個人的に夏に聞くお茶や炭酸を氷の入ったコップに注ぐような音が好きです。
【ASMR】罰ゲームです。ASMR?なにそれ【蒼井美海】
「こんみう〜。ソラカラ3期生の蒼井美海だよ〜...」
コメント:こんみう〜
コメント:こんみう〜
コメント:こんみう!
コメント:元気ないな
コメント:どうしたの?
コメント:やりたくないんだろw
「やりたくない...ってか、これ提案したのお前らだろ!ねぇ、ASMRってどうやんの?わかんないんだけど。」
現在私はASMR配信とやらをしている。罰ゲームとしてやることになった。まじでやりたくない。てか、やり方がわからない。機材が家に無いので事務所に来てやらせてもらっている。一応、マネージャーの阿部ちゃんからは何かあったら呼んでくださいとは言われているが、早速呼んで全部やってもらいたい気分。
ASMRとやらをするには、この人の頭みたいなバイノーラルマイク?ダミーヘッド?を使うらしい。なんだこれ。どうすればいいんだ?
「と、とりあえず、いろいろ試してみるね。ダメだったら言ってな。」
コメント:わかった
コメント:OK
コメント:了解
私はASMRを全く知らなかったのでちょっと予習はした。ソラカラの人がやっているのを聞いてみたり、他の配信者や動画投稿している人のを見てみたが、一体何がなんやら。気持ちいいのはわかるがどうすればいいのかはさっぱりだ。小声で喋ればいいの?それってなんか違うような。
「じゃあ、パチパチするアメ食べまーす。」
とりあえず私は先輩がやっていたアメを食べるやつをやって見ることにした。
パチッパチ...パチパチパチ
コメント:よき
コメント:気持ちい
コメント:最高
私はマイクの左右を行ったり来たりしてみる。
コメント:いいねぇ
コメント:耳がぁぁ
コメント:ゾクゾクする
こんなのでいいのか?チャット欄の反応的に良いようだ。
「アメ甘すぎ」
しばらくやっていたら、甘すぎて気持ち悪くなってきたので、私は事務所に来る時に買ってきた炭酸飲料で胃の中に流し込む。
「ごくごく...んぐっ!?」
コメント:!?
コメント:どうした?
コメント:何が起きた!?
飲み込んだアメが喉の辺りでパチパチ。やばい、これ結構痛い。
「飲み込んだらやばい。喉痛い。うぅ...」
コメント:大丈夫?
コメント:痛そう
コメント:分かる
コメント:どんまい
「もうやめます。」
コメント:はやw
コメント:あきらめたなw
コメント:お前にはまだ早かった
コメント:ちゃんとやれ
コメント:まだやぞ
コメント:終わるな
「うぅ...しょうがないなぁ」
他にはなんも用意してないし、自分の声でやるしかない。リスナーのみんなもそれを望んでいるのだろう。でも、自分の声ってなるとどうやって出したらいいかいまいち分からない。男の時の声ならまだしも、女になってからどんな声がいい声なのか自分ではいまいちピンと来ないのだ。
「こ、こんな感じ?どうかな。」
コメント:なんかちがうw
コメント:何その声w
コメント:草
コメント:草
コメント:それほんとにみうちゃんの声?
コメント:やばw
「え、違うの?じゃあ、どうすればいいんだ...」
なんか違ったらしい。なんかとっても笑われてる。そんなにおかしかったかなぁ?
「みうちゃん、好きだよ。」
「う、ふわぁぁ...!?」
考え込んでいた私の右耳に甘〜いとろけるような声と吐息で好きと言われた。耳が孕みそうとはこういうことか。
「レン先輩!?なんでここに!?」
「後輩が配信していると聞いたので来ちゃった!」
「まじすか。」
「まじです。」
コメント:先輩降臨
コメント:レンちゃん!!
コメント:レンちゃんだ!
コメント:レンちゃん優しい
コメント:レンみうてぇてぇ
来ちゃった!じゃないよ。なんで来ちゃうんだよ。
たまたま事務所に来ていたレン先輩が、どこからか私が配信をしているという情報を仕入れてやってきたらしい。一体誰だここに連れてきたのは。
「先輩はASMRわかります?」
「わ、わかるよー?」
「え、ホントっすか!?ちょっとやり方がわからないので教えてもらえないでしょうか!」
「う、うん。おっけー...」
ん?なんか先輩の様子がおかしい。どうしたんだ?
そう思い、私はチャット欄を確認する。
コメント:まじか!
コメント:レンちゃんのASMR再び!?
コメント:久しぶりやな
コメント:またあれが聞けるのかw
コメント:気をつけてなw
コメント:またやりすぎんなよ
なんかやばい予感する。
すると、レン先輩がこう言い放った。
「えっとね、ちょうど一年くらい前にASMR配信をしたんだけど...ちょっとあっちな方向にやりすぎて1回BANされちゃったんだよ。」
「!?」
コメント:あれは凄かった
コメント:懐かしい
コメント:まだレンちゃんもデビューしたての頃
コメント:えちちだったわ
コメント:人のチャンネルではやるなよ?
え?この人何をやったんだ?元男としてはとても気になる。詳しく聞きたい。あ、でもBANはやだ。ここはいったん離れておいてもらおう。
「あの..やっぱ自分でやるんで、すいま、せん。やり方教えてもらえればいいので。」
「え〜いいじゃん〜。少しやらせて〜。」
私は背中を押して少し離れた場所に先輩を移動させた。
正直BANはキツい。まだまだVTuberは続けていたい。
「じゃあ、気を取り直して、やり方を教えるね。まず、声帯を使って息を吐きながら話すの。」
「やってみます。」
「あー。み、みなさぁんどうですかぁ?」
コメント:さっきよりはマシ
コメント:いい感じ
コメント:耳が気持ちいい
どうやら上手くできたらしい。
「あとは〜、セリフだね〜」
「せ、せりふ?」
「そう。ASMRだから、癒されるものや、ドキドキするような甘〜いセリフだよ。」
「んんん、難しいですね。何を言えば...」
「ん〜、みんな〜?なんて言って欲しい?」
コメント:好きだよって言って欲しい!
コメント:好き
コメント:愛してる
コメント:毎日お疲れ様って言って!
コメント:名前呼んで欲しい!
コメント:えちちなこと!
え、みんな私に何を求めてるの?男の私に言われて嬉しいの?あ、今は女だった。多分男であろうリスナーに言うのは想像するとちょっとキツい。
「んー、難しいなぁ...」
「じゃあ、私からリクエスト!『レン先輩、毎日配信お疲れ様。好き!』って言って欲しい!」
「わ、分かりました。」
「レ、レン先輩。毎日配信お疲れ様。だ、大好きだ、よ?」
「んっ!?ん〜///」
コメント:レンちゃんだけずるい!
コメント:いい声だ
コメント:レンちゃん悶えるのかわいい
「配信でこんな事言うの恥ずかしいな。へへっ///」
こんな私みたいなかわいい後輩に言われたら私だったら襲っちゃいそうになるな。うん。...ん?襲う?
気づくと、今にも襲ってきそうな目をしたレン先輩が真横に迫ってきていた。え、なになに?怖い怖い。童貞も卒業してないのに処女喪失しちゃうの?まじで?
私は先輩に抱きつかれた。
「ん〜、かわいいいいい!!!?!?」
「んあ!ちょ、ちょっと!ん〜!んっんっ...あっ...////」
コメント:なにしてるんだ!?
コメント:センシティブ
コメント:BAN
コメント:やばいw
コメント:運営止めろ!
コメント:やばいぞ
コメント:センシティブ
先輩が押し倒してくる。
「ダメですって先輩!」
ガチャ
部屋の扉が開く音。
「あ」
「あ」
コメント:あ
コメント:あ
コメント:あ
コメント:あ?
コメント:い?
扉が開いたと思ったら目の前にマネージャーの阿部ちゃんが怒った顔で立っていた。
「じゃ、じゃあね!おつみう〜!」
「おつみう〜!」
配信は終了しました
私たちは逃げるように配信を終わらせた。その後は...うん。1時間も怒られた。なんで私まで怒られなきゃならんのだ。やったのは先輩じゃないか。
そしてこの配信は消されることとなった...
挿絵っていります?実現するとは限りません
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別にいらない
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あった方がいい、いる
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絵を描け
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小説書くのに集中しろ