Minecraft ~結月ゆかりのマインクラフト人生~ 作:ライドウ
バックパックの中身と、貰った度の便利グッツの点検をしている。村長もまだ初々しい私たちを見て的確なアドバイスをしてくれている。
私は貰った軍用スコップの調整を、マキさんは貰ったライフルが曲がっていないかなどの点検をしている。よく見れば昨日はなかったナイフを持っている当たり、本当に私の旅に着いてくるんだろう。そういう私も、家からちょうどいい長さの棒を持ってきていた。
「いや、ゆかり君。棒って。」
「柄が長いんですから問題ないですよ。村長だって私の格闘能力の高さはご存知でしょ?」
「いやまあそうなんじゃが…(心配なのはその棒で叩きつけてスプラッタな光景になった時にマキ君が吐きそうなんじゃよ。)」
何やら村長がマキさんを見て心配そうにしていますが、気にせずに棒を片手にマキさんの確認を待つ。
マキさんも準備ができたのか、ライフルをバックパックに刺し立ち上がった。
「さて、食料はもったかね?」
「「はい!」」
「医薬品は十分かね?」
「「万全です!」」
「寝袋に穴は開いていないか?」
「「開いてないです!」」
「うむ。」
満足そうに頷く村長。
嬉しそうに顔を笑顔にして何度も何度も頷いている。
「これから、旅する二人にはこの言葉を贈ろう。『冒険は、楽しんだもの勝ち』だ。」
村長が私たちをしっかりと見つめ、その言葉を贈ってくれる。
その言葉が、胸に届き...これから始まる大冒険に対する期待が高まる。
「そして二人とも?帰って来たいときは、いつでも帰ってきておいで。ここは二人の故郷。君たちを追い出すなんてことはしない。」
優しい言葉で、ウルっと来てしまい。思わず村長に飛びつく。
村長はそんな私を、優しく抱き留め頭をなでてくれる。
「さて、旅は長いぞ?ここでグズグズしていていいのかの?」
村長の言葉にハッとし、村長から離れて村の外へと飛び出してゆく。
マキさんも私の後をつけて、村の外へと出る。
村が見えなくなる前に村に振り返り、いまだに手を振ってくれている村長に向けて頭を下げる。
「いっぱい!いろんなものを見てきますねー!」
「村長!元気にしててくださいね!」
マキさんは元気いっぱいに村長に向かって手を振る。
そして私たちは、大冒険を始めたのだった。
~~~~~
木々からこぼれている光が、私たちの進む道を照らしている。
その道をルンルン気分で歩いている私と、周りを警戒しながら歩いているマキさん...対照的な二人だけど、私に分るマキさんの目は見たことないものを見る目で、それはそれは輝いている。
「ゆ、ゆかりちゃ~ん。そんなにはしゃいでいると転んじゃうよ~」
「大丈夫ですよマキさん!私の運動神経をしって≪ゴン!!≫ふぎゃ!?」
私がマキさんにそう返しているとき、頭の上に何かが落ちてくる。
結構重くて、硬いものが私の頭に当たり...当たった部分がかなり痛く、思わず手を添えてうずくまる。
涙目でマキさんを見てみると、言わんこっちゃないと言わんばかりの表情でりんごを拾い上げていた。
すると、私の目の前に一匹の小動物が現れる。
「わぁ、見てくださいマキさん!!この子可愛いですよ!!」
「キュッキュッ!?」
「あれ、その子...えっと、確か...」
マキさんがバックから随分と分厚い本を取り出してページを高速でめくる。
その子を抱えながら、そのページをのぞき込むと...その子そっくりの絵が描かれたページがそこにあった。
「やっぱり、フェアリースクワールだよ!出会えたら幸運になれる小動物!!」
「えぇ、この子がそうなんですか?」
「キュッ!」
抱えている子を見てみると、ドヤァという表情が随分とかわいらしい。
「それで、フェアリースクワールって...どんなリスなんです?」
「まってね...えーっと、フェアリースクワールはその可愛らしい外見とあまり見かけない希少性から、幸運を呼ぶ妖精とも呼ばれています。雑食性で、基本的に何でも食べますが大好物は果物です。またペットとしても人気があり、王族や貴族の間ではこのフェアリースクワールをペットにするために破産したという逸話もあるほど。そしてこれは各地に残る伝承ですが、フェアリースクワールに懐かれた人間は、やがて何かを成し遂げる人となるでしょう。...だって。」
「つまり、私たちは冒険の最初にこの子に出会えて幸運ってことですね!」
「キュイ、キュイ!」
目を輝かせながら、その子を見てみると私の肩にのぼって頬にすり寄ってくる。
こんなにかわいい子が、どうやら私に懐いてしまっているようだ。
多分、りんご落とされたからごまをすろうって魂胆ではないと思う...けど。
「うーん、なんだか旅についてきそうだよね。どうするゆかりちゃん。」
「じゃあ、白い毛並みが綺麗だからスノーで!」
「あ、けっこいいい名前じゃん。その子の反応はどうかな?」
「キュイ!キュイキュイ!!」
「気に入ったみたいだね。よかったぁ。」
*旅の仲間にフェアリースクワールの『スノー』が加わった!!
マキさんが持っていたりんごをスノーに渡すと同じような大きさなのに軽々とスノーがりんごを持ち上げて齧りだした。小さな一口だけど、おいしそうに食べておりどこどなく母性をくすぐられてしまう。
そしてスノーは、りんごを抱えたまま、私のパーカーのフード部分に入り込む。
「キュッ、キュイ!!」
「どうやら、ゆかりちゃんのフードが気に入ったみたいだね。よかったじゃん、ゆかりちゃん。」
「ええ、旅にはスノーみたいなペットも必要ですからね!」
よいしょと口にしながら立ち上がると、スノーはフードの中からチョコンと首を出している。
満足そうな顔で入っているあたり相当気に入ったみたいだ。
「それじゃあ、旅の続きといきましょう!マキさん!」
「うん、新しい旅の仲間もできたからすすもうか、ゆかりちゃん。」
「キュイキュイ!!」
そうして、私たちは旅の続きを始めるのであった。
『旅ウサギ』結月ゆかり
スノーに懐かれて上機嫌。
可愛いもの大好き、実はネコ派。
『動物博士』弦巻マキ
動物全般が大好きな女の子。
激レア小動物のフェアリースクワールを見れて実は嬉しい。
『マスコット』スノー(♂)
フェアリースクワールのスノー。
りんごが大好物で、食べようと幹を齧っていたらりんごを落しゆかりに当てた犯獣。
ゆかりに懐いたのはスノーがゆかりに一目ぼれしたからである。
ちなみに秘められた力があるとかないとか。
『マキの大切な本』動物・魔物大全集
広辞苑よりも分厚い本。
なぜそれを持ち歩けるかが疑問になるぐらい重たい。
だけど重要なことを書いていない意外とポンコツな本。
ちなみに著者はフランチェスカ・ライブラリー。