VTuberになるために   作:Cucu

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遅くなってすいません。

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#37学校行事

10月。

そろそろ気温も下がってきて、過ごしやすい日中が続く。この前、体育祭があった。クラスの中で二人三脚が1番早かった私とななちゃん。私はこれなら勝てる!!と張り切っていたのだけど....本番に私がコケてしまって順位は下から2番目。またやらかしてしまったよ...

私が男だったら、絶対笑われたり、ヤジが飛んでくるところだったけど、そんなことはなく、応援や心配する声がクラスメイトから送られながら残りを2人で走った。うぅ...ありがとよみんな。こんな私のために...

 

ちなみに、他の競技ではクラスメイトが1位を独占し、クラス最優秀賞に選ばれていた。みんな強すぎ。

 

 

 

まあ、それが1週間前の話。今日はと言うと...

 

「は〜い、今日は文化祭で何をやるか決めま〜す。」

 

学級長のななちゃんがクラスメイトに合図をかけた。

 

今は約1ヶ月後にある文化祭に向けての準備期間。どのクラスも、放課後も教室に残り準備をしている。

 

この学校では、クラスでお店を出して、部活や同好会などが外で屋台を出す。ステージは生徒会がイベントをしたり、有志を募っている。誰でも参加OKらしい。毎年、ダンスやバンドなどたくさんの参加者がいて、とても盛り上がるらしい。

 

ちなみに私は去年までは違う学校だった為、この学校の文化祭がどういうものかはあまり知らない。前の学校の文化祭もあまりよくは知らないけど...去年は当日に風邪をひいて行けなかった...

────友達もいなかったからまあ別にいいんだけどね!ハハッ!

 

 

 

はぁ...

 

 

 

「遊園地!」「占い!」「お祭り!」「脱出ゲーム!」...

 

 

様々な案をクラスメイトたちが挙げていく。それをななちゃんが黒板に書いていく。多数決を取り、人数が多かったものが残った。そして、絞られたのがこのふたつ。

 

 

 

「お化け屋敷」「メイド喫茶」

 

 

 

え...?正直どっちもやりたくないんだが?

 

クラスを見渡すと、女子たちはメイド喫茶に反対意見を言っているようだ。恥ずかしいだの、キモイだの。

 

でも、メイド喫茶は男子からの推しが強く、男子と女子との間でバトルが大きくなった。口論になったところで、ななちゃんの意見で机に伏せて多数決をとることでみんなが「それなら...」と納得した。

 

 

 

 

結果は────

 

お化け屋敷19、メイド喫茶21

 

という感じになった。

 

 

 

 

「メイド喫茶に決定!」「よっしゃ!」

「キタコレ」「楽しみ!」

 

男子たちが大喜びしている。

 

そして、文句を言う女子たち。

 

「嘘〜、なんでそうなるの!?」

「この1票だれ?」「最悪。」

 

僅差でメイド喫茶が勝った訳だが、男子20人、女子20人で40人のこのクラス。こんなことあるってぐらい票が割れたな。実際誰がどっちにあげていたかは分からないけど多分メイド喫茶の票は()()()()男子だろう...

誰だよこの1票!女子か?女子の誰かか?

 

 

 

 

 

「おつかれ〜」「部活行こ!」「それでさ〜...」「遊びに行こーぜー」

 

今日はとりあえずメイド喫茶に決定したので解散になった。クラスメイトたちは各々帰る人だったり部活に行ったりしている。

 

「メイド喫茶でもメイド以外の仕事あるよね...」

 

「なぎちゃん!」

 

私が独り言を呟いていると、ななちゃんが帰りの準備を終えて私に話しかけてきた。

 

「ん?ななちゃんどうした?あの1票の犯人誰かわかった?」

 

「あ、その1票私よ。」

 

「え!?ななちゃんだったの?なんでメイド喫茶にしたの?」

 

「そんなの決まってるじゃない!なぎちゃんのメイド姿見るためだよ!」

 

「マジで言ってる?この人。」

 

やばっ。心の声が漏れてしまった。

 

「マジマジ。大マジ。」

 

マジらしい。へ?マジなの?

