お姉ちゃんのお姉ちゃんによるお姉ちゃんの為だけのヒーローになる、です 作:珱瑠 耀
ぽてぽてっていう擬音で走るハルちゃん(戦闘服Ver.)をイラストにしてくれないかな誰か(願望)
―――あれから。
轟さんは左を使わないと決意させるようなコスチュームでビル全体を凍らせて勝利し、梅雨ちゃんと常闇さんのスキのない連携で青山さんと芦戸さんを終始圧倒させたりとそれぞれがそれぞれの戦法を駆使して訓練を続けていく。
その間、爆豪さんは何も言わずにスクリーンをじっと見つめるだけだった。
自尊心の塊である彼に、あの戦いは相当堪えたのだろう。
言葉を発さず、周囲の喧騒に一切の反応も見せずにただただスクリーンの一点だけを焼き切れそうな程に見つめる彼には、一種の信念さえ感じられる。
ナードと言い続けて下に見ていた緑谷さんに動きを読まれ、対決で負け、そこにプラスで八百万さんのあの酷評。
更に言えば轟さんのあの圧倒的な個性。
それを見せつけられれば、彼のちっぽけな自尊心など安易に砕かれる。
現在は上鳴さんと耳郎さんのペアがヒーロー側で、八百万さんと峰田さんのペアが
私は気付かれないように爆豪さんを見、そして彼にぎりぎり聞こえるように。
「麗日さん芦戸さん、これが終わったら放課後に反省会でもするです?クラスで色々な意見もあるので、今後に役立つと思うのですよ」
「あっ、いいね!アタシ他にやりたい人居るか聞いてみる!」
「ウチも参加しよっかなぁ……反省点多かったし」
「人それぞれですよ、私とてこういうのは初めてですし」
そぉ……?と凹む麗日さんをフォローする。
まぁ、私が言うのもどうかとは思うのだが、それはそれ。
私も完璧ではないのだ。
「さて、この試合も終わったし、あの四人に講評を伝えたら全員で入口に集合しよっか!」
そんな私達に、オールマイト先生から声が掛かる。
気付いたらあの四人も終わっている。
どうやら
「―――お疲れさん!緑谷少年以外は大きな怪我もなし、しかし真摯に取り組んだ!初めての訓練にしちゃ皆上出来だったぜ!」
出口前、全員が集まりオールマイト全員の声に耳を傾ける。
やばい、後ろに来ちゃったから姿が見えない……!
「相澤先生の後でこんな真っ当な授業……なんか拍子抜けというか……」
「真っ当な授業もまた私達の自由さ!……それじゃあ私は緑谷少年に講評を聞かせねば!着替えて教室にお戻り!」
呟いた誰かの声にしっかりと返答したオールマイト先生は、そう言うとさっさと戻ってしまった。
急いでいるように見えるのは、時間がないからだろうか。
この後リカバリーガールに怒られるんだろうなぁとか考えながら、私は更衣室へ向かう麗日さんと並んで。
「教室に戻ったら、先に反省会をしてもらってもいいですか?」
「ん?いいけど、どうしたん?」
「
目的はもう一個あるのだが、それは言わなくてもいいだろう。
「えっ、反榴ちゃんの
「今すぐにとはなりませんが……もう少し遠距離での手数を増やしたいなぁと思ったのです。砂だけだとまだ乏しいなぁって」
そうなんだぁ、と返す麗日さんに、更に続ける。
「右手首にワイヤーフックを付ければ、いざというときの逃げにも即席の命綱にもなるしで良いですもんねぇ……他にも近接武器を仕込んでおけば近付かれても割と対応出来ますし」
「もうそれ暗殺者やんけ!」
ブハッと麗日さんの吹く声にふふふと微笑み返し、私達は着替えを進めた。
放課後、
「
視界の端でタイピングに苦戦しているオールマイト先生がちらつく。
「……解りましたです」
特徴的な髪とぶかぶかな服とが完全に
「……どうした」
なんかもう我慢できないので、出来るだけ小さい声で、
「いえ、そのぅ……相澤先生、どうしてオールマイト先生があんなに痩せておられるのです?」
「!?」
「ぴっ!?」
言ったら相澤先生、問答無用で個性使ってきたんですが。
首がグリンって、90年代の3Dゲームみたいな動きしてたんですけどすっごい怖い。
「……どうしてわかった」
かなり小声なのに顔がすっごく怖いです先生。
「いえ、あのダボダボな服は増強型の典型的な悩みである『服にお金が掛かる』を体現してるのです。それで教員の中であの姿の人を誰一人見たことなく、髪型で予測できる人と言ったら……オールマイト先生、ですよね?」
オールマイト先生の個性は何か解らなくとも、シンプルな増強型であることは察しがつく。
それが身体全体に及ぶのであれば、オールマイト先生のあの痩せた身体にも合点が行く。
「……はぁ…………絶対、バラすなよ」
前世の知識と見た限りの推理を駆使して説明すると、押し殺したような声で釘を差される。
私はそれに頷くしかなかった。
やはりプロヒーロー、現実で実際に見つめられるとかなり迫力がある。
今はオールマイト先生に対し苦言を呈しているが、たった一挙でそんなに雰囲気変わるのか。
「…………まだあるのか?」
「あっいえ、ないです、すみませんです」
じっと見つめてたな、と思い早足で失礼しました、と職員室を後にする。
多分先生からの警戒レベル上がったな、と思いながら。
―――そして、戻って反省会に参加しなきゃ、と早足で教室に向かうその途中。
「ぷわっ」
「あァ?」
よりにもよって爆豪さんと鉢合わせた。
※この合法ロリオリ主も爆豪君の自尊心をブチ壊すのに一任していた事に彼女自身気付いていません。
合法ロリ+ゴスロリ+シスター+ダークってなんか良さそうですよね
良さそうですよね!!(圧)