クロバス+プラス   作:ネッシュ

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初めての投稿キャラはみんな大好き赤司様です!
※主人公ちゃんの名前は【神崎美咲】です。


クロバス+プラス  赤司征十郎

 洛山高校 【赤司征十郎】

 

「あ、雨・・・」

 

美咲は窓を見るなり、短くつぶやいた。すると、すぐ隣にいた一人の男子生徒が声をかける。

 

「傘は、持ってきているのかい?」

 

声をかけた彼の名は赤司征十郎。この洛山高校の生徒会長を務めている。

 

彼は手に持っていた書類に目を通すのを止め、姿勢を正して美咲に問う。美咲は「ん~・・・」と曖昧な返事をしながら、自分のバッグの中を探る。しかし、傘らしきものは出てこなかった。

 

「あはは・・・忘れた・・・」

 

そう言って机に突っ伏す。黒く長い髪が自分の頬に触れた。そのままの姿勢で窓の方を見やると、雨は一向に止む気配もなく、ザーザーと音を立てて降りつづけていた。

 

「は~あ・・・」

 

自分の不甲斐なさに思わずため息が出る。今日は濡れて帰るのかあ・・・と、思いながら、残っている生徒会の仕事を片付けようと資料を手にしたとき、美咲の手からいつの間にか彼の手へと資料が移動していた。

 

「あ、赤司君・・・?」

 

「帰るぞ、美咲」

 

「え? でも、まだ生徒会の仕事終わってないよ?」

 

「急ぎの仕事ではないから大丈夫だ。ほら、帰るぞ」

 

そういうと、彼は大きな手を私の目の前へと差し出した。美咲は柔らかく微笑み、「うん!」と嬉しそうに頷いた。

 

 

 

「さっきよりかは小降りになってるかな?」

 

昇降口で空の様子を見てつぶやく。だが、小降りとはいえ、傘がなくてはかなり濡れてしまうだろう。 そう思い、美咲は彼に「もう少し止んでから私は帰るね」と、言おうとすると、彼は美咲の手を大きな手でつかんでいた。

 

「へ!? あ、赤司、くん・・・?」

 

急に手をつかまれたことに驚きを隠せず、間の抜けた声を上げてしまう。しかし彼はそんなことは一切気にせず、自分のスクールバッグから黒い折りたたみの傘を取り出し、それを開いた。

 

「美咲」

 

「は、はいっ?!」

 

何故か敬語で、しかも声が裏返るという面白い美咲の反応に、彼は「ふふっ」と上品に微笑み、つかんでいた手をぎゅっと優しく包み込んだ。

 

「一緒に帰ろう」

 

澄んだ美しい表情で、凛とした声でそう言われた。

 

(・・・もう、頷くしかないよ!)

 

美咲は赤らめた頬を隠すように頷き、彼の手をそっと握り返した。

 

 

 

「あ、そういえばね。私のいとこのお姉さんが今度結婚するの! ジューンブライドに憧れてたからすごくうれしそうだったなあ・・・」

 

「へえ、ジューンブライドか。・・・美咲も、そういうのに憧れているのかい?」

 

突然の質問に「う~ん・・・」と悩む美咲だったが、三秒もしないうちに答えを返した。

 

「確かにすてきだとは思うけど、特に憧れとかは無いかな。だって、ジューンブライドじゃなくたって、幸せだと思うから。二人が幸せなら、いつ結婚したって、変わらないと思う。二人が愛し合っていれば、おじいちゃんおばあちゃんになってもず~っと幸せだと思うの」

 

幸せそうな表情の美咲を見て、彼も幸せそうに微笑んだ。

 

「ならその相手、僕がしてもいいのかな?」

 

「え?」

 

「僕がずっと美咲と愛し合って、おじいちゃんおばあちゃんになってもずっと幸せにする。・・・この役目は、僕がして、いいんだよね?」

 

彼の優しい瞳に、優しい声に私は嬉しくなる。

 

目じりに涙を浮かべ、美咲は笑顔で言う。

 

「赤司君じゃなきゃ、この役目は務まらないもん・・・!」

 

ぎゅっと、大好きな彼に抱きついた。とても、温かくて、優しくて、安心できる・・・美咲の、美咲だけの居場所に。

 

「・・・ねえ、さっきのってプロポーズとして、受け取っていいの・・・?」

 

「僕は、そのつもりで言ったんだけど・・・伝わらなかったかな?」

 

「ううん、十分伝わったよ。・・・でも、幸せすぎて、本当に現実なのかなって。もしかしたら夢なんじゃないかなって、思っちゃったんだ」

 

抱きしめる力を強くし、幸せという甘い余韻に浸る。

 

「美咲」

 

名前を呼ばれ、顔を上げる。すると彼は「見てごらん」と空を指差した。

 

「わあ・・・!」

 

そこには、美しく輝く虹が架かっていた。それは、まるでーーー

 

「僕たちを祝福してくれているようだね」

 

彼の言葉に美咲は嬉しそうに頷く。彼も、嬉しそうに微笑んだ。

 

「---ねえ、美咲。こっちを向いて」

 

再び名前を呼ばれて振り向く。するとーーー

 

「~~!?」

 

美咲の唇と、彼の唇が、重なり合った。

 

それは、触れるだけのキスだったけれど、とても甘くて、とても優しいそんなキスだった。

 

「ふふ、誓いのキスを、ってね?」

 

意地悪く笑う彼の表情は、なんだかいつもの大人っぽい彼とは正反対に何故か子供っぽくも見えた。新しい彼の表情に、ついついうれしくなる。

 

これから、美咲は彼の新しい一面を、彼は美咲の新しい一面を見つけていくのだろう。

 

見つけては、嬉しそうに笑って。時には、ケンカをしたり、仲直りしたり。

 

とても大切な時間を、これから二人で作っていくんだ。

 

ずっと、あなたの隣で笑顔で。

 

最期まで、笑顔で。 

 

 

 

 




初投稿でした!作者のネッシュです。
少しでもお気に召してくれれば幸いです!
コメントやリクエスト、お待ちしております!!
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