ゲームって楽しいですよね!
私はパソコンを見つめる。画面に移るのは昔やっていたMMORPGゲーム。オンラインでみんなで魔王を倒しに行くストーリーで、やり込み要素が多いゲームだ。VTuberになってから疎遠になっていて約1ヶ月はログインできてない。操作とかは不安はないがまだみんなやっているんだろうか。私はそんな思いでログインした。
そもそも、なんでこのゲームをまたやろうとなったのかと言うと、3期生のみんなでやろうということで魔王と呼ばれている皇光が提案してきた。魔王が魔王を倒すのはどうなんだろうか。
そして、私は何となくこの1ヶ月放置していたアカウントでログインした。まだ3期生コラボ配信までは1時間くらいある。余裕だろう。
ログインすると、目の前には前に見た時と少し変わっているが、見慣れた風景が広がっている。私は基本ソロでプレイしていたが、1ヶ月前にそこら辺のプレイヤーを助けたらどうしてもギルドに入って欲しいと言われ、断れなかった私は渋々ギルドに入った。
私はステータス画面を開く。そこには私のプレイヤーネーム《miuna》の文字。私はVTuberになると決まり、その名前に慣れるために、プレイヤーネームを《miuna》にしたのだ。全然やってなかったけど。まあ、ありがちな名前だ。実際にこのゲームの前作にも「みうな」というキャラが登場していたのでまあ、身バレすることは無いだろう。別にギルメンと以外は連絡なんて取らないだろうし。
すると、ちょうどゲームにログインしているギルメンからチャットが飛んできた。
チャット欄
GODO:こんばんは〜
私は挨拶を返す。
toriningen:お久しぶりですね!
GODO:1ヶ月ぶりですか?
どうやら私のことを覚えていてくれたようだ。まあ、小規模ギルドだしな。
toriningen:みうなさんいつでもいらしてください!
GODO:そうですよ!
miuna:他のメンバーの人は?
toriningen:それが、人気VTuberがこのゲームやるって言うんでなんかそっちに行くみたいです。
へぇ〜。その人気VTuberって誰なんだろうな〜。そんなことを思いながら私はニヤニヤが止まらない。それ私です!ってとても言いたい。
GODO:いいですね!話しましょう?
miuna:え、いいんですか?
toriningen:はい!ぜひ話しましょう。
私はVCを繋げた。
『あ、みうなさん!こんばんは〜』
『こんばんは〜』
「こ、こんばんは〜」
『『...っ!?』』
「ん?どうかされました?」
『え、あ、いや、みうなさんってじょ、女子だったんですね。』
「びっくりしました?」
『はい。そりゃもう。このゲーム男の人が圧倒的に多いですし...』
『こんなかわいい声...』
『なんか犯罪臭しますよtoriningenさん』
『は、はい。すいません。取り乱しました。』
「ふっふっ」
『どうかされました?』
『おふたり面白いんですね。』
『そんなことないですよ。』
「楽しいですよ。」
なんか他のVTuberとコラボしているみたいだ。楽しい。
『あ、あ、そんなことより!狩りいきませんか?』
「すいません。私時間がそこまでなくて長いクエはちょっと。」
『え、じゃあこれならどうです?簡単でお得なクエが最近出たんですよ。』
「あ、いいですね!それ行きましょう!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
30分後
実は間違えて入ってしまわないようにこのアカウントを消そうと思ってこのギルドに別れを告げに来たのだが、なかなか切り出せずに思いっきり楽しんでしまった。配信まであと10分。私は意を決して別れを切り出した。
「あの、すいません。実はこのゲーム引退しようと思ってて、今日は最後に遊ぼうと思ってきたんですよ。」
『え、そうだったんですか...』
「はい、ですのですいません。ギルド抜けさせてもらいます。」
『はい、今日楽しかったです?』
「はい!楽しかったです!」
『良かった!また、機会があったら遊びましょう!』
『また!どっかで会いましょう!』
「ありがとうございました。また遊びましょう!」
私はギルドを抜け、アカウントを消した。discordも抜けた。さすがに少し名残惜しいがこれも仕方ない。そう思いながら、私はソラカラ3期生のVCに入っていった。残念ながら配信はもう始まっていた。また遅刻だ!やばい!
「ご、ごめんなさい、遅れました!」
「あ、みうちゃん来た。」
「も〜ギリギリだよ?何してたの?」
「そうだよ。みんなで初めてコラボ配信するのに〜」
「い、いやぁ...」
「まあ、いいや、ほら!挨拶して?コラボだから!」
「うん!こんみう〜!ソラカラ3期生蒼井美海だよ〜。」
「よし!それじゃあ、ゲームを始めようじゃないか!」
イケメン魔王のゲーム開始の合図で私は新しいアカウントでゲームを開始した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『みうなさん辞めちゃうのか...』
『まあ、リアルが忙しんだろうね』
『そうですね。あ、そうだもうすぐ他のメンバーが楽しみにしてたVTuberの配信が始まってる頃だ。見に行ってみません?』
『お!そうですね!』
そうして2人はゲーム名とVTuberで検索し、今回のコラボの1番登録者が多いVTuber「蒼井美海」の配信をクリックした。あれ、美海って...
「こんみう〜!ソラカラ3期生蒼井美海だよ〜。」
『『え?』』
先程まで聞こえてた声が配信画面から聞こえてくる。
『え!toriningenさん!』
『GODOさん!』
2人は驚き、再びdiscordの画面やゲームを確認するが既にそこにはmiunaのアカウントはなかった...
これもまた運命...ってね!
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