難しかった....
最終回じゃないです。はい。
誤字報告よろしくです。
感想待ってます。
「みーんなー!!今日は来てくれてありがとー!!最っ高のライブするから、盛り上がっていこーー!!まずはこの曲だよ!」
「〜〜〜♪」
みかん先輩がステージに立ってお客さんたちに向かって叫び、曲が流れ始める。
す、すげぇ....生ライブ最っ高だぁ。生きててよかったぁ。
私は先輩が歌っているのをモニターで見ている。
ライブが始まっのだ。それに対してのワクワクと不安の気持ちが入り混じる。
トップバッターはレン先輩。最推しのライブを真っ先に見れて私は幸せ。この人は私の目標であり、原点。VTuberを始めたきっかけの人のライブをまさか私もライブする側で見るなんて、4ヶ月前の私は思ってもいなかっただろうな。いや、あの時はまだ「僕」だったか。まぁ、そのままの私だったら、ライブに来るような行動力はなかっただろうけど。
しばらく見ていると、レン先輩が歌い終わり、次のカケル先輩にバトンタッチした。どんどん私の番が近づいてくる。
ちなみに、私はトリ。なんでまた私がトリなの〜!?って最初は思ったけど、私は怪我しているからその方が都合がいいらしい。いろいろと。
私たちはこの夏、たくさん練習してきた。今日のメンバーはみんなお揃いのアイドル衣装を着ている。私や3期生のみんなは3Dのアバターがまだできていないので、2D。でも、運営さんのサプライズで、アイドル衣装の2D、つまり、新衣装が用意されていた。
流石に、イベント3日目なので前の1、2日目にライブを行った3期生がアイドル衣装で登場しているのをTwitterなどで知っていたので驚きはしない....んだけど、初めて見せてもらった時は恥ずかしいことに、「わぁ〜!!」声を出してしまった。
だって、かわいすぎるんだよ!
にしても、先輩たちのライブのクオリティが半端じゃない。歌もダンスも。かわいいし、かっこいい。
視聴者からしたら、歌以外にもいつもの配信時と違うところがあったり、そのライバーのいい所が際立って見えたりして楽しいと思う。
でも、それは普段から視聴者より近くにいる私から見るとそのギャップがあまりないように感じる。みんな真面目に練習してたし、すごい頑張ってたのがよくわかる。
「すごいね....!」
横で見ているなでちゃんが独り言のように言った。けど、私は無言で頷く。
「ん?みうちゃん、緊張してる?」
「もちろんだよ....でも、ここまで来たらやるっきゃない!ここで男見せないでどうするよ!」
「あなた女の子でしょ....ん、でもその調子なら大丈夫そうね。」
「うん!...ねぇ、なでちゃん、手、握って?」
「んもぉ〜、いいよ。はい。ぎゅ〜!みうちゃん頑張れ〜!!」
なでちゃんが私の手を握って思いっきり念を送る。なんだかパワーがみなぎってきた!これで私は無敵だ!
「あ、出番もうすぐだよ。一人で行ける?」
「うん、自分で行く!」
「わかった。行ってらっしゃい!」
「いってきます!」
私は先輩たちがいる部屋へ自分の足で向かった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私の前の番のみかん先輩が歌い終わった。みかん先輩はやっぱり1番人気があるので盛り上がりがすごい。
「さぁ!みんな!今日の主役と言ってもいい人の登場だよー!みうちゃーん!!」
何故か主役にされる私。主役はみかん先輩では?って感じにツッコミたいのを抑えてその時を待つ。
画面に新しい姿の私が表示された。お客さんから「おー!!」というような声が聞こえる。すごい熱気が画面から伝わってきそう。
「アイドルのみうちゃんかわいい〜!!」
「ど、どうも。」
「いいね!よし!頑張ってね!」
その言葉を最後に、みかん先輩が見えなくなってしまった。
ついに1人だ。心臓の音がマイクを通してたくさんの人に聞こえてしまいそう。でも、今ここは私のステージ。ここはやっぱり、女らしく、そして
「こんみう〜!ソラカラ3期生青井美海だよ〜!!」
お客さんたちが声やペンライトを使って反応してくれる。
「今日は初めてのライブで、やっぱりめっちゃ緊張してます。でも、たっくさん練習したので、是非楽しんでいってください!!」
さっきより大きめの歓声。
「まず一曲目はこの曲!!」
私が合図すると1曲目が流れ始めた。
最初の曲は私が選んだ。何を歌うべきか悩んだけど、レン先輩の提案で、私とのオフコラボで初めて演奏した曲になった。でも、今日はあの時と違って歌う側だ。しかも大勢の前で歌わなければいけない。
「〜〜〜♪」
楽しい曲なので、あまり動くことはできないけど、できるだけ動きをつけて見せる。音に合わせて体を上下させてみたり、顔を最大限伝わるように動かす。
別に練習とかしていた訳では無いけど、自分では結構楽しくやれていると思う。歌もレッスン始めた頃から比べたら、格段に上手くなった....はず。
「はぁはぁ。」
よし!上手く歌いきれた!ヘマもしてないはずだ。でも、運動はできていないので息は切れている。
「ふぅ...」
軽く息を整えたら...