 

「そ、そうなんだ。良かったね!メイド喫茶になって!」

 

いや、良くないよ?私は嫌なんだけど?

 

「うん!...ところでさ、文化祭のステージ...いつメンでバンド、やろうよ!!」

 

「へ?」

 

バ、バンド?まさかあの体育館で大勢の前に立ってライブするって...コト???

 

「もう生徒会に申請書出しといたからね!」

 

「え〜!?」

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

はい、こんみう〜と、いうことでね。(配信じゃないです)

あれから1日経ちました。そして、バンドやることになりました〜。バンドやろうぜ!ってね、言われました。もちろん断れませんでしたよ。

 

そして私は今、事務所のソファでダラダラしていて、横にはレン先輩がいます。毎度の如く、色々と弄られている。

 

「ボイス収録どうだった?」

 

レン先輩が聞いてきた。私が今日事務所に来たのは文化祭シチュエーションのボイスを収録するためだ。今度発売するらしい。要するにお仕事。そしてそこにたまたま居合わせたのがレン先輩である。

 

「いや〜、ムズすぎますね私には。今まであんなことやった事ないし。」

 

「そうだよね〜、私は何回もやってるけど変なところに力が入っちゃうことあるよ〜。あるあるだよね〜。」

 

「そもそも私、本物の文化祭やったことないからわかんないんですよね〜。」

 

「え?そうなの?みうちゃんって現役JKだよね?」

 

「そうですよ?でも、地元の中学校にはそれらしいものもなかったし、去年は風邪で休んでしまったから1度もやったことも行ったこともないんですよ。だからシチュボとかでもいまいち掴みきれないというか....」

 

「そ、そうなんだったんだ。なんか...ドンマイだね。」

 

「いや、いいんですよ。文化祭なんて陽キャたちがはしゃぐ行事。陰キャの私は1人でしたから。」

 

「あっ...」

 

陰キャの私が文化祭に行けたってどうせ1人で回るか人気のないところで時間を潰すしか出来ないから、家でゆっくり動画とかゲームしてた方がマシなの。だから別に行けなくても悲しくないさ!断じて悲しくない。うん。

 

「で、でもさ!今年は大丈夫なんじゃない?」

 

「なんでですか?」

 

「だってみこみこ。さんがいるじゃない!」

 

「そうなんですよ。そこが問題というかなんというか。」

 

「どういうこと?」

 

「私のクラスはメイド喫茶やることになったんですけど、みこみこ。さんは私にメイドをやらせたいみたいなんですよね。」

 

「...ほう?」

 

そこでレン先輩の目付きが変わった。

 

「しかも、ステージでバンドやろうって言うんですよ。バンドですよ?全校生徒の前で。無理じゃないですか。私死んじゃう。」

 

「...ほうほう。よし決めた私その文化祭行く。私も入れるよね?みうちゃんの先輩なら。」

 

「えっと...チケットがないと入れないようになってるみたいですよ?うちの文化祭。だから私が渡さないと来れないですね!」

 

いや、ほんとに来て欲しくないんですけどっ!メイド姿なんて見られたくない!恥ずか死しちゃう!

 

「いやいや、みうちゃんのメイド姿見逃す訳には行かないでしょ。」

 

「ダメです!見られたくない!」

 

「だめ?...あ、そうだみうちゃんじゃなくてみこみこ。さんに頼めばいいんだ。そしたら、チケットくれるかも!」

 

そう。先週また私について語る会の配信が行われたらしいのだ。そこでそのメンバーに加わったのがみこみこ。さん。最初は2人を敵対視していたけど、次第に私についてのトークで盛り上がり、最終的にめっちゃ仲良くなってた。

 

「そ、その手があったか!やばいっ!」

 

「よし!奏ちゃんも誘って文化祭に乗り込むぞ〜!」

 

「えぇ〜...」

 

どうやら初めての文化祭は過酷なお祭りのようだ。

 

 

 




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