VTuberになるために   作:Cucu

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続くかなんて分かるわけない
暖かい目で見てやってくだせぇ
よろしくお願いします


VTuberになる編
#1なんでこうなったかわからない!!


「配信始めなきゃ...」

 

 

何とか色々機材を準備して、あとは配信開始のボタンを押すだけになった。ドキドキが止まらない。失敗したらどうしよう、これからずっとやっていけるだろうかなどという不安ばっかりが思い浮かんでくる。押さなきゃいけないのに手が震える。

 

 

 

勇気を振り絞り()は配信を開始した_______

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

僕はどこにでもいるような片田舎に住んでる男子高校生だった。まぁ、クラスではただのモブだったけど。それがどうしてなんでこうなったのかは分からないが、17歳の誕生日の朝、目を覚ますと...

なんか体に違和感。そこには見慣れない長さの髪、ぶかぶかな服の下に膨らみのある胸部、そして大事なものが無くなっていた。その時、

 

 

 

 

 

「あぁ...、なんでこうなったんだ?」

 

 

 

 

 

と呟いた。

 

 

声も女子だ。(クールな感じの声)

 

 

正直、アニメやマンガとかが好きだからこういう展開には憧れていたが、自分がなるとこうも悲しいのか。

 

 

 

とりあえず。とりあえず、親に言い(めっちゃ慌てて驚いてた)、家もあまり知り合いのいない所に行きたかったので、都会の近くに引っ越した。そんなこんなでバタバタしていていろいろやっていたが、ちょうど春休みで必要なものは準備できた。引っ越しの準備の際、普段あまり気にしていない鏡を見つけたので、改めて確認してみると、

 

 

 

「めちゃめちゃ美少女じゃん!」

 

 

 

鏡に映った自分を見て言った。正直、叫んでたと思う。うん。別に嬉しくなんかないし!!と勝手にツッコミ、引越しの片付けをしていった。

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

「ついにこの時がきてしまった...」

 

 

 

ついに学校に行く日が来てしまったのだ。全く誰も知らない学校に通うことになったのだが、正直不安しかない。

 

 

 

「やだなぁ...」

 

 

 

知らない所に慣れない制服スカートを着て行くなんて、ただの陰キャにはハードルが高すぎる。無理無理無理無理。どうしてくれんだよ!まだ来て間もない部屋でもんもんとしていると、母親が来て車で強制送還されてしまった。

 

 

 

そこからはあんま覚えてないけど、先生にいくつか質問をされ、ただ頷いていただけの気もするが、あっという間にクラスでの自己紹介まできてしまった...!

 

心の準備をしなければ!と思っていると、「先生が先に入って行って、呼んだら入ってきてね」

 

と段取りを勝手に決められ、さっさと先生は教室に入って言ってしまった。

 

 

 

「どうしよう...」

 

 

 

そんな言葉が口からこぼれた。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

「あっ、えっと、青野渚(あおのなぎさ)でっ、す。」

 

 

 

あの短時間で色々考えたが、結局、大勢を前にしたら、全て忘れて、名前のみになってしまった。よろしくお願いしますも言えなかった。席は窓際でここは海の見える学校で、結構近くに見えた。

 

 

 

朝のホームルームが終わるとクラスの中心ぽい人たちが寄ってたかってきた。「どこから来たの?」とか「可愛いけど、彼氏いるの?」とか色々聞かれたが、陰キャなので、適当に返事してたら、つまんなくなったのか、昼頃には誰も来なくなった。正直めちゃめちゃ疲れた。

 

 

 

新学期初日だったのもあって、授業は午前中で終了し、やっとの思いで自宅の自分の部屋にたどり着いた。(といっても、親は仕事でいつも居ないが)一応、

 

 

 

「ただいま〜」

 

 

 

と言ってみるが、誰もいる訳もない。悲しい。今日の最初はあんなに緊張していたのに友達どころか人とまともに話すことすら出来なかった。あれ、僕ってこんな陰キャだったっけ?確かに元々の学校でもモブ...中学校時代は趣味のゲームやら色々やってたけど...

 

 

 

「あっ」

 

 

 

友達と言える友達が前の家の近所に住んでいた小学校から同じだった2人しかいねぇや!こんなことがあっていいのだろうか!悲しい。

 

 

 

「はぁぁぁぁあぁ...」

 

 

 

溜め息が誰もいない家に広がる。こんなこと考えてても仕方ねぇ。と思い、近くにあったベースを手に取った。

 

 

 

実はその近所の友達たちがこれはなんとまぁ完璧と言っていいほどのすごい人達だったので(小学校時代はなんとも思っていなかったが)、中学校に上がるとそいつらだけが無駄に注目され、自分とはかけ離れた存在になり、あまり関わらなくなってしまったのである。あいつらに追いつくために中学校時代は色々やっていた。(流行ってたゲームとか色々極めてみたり、スポーツや楽器にも手を出した。)ベースもその一つである。

 

 

 

好きなボカロの曲を1曲弾こうとした。すると、思うように弾けない。なんでだ。

よく考えてみると、女子になったんだ。手が小さくなったんだ、と思い至った。

 

 

 

「なんでだよぉぉぉぉおぉ!!」

 

 

 

泣きそう。

 

 

 

こういう時は、YouTubeを見るに限る。

 

パソコンでYouTubeを開いた瞬間、パッと印象に残るサムネが飛び込んできた。イラストの高校の制服の女の子が映っていた。

 

あぁ、最近そこそこ有名になってきたVTuberってやつか。気になったので見てみると、女の子が楽しそ〜にゲームをしている。同接の人数も2000人弱ぐらい。ちょうどその配信は終わりに近かったらしく、女の子が、

 

 

 

「今日は終わりにします〜!」

 

 

 

と言うと、

 

 

 

「最後に告知です!カラソラ3期生を募集開始するそうです!デビューとかはまだ未定だけど。」

 

 

コメント:え、まじで?

コメント:3期生!?

コメント:カラソラも大きくなったなぁ

コメント:え、いつから?

 

 

「この配信終了後に公式ホームページで始まるそうです!VTuberやってみたい人、興味のある人は是非応募してね〜!」

 

 

コメント:行ってくる!

コメント:こりゃホームページ落ちるな

コメント:もしかして合格すればレンちゃんに会える の!?

コメント:俺も応募しようかな!

コメント:絶対無理だ。あきらめな。

コメント:なんでだよぅ!!

 

 

 

「初心者でも大歓迎なんで!では、おつれん〜!」

 

 

 

VTuberか。楽しそうだったなと思った。可愛かったし、なんと言ってもキラキラしてて眩しいくらいに思った。

 

 

 

最後応募とか言ってたな。とか言っても、すごい倍率だろうに。絶対当たらんとか思いながら、その配信の概要欄にあった応募ページのURLをクリックしてみる。そこには「どんな方でも歓迎します!」の文字と応募するのボタンが。

 

 

 

「まぁ、美少女になったんだし。この声なら売れそう。どうせこんな倍率高いオーディション?審査?そんなん通るわけないじゃん。」

 

 

 

と応募した。してしまった。

 

 

あの時はなんであんなこと思ったんだろう。血迷ったんだろうか。後々考えてみると、かなりやばいことをしてしまった気がする。黒歴史がまた追加されてしまった。こんなの忘れよう。そう思い、僕はベースを手に取り何とか弾けるように頑張ることにした...。

 

(ほとんど弾けなかった。)

 

 


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