出すといったものだ。
勿論装備をパクる奴が出て来るだろう。
しかしながら、そうなりにくいように何度も装備をなくした奴にはそれなりの金額を払わせるし逆にきちんといつも返す奴には、レアドロップの商品を適正価格の四分の一にまで下げるというとち狂ったこともした。
そのおかげで、装備をパクる奴らはほとんどいなかったしそれでもパクった奴らは永久追放にした。
まあ、思っていたよりもずっと店が大きくなりすぎた気もするが……。
これでようやく、また《タルコフ》を始められると言う訳だ。
この度は、この様な小説を読んで下さり誠にありがとうございます。
2022/1/17_筆者の操作ミスで一斉削除してしまい誠に申し訳ございませんでした。