「よし!2曲目!!」
次の曲が始まる。みこみこ。さんの曲だ。この曲を歌うことはみこみこ。さんに直接許可を取った。そしたら、目を輝かせて、「もちろんっ!!」と二つ返事でOKしてくれた。ありがとうななちゃん!
「〜〜〜♪」
ななちゃんはさっき私のトークブースに来たってことはこのお客さんの中のどこかにいるはずなので、本人に迷惑がかからないよう完璧...とまでは行かないが、1番練習したと思う。
お客さんの反応がものすごくいい。私の歌に合わせて手拍子や掛け声をしてくれる。楽しい!最っ高!ななちゃん、こんな素敵な歌作ってくれてありがとう!!
私は思いっきり歌った。まさにこの瞬間が一瞬ですぎていくように感じ、まだこの時間が続いて欲しいと思った。
「最っ高ーー!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ライブは成功した。お客さんも本当に楽しんでくれているように見えた。嬉しい。今回は足の怪我で満足いくようなライブが出来なかったけど、今の最大限はできた気がする。
でも、まだこれからサプライズがある。実はバンドのライブは告知していないのだ。しかも、このライブのことを知ってるのはライブをする私たちとスタッフさんたちだけ。他のソラカラのライバーもこのことは知らないよ!
ってことで、ここまで5人で練習してきた成果、ここで輝かせよう!私もまだ物足りなさを感じているところだ!
そして同じ部屋に、白榊みかん先輩、嵐山黄夏先輩、黒騎カケル先輩、赤刎レン先輩、そして私が集まった。レン先輩の提案で円陣を組んだ。私、部活やった事ないからこういうの初めてなんだよね....べ、別に悲しくないし!
「掛け声誰がする?」
「やっぱり、ここはみうちゃんでしょ。」
「わかった。....えっと、このユニットの最初の1歩だと私は思っています。ここまでみなさん頑張ってきたと思うし、サプライズ成功させて、最高のパフォーマンスしましょう!」
「「「「おー!!」」」」
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〜間宮さん〜
みうちゃんのライブ最っ高!!まじ可愛かったし、とても上手いとは言えないけどすごく練習したんだろうなっていうのが伝わってきた。前に私に曲を使ってもいいか確認しに来た時は少し驚いたけど、是非歌ってもらいたいから即OKした。
「最っ高ーー!!」
みうちゃんが歌い終わったらそう叫んで画面から消えてしまった。するとすぐに、画面が真っ暗になり、何も見えなくなる。
実はこの3日間全ての日にここに来ていました。んで、その私だからわかるが、昨日までとはなんだか雰囲気が違う。
昨日は最後の奏ちゃんが歌い終わったあと、他の人たちもすぐに出てきて挨拶して終了という流れだったのに、今日はすぐに出てこないどころか3分くらい待っている。
そろそろ観客もザワザワし始めた。機械のトラブルかみうちゃんが何かまたやらかしたのではないかと話している人もいる。
私は勝手ながらみうちゃんの傍にずっといたいと思う。色々やらかしてしまうところも、少し女の子らしくないところも含めて守ってあげたい。だから、私はVの体を手に入れて、みうちゃんの近くに行きたいと思った。それももうすぐ叶う。Vの体を依頼したところ、もうすぐできると昨日連絡が来た。これでみうちゃんとコラボする時もやりやすくなるだろう。
みうちゃん大丈夫かな?ほんとに何かやらかしてない?さすがの私も心配になってきた。
すると、画面に一筋の光が、現れた。そこに5人のシルエットが現れる。
そして、光が5人に当たって、その姿が見えてくる。そこには、見たことの無い、それぞれのメンバーカラーのお揃いの衣装を着て、楽器を持ったみかんちゃん、黄夏くん、カケルくん、レンちゃん、そして、みうちゃんが立っていた。みうちゃんだけ2Dだけど、なんと今日2つ目のライブ新衣装だ!!ま?これ夢?
演奏が開始される。みんな楽器はお飾りじゃなく、ちゃんと弾いてる。完成度高すぎ!こんなのかなり練習しないと弾けないはずだよね!?ってか、聞いたことがないと思ったら新曲じゃん!すごい!
この人たちどんだけ頑張ったんだ?ほぼ毎日のように誰かしらは生配信してるし、歌やダンスの練習もあるだろうし。特にみうちゃんほんとに無理しすぎじゃないか?
ううん、今はそれを考えるのはやめとこう。この人たちの頑張りを目に焼き付けておこうかな。そして、ソラカラのいちファンとしてこのライブを楽みたい!
でも、私はそんなことを意識しなくても5人の演奏と歌声に引き込まれ、最後まで一生懸命ペンライトを振っていたのだった。