VTuberになるために   作:Cucu

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今回からはイベント回へと入っていきます!(ようやくだよ!)私的にはここまで来るのにかなりの長くなってしまったなって気がします。

私ってまだまだだ。




#31私はあれから

目覚ましが鳴る。私は鬱陶しいなぁと思いながら目を開けた。

 

現在時刻は朝6時半。

 

普通に起きる時よりだいぶ早い時間。

 

何故この時間に起きたかと言うと、今日は待ち望んだイベント当日だ。

 

私は移動に時間がかかるためなるべく早め早めに行動することにした。イベント自体は10時に会場にいなければならない。なのでここから会場までは車で大体50分くらいの場所なので、8時には家を出たいところではある。今日は阿部ちゃんに忙しいので迎えには来れないと言われ、どうしようかと悩んでいたところ、今日はイベントに出ないなでちゃんが車で来てくれることになった。

 

「なでちゃんが来るまでに準備しないと...」

 

んー、服はどれにしようか....動きやすいのがいいよな。うん、これにしよう。かわいいかも!

 

持ち物は、えーと?これとこれと...っと、あ、タオル入れてない!あっぶねー入れないと死ぬぞマジで。後は水筒かな。お茶が入ってるやつとスポーツドリンクが入ってるやつ。塩分タブレットとかもあったほうがいいかもな。こんなもんか。あとギターとベースを昨日スタッフさんに会場に持ってってもらった。ベースはレン先輩が私のを使いたいって言うから貸すことにした。

 

私はある程度の準備が出来たのでリビングの方へ行くと、お母さんがいた。

 

 

「おはよ、渚。」

 

「おはよ。お母さん今日仕事は?」

 

「そんなの休みにするわよ。なんて言ったって息子の晴れ舞台なんだから!」

 

「え、えぇ....あ、ありがと....私、頑張るからね!」

 

「がんばれ!....あ、そうだ渚。しばらく目つぶっといて?」

 

「う、うん....?」

 

一体何されるんだ?目を閉じてやることなんてあるか?

なんか顔にされてる。なんかこしょばいんだが?これがしばらく続いた。顔を動かしたいけど動かせない。

しばらくすると、

 

「OKだよ。目開けてごらん?」

 

その声が聞こえたので目を開けると、化粧してとてもかわいい私が目の前の鏡に映っていた。

 

「え、なにこれ....かわいい。」

 

「でしょ?渚、まだ化粧したことがないだろうなって思って。今日は勝負の日なんだからお化粧していかなくちゃね!」

 

「私?男だよ?ん?僕?私?....と、とにかく恥ずかしいよぅ....でも、なんか気合いが入った気がするよ。ありがとうお母さん。」

 

「うん、いいかんじよ!頑張っておいで。」

 

ピーンポーン

 

そこで玄関のチャイムがなった。なでちゃんだ。時間通り完璧にきたな。さすがね。

 

私は玄関に行き、ドアを開けると「かわいいぃぃぃぃーー!?!!」となでちゃんに思いっきり抱きしめられた。な、何するんだこのやろー!

 

すると、お母さんが家から出てきて、なでちゃんに挨拶をする。なんかなでちゃんの顔が赤くなってる。かわいい。

 

私はお母さんに車に乗るように促される。ちぇー、私も話に混ぜてくれてもいいじゃないか。と思いながらも車に乗り込む私であった。

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

あのふたり2人の会話ながすぎ!女の人って会話が長い気がするけどなんでだろうな。

 

「ふぁ〜あぁ。。」

 

眠いな。流石に普段の生活習慣からしても、普通にこの時間に起きるにしてもいつもより早めであるため、大きめのあくびをしてしまった。

 

 

最近は夏休みで夜更かしができるので深夜まで配信していることがある。阿部ちゃんからは体に悪いからやめて欲しいと言われているが、気づいたら2時とか3時になってしまっていることが何回かあった。さっきまではまだ○○時だったのに〜!ってなる。そういう訳でいつもはこの時期に行われる夏の甲子園の1試合目の8回ぐらいの時間に起きる。

大体10時半くらい。そっから歌のレッスンにいって日々頑張っている。

 

それが今日は6時半起き。今すぐにでも寝たいかも。

 

すると、なでちゃんが車に乗ってくる。

 

「おそーい。お母さんと何話してたの?」

 

「ん?みうちゃんかわいいよねって言う話よ。」

 

「ばか。」

 

2人で一体なんでそんな話をしてるんだ。なでちゃんはいつもの事にしてもお母さんまで。やめてくれよー!

