Minecraft ~結月ゆかりのマインクラフト人生~   作:ライドウ

9 / 18

スノーくんの覚醒回。



第8話 ~『弔い』World setting ~

「スノー君。もしあなたに、古代の生物兵器としてのプライドがあるというのなら…見せてください。貴方の力を」

「キュッ」

 

フードから出てきたスノー君は、私が伸ばしている左手の手のひらに移動し。

私の、左手の人差し指に鋭い歯を突き立てた。

その痛みは、今まで私が受けたどんな攻撃よりも痛くて...まるで私が、私でなくなるような感覚が…その噛まれた場所から起きる。スノー君は、血を舐め傷口をペロペロと舐める。

そして、左手から床に降り立ち、その体を変質させてゆく。小さく、フニフニの手足は筋骨隆々で爪は鋭いものへと、柔らかい毛が生えていた胴体は固い毛皮を持つ細くも禍々しく、かわいらしい顔は悪魔と言わんばかりの形相へと変り果て、ふわふわの尻尾はまるで刃物のように鋭くなり、長くなる。

変身したスノー君は私を守るように体制を整え、大きく息を吸い込む。そして、

 

キュオォォオォォオオオオオオオオオッ!!!!

 

大きな咆哮をあげる。

ただそれだけで、道をふさいでいたアンデットの大軍が吹き飛ばされ…そのまま動かなくなる。

…これが、スノー君の隠されていた実力。

 

「ウエポンズフロートの堕天使。その子孫に、こんな形で会えるとは」

 

私たちの隣に、機械の狼の彼が立つ。

彼はスノー君を見上げ、関心と同時に警戒心を表している。

スノー君は、彼に一切意識を向けることなく…私に頭を摺り寄せてきた。

 

「こら、くすぐったいですよ」

「キュオオオオオオ♪」

「...私に眼中は無しか。いいだろう、ここまでなだれ込んできているということは、一階のフロントは死体共の巣窟だろう。準備はいいか?」

「ええ、行きましょう。」

「キュオッ!!」

 

スノー君に跨り、一階へと続く階段に向かって駆け上がる。

案の定、彼の予想通りだったのか一階へと出る階段の出口にはゾンビが壁を作り上げていた。

 

「ここは任せてもらおう。」

 

そう言うと彼は、会談の段差を跳躍して無視しそのゾンビの壁に向かう。

彼が空中で回転した途端、壁を作っていたゾンビの壁が真っ二つになる。

そして見事な着地をした。そしていつの間にか、彼の細長い尻尾の先には巨大な回転する刃のついた剣が取り付けられていた。

 

「元よりこの機体は戦闘用ではないが...あかりの技術、そしてこの場所で死んでいったクラフターたちの技術の粋を得と味わうがいい!!」

 

彼はそう叫びながら、アンデットの大軍を縦横無尽に駆け回り、次々にゾンビを切り裂く。

私もスノー君から飛び降り、スノー君に大軍に飛び込むように指示する…するとスノー君は、喜んでアンデットの大軍に飛び込みアンデットを蹴散らし始める。私も武器を構えなおし、アンデットの大軍に飛び込む。

 

「はぁああああっ!!」

 

一撃、二撃と棒を振り回すだけで3~4体のゾンビが簡単に吹き飛び動かなくなる。

ゾンビの攻撃は紙一重でかわし、スケルトンの射撃は丁寧に棒で叩き落とし隙をついて蹴散らす。

途中から、ゾンビが持っていたボロボロの鉄の剣を奪い取り、それも使ってアンデットを蹴散らす。

私と、スノー君...そして機械の狼の彼のそれぞれの活躍により、やがて一階を占領していたアンデットたちは全滅する。大量の動かなくなったアンデットたちが物言わずに倒れ伏し…立ち上がらないように警戒を緩めずあたりを見渡す。

 

「...これで、終わりですか?」

「存外、あっけなかったじゃないか」

「キュオォオオオオオッ」

 

少しだけ肩の力を抜く。

その次の瞬間

 

ズガンッ!!

 

強烈な振動と共に、土煙が舞い天井が瓦礫として降り注ぐ

咄嗟にスノー君が私たちに覆いかぶさり瓦礫から防いでくれる。

しかしそれだけでは飽き足らないのか…

 

ズガンッ!!

ドゴォンッ!!

バキィッ!!

 

何度も何度も、振動と土煙、そして瓦礫が襲い掛かりスノー君の苦しそうな声が連続する。

 

「奴め、本気でここを潰す気か」

「その『ジャイアント』というのは、何なんですか?」

「...巨大な一つのゾンビだ。ここを守っていたクラフターたちはジャイアントに襲撃のたびに一人一人食われていった。奴は此処を狩場として認識していたが...クラフターたちが居なくなってからは稀に来るようになっていた…しかし。」

「...あかりさんの生命エネルギーを感じ取り、手下を従えて来た?」

「おそらく、『ジャイアント』の生命エネルギーの感知能力ははっきり言って異常だ。」

 

やがて、振動と土煙や瓦礫が収まり…スノー君は体に力を籠め

 

 

キュオォォオォォオオオオオオオオオッ!!!!

 

 

力強い咆哮で、瓦礫を吹き飛ばした。

 

「ありがとう、スノー君。」

「キュオォオオオオオ...」

 

「......やはりお前か」

「っ、これが『ジャイアント』」

 

彼の言葉で振り返ると、そこにいたのは確かに巨大なゾンビ。

しかしただのゾンビではなく、四つん這いで体中が傷だらけで矢と穴だらけ、槍や剣、斧やスコップ、つるはしまでもがそのゾンビの足に突き刺さっている。おそらく、彼に抵抗したクラフターたちの物なのだろう。彼らの抵抗は無駄ではなく、ジャイアントを四つん這いにさせることに成功している。それらは酷く風化しているが、ジャイアントのあしから抜け落ちてはいなかった。

そして、ジャイアントはスノー君の咆哮にこたえるように

 

アアアァァァァァァァァァァァァッ!!!!!

 

地獄の底から響いているようなおぞましい咆哮をあげた。聞くに堪えない咆哮で、思わず耳をふさぐ…

彼とスノー君は、体勢を低くし飛び掛かる準備をする。

私も、おぞましい咆哮に負けじと武器を構え、私たちはジャイアントに向かってかけだすのであった。





『旅ウサギ』結月ゆかり
想像以上の大きさのゾンビでどうやって攻略しようか考えている。

『ウェポンズフロートの堕天使の子孫』スノー
ウェポンズフロートの悲劇の中でも最強と呼ばれている【堕天使】と呼ばれる存在の子孫。
ゆかりの血を舐めることで、眠っている力を解放することが出来る。なぜゆかりの血が必要なのかは不明。

『機械の狼』???
今ここで今までの屈辱を晴らそうとしている。




  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。