葎凛抄『シロツメクサの甲子園』   作:風早 海月

8 / 14
連日更新は一旦ここで終わります。
次の更新はTwitterで告知致します。

Twitterは私のページのコメントか、以下のURLからジャンプしてくださいm(_ _)m
Twitter: https://twitter.com/Mitsu_Kazahaya





第8話

 

 

 

 

 

 

 

1回の裏、柳大川越の攻撃を、三者連続三振…しかもストレートとチェンジアップのみでそれを成した光がベンチに戻る。

これを成したのは光だが、それ以上に珠姫のリードが素晴らしいものだった。

 

「ナイピ!」

「三者連続三振!」

「パーフェクト行けるよ!」

 

ベンチでみんなから褒められて顔を赤くする光に、少し不満げな詠深。

 

だが、光、珠姫、芳乃は分かっている。球威の低い光の投球は『当てられたら打たれる。強打者は特に』ということを。

現に、2番打者の亀平さんにファールを打たれた時は、軽く飛ばされていた。

 

 

 

2回の表、新越谷の攻撃。

 

7番、息吹から。

 

 

初球。

先程打席を完了していなかった息吹。

つまり、大野の球を打席で見るのは2球目となる。

はたして…

 

カンっ

 

当たりはするが、前には飛ばず。完全に力負けである。

 

結局5球粘るも空振り三振となった。

 

 

一死無走で8番はぶんぶんま…もとい、白菊である。

 

豪快なスイングフォーム、ジェット機のような音がするスイングスピード…目には見えないがトップバランスで重めのバット…

これぞ一発狙いと言わんばかりのバッターは、投手としては嫌なものだ。

 

なぜなら狙って打たれるならともかく、『たまたま芯に合ったら柵超えた』みたいないわゆる『事故』が起こるからだ。出会い頭とも言う。

その『事故・出会い頭』はごく稀にあるものの、その時にブンブン丸がバッターではほぼ確実にホームランである。

 

たとえ芯を外して詰まっても外野に飛ばすパワーも感じるのは、さらに怖い。

 

だが、ブンブン丸も当てられなければ意味が無い。三球三振でツーアウト。

 

 

9番、光。

 

光は投手ではあるものの、本来はこんな下位打線にいていい打者ではない。

それを知らなかった大野と浅井は、投手相手に少し甘い低めのアウトコースを選択した。

埼玉一右から放たれるクロスファイアーと自称する大野なだけあって、ストライクゾーンから外に逃げていく球になる。

 

だが…

 

甲高い金属音。鋭い打球角度。

 

スっと普段よりも前に右足を出して、バッターボックスに1番近い時に球を捉えた…技ありの打撃。

あわや本塁打…かに思えたが、センター大島がフェンスをスパイクで噛ませてジャンピング捕球。大島の超ファインプレーでスリーアウトである。

 

 

(ひぃ〜、なんて打球よ)

(9番で小柄なピッチャー…打てない投手だと思ったが…)

(後1歩でも前目に位置どってたら間に合わなかったスね…)

 

柳大川越の扇の中心線に位置する選手3人は、光への認識を改める必要があると感じた。

 

浅井は大野の背中を叩きながら、2巡目以降の組み立てを考え直すのであった。

 

 

 

 

 

 

 








白菊「ブンブン丸ってなんですか?」
息吹「あんたみたいなバッターよ」
白菊「なるほど、初心者ってことですね!」
息吹「…そうね」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。