 

「ふふふ」

 

「なんで笑うんだよ!」

 

「なんででしょうね?ふふふ」

 

「もぅ〜。」

 

からかいやがって。くそ!絶対配信でこのこと言ってやる!

 

「ふぁぁぁあ」

 

また大きなあくびが漏れる。

 

「みうちゃん眠いの?」

 

「う、うん...ちょっとね。」

 

「あなた最近深夜まで配信してるでしょ。自分の生活も大切にしなさいよ。」

 

「うん〜。ん?ってことはなでちゃん、私の配信見てるってことじゃん。」

 

「ん、べ、別にいいでしょ!私が何見たって私の自由じゃない!」

 

なでちゃんが顔を赤くして言うものだから、ついにやにやしてしまう。

 

「ふあぁぁ....」

 

やっぱり眠いかも。会場に着くまでまだ時間あるし寝ちゃおっかな。

 

目をつぶるとすぐに夢の中へ沈んでいった。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

今日はイベント最終日。

 

といっても、今日は私の出番は無い。昨日は私もソラカラ3期生としてステージに立った。ファンの人達が沢山来てくれていて、熱気が本当に凄かった。今思い出しても鳥肌が立つくらい。とっても楽しかった。

でも、今日も会場へ行くため、私は車を走らせている。今日はみうちゃんの日だ。

 

 

 

 

よし。みうちゃんの家に着いた。私は車をみうちゃんの家の玄関の前に止める。

 

みうちゃんの家はいつもお母さんが仕事でいないらしく(お父さんは知らない)、みうちゃんは基本1人で過ごしているみたいなので、私はみうちゃんに世話をやきたくなってしまうんだよな。高校生で家で1人なんて大変だろうに。

 

 

ピーンポーン

 

 

私は玄関のチャイムを鳴らす。

 

 

ガチャ

 

 

ドアが開くと、そこには天使がいた。すっぴんでもあんなにかわいいのに、今日はお化粧をしている。かわいくないはずがない。

 

「かわいいぃぃぃぃーー!?!!」

 

あ、ついつい抱きしめてしまったよ。ごめんね、みうちゃん好きのみんな。この天使は私のものだ!うへへ。

強く抱きしめるとみうちゃんがじたばた暴れるので暫くしたら離れる。

 

すると、家の中からもう1人の女性が出てきた。も、も、もしかして、いや、もしかしなくても、お、お母様!?

 

「あら、あなたがなでちゃん?こんにちは。渚の母です。」

 

「こ、こんにちは!」

 

みうちゃんのお母さんに会うのは初めてだ。みうちゃんと一緒でとっても美人。みうちゃんがかわいいのは遺伝かな?

 

「あ、渚?車に先に乗ってなさい?ちょっと話したいことがあるから。」

 

「はーい」

 

みうちゃんが私の車に乗り込む。少し話したそうにしてたけど、お母さんが言うならしょうがないな、みたいな顔してた。

 

「渚からいつも話は聞いてるよ。いつもお世話になっているようで。ありがとね。」

 

「いえいえ、こっちの方がお世話になってますよ!登録者とかみうちゃんの方が圧倒的に多いですから!」

 

「あらそう?話によると、レンちゃん?っていう人と美海を取り合いしてるって聞いたけど?ね?()()()()()?」

 

「ぁ...いゃ...そのぅ...///」

 

お母様にお姉ちゃんとして認知されてるぅ!?やばいやばい。しかも、この前のレン先輩とやったみうちゃんを語る配信を見られていたのか!?は、恥ずかしすぎる!?

