お姉ちゃんのお姉ちゃんによるお姉ちゃんの為だけのヒーローになる、です 作:珱瑠 耀
良ければ皆さんもどうやったのか予想して見てくださいね。
ヒーロー側と
「では……早速行ってきますね、お願いします〜」
ぽてぽてぽてぽてとビルに沿うような感じで
その間に他の腕は耳になり、壁にくっついたり色んな方向に伸ばしたりして周囲を探る。
その間に私は
「ただ今戻りました〜!中はどうでしたか?」
「…………見たところ、最上階の角にある大部屋を拠点としているようだ。二人分の足音と会話も、先程の作戦とほぼ変わらずだな」
「目の方も大丈夫でしたか?」
「あぁ、窓にもテープが付いていた」
そこまで予想と同じならば、こちらとしてはこの上ない好都合。
「それであれば……はい、障子さん」
私はポケットに潜ませた袋を外し、障子さんに渡す。
「…………それか」
「えぇ、これに引っ掛かれば実質勝利です」
多分、目は開いていなくとも今の私は悪い顔をしているだろう。
それはそうだ、今からやるこの戦法はかなりトリッキーで驚かれる。
ギャラリーから個性含めてどう言われるか、楽しみだ。
「っとと、これでも便宜上ヒーローなのですから、表情はちゃんとしないとですね」
と、カメラがあることを思い出して頬をぐにぐにと解す。
私は爆豪さんじゃないですし、と続けたら障子さんが少し吹いた。
『スターート!!!』
そんな話をし終わったと同時に、オールマイト先生の号令が掛かったので、さっさと中に入ることにした。
障子さんを前にして私はその後ろを、足音を出さずに進む。
体格的にも、障子さんで遮られて誤魔化せるからだ。
『―――そろそろ来る、約3秒』
「了解です、手筈通りに」
通信機から来る声に短く頷き、障子さんが右腕を振りかぶる。
道は一直線で天井が高すぎず低すぎずの丁度良い位で、細道もなく窓もない。
向ける先は、今はまだ
「ほっと」
私が数歩バックステップをしたと同時、障子さんが袋を高く投げた。
その、2秒後。
「ッ、発見したぞ!!」
「了解っ!」
右の角から切島さんと瀬呂さんが順に出て、下と上からそれぞれ攻めようと迫る。
―――そこに。
「―――
ヒュッ、という短い音と共に
それは手首から出て障子さんの左脇を通り、飛ばされた袋に吸い寄せられるように進み―――
ぱぁんっ、と茶色の中身を派手に弾けさせた。
「んなッ!?」
「っ、少し掛かった……砂?」
そう呟く瀬呂さんに、してやったりとニヤける。
後は、これだけ。
「では、二名様御案内です……
「な、何―――」
「うおっ、待―――」
刹那、二人の姿が目の前から
同時に出てきたのは、同じ砂。
自由落下運動に従いパサッと落ちた砂を見て、障子さんと目配せする。
「終わりです、核を取りに行きましょうか」
「了解した」
これまた短くやり取りを終え、迅速に建物を駆け抜ける。
―――と、遠くで男子二人の叫びと思われる声と、何かが派手に落下する音が聞こえた。
「…………成程、
「えぇ、大正解ですよ♪」
この音だけでどうやったかを察することの出来る障子さんは凄い。
そう感心しながら、私達はさっさと核に触れた。
『ヒーローチーム、WIIIIN!!!!』
試合後、地下のモニタールームにて。
「―――さて、今回のMVPは誰だと思う!?」
オールマイト先生の言葉に元気溌溂なヒーローチームと細かい擦り傷が目立つヴィランチームを見やり、満場一致で。
「「「「渡我さん(ちゃん)です(だな)」」」」
障子さんもうんうんと頷いて応える。
「何やってるのか解んなかったけど、積極的に障子に話し掛けてたって事は多分渡我の案じゃね?」
「始まる前に何してたのかとかも含めてそうだと思う!」
「うん、そうだね!私も今回のMVPは渡我少女だと思う!……して、これはどういった作戦でどのような事をしたのか、良ければ説明をしてもらえるかい?」
上鳴さん、芦戸さん、オールマイト先生の順でそう言い、私に繋がれる。
はい、と短く頷いて少し言葉を選ぼうと考えた。
「そうですね……今回の作戦では、『制圧』することではなくより安全に核を『回収』することを視野に置いたのです。それを含め、瀬呂さんと切島さんペアは前者が妨害と遠距離攻撃、後者は近距離と防御という比較的バランスの取れたチームでした」
その言葉に、クラスメイトがうんうんと頷く。
「きっとお二人はテープで部屋と核を守り、その後攻めてくる筈です。ではそのバランスをどう崩すか……という点ですが、それが開始前のあの行動でした」
「ウーム……それがだね渡我少女、実はそこ、カメラが回りきってなかったからあまり解らなかったんだ!何をしていたんだい?」
それを聞いて、そうだったんだと理解する。
それなら解らなくて当然だ。
「核のあるビルから約4軒離れたビルに
ここで半分のクラスメイトが感嘆し、もう半分が疑問を持つ。
「話の腰を折って申し訳ない、渡我君の個性は一体何なんだい?」
「あ、そうでしたね飯田さん。言うのを忘れてました」
と、ここまで話してきて肝心なことを忘れていた。
頬をぽりぽりと掻きながら私は話す。
「私の個性は『反転』。色々なものの色々なことを反転させられるのです……例えば、オールマイト先生」
「ム、なんだい!?」
突然話を振られた先生は軽く驚くが、すぐに落ち着いて応答する。
「この砂を手に持ってもらってもいいです?」
「あぁ、構わないよ!」
そして彼から離れたところに砂の山を盛り、少し離れる。
「これは応用した個性の極一部ですが……
刹那、砂の山とオールマイト先生の位置が逆転する。
「おぉ!?」
先程も見た光景だが、皆はこれでも未だに現実味の無さを隠せなさそうな顔をする。
それは驚くだろう、何せこれは擬似的な瞬間移動なのだから。
「この砂は私が事前に『この砂は個性の影響下に無い』という要素を反転させたもので、これを使うことである地点ともう一つの地点にあるものを砂を通じて反転させる事が出来ます」
「つまり、罠を仕掛けたビルにその砂を置いた後に彼らへともう一方の砂を掛ける。その後にその入れ替わりをすれば、
「はいっ、そういう事です八百万さん!」
そこで計画の全容を理解した八百万さんがそう言い、クラス全体からおぉーという声が上がる。
相変わらず完璧な推理、感服します。
「つーか俺ら、障子しか見えてなかったな……」
「体格差で綺麗に隠れて全くわからんかったし」
「ふふっ、そこも計算済みです♪障子さんは目と耳で位置の把握と盗聴、更に砂を掛けるときの死角としてもお願いさせて頂きました!」
改めてありがとうございます、と感謝すれば、優しい目のままでうんと頷かれる。
「ウーン、体格差やそれぞれの個性を活かし、ビルや核に大きな損傷も無く極めて安全に立ち回れたね!悪い所のない完璧な作戦だった!勿論負けてしまった
そうしてわーっと喝采を浴び、私達の試合は終わりを告げた。
この身長差ペア、かなり良いなと思っております。
なおこの合法ロリオリ主、10年の修行で普通に必殺技を会得している模様。
余談ですが、左手首から出したものはBB弾です。
本編内でもあったように、座標指定にする砂を付着させる為に袋の中身を遠くでもぶち撒けるような仕組みを、という要望の元作られました。
手首を返した状態で標準を合わせて撃つ感じです。
こちらは投げた先にある袋を正確に当てられるように特殊な磁石が使われており、袋とBB弾以外には基本くっつかないように出来ています。
袖がぶかぶかな理由は半分がこれです。