お姉ちゃんのお姉ちゃんによるお姉ちゃんの為だけのヒーローになる、です 作:珱瑠 耀
同士よ来たれ(迫真)。
獣、とは言うがそこまで過激なものでもない。
ただ―――
「は、むっ……!―――っ、はっ、ふっ―――」
「っぎ―――ぁっ、っ
お姉ちゃんが一心不乱に、傷から滴る私の血を吸っているだけだ。
許可してすぐに私の腕に跳びついた姉がカッターで私の手首を切り、ぷっくりと出てくる血を痣が出来るくらいに吸う。
ぢゅうぢゅうと痣が出来そうなくらいに吸い付く唇に一瞬だけ顔を顰めたが、それもすぐに霧散した。
傍から見たら、
―――そんな行為を一切の抵抗をせずに受け入れる私は姉よりも危ないのかもしれないが。
舌を這わせ、腕を掴みはするが先程よりもゆったりと行為を続ける姉の頬を、私は何と無しに撫でる。
「んむ、んふふ……」
「ん、ぃ"っ」
擽ったそうに顔を捩り、照れ隠しか腕を噛まれた。
そこに家族だからという容赦は何処にも無く、まるで固い豚肉を噛み千切らんという位の強さが含まれている。
―――痛い。
―――刺さるように痛い。
―――傷が熱を持って、ジンジンと痛む。
だが、それすらも
―――こんな私は、きっと
姉からの
「んぁ、む―――っ」
「っ……ふ、ぅ―――ぁぎっ」
はふ、という吐息の後に強い痛覚。
ぷちりと掌の皮が無理矢理剥がされ、そこから溢れる血が姉の口内へと入る。
―――あぁ、痛い、痛い、気持ち良い、もっとして欲しい。
目を細め、荒い鼻息のままで舌を傷へと押し付ける姉を見て、狂おしい程の愛おしさと手から伝わる痛みにお腹の奥が疼く。
「っ、あぁ……お姉ちゃん、おいしいです?」
普段は細められている自分の目を姉の為
「んっ、んく……えへへ、おいしいです」
その質問に少し慌ててコクリと喉を鳴らす姉。
割と多い量を口に含んで味わっていたのだろう、吐いた息は鉄の匂いがした。
「……っ」
―――その鉄は私の身体から出た
―――
―――さらに考えてしまえば、今姉の中には少なくない量であろう私の血が入っている事に気が付く。
「……ふふ、にへへ」
姉の身体の中を現在進行系で汚していると理解したとき、私の頬はだらしなく緩み熱を持つ。
それに併せて息も荒くなり、頭がぼうっとして、ぞくぞくと背中が震えた。
姉の顔も笑みが深まっている辺り、今の私は
「お姉ちゃん……こっちも、です」
爆発しそうな本能を押し流してもらう様に、私はいそいそと首元に貼られたガーゼの下を露出させる。
姉がごくりと喉を鳴らすそこは、今までに何百回と同じ事をされていて跡の絶えない噛み跡。
私達の最初の
跡が消えて欲しくない、と願うのは私のちいさな我儘。
だから毎日の様に絆創膏で誤魔化し、そして毎日の様にそこをどろどろに汚してもらうのだ。
「よ、い……しょ」
肘を支点に少し起き上がった姉の、すぐ真下に位置するようにごろりと転がる。
そのまま姉の頬を両手で挟むと、先程噛み千切られた右手から微かな痛みが。
「ん……」
ぴく、と反応した私に姉は極めて優しく笑い、上から覆い被さる。
ぎしりとベッドが軋み、至近距離で姉の明るい琥珀色と私の暗い琥珀色の視線が交わった。
その瞳には、私しか居なくて。
私の瞳にも、姉しか居なくて。
その事にお互いどうしようもない幸福感を感じ、だんだんと上気した吐息が絡んでいく。
―――そして。
吐息と絡んだ私の言葉が、姉の顔を引き寄せた。
ちゅーまでは行きます。
そこから先はR-18です。
……その先も書いたほうがいい?
※2/6追記
R-18版幕間「溺れた柘榴」を投稿しました。
こちらも読みたければご覧下さい。
https://syosetu.org/novel/278901/