 

「いいのよ。それだけあの子のことを好いてくれている人がいるんだもの。実はここに引っ越してきたのも今年の春でね、引っ越した事情はあんまり言えないんだけど、渚がその事情のせいで周りのことを無理に遠ざけようとしていた気がするの。もともと人見知りではあったけどね。」

 

「そうなんですか。」

 

たしかにみうちゃんだけはデビューしたての頃、あまりコラボとかしてなかったり、今より喋ってなかったような気がする。

 

「でも、今は学校でも少しづつだけど楽しくやっているようだし、VTuberのほうでも今ではあの子なりに一生懸命やっている。それに、あなたみたいに渚のことを好きな人が沢山いてくれてるんだものね。だから、あなたには感謝したいのよ。最初にコラボしてくれたのあなただったでしょ?」

 

「はい。」

 

「私はあなたを信用してる。だから、あの子をこれからも見守ってあげて欲しい。」

 

「そう、ですね。私もみうちゃんのことをずっと見ていたいです!」

 

「ありがとう。頼んだわよ。」

 

「はい。」

 

「今日は渚のこと、よろしくね。行ってらっしゃい。」

 

「はい。行ってきます。」

 

私は見送られながら車に乗り込む。

 

「おそーい。お母さんと何話してたの?」

 

「ん?みうちゃんかわいいよねって言う話よ。」

 

「ばか。」

 

「ふふふ」

 

「なんで笑うんだよ!」

 

「なんででしょうね?ふふふ」

 

「もぅ〜。」

 

つい笑っちゃう。やっぱりみうちゃんはかわいいよ。みうちゃんはこうでなきゃね。

車を走らせていると、みうちゃんが大きなあくびをしたため、私は寝ることをおすすめする。

 

しばらくすると、みうちゃんは目を閉じ眠ってしまった。

 

みうちゃんの寝顔を見ながら思う。

 

なんだか大役を任せられちゃったな。でも、今は今日のイベントに集中!絶対に成功させる!私もみうちゃんを精一杯サポートする!見ている人全員を笑顔にするために!

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「......きて!起きてみうちゃん!」

 

「んぁ...」

 

「あ、ようやく起きた。もう会場ついたよ。」

 

「う、うん。運転ありがと。今何時?」

 

「どういたしまして。今はね...9時ちょっと前くらい。」

 

「余裕だね。」

 

「時間的には、ね。でも、実際に今回出るとことか確認しておいた方がいいよ。」

 

「そ、そうだね。」

 

「あと、スタッフさんには感謝してね。みうちゃんのために色々考えてくれたんだから。」

 

「そうだね。お礼言えたら言うよ。」

 

「じゃあ、はい!」

 

「へ?」

 

なでちゃんが私に向けて背中を見せてしゃがんでくる。

 

「おんぶ!」

 

「え〜、恥ずかしいよぅ。」

 

「いいのいいの!はい乗った乗った。」

 

私はしぶしぶなでちゃんの背中に乗る。

 

「はいこれ」

 

「おお!それっぽい!」

 

なでちゃんから首からかけるストラップ付きのカードを手渡される。そのカードには私の名前と関係者と書かれていた。なんかこういうのって普段はいれないところに入る気分でワクワクするよね。

 

「これを入口の警備員さんに見せないと入れないの。」

 

「なるほど。」

 

しばらく歩くと警備員さんがいて、私たちはそれを見せながら入っていく。

 

明らかに私のことを怪しい目で見てたけど。私ってそんなに子供っぽく見える?それとも、私のことがかわいすぎて見てた?いや、それは....無いな。

 

会場の控え室に着くと、今日出る先輩たちはもちろん、今日は出ない先輩方や3期生の人たちもいた。全員ではないけど。

 

知らない人達が多いので、心の準備をしたかったけど、なでちゃんにおんぶされてたから、ずんずんと中に入って行ってしまい、私はコミュ障を発動したのだった。

 

 

 

 





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