Minecraft ~結月ゆかりのマインクラフト人生~   作:ライドウ

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感想乞食ではありませんが、やはり感想は欲しくなる今日この頃です。



第7話 ~『追憶』Now Loading...~

私の目線は、机の上に置いてある古代品(アーティファクト)に釘付けになっている。

 

「それは、あの子の友達が残したタブレットだ」

 

...それなら、私に見せるのではなく。あかりさんに見せるのが正解なのではないだろうか。

そんなことを考えながら、機械の狼である彼を見ても、彼は何も反応しない。

 

「...軽い、裏側は随分と可愛いシールとか貼ってありますね。」

「キュッキュッ、メルヘンチックキューイ!」

「それはそうだ、それはあかりの親友の私物だ。彼女は、自分のものを託してまであかりを生かすことを選択した。」

「その彼女の最期はどうでしたか?」

 

「出血死だったさ。魔物に攻撃され、じわじわと死んでいった......ごめんね、ごめんねと泣きながら。」

「キューイ…」

 

あかりさんの親友の死を悼みながら、そのタブレットに触れる。

すると、画面が光り...あかりさんともう一人の少女の仲良しな写真と『パスワードを入力してください』の文字、そして並べられた数字が表示される。

 

「その画面の黒髪の方だ。名前は、江西 紬(えにし つむぐ)。あかりが大好きな、あかりの幼馴染だったさ。パスワードは、1222。あかりの誕生日だ。」

 

彼の言われたとおりに、パスワードを入力すると...タブレットの画面が変わる。

そこに大量に残されていたのは、一つの手紙とたくさんの情報。クラフターであるあかりさんにしか分からないだろうが...『どこがどうしてどうなった。』という要点がしっかりとまとめられていた。

私は、手紙をタップしてみる。

 

『あかり か あかりを起こしてくれた人 へ

 

まずは、あかりを起こしてくれた人へ。

あかりを、私の大好きな人を起こしてくれてありがとうございます。

きっと、この文章は何万年後って言う時代を越えて読まれていると思う。

けれど、いくら時代が変わろうが私は人の善意というものを信じています。

だからどうか、どうかあかりを守ってあげてください。

あかりは、頭がよくて優しくて、友達思いでとっても寂しがり屋です。

それとあかりには嫌われるかもしれませんが、真実を話してあげてください。

あの子は、起こされた時代を生きていかないといけない。いつまでも終わった過去にとらわれないように。

 

そして、あかりへ。

約束、まもれなくってごめん。

あのアイスクリームの味ももう思い出せないけど、あなたの笑顔だけは覚えてる。

それに、もし私が死んだとしても安心して、私はいつまでもあなたの心の中にいる。

辛くなったり苦しくなったときは、私を思い出してほしい。頑張って応援してる姿が目に浮かぶと思うから。

だから、だから生きてほしい。起こされた時代で、諦めずに前を向いてほしい。

そしてどんなことがあっても、死んじゃだめだよ!死んだら私がひっぱたくから!

 

...やっぱり、あかりをひっぱたきたくなんてないから、頑張って生きて!!

 

byあなたが大好きだった幼馴染 江西 ツムグより』

 

タブレットをそっと机の上に戻し...近くの壁に向かって思いっきり拳を打ち付ける。

機械の狼の彼は、私の心情を理解してか...何も言ってこない。悔しかった...たらればの話とかじゃなく、ただ...悔しかった。何よりも、あの子に何もできないという悔しさが心に深く闇を燻らせる。

 

「あの子は...あの子はどうして眠りについたのですか?」

「...あの子が選ばれたのは、ほんの偶然だった。この研究所は、クラフター同士の地獄の戦争...【決戦】の僅かな生き残りたちが集まり、身を寄せ合って生きていた。しかし、このままではクラフター全員が滅びるのは時間の問題だった。食料は生産できず消費する日々、生き残るための資源もすべて無く、収拾するための気力も、力も、何もかもが残っていなかった。」

「そんな中、クラフターを残すために...誰かを眠らせることが決まった?」

「...ああ、選ばれたのはあかりだった。私は反対したさ、あかりの性格を誰よりも知っていたからな。だが、その時言われたのだ、『だとすれば、彼女が選ばれたのは運命だった』と...その言葉を聞いて理解したよ。この研究所で身を寄せ合ったすべての階級のクラフターはもう生きる気などないとね。」

「だけど、あかりさんは諦めなかった?」

「...それも、選ばれた理由の一つだ。だからこそ、あの時のクラフターたちは、眠りについたあかりを静かにあの装置に入れ...コールドスリープさせたのだ。」

「本人の許可もなしにですか!?」

「キュイ!?」

「それしか方法がなかった。と言えば、どれだけ気が楽だったか。違う、彼女は『諦めていなかったから』その方法で眠らされたのだ、6354万2456年と243日16時間34分もの時を!!」

 

彼は、激情に任せて瓦礫に噛みつき、そのまま粉々に砕く。

ずっと見てきたのであろう、あかりさんを眠らせたクラフターの人々を、この遺跡を、この場所を。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()あかりを、誰が責められる!!そんなあかりに()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()彼らを誰が辱められる!!」

 

ダン!と床を強く踏む彼の姿は、泣いていたのである。

無論、彼は機械の体だ...泣くことは一切できない、しかし...彼は泣いているのである。

彼の気迫が、彼の思いが...私に悲しみの感情をぶつけているのだ。

 

「どうして...どうして、こんなことになった。なぜあかりが、悲しまなければならないっ!なぜあかりが苦しまなければならない!!あの子には、あの人には普通の生活が一番だったんだぞ!?」

「......それを、私に問いますか?」

「ああ、問うさ!!彼女を起こしたのは貴様だ!!」

「ならば私はこう答えましょう。彼らは、あかりさんという星の灯りに導かれ、絆を紡ぎ、彼女に托した。ただそれだけの事です。貴方は、それを一番理解しているはずです。」

 

彼は私の言葉を受けて、停止する。

そして、やがて力無く座り込んでしまう。

 

「あぁ......あぁっ。わかっていたさ、あかりは...そういう子だ。常に諦めずに前を向いて社交的で、誰かを照らして導く...だから、だからっ。」

「キューイ」

 

おそらく、彼女に托したクラフターたちだって、生きたかったのだろう。

はるか昔の話で、もう確認する方法すらないが...彼らだって死ぬのは嫌だったはずだ。

だけど、あかりさんにすべてを託した。自分が死のうと、きっとあかりさんが希望を成してくれるはずだから。そう思い、死んでいったのだろう。

彼の泣き声と思わしき声だけが...この質素な部屋で響き、スノー君が優しく慰める、が...

 

ズドンッ!!

 

「っ、今のは!?」

「キュ!?」

「ちぃっ、奴め。この場所に気づいたか!!」

 

泣いていた彼だが、即座に立ち上がり

 

「来い!力を貸してくれ!!」

 

まっすぐと、私見る。

私は、何も言わずにバックを置き愛用の棒を取り出し走り出した。

 

~~~~~

 

「教えてください、奴とは」

「巨大な死体だ!ゾンビの姿だが、俺は『ジャイアント』って呼んでる!!」

「...ええ、確かに。この臭いはアンデット...っ!?」

 

私と彼は思わず足を止め、即座に臨戦態勢に入る。

そこには、大量のゾンビとスケルトンの群れがひしめき合い、ただでさえ狭い道がさらに狭く、息苦しく感じる程度にはそこにいる。

 

「っ!?なんなんだこの数は、なぜこんなに!?今までは、奴単騎だったというのに!」

「まさか、あかりさんの生命エネルギーを感じ取って...」

「...なるほど、一理ある。だが、この数は想定外だ。」

 

身体を低くし、いつでも飛び掛かれるように体制を整える彼、そして棒を構えてゾンビの大軍を一つ一つ見定める。

幸い、あの画面で見た女の子が混ざっているわけではないようだ。

 

「一つ、確認します。あの中に、貴方の知り合いはいますか?」

「......いいや、いない。なぜそんなことを?」

「...なら、遠慮なしに暴れられます。でしょ?スノー君」

「キュイ」

 

 

 

 




『旅ウサギ』結月ゆかり
ストレスマックスなのでストレスを解消しようとイラ立っている。

『生物兵器』スノー。
次回、ついに秘められた力が解放される。

『機械の狼』???
ゆかりの気迫が突然切り替わったことに驚いている。

『最後のクラフター』紲星あかり
パンを食べながら落ち着いている

弦巻マキ
ゆかりに隠れて買ったパンをあかりちゃんに分け与えている。
ちなみにシュガーブレッドである